目・耳・鼻(感覚器官)と、皮膚・骨・関節・筋肉(運動器官)の構造を、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」令和8年4月一部改訂 第2章 Ⅰの2・3の記述に沿って表で整理します。眼球の各部、外耳・中耳・内耳、皮膚の3層、骨格筋・平滑筋・心筋の違いと、登録販売者試験での押さえ方を説明します。
目次
結論:登録販売者試験の根拠になっている厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月一部改訂)は、第2章 Ⅰ「人体の構造と働き」の2で目・鼻・耳(感覚器官)、3で皮膚・骨・関節・筋肉(運動器官)を取り上げています(手引き32〜38ページ)。目は眼球・眼瞼・結膜・涙器・眼筋、耳は外耳・中耳・内耳、皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層、筋組織は骨格筋・平滑筋・心筋に分けて書かれています。試験は手引きから出題され、第2章は20問です。
目や耳の構造を調べている人にも、登録販売者試験の受験者にも使えるよう、この記事は手引きの記述を、表にして整理します。体の仕組みについての一般的な説明であり、特定の症状への助言ではありません。症状や薬について迷うときは、医師・薬剤師に相談してください。
手引きの版:登録販売者試験問題の作成に関する手引きの最新版は「令和8年4月」です(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)。実施要領は、手引きを必要に応じて原則として年1回改訂するものとし、都道府県知事が試験の施行を公告した後に改訂された部分は出題しないとしています。最終確認日:2026-10-21。出典:厚生労働省 登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)、手引き本文(PDF)、登録販売者試験実施要領。
手引きのどこに書いてあるか:第2章 Ⅰ の2と3
手引きの第2章「人体の働きと医薬品」は、Ⅰ「人体の構造と働き」、Ⅱ「薬が働く仕組み」、Ⅲ「症状からみた主な副作用」などで構成されています。Ⅰは、次の4つに分かれています。
| 手引きの見出し | 取り上げられている器官 | 手引きのページ |
|---|---|---|
| 1 胃・腸、肝臓、肺、心臓、腎臓などの内臓器官 | 消化器系、呼吸器系、循環器系、泌尿器系 | 21〜31ページ |
| 2 目、鼻、耳などの感覚器官 | 目、鼻、耳 | 32〜35ページ |
| 3 皮膚、骨・関節、筋肉などの運動器官 | 外皮系(皮膚)、骨格系、筋組織 | 35〜38ページ |
| 4 脳や神経系の働き | 中枢神経系、末梢神経系(自律神経系を含む) | 38〜40ページ |
出典:手引き(令和8年4月一部改訂)の目次および第2章 Ⅰ。
この記事で扱うのは、表の2と3です。内臓器官(消化管や肝臓など)を含む第2章を含めた章ごとの進め方は、問題演習の使い方にあります。
感覚器官の説明は、次の文章から始まります(手引き32ページ)。外界の種々の現象を刺激として脳に伝えるための器官で、「視覚器(目)」「嗅覚器(鼻)」「聴覚器(耳)」が、それぞれ独自の機能を持ち、他の器官ではそれらを感じとれない、とされています。また、各感覚器は外気と直接触れる状態にあり、病原物質、アレルゲン等の様々な異物に曝されている部分でもある、とも書かれています。
目の構造:眼球と、眼瞼・結膜・涙器・眼筋
手引きは、目を「視覚情報の受容器官」とし、明暗、色、位置、時間的な変化(動き)を感じとる眼球と、眼瞼、結膜、涙器、眼筋等からなる、と書いています(手引き32ページ)。顔面の左右に1対あり、物体の遠近感を認識することができる、とされています。
眼球の各部
眼球は、頭蓋骨のくぼみ(眼窩)に収まっている球形の器官です。各部の記述を表にします(手引き32〜33ページ)。
| 部位 | 手引きの記述(要点) |
