コンセントは、電気機器のプラグを差し込む配線器具です。接地極付・接地端子付・接地極付接地端子付・漏電遮断器付の違い、定格と分岐回路の遮断器の関係(解釈 第149条)、接地線を差込み接続器の1極でつなぐ規定(解釈 第171条)を、第二種電気工事士の学科試験の出題に合わせて整理します。
目次
結論:コンセントは、電気機器のプラグ(差込みプラグ)を差し込んで電気を取り出す配線器具です。種類は、接地のための極・端子の有無(接地極付・接地端子付・その両方)、漏電遮断器の有無、プラグの抜け止めの方式(引掛形・抜け止め形)、防雨形など、定格電流・極配置の違いで分けられます。電気設備の技術基準の解釈は、分岐回路を保護する過電流遮断器の種類に応じて、付けられるコンセントの定格電流を定めています(第149条第2項第一号ニ、149-3表)。学科試験では、配線図の図記号と傍記、器具の名称、極配置(刃受)が問われます。
電気技術者試験センターの公表問題(令和4年度上期〜令和8年度上期)で、この記事で触れた問題は 令和8年度上期・令和7年度下期・令和7年度上期・令和6年度上期・令和6年度下期の公式PDFで読めます。条文は経済産業省の電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正)によります。図記号の一覧と読み方は、配線図の記事で扱っているので、ここでは繰り返しません。
コンセントの種類:名称の整理
試験の選択肢に並ぶ名称を、意味と一緒に整理します。意味の列は当サイトの説明で、規格の定義そのものではありません。
| 名称 | 意味 | 試験での登場 |
|---|---|---|
| 接地極付コンセント | プラグの接地極を差し込む口を備える | 令和7年度下期 問32、令和8年度上期 問34 の選択肢 |
| 接地端子付コンセント | 接地線をつなぐ端子を本体に備える | 令和7年度下期 問32 の正答(ロ) |
| 接地極付接地端子付コンセント | 両方を備える | 同上の選択肢 |
| 漏電遮断器付コンセント | 漏電遮断器を内蔵する | 令和7年度下期 問32 の選択肢。令和8年度上期 問34 の正答は「接地極付接地端子付漏電遮断器付コンセント」(イ) |
| 引掛形コンセント | 刃の曲がった専用のプラグを差してひねり、抜けないようにする形 | 令和7年度上期 問40:引掛形のコンセントの傍記は「T」(ハ) |
| 抜け止め形の防雨形コンセント | 差したプラグを回すと抜けにくくなる抜け止め形で、雨のかかる場所用(防雨形) | 令和8年度上期 問38:傍記は「LK」(ロ) |
| 天井コンセント(引掛形) | 天井に付ける引掛形のコンセント | 令和8年度上期 問40 の選択肢 |
この記事は、条文と試験の公表問題に出てくる範囲だけを扱っています。刃の形など、規格(JIS)の細かい区分は引用していません。
定格電流:分岐回路の遮断器で付けられるコンセントが決まる
解釈 第149条第2項第一号ニは、「低圧分岐回路に接続する、コンセント又はねじ込み接続器若しくはソケットは、149-3表に規定するものであること。」と定めています(第2項第一号は、電動機等のみに至る分岐回路と、定格電流が50Aを超える1の電気使用機械器具に至る分岐回路を除く、一般の分岐回路の規定です)。コンセントの欄は、分岐回路を保護する過電流遮断器によって決まります。
| 分岐回路を保護する過電流遮断器 | コンセントの定格電流(149-3表) |
|---|---|
| 定格電流が15A以下 | 定格電流が15A以下のもの |
| 定格電流が15Aを超え20A以下の配線用遮断器 | 定格電流が20A以下のもの |
| 定格電流が15Aを超え20A以下(配線用遮断器を除く) | 定格電流が20Aのもの(定格電流が20A未満の差込みプラグが接続できるものを除く。) |
