第二種電工

検相器とは?相順の確認と電動機の回転方向の関係第二種電気工事士

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この記事でわかること

検相器は、三相回路の相順(相回転)を調べる測定器です。相順とは何か、2本入れ替えると三相電動機が逆回転する理由、検相器と回転速度・充電の有無を調べる器具の違いを、第二種電気工事士の学科(令和4年度下期の写真問題・令和8年度上期 問24ほか)で整理します。

目次
  1. 相順(相回転)とは
  2. 相順と電動機の回転方向
  3. 試験での出方:写真の用途と測定器の組合せ
  4. 似た言葉との違い:何を測るか
  5. 間違えやすいポイント
  6. まとめ
結論:検相器は、三相回路の相順(相回転)を調べる測定器です。電気技術者試験センターの第二種電気工事士の学科では、写真の器具の用途を選ぶ問題(令和4年度下期 問18)と、測定器と用途の組合せ(令和4年度下期(午後)問24・令和8年度上期 問24)で出ています。電動機の回転速度を測る器具ではなく、電路の充電の有無を確かめる検電器とも別の器具です。相順を入れ替えると三相電動機が逆回転する、という記述も学科で出ています。

検相器は、三相の電源を扱う現場で使う測定器です。この記事は、名前を調べている人に向けて、まず相順とは何かを説明し、そのあとで第二種電気工事士の学科の出方を、公表された問題で確かめます。実際の電動機や配線の作業は、設備の管理者や所轄の窓口に確認してください。

試験センター非提携:本サイトは一般財団法人 電気技術者試験センターと一切関係ありません。試験の出題・資料は、出典を示して内容を紹介しています。製品名やメーカーは扱いません。
解釈の版:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省のPDF)の最終改正は、令和7年11月20日付けです。条文の番号や数値は改正で変わることがあります。最終確認日:2026-10-09。出典:電気設備の技術基準の解釈(PDF)。

相順(相回転)とは

三相交流は、3本の電線にそれぞれ交流の電圧がかかり、その電圧が最大になる時刻が3本で少しずつずれています。最大になる順番が相順、その順番で回る向きを相回転と呼ぶ、と整理できます(当サイトの説明)。順番は、2通りしかありません。

用語意味(当サイトの説明)試験での表れ方
相順3本の電線の電圧が最大になる順番令和4年度下期 問18の選択肢「三相回路の相順を調べるのに用いる」
相回転相順の向き。逆にすると三相電動機の回転も逆になる令和8年度上期 問24の選択肢「三相回路の相順(相回転)の確認」
検相器相順(相回転)を調べる測定器令和4年度下期(午後)問24・令和8年度上期 問24の選択肢に名前が出る

出典:センター公表の学科問題。令和4年度下期(午前)・(午後)、令和8年度上期。

電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正の版)、電気設備に関する技術基準を定める省令、電気工事士法施行規則には、「検相器」「相順」の語の記載がありません(2026-10-09 時点、e-Gov・経済産業省)。検相器は、法令の条文の言葉ではなく検査に使う器具の名前で、学科の「一般用電気工作物等の検査方法」の範囲(試験用器具の性能及び使用方法)に当たると考えられます(当サイトの読み)。センターの出題範囲は、この科目に「点検の方法」「導通試験の方法」「絶縁抵抗測定の方法」「接地抵抗測定の方法」「試験用器具の性能及び使用方法」を挙げています。例題のページには、「電気工事士として正しく検査をするためには、各種計測器は何を測定するものなのかを十分に理解しておく必要があります。」とあります(出題範囲、例題5)。

相順と電動機の回転方向

三相かご形誘導電動機は、相順を入れ替えると回転の向きが変わります。学科では、次の記述が、電動機に関する記述として出ています。

「3本の結線のうちいずれか2本を入れ替えると逆回転する。」

この記述は、令和5年度上期(午後)問14と令和8年度上期 問14の選択肢ニで、どちらも「誤っているもの」を選ぶ問題の中にあります。センターの正答は、令和5年度上期(午後)がロ、令和8年度上期がハで、ニは正答ではありません。つまり、この記述は正しい記述として扱われています(当サイトの整理)。