|---|---|
| 角膜 | 眼球の外側のうち、正面前方付近(黒目の部分)のみを覆う透明な部分。血管が通っておらず、房水によって栄養分や酸素が供給される |
| 強膜 | 角膜以外の部分を覆う、乳白色の比較的丈夫な結合組織 |
| 房水 | 角膜と水晶体の間を満たす組織液。眼内に一定の圧(眼圧)を生じさせている |
| 虹彩 | 水晶体の前にあり、瞳孔を散大・縮小させて、眼球内に入る光の量を調節している |
| 水晶体 | 透明で血管が通っていない。主に厚みを変化させて遠近の焦点調節を行う。周りを囲む毛様体の収縮・弛緩で、近くの物を見るときは丸く厚みが増し、遠くの物を見るときは扁平になる |
| 硝子体 | 水晶体から網膜までの眼球内を満たす、透明のゼリー状組織 |
| 網膜 | 光を受容する細胞(視細胞)が密集している。受容した光の情報は網膜内の神経細胞を介して神経線維に伝えられ、神経線維は眼球の後方で束になって視神経になる |
出典:手引き32〜33ページ(第2章Ⅰの2の1の(a))。
紫外線を含む光に長時間曝されると、角膜の上皮に損傷を生じることがあり、これを雪眼炎(雪目)という、と手引きは書いています。
網膜の視細胞には、色を識別する細胞と、わずかな光でも敏感に反応する細胞の二種類があります。後者が光を感じる反応にはビタミンAが不可欠で、ビタミンAが不足すると夜間視力の低下(夜盲症)を生じる、と書かれています(手引き32〜33ページ)。
眼瞼・結膜・涙器・眼筋
(b) の見出しに、眼瞼、結膜、涙器、眼筋が並んでいます(手引き33ページ)。
| 部位 | 手引きの記述(要点) |
|---|---|
| 眼瞼(まぶた) | 眼球の前面を覆う薄い皮膚のひだ。物理的・化学的刺激から目を防護する。皮下組織が少なく薄いため、内出血や裂傷を生じやすく、むくみ(浮腫)等、全身的な体調不良(薬の副作用を含む)の症状が現れやすい部位 |
| 結膜 | 眼瞼の裏側と、眼球前方の強膜(白目の部分)とを結ぶように覆って組織を保護している薄い透明な膜。中を通っている血管が外部から容易に観察できる |
| 涙器 | 涙液を分泌する涙腺と、涙液を鼻腔に導出する涙道からなる。涙腺は上眼瞼の裏側にある分泌腺 |
| 眼筋 | 眼球を上下左右斜めの各方向に向けるため、6本の眼筋が眼球側面の強膜につながっている |
出典:手引き33ページ(第2章Ⅰの2の1の(b))。
結膜の充血と強膜の充血の違いも、手引きに書かれています(手引き33ページ)。結膜の充血では、白目の部分だけでなく眼瞼の裏側も赤くなります。強膜が充血したときは、眼瞼の裏側は赤くならず、強膜自体が乳白色であるため、白目の部分がピンク味を帯びます。
目を使う作業を続けると、眼筋の疲労のほか、遠近の焦点調節を行っている毛様体の疲労や、周期的まばたきが少なくなって涙液の供給不足等を生じ、目のかすみや充血、痛み等の症状(疲れ目)が起こる、と手引きは書いています。メガネやコンタクトレンズが合っていなかったり、神経性の疲労(ストレス)、睡眠不足、栄養不良等が要因となって、慢性的な目の疲れに肩こり、頭痛等の全身症状を伴う場合を眼精疲労という、とされています。
鼻の構造:鼻腔と副鼻腔
手引きは、鼻を「嗅覚情報の受容器官」とし、空気中を漂う物質を鼻腔内に吸い込み、その化学的刺激を感じとる、と書いています(手引き34ページ)。食品からの嗅覚情報は、舌が受容した味覚情報と脳において統合され、風味として認識される、とも書かれています。
| 部位 | 手引きの記述(要点) |
|---|---|
| 鼻腔 | 上部の粘膜にある特殊な神経細胞(嗅細胞)を、においの元となる物質の分子(におい分子)が刺激すると、その刺激が脳の嗅覚中枢へ伝えられる。においの感覚は非常に鋭敏だが順応を起こしやすく、同じにおいを継続して嗅いでいると次第に感じなくなる |
| 鼻中隔 | 薄い板状の軟骨と骨でできていて、鼻腔を左右に仕切る。前部は毛細血管が豊富で粘膜が薄いため、傷つきやすく鼻出血を起こしやすい |