表の続き(30A・40A・50Aの区分)と、電線の太さとの組合せは安全な電流・分岐回路の記事にあります。15A以下の遮断器なら15A以下のコンセント、15Aを超え20A以下の配線用遮断器なら20A以下のコンセント(15Aも可)です。配線用遮断器以外(ヒューズなど)で15Aを超え20A以下の区分は、括弧書き「定格電流が20A未満の差込みプラグが接続できるものを除く。」のとおり、20Aのコンセントでも、20A未満のプラグが差し込める形のものは使えません。20Aを超える区分には「20A以上30A以下」のように下限もあるので、大きい遮断器に小さいコンセントを付けられるとは限りません。
センターの一般問題には、「配線用遮断器からコンセントまでは8 m」のように条件を示して、遮断器の定格、電線の太さ、コンセントを組み合わせて選ばせる型があります(令和8年度上期 問10 など)。
接地が関わる条文:解釈 第29条と第171条
電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正)には、「接地極付コンセント」「接地端子付コンセント」の語の記載がありません(2026-10-09 時点)。「接地極を有する差込み接続器」の使用を定めた条文は、水中照明灯の配線と移動電線との接続についての第187条第1項第三号トです。一般のコンセントまわりで接地に関わる条文は、次の2つです。
第29条第1項:電路に施設する機械器具の金属製外箱等には、使用電圧の区分に応じて接地工事を施す。使用電圧が低圧で300V以下ならD種接地工事、300V超ならC種接地工事(29-1表)。ただし書で、外箱を充電して使用する機械器具に人が触れるおそれがないようにさくなどを設けて施設する場合と、絶縁台を設けて施設する場合は除かれます。第2項には省略できる場合があり、接地工事の記事にまとめています。
第171条(低圧の移動電線):
- 第1項第四号:移動電線と屋内配線との接続には、差込み接続器その他これに類する器具を用いること(ただし書あり)
- 第1項第六号:移動電線と電気機械器具との接続には、差込み接続器その他これに類する器具を用いること。ただし、簡易接触防護措置を施した端子にコードをねじ止めする場合は、この限りでない
- 第2項:低圧の移動電線に接続する電気機械器具の金属製外箱に第29条第1項の接地工事を施す場合において、多心コード又は多心キャブタイヤケーブルの線心のうちの1つを接地線として使用するときは、線心と造営物に固定している接地線との接続(第一号)、線心と電気機械器具の外箱との接続(第二号)に、差込み接続器その他これに類する器具の1極を用いること(第二号には、多心コード等と電気機械器具とをねじ止めにより接続する場合の除外あり)
- 第2項第三号:第一号及び第二号の差込み接続器その他これに類する器具の接地線に接続する1極は、他の極と明確に区別することができる構造のものであること
つまり、コードの1本の線心を接地線に使うときは、その線心を、差込みプラグとコンセントの接地用の極でつなぎ、その極は他の極と区別できる構造にする、という書き方です。接地極付のプラグとコンセントは、この「接地線に接続する1極」にあたる構造です(当サイトの整理)。
解釈以外の民間の規程は、この記事では扱っていません。
試験での問われ方:図記号・名称・極配置
出題の型を、公表問題から整理します。
| 型 | 公表問題 |
|---|---|
| 図記号の器具の種類(接地極付・接地端子付・漏電遮断器付などの名称) | 令和7年度下期 問32、令和8年度上期 問34 |
| 傍記表示(引掛形・抜け止め形) | 令和7年度上期 問40(T)、令和8年度上期 問38(LK) |
| 極配置(刃受)を図から選ぶ | 令和6年度上期 問33、令和6年度下期 問39、令和8年度上期 問37 |
| 分岐回路の遮断器・電線・コンセントの組合せ | 令和8年度上期 問10 などの一般問題 |
極配置(刃受)の問題は、選択肢が、刃の並びを描いた4つの図です。図を見て、配線図の傍記や条件から選びます。この記事では図を転載していません。
コンセントの取替えと資格
コンセントの取付け・取替えに資格が要るかは、電気工事士の資格が必要な工事の記事とエアコン設置工事と資格の記事にまとめています。経済産業省の資料では、電源プラグをコンセントに差し込む作業は電気工事ではなく、コンセントの設置・取替・増設は、電気工事士が行うべき電気工事とされています。