3本のうち2本を入れ替えると相順が逆になるので、この結果が出ます(当サイトの説明)。電動機の向きが逆では困る設備(ポンプやコンベアなど)で、接続前後に相順を確認する意味がここにあります(当サイトの説明)。電動機の結線を変更する作業そのものは、この記事では扱いません。

試験での出方:写真の用途と測定器の組合せ

センターが公表した学科問題のうち、令和4年度上期(午前)〜令和8年度上期の13冊(令和4年度上期・下期と令和5年度上期・下期は午前・午後の各2冊、令和6年度上期以降の5回は各回1冊)を調べると、「検相」「相順」「相回転」の語が問題文に出るのは次の3冊(4問)です(当サイトの整理)。

回問問いの型検相器・相順の位置づけ正答
令和4年度下期(午前)問18写真の器具の用途選択肢イ「三相回路の相順を調べるのに用いる。」が正答イ
令和4年度下期(午後)問18写真の器具の用途同上(午前と同じ選択肢)イ
令和4年度下期(午後)問24低圧電路で使用する測定器と用途の組合せで、誤っているもの選択肢ハ「検相器と電動機の回転速度の測定」が誤りの組合せハ
令和8年度上期問24低圧回路を試験する場合の測定器と用途の組合せで、誤っているもの選択肢ロ「検相器と三相回路の相順(相回転)の確認」は正しい組合せハ(電力計と消費電力量の測定)

出典:令和4年度下期(午前)・(午後)、令和8年度上期と各回の解答。

令和4年度下期の問18の写真は、円形の表示部がある小さな本体から、3本のリード線が出ているもので、リード線の先はクリップになっています(センターの問題の写真)。選択肢には、三相回路の電圧の測定、三相電動機の回転速度の測定、三相電動機の軸受けの温度の測定の用途が並び、いずれも誤りでした。

令和8年度上期の問24 は、4つの組合せのうち3つが正しく、誤りは1つです。誤りは「電力計と消費電力量の測定」(消費電力量は電力量計で測る、というのが当サイトの補足)で、検相器の組合せは正しい側にありました。検電器・回路計・クランプメータなど、検相器以外の測定器の早見表は、測定器の記事にまとめています。この記事では表を繰り返しません。

似た言葉との違い:何を測るか

令和4年度下期(午後)問24 では、4つの組合せのうち、検相器の用途を「電動機の回転速度の測定」とした1つが誤りの組合せでした。

器具測る(調べる)もの試験で手がかりになる記述
検相器三相回路の相順(相回転)令和8年度上期 問24(正しい組合せ)
検電器電路の充電の有無令和4年度下期(午後)問24(正しい組合せ)
回路計(テスタ)導通など令和4年度下期(午後)問24・令和8年度上期 問24(正しい組合せ)

出典:令和4年度下期(午後)、令和8年度上期。

電動機の回転速度は、検相器で測るものではなく、計算で求める問題として出ています。三相かご形誘導電動機の回転速度は、極数と周波数で決まる同期速度の式で計算します(標準的な式。実際の回転速度は、これより少し低くなります)。

同期速度[min⁻¹]= 120 × 周波数[Hz] ÷ 極数

当サイトの計算(2回検算):

  • 極数6・周波数60Hz:120 × 60 ÷ 6 = 1,200 min⁻¹(検算:1,200 × 6 = 7,200、7,200 ÷ 120 = 60)。令和6年度下期 問14は、選択肢の中で最も近い回転速度としてロ(1200)が正答です
  • 極数6・周波数50Hz:120 × 50 ÷ 6 = 1,000 min⁻¹(検算:1,000 × 6 = 6,000、6,000 ÷ 120 = 50)。令和7年度上期 問14は、ロ(1000)が正答です

回転速度の問題と、検相器の問題は、別の知識を問う問題です。「回転」という語が出たときは、速度なのか、向き(相順)なのかを区別します。三相誘導電動機の始動方法は、スターデルタ始動の記事で整理しています。