| 副鼻腔 | 鼻の周囲の骨内にある空洞の総称(目と目の間、額部分、頬の下、鼻腔の奥)。いずれも鼻腔と細い管でつながっている。骨の強さや形を保ちつつ重量を軽くするためにある |
出典:手引き34ページ(第2章Ⅰの2の2)。
鼻腔の粘膜に炎症を起こして腫れた状態が鼻炎で、鼻汁過多や鼻閉(鼻づまり)などの症状を生じます。副鼻腔は、鼻腔と連絡する管が非常に狭いため、鼻腔粘膜が腫れると開口部がふさがりやすくなり、副鼻腔に炎症を生じることがある、と手引きは書いています。
耳の構造:外耳・中耳・内耳
手引きは、耳を「聴覚情報と平衡感覚を感知する器官」とし、外耳、中耳、内耳からなる、と書いています(手引き34ページ)。側頭部の左右両側に1対あり、音の立体感を認識することができる、とされています。
| 区分 | 含まれる部分 | 手引きの記述(要点) |
|---|---|---|
| 外耳 | 耳介、外耳道 | 耳介は軟骨組織が皮膚で覆われたもの。外耳道の軟骨部には耳毛が生えていて、空気中の埃等が入り込むのを防いでいる。外耳道にある耳垢腺(汗腺の一種)や皮脂腺からの分泌物に、埃や外耳道上皮の老廃物などが混じって耳垢(耳あか)となる |
| 中耳 | 鼓膜、鼓室、耳小骨、耳管 | 外耳と内耳をつなぐ部分。外耳道を伝わってきた音が鼓膜を振動させ、鼓室の内部で、互いに連結した微細な3つの耳小骨が鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝導する。鼓室は耳管という管で鼻腔や咽頭と通じている |
| 内耳 | 蝸牛、前庭 | 聴覚器官である蝸牛と、平衡器官である前庭の2つの部分。蝸牛は渦巻き形で、内部はリンパ液で満たされている。前庭は、水平・垂直方向の加速度を感知する部分(耳石器官)と、体の回転や傾きを感知する部分(半規管)に分けられる |
出典:手引き34〜35ページ(第2章Ⅰの2の3)。
耳管について、手引きは次のように書いています(手引き35ページ)。急な気圧変化のため鼓膜の内外に気圧差が生じると、耳がつまったような不快感や痛みなどを感じるが、顎を動かす等の耳抜き動作によって意識的に耳管を開けると気圧の均衡が戻って回復する。また、小さな子供では、耳管が太く短くて、走行が水平に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し感染が起こりやすい。
内耳のうち蝸牛では、中耳の耳小骨から伝わる振動がリンパ液を震わせ、その振動が聴細胞の小突起(感覚毛)を揺らして、聴神経が刺激されます。前庭も内部がリンパ液で満たされていて、リンパ液の動きが平衡感覚として感知されます。乗物酔い(動揺病)は、乗り物に乗っているとき反復される加速度刺激や動揺によって、平衡感覚が混乱して生じる身体の変調だと書かれています。
皮膚(外皮系)の構造と機能
手引きは、身体を覆う皮膚と、汗腺、皮脂腺、乳腺等の皮膚腺、爪や毛等の角質を総称して外皮系という、と書いています(手引き35ページ)。皮膚の機能として、「主に次のような機能がある」と、次の4つが挙げられています。
| 機能(手引きの言葉) | 内容(要点) |
|---|---|
| 身体の維持と保護 | 体表面を包み、体の形を維持し、保護する(バリア機能)。細菌等の異物の体内への侵入を防ぐ。爪や毛等の角質は皮膚の一部が変化してできたもの |
| 体水分の保持 | 体の水分が体外に蒸発しないよう、また逆に水分が体内に浸透しないよう遮断している |
| 熱交換 | 外界と体内の熱のやり取りをする。体温が上がり始めると毛細血管に血液がより多く流れるように血管が開いて熱を排出し、汗腺から汗を分泌して蒸発時の気化熱で体温を下げる。体温が下がり始めると血管は収縮して放熱を抑える |
| 外界情報の感知 | 触覚、圧覚、痛覚、温度感覚等の皮膚感覚を得る感覚器としての機能 |
出典:手引き35ページ(第2章Ⅰの3の1)。
皮膚の3層と付属器
皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層構造からなる、と手引きは書いています(手引き36ページ)。
