問題
防風通聖散・防已黄耆湯・大柴胡湯の3処方に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はウ(正しいもの)です。
大柴胡湯は構成生薬としてダイオウを含み、体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向がある人の、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、肥満症等に用いられます。
各処方の体力の目安をまず押さえましょう:
- 防風通聖散:体力充実(腹部に皮下脂肪が多く、便秘がち)
- 防已黄耆湯:体力中等度以下(疲れやすく、汗のかきやすい傾向・いわゆる水ぶとり)
- 大柴胡湯:体力が充実(脇腹からみぞおちが苦しく、便秘の傾向)
ア・イ・エ・オはすべて誤りです。防風通聖散はマオウを含むため、心臓病・高血圧等の診断を受けた人は使用前に医師・薬剤師への相談が必要です。
肥満症3処方の比較表:
| 処方名 | 体力 | 特徴 | 主な適応(手引き) | 手引きが挙げる構成生薬 |
|---|---|---|---|---|
| 防風通聖散 | 体力充実 | 腹部に皮下脂肪が多く、便秘がち | 高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、肥満症 | カンゾウ・マオウ・ダイオウ |
| 防已黄耆湯 | 体力中等度以下 | 疲れやすく、汗のかきやすい傾向(いわゆる水ぶとり) | 肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症 | カンゾウ |
| 大柴胡湯 | 体力が充実 | 脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向 | 胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症 | ダイオウ |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 防風通聖散は体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものに用いられます。「体力がなく疲れやすい」は防已黄耆湯(体力中等度以下で、疲れやすい)の対象に近い記述です。また防風通聖散は、胃腸が弱く下痢しやすい人では激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされています。
- イ(誤): 「体力があり、便秘がち」は防風通聖散や大柴胡湯の特徴です。防已黄耆湯は体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるもの(いわゆる水ぶとり)に用いられます。
- ウ(正): 大柴胡湯は構成生薬としてダイオウを含み、体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症に適すとされます。
- エ(誤): 手引きで防已黄耆湯の構成生薬として挙げられているのはカンゾウで、ダイオウを含むのは肥満症3処方のうち防風通聖散と大柴胡湯です。防已黄耆湯は瀉下作用で肥満を解消する処方ではなく、水ぶとり・むくみ・多汗症等に用いられます。
- オ(誤): 防風通聖散はマオウを含む処方です。マオウは交感神経系への刺激作用によって心臓血管系等にも影響が生じることが考えられるため、心臓病・高血圧・糖尿病又は甲状腺機能亢進症の診断を受けた人は、使用前に医師・薬剤師に相談がなされるべきとされています。「制限なく使用できる」は誤りです。
【肥満症3処方:手引きが挙げる構成生薬と留意点】
手引きは、肥満症又は肥胖症に用いられる漢方処方製剤(防已黄耆湯、防風通聖散、大柴胡湯)について「どのような肥満症にも適すわけではない」とし、基本的に肥満症には、糖質や脂質を多く含む食品の過度の摂取を控える、日常生活に適度な運動を取り入れる等、生活習慣の改善が図られることが重要で、専門家は購入者等にその旨を説明する等、正しい理解を促すことが重要としています。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):
- 構成生薬としてカンゾウ、マオウ、ダイオウを含みます。
- 体の虚弱な人、胃腸が弱く下痢しやすい人、発汗傾向の著しい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされます。小児に対する適用はなく、他の瀉下薬との併用は避けることとされています。
- まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症、腸間膜静脈硬化症が知られています。便秘に用いる場合、1週間位使用しても症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談します。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):
- 構成生薬としてカンゾウを含みます。
- 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの、肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)に適すとされます。
- まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症が知られています。
大柴胡湯(だいさいことう):
- 構成生薬としてダイオウを含みます。
- 体の虚弱な人、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされます。
- まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎が知られています。常習便秘、高血圧に伴う便秘に用いる場合、1週間位使用しても症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談します。
含有生薬ごとの共通の留意点(手引きⅡ-1・Ⅲ-2):
- マオウ: 交感神経系への刺激作用によって心臓血管系や肝臓でのエネルギー代謝等にも影響が生じることが考えられ、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能亢進症の診断を受けた人では、使用する前に医師又は薬剤師に相談がなされるべきとされます。
- カンゾウ: 大量に摂取するとグリチルリチン酸の大量摂取につながり、偽アルドステロン症を起こすおそれがあります。
- ダイオウ: 吸収された成分の一部が乳汁中に移行し、構成生薬にダイオウを含む漢方処方製剤でも、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避けることとされています。刺激性瀉下成分が配合された瀉下薬は一般に、流産・早産を誘発するおそれがあります。
登録販売者としての実践的使い分けポイント:
| 相談場面 | 推奨処方 | 根拠 |
|---|---|---|
| 「お腹の皮下脂肪が多くて便秘がち」(体力充実) | 防風通聖散 | 体力充実・腹部に皮下脂肪が多い・便秘がち |
| 「むくみやすく汗っかき、疲れやすい水ぶとり」 | 防已黄耆湯 | 体力中等度以下・疲れやすい・汗のかきやすい傾向 |
| 「脇腹からみぞおちが苦しく、便秘の傾向で体力はある」 | 大柴胡湯 | 体力が充実・便秘の傾向 |
| 心臓病・高血圧で「防風通聖散が欲しい」 | 使用前に医師・薬剤師への相談を勧める | マオウ含有のため相談が必要 |
【試験頻出の鑑別ポイント整理】
1. 体力中等度以下の水ぶとり → 防已黄耆湯(手引きが挙げる構成生薬はカンゾウ)
2. カンゾウ・マオウ・ダイオウをすべて含む → 防風通聖散
3. 体力が充実して便秘の傾向・ダイオウを含む → 大柴胡湯
これら3処方は「体力の目安」と「含有生薬ごとの留意点(マオウ=相談、ダイオウ=授乳等)」を正確に区別することが登録販売者試験・実務の両面で必要です。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章ⅩⅣ-1「漢方処方製剤」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