間違えやすいポイント

  • 検相器は、回転速度ではなく、相順(相回転)を調べる器具です。 令和4年度下期(午後)問24で、この取り違えが誤りの組合せとして出ています。
  • 検電器は充電の有無、検相器は相順です。 名前の最初の1文字(電と相)で区別できます(当サイトの覚え方)。
  • 「いずれか2本を入れ替えると逆回転する」は、学科では正しい記述として出ています。 3本すべてを回すように入れ替えても、相順は変わりません(当サイトの説明)。
  • 検相器の語は、解釈・省令・電気工事士法施行規則に記載がありません(2026-10-09 時点)。 条文を探すのではなく、器具の用途として覚えます。
  • 「電動機の回転速度を測る」は、検相器の用途ではありません。 回転速度は、同期速度の式で計算する問題として出ています(令和6年度下期 問14・令和7年度上期 問14)。

まとめ

  • 検相器は、三相回路の相順(相回転)を調べる測定器。学科では、令和4年度下期(午前・午後)問18(写真の用途)、令和4年度下期(午後)問24・令和8年度上期 問24(測定器と用途の組合せ)に出ている
  • 検相器と電動機の回転速度の測定は、誤りの組合せ。検電器は電路の充電の有無を確認する器具で、検相器とは別
  • 三相かご形誘導電動機の「3本のうちいずれか2本を入れ替えると逆回転する」は、学科で正しい記述として出ている(令和5年度上期(午後)問14、令和8年度上期 問14)
  • 回転速度は同期速度=120×周波数÷極数で計算する(60Hz・6極なら1,200 min⁻¹)
  • 検相器の語は、電気設備の技術基準の解釈・省令・電気工事士法施行規則に記載がない(2026-10-09 時点)。実際の配線の作業は、設備の管理者や所轄の窓口に確認する

よくある質問

Q検相器は何を調べる器具ですか?

三相回路の相順(相回転)を調べる器具です。電気技術者試験センターの学科試験では、令和4年度下期(午前・午後)の問18が、写真の器具の用途を「三相回路の相順を調べるのに用いる」から選ぶ形で出ています。令和8年度上期 問24 では、「検相器と三相回路の相順(相回転)の確認」が、低圧回路を試験する場合の測定器と用途の正しい組合せとして選択肢に並びました。

Q相順(相回転)とは何ですか?

三相交流は、3本の電線の電圧が少しずつずれた時刻に最大になります。その最大になる順番を相順といいます(当サイトの説明)。電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正の版)と電気工事士法施行規則には、「相順」「検相器」の語の記載がありません(2026-10-09 時点)。試験では、相順を電動機の回転と結びつけた記述が出ています。

Q三相電動機の回転方向を逆にするには、どうしますか?

試験の記述では、「3本の結線のうちいずれか2本を入れ替えると逆回転する」が、一般用低圧三相かご形誘導電動機に関する正しい記述として出ています(令和5年度上期(午後)問14、令和8年度上期 問14。どちらも誤りを選ぶ問題で、この記述は誤りの選択肢ではありません)。実際の電動機の配線を変更する作業は、電気工事士法の対象かどうかを含め、電気工事士法の窓口である都道府県の担当課や、設備の管理者に確認してください。

Q検相器と検電器は同じですか?

同じではありません。検電器は電路の充電の有無を確認する器具で、令和4年度下期(午後)問24 の選択肢「検電器と電路の充電の有無の確認」は正しい組合せでした。検相器は相順を調べる器具です。同じ問24 では、「検相器と電動機の回転速度の測定」が誤りの組合せで、これが正答(ハ)でした。

Q検相器は、第二種電気工事士の技能試験で使いますか?

技能試験の項目として、センターは「電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定」を挙げていますが、検相器の語は電気技術者試験センターの技能試験の説明にありません(試験概要のページ、2026-10-09 時点)。この記事は学科試験の内容を扱っています。

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