| 層・付属器 | 手引きの記述(要点) |
|---|---|
| 表皮 | 最も外側にある角質層と、生きた表皮細胞の層に分けられる。角質層は、細胞膜が丈夫な線維性のタンパク質(ケラチン)でできた板状の角質細胞と、セラミドを主成分とする細胞間脂質で構成され、皮膚のバリア機能を担う |
| メラニン色素 | 表皮の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生される。紫外線から皮膚組織を防護する役割があり、皮膚の色は表皮や真皮に沈着したメラニン色素によるもの |
| 真皮 | 線維芽細胞と、その細胞で産生された線維性のタンパク質(コラーゲン、フィブリリン、エラスチン等)からなる結合組織の層。皮膚の弾力と強さを与える。毛細血管や知覚神経の末端が通っている |
| 皮下組織 | 脂肪細胞が多く集まって皮下脂肪層となっている。外気の熱や寒さから体を守り、衝撃から体を保護し、脂質としてエネルギー源を蓄える |
| 毛 | 皮膚の付属器。毛根を鞘状に包む毛包に、立毛筋と皮脂腺がつながっている。毛乳頭には毛細血管が入り込んで、取り巻く毛母細胞に栄養分を運ぶ。毛の色はメラニン色素の量によって決まる |
| 皮脂腺 | 腺細胞が集まってできていて、死んだ腺細胞自身が分泌物(皮脂)となって毛穴から排出される。皮脂は皮膚を潤いのある柔軟な状態に保つ |
| 汗腺 | 腋窩(わきのした)などの毛根部に分布するアポクリン腺(体臭腺)と、全身に分布するエクリン腺の二種類がある。汗はエクリン腺から分泌される |
出典:手引き36〜37ページ(第2章Ⅰの3の1)。
手引きは、皮膚の表面には常に一定の微生物が付着していて、その存在によって皮膚の表面での病原菌の繁殖が抑えられ、病原菌の体内への侵入が妨げられていると書いています(手引き35〜36ページ)。表面に存在する微生物のバランスが崩れたり、皮膚を構成する組織に損傷を生じると、病原菌の繁殖や侵入が起こりやすくなります。
骨格系:骨と関節
手引きは、骨格系は骨と関節からなり、骨と骨が関節で接合し、相連なって体を支えている、と書いています(手引き37ページ)。
骨の基本構造は、次の4つの組織です(手引き37ページ)。
| 組織 | 手引きの記述 |
|---|---|
| 骨質 | 主部 |
| 骨膜 | 骨質表面を覆う |
| 骨髄 | 骨質内部にある |
| 関節軟骨 | 骨の接合部にある |
骨の機能は、次の5つが挙げられています(手引き37ページ)。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 身体各部の支持機能 | 頭部や内臓を支える身体の支柱となる |
| 臓器保護機能 | 骨格内に臓器を収め、保護する |
| 運動機能 | 骨格筋の収縮を効果的に体躯の運動に転換する |
| 造血機能 | 骨髄で産生される造血幹細胞から赤血球、白血球、血小板が分化することにより、体内に供給する |
| 貯蔵機能 | カルシウムやリン等の無機質を蓄える |
出典:手引き37ページ(第2章Ⅰの3の2)。
造血機能について、手引きの脚注は、すべての骨の骨髄で造血が行われるわけでなく、主として胸骨、肋骨、脊椎、骨盤、大腿骨などが造血機能を担う、としています。
骨は生きた組織であり、成長が停止した後も一生を通じて破壊(骨吸収)と修復(骨形成)が行われている、と書かれています。吸収と形成のバランスが取られることにより、一定の骨密度が保たれます。関節は、広義には骨と骨の連接全般を指し、狭義には複数の骨が互いに運動できるように連結したもの(可動関節)をいいます。骨の関節面は関節軟骨に覆われ、衝撃を和らげ、関節の動きを滑らかにしています。関節周囲を包む膜(滑膜)は軟骨の働きを助け、靱帯は骨を連結し、関節部を補強しています。
筋組織:骨格筋・平滑筋・心筋の違い