間違えやすいポイント
- 接地極付と接地端子付は、別のものです。接地極付は「プラグの接地極を受ける口」、接地端子付は「接地線をつなぐ端子」
- コンセントの定格は、分岐回路の過電流遮断器の区分ごとに149-3表で決まる。15A以下の遮断器なら15A以下、15Aを超え20A以下の配線用遮断器なら20A以下で、20Aを超える区分には下限もある
- 電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正)には、洗濯機・冷蔵庫など家庭の機器ごとに接地極付コンセントを定めた条文の記載がない(2026-10-09 時点)。接地極を有する差込み接続器を定めているのは水中照明灯(第187条)。一般の接地の条文は、機械器具の外箱の接地(第29条)と、接地線に使う極の構造(第171条)
- 傍記は、T(引掛形)、LK(抜け止め形)のように、図記号の横に付く
まとめ
- コンセントは、プラグを差し込んで電気を取り出す配線器具。接地極付・接地端子付・接地極付接地端子付・漏電遮断器付、引掛形、抜け止め形などの種類がある
- コンセントの定格電流は、分岐回路を保護する過電流遮断器の種類で決まる(解釈 第149条第2項第一号ニ、149-3表)
- 機械器具の金属製外箱の接地は第29条、移動電線の線心を接地線に使うときの差込み接続器の1極は第171条第2項
- 試験では、名称・傍記・極配置(刃受)が、配線図の問題で問われる
よくある質問
Q接地極付コンセントと接地端子付コンセントは、何が違いますか。
当サイトの説明です。接地極付コンセントは、プラグの接地極(アース用の刃)を差し込む口を備えたコンセントです。接地端子付コンセントは、器具の本体に接地線を接続するための端子(ねじ)を備えたコンセントです。両方を備えたものが、接地極付接地端子付コンセントです。センターの学科試験では、令和7年度下期 問32 で「接地極付コンセント」「接地端子付コンセント」「接地極付接地端子付コンセント」「漏電遮断器付コンセント」が選択肢に並び、正答は「接地端子付コンセント」(ロ)でした。
Q洗濯機や冷蔵庫のコンセントは、接地極付にしなければなりませんか。
電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正、2026-10-09 時点)には、洗濯機や冷蔵庫に接地極付コンセントを使うことを定める条文の記載がありません。解釈が定めているのは、300V以下の低圧の機械器具の金属製外箱等にD種接地工事を施すこと(第29条第1項。ただし書と第2項に省略できる場合)です。解釈で「接地極を有する差込み接続器」の使用を定めているのは、水中照明灯の配線と移動電線との接続(第187条第1項第三号ト)です。解釈以外の民間の規程は、この記事では扱っていません。
Q20Aの分岐回路には、20Aのコンセントしか付けられませんか。
いいえ。解釈 第149条第2項第一号ニの149-3表は、分岐回路を保護する過電流遮断器の種類に応じて、付けられるコンセントの定格電流を定めています。たとえば配線用遮断器の定格電流が15Aを超え20A以下なら、コンセントは「定格電流が20A以下のもの」なので、15Aのコンセントも付けられます。一方、配線用遮断器以外(ヒューズなど)で15Aを超え20A以下の場合は「定格電流が20Aのもの(定格電流が20A未満の差込みプラグが接続できるものを除く。)」です。表の全体は、電線の太さの表とあわせて安全な電流・分岐回路の記事にあります。
Qエアコンの電源プラグを接地極付コンセントに差し込むのは、電気工事ですか。
経済産業省の資料では、電源プラグをコンセントに差し込む作業は電気工事ではないとされています。同じ資料で、コンセントの設置・取替・増設は、電気工事士が行うべき電気工事とされています。詳しくはエアコン設置工事と資格の記事にあります。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月9日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

