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登録販売者 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 問64|医薬品安全対策の歴史と教訓・アンプル入りかぜ薬・PPA等の措置の総整理

問題

登録販売者 | 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

一般用医薬品に関する主な安全対策(アンプル入りかぜ薬・PPA含有医薬品・小柴胡湯・一般用かぜ薬・ピリン系解熱鎮痛成分等)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

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解説

正答(誤っているもの)はエです。

手引きでは、1960年代半ばまで一般用医薬品にも配合されていたイソプロピルアンチピリン以外のピリン系解熱鎮痛成分は、ショック等の重篤な副作用が頻発したため用いられなくなり、現在ではイソプロピルアンチピリンが一般用医薬品で唯一のピリン系解熱鎮痛成分とされています。一方で、医療用医薬品においては、現在でもイソプロピルアンチピリン以外のピリン系解熱鎮痛成分を有効成分とするものがあります。「医療用医薬品においてもない」が誤りです。

ア(アンプル入りかぜ薬の回収要請)、イ(PPAからPSE等への切替え指示)、ウ(1994年1月の併用禁忌)、オ(2003年6月の使用上の注意の改訂指示)は正しい記述です。

第5章Ⅳ「一般用医薬品に関する主な安全対策」の整理:

事例経過措置
アンプル入りかぜ薬アミノピリン、スルピリン配合品で重篤な副作用(ショック)。1959年から1965年までの間に計38名の死亡例1965年、回収要請。1970年に一般用かぜ薬の承認基準が制定
小柴胡湯による間質性肺炎1991年4月以降、使用上の注意に記載。インターフェロン製剤との併用例で間質性肺炎1994年1月、併用禁忌の改訂。1996年3月、緊急安全性情報の配布指示
一般用かぜ薬による間質性肺炎2003年5月までに計26例報告同年6月、一般用かぜ薬全般の使用上の注意の改訂指示
PPA含有医薬品2003年8月までに脳出血等の副作用症例が複数報告使用上の注意の改訂、情報提供の徹底、PSE等への速やかな切替え指示

各選択肢の解説:

  • ア(正): アンプル剤は他の剤形(錠剤、散剤等)に比べて吸収が速く、血中濃度が急速に高値に達するため、通常用量でも副作用を生じやすいことが確認され、1965年に回収が要請されました。
  • イ(正): 症例の多くは用法・用量の範囲を超えた使用又は禁忌とされている高血圧症患者の使用によるものでした。措置は回収ではなく、使用上の注意の改訂、情報提供の徹底、代替成分への切替え指示です。
  • ウ(正): 手引きの記載どおりです。
  • エ(誤): 医療用医薬品には、現在でもイソプロピルアンチピリン以外のピリン系解熱鎮痛成分を有効成分とするものがあります。
  • オ(正): 手引きの記載どおりです。

【安全対策の各事例を「何が起きて、何が指示されたか」で正確に押さえる】

試験では、年号と措置の中身(回収・使用上の注意の改訂・緊急安全性情報・成分の切替え)を入れ替えた選択肢がよく作られます。

1. アンプル入りかぜ薬

解熱鎮痛成分としてアミノピリン、スルピリンが配合されたアンプル入りかぜ薬の使用による重篤な副作用(ショック)で、1959年から1965年までの間に計38名の死亡例が発生しました。アンプル剤は他の剤形(錠剤、散剤等)に比べて吸収が速く、血中濃度が急速に高値に達するため、通常用量でも副作用を生じやすいことが確認されたことから、1965年、厚生省(当時)より関係製薬企業に対し、アンプル入りかぜ薬製品の回収が要請されました。その後、アンプル剤以外の一般用かぜ薬についても、1970年に承認基準が制定され、成分・分量、効能・効果等が見直されました。

2. 小柴胡湯による間質性肺炎

小柴胡湯による間質性肺炎については1991年4月以降、使用上の注意に記載されていましたが、小柴胡湯とインターフェロン製剤の併用例による間質性肺炎が報告されたことから、1994年1月、インターフェロン製剤との併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされました。それ以降も慢性肝炎患者が小柴胡湯を使用して間質性肺炎を発症し、死亡を含む重篤な転帰に至った例もあったことから、1996年3月、関係製薬企業に対して緊急安全性情報の配布が指示されました。なお、一般用医薬品の添付文書(別表5-2)では、「インターフェロン製剤で治療を受けている人」は「相談すること」とされ、肝臓病の診断を受けた人も「相談すること」の対象です。

3. 一般用かぜ薬による間質性肺炎

2003年5月までに、一般用かぜ薬の使用によると疑われる間質性肺炎の発生事例が計26例報告されました。間質性肺炎の初期症状はかぜの諸症状と区別が難しいことなどを踏まえ、同年6月、一般用かぜ薬全般につき使用上の注意の改訂が指示され、「症状が悪化した場合には服用を中止して医師の診療を受ける」旨の注意喚起がなされることになりました。

4. PPA含有医薬品

PPAは、鼻充血や結膜充血を除去し、鼻づまり等の症状の緩和を目的として、鼻炎用内服薬、鎮咳去痰薬、かぜ薬等に配合されていました。2000年5月、米国において、女性が食欲抑制剤(日本での配合量よりも高用量)として使用した場合に出血性脳卒中の発生リスクとの関連性が高いとの報告がなされ、米国食品医薬品庁(FDA)から自主的な販売中止が要請されました。日本では食欲抑制剤として承認されていないことなどから、同年11月、直ちに販売を中止する必要はないものとして、心臓病の人や脳出血の既往がある人等は使用しないよう注意喚起が行われていました。しかし、2003年8月までにPPAが配合された一般用医薬品による脳出血等の副作用症例が複数報告され(いずれも回復又は軽快)、その多くが用法・用量の範囲を超えた使用又は禁忌とされている高血圧症患者の使用によるものであったため、使用上の注意の改訂、情報提供の徹底、PSE等への速やかな切替えが指示されました。

5. ピリン系解熱鎮痛成分の現在

1960年代半ばまでは、イソプロピルアンチピリン以外のピリン系解熱鎮痛成分も一般用医薬品のかぜ薬や解熱鎮痛薬に配合されていましたが、ショック等の重篤な副作用が頻発したため用いられなくなりました。現在では、イソプロピルアンチピリンが一般用医薬品で唯一のピリン系解熱鎮痛成分です。医療用医薬品には、現在でもイソプロピルアンチピリン以外のピリン系解熱鎮痛成分を有効成分とするものがあります。ピリン系解熱鎮痛成分によって薬疹(ピリン疹)等のアレルギー症状を起こしたことがある人は使用しないこととされています。

この問題の根拠根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章Ⅳ「一般用医薬品に関する主な安全対策」、第3章Ⅰ-2「解熱鎮痛薬」
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章Ⅳ「一般用医薬品に関する主な安全対策」、第3章Ⅰ-2「解熱鎮痛薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

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