手引きは、筋組織は筋細胞(筋線維)とそれらをつなぐ結合組織からなり、その機能や形態によって、骨格筋、平滑筋、心筋に分類される、と書いています(手引き37ページ)。このうち運動器官とされるのは骨格筋です。
| 項目 | 骨格筋 | 平滑筋 | 心筋 |
|---|---|---|---|
| 横縞模様(横紋) | あり(横紋筋とも呼ばれる) | なし | あり |
| 随意・不随意 | 随意筋 | 不随意筋 | 不随意筋 |
| 分布・位置 | 腱を介して関節を構成する骨につながる | 消化管壁、血管壁、膀胱等 | 心臓壁にある筋層 |
| 収縮の特徴 | 収縮力が強い。疲労しやすく、長時間の動作は難しい | 比較的弱い力で持続的に収縮する | 強い収縮力と持久力を兼ね備えている |
| 支配する神経 | 体性神経系(運動神経) | 自律神経系 | 自律神経系 |
出典:手引き37〜38ページ(第2章Ⅰの3の3)。
腱は結合組織のみでできているため、伸縮性はあまりない、と書かれています。骨格筋の疲労は、運動を続けることでエネルギー源として蓄えられているグリコーゲンが減少し、酸素や栄養分の供給不足が起こるとともに、グリコーゲンの代謝に伴って生成する乳酸が蓄積して、筋組織の収縮性が低下する現象だとされています。
試験での扱い:第2章、第3章との関係
登録販売者試験は、試験実施要領の「出題範囲」で、別途通知する「試験問題作成の手引き」から出題するものとされています(実施要領 2(4))。試験項目の2つめ「人体の働きと医薬品」は、出題数20・配分時間40分です(実施要領 3(1))。出題の方法は、真偽式や多肢選択式等の方法など正誤が客観的に判別できる方法です(2(1))。
第3章(主な医薬品とその作用)の冒頭には、各有効成分が作用する器官や組織の仕組み、副作用の初期症状、早期対応に関する出題は、第2章-Ⅰ(人体の構造と働き)、Ⅲ(症状からみた主な副作用)を参照して作成のこと、という注記があります(手引き57ページ)。
同じ第2章のⅢ「症状からみた主な副作用」には、体の局所に現れる副作用として、「感覚器系に現れる副作用」(手引き54ページ)と「皮膚に現れる副作用」(手引き55ページ)の項目があります。この記事で整理した構造は、そちらを読むときの土台になります。
また、手引きは、自律神経系が目の瞳孔や心臓などにどう作用するかを表にしています(第2章 Ⅰ 4、手引き40ページ)。目では、交感神経系が瞳孔散大、副交感神経系が瞳孔収縮です。この表と目の構造(虹彩が瞳孔を散大・縮小させる)は、つなげて覚えられます。
手引きの記述と食い違う(又は合う)言い換えの例を表にします(当サイトの作例で、都道府県が公表した試験問題の文ではありません)。
| 言い換えの例(当サイトの作例) | 手引きの記述との関係 |
|---|---|
| 水晶体は、遠くの物を見るときに丸く厚みが増す | 食い違う。遠くの物を見るときは扁平になり、丸く厚みが増すのは近くの物を見るとき |
| 網膜の視細胞のうち、わずかな光に反応する細胞の働きにはビタミンAが不可欠である | 手引きの記述と合う |
| 耳小骨は中耳にあり、鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝導する | 手引きの記述と合う |
| 前庭は聴覚器官で、蝸牛は平衡器官である | 食い違う。蝸牛が聴覚器官、前庭が平衡器官 |
| 皮膚のバリア機能は、真皮が担っている | 食い違う。角質層(表皮)がバリア機能を担うと書かれている |
| 心筋は随意筋で、骨格筋のような横縞模様がない | 食い違う。心筋は不随意筋で、横縞模様がある |
合格ナビには、第2章の問題があります(合格ナビが作成した問題で、本試験の問題ではありません)。第2章の問題で、手引きの記述を確かめられます。手引きの読み方とノートの作り方は、勉強ノートの記事にまとめています。
間違えやすいポイント
- 蝸牛と前庭を入れ替えない。 蝸牛は聴覚、前庭は平衡(耳石器官と半規管)です。
- 水晶体の厚みは、近くを見るときに増す。 遠くを見るときは扁平になります。
- 角膜と強膜は別の部分。 黒目の部分のみを覆う透明な角膜と、その他を覆う乳白色の強膜です。
- 結膜の充血と強膜の充血は、眼瞼の裏側の色で見分けられる。 手引きの記述は、結膜の充血は眼瞼の裏側も赤い、強膜の充血は赤くならない、です。
- 心筋は不随意筋だが、横縞模様はある。 平滑筋は不随意筋で横縞模様がありません。
- 汗腺の二種類。 アポクリン腺(腋窩などの毛根部)とエクリン腺(全身。汗はエクリン腺から分泌される)です。
- 骨の機能は5つ、皮膚は主な機能として4つ。 手引きに挙げられた機能の数を、混同しません。
- 手引きは、必要に応じて原則として年1回改訂するものとされています(実施要領 2(4))。 受験する年度の手引きは、厚生労働省のページと、受験する都道府県の受験案内で確認します。
まとめ
- 手引き第2章 Ⅰ 2「目、鼻、耳などの感覚器官」と3「皮膚、骨・関節、筋肉などの運動器官」が、この記事の範囲(手引き32〜38ページ)
- 目:眼球(角膜・強膜・房水・虹彩・水晶体・硝子体・網膜)と、眼瞼・結膜・涙器・眼筋。光は角膜、房水、水晶体、硝子体を通って網膜に焦点を結ぶ
- 鼻:嗅覚の受容器官。鼻腔、鼻中隔、副鼻腔
- 耳:外耳(耳介・外耳道)、中耳(鼓膜・鼓室・耳小骨・耳管)、内耳(聴覚の蝸牛・平衡の前庭)
- 皮膚:表皮・真皮・皮下組織の3層。バリア機能を担うのは表皮の角質層
- 骨は4つの組織と5つの機能、筋組織は骨格筋・平滑筋・心筋の3つ
- 試験は手引きから出題され、第2章は20問。受験年度の手引きは、厚生労働省と受験する都道府県の案内で確認する
- 症状や薬の使い方は、医師・薬剤師に相談する
よくある質問
Q目の構造は、どの順番で光が通りますか?
手引きは、角膜に射し込んだ光が、角膜、房水、水晶体、硝子体を透過しながら屈折して網膜に焦点を結ぶと書いています(第2章Ⅰの2の1の(a)、手引き32ページ)。網膜には光を受容する細胞(視細胞)が密集していて、その情報は神経線維に伝えられ、眼球の後方で束になって視神経になります。
Q耳の構造は、外耳・中耳・内耳でどう分かれますか?
手引きでは、外耳が耳介と外耳道、中耳が鼓膜・鼓室・耳小骨・耳管、内耳が聴覚器官の蝸牛と平衡器官の前庭の2つの部分です(第2章Ⅰの2の3、手引き34〜35ページ)。耳小骨は3つで、鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝えると書かれています。
Q骨格筋・平滑筋・心筋は、何が違いますか?
手引きは、筋組織を骨格筋、平滑筋、心筋に分類し、運動器官とされるのは骨格筋だとしています(第2章Ⅰの3の3、手引き37〜38ページ)。骨格筋は横紋筋とも呼ばれる随意筋、平滑筋と心筋は不随意筋です。心筋は不随意筋ですが、筋線維に骨格筋のような横縞模様があると書かれています。
Q皮膚の構造は、何層ですか?
手引きは、皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造からなるとしています(第2章Ⅰの3の1、手引き36ページ)。表皮は最も外側にある角質層と生きた表皮細胞の層に分けられ、角質層が皮膚のバリア機能を担うと書かれています。
Q感覚器官や運動器官は、登録販売者試験のどこで学びますか?
手引きの第2章「人体の働きと医薬品」のⅠ「人体の構造と働き」の中の、2「目、鼻、耳などの感覚器官」と3「皮膚、骨・関節、筋肉などの運動器官」です(手引き32〜38ページ)。試験は手引きから出題するものとされ(登録販売者試験実施要領 2(4))、第2章の出題数は20問・配分時間は40分です(同要領 3(1))。受験する年度の手引きと出題の範囲は、受験する都道府県の受験案内で確認してください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月21日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

