第二種電工

クランプメータとは?検電器・接地抵抗計・回路計の使い分け第二種電気工事士

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

クランプメータは電線をはさんで電流を測る計器、検電器は電路に電圧がかかっているかを調べる器具、接地抵抗計は接地極の抵抗を測る計器です。回路計との違いと、第二種電気工事士の学科試験「検査」分野での問われ方を、センターの公表問題の正答と解釈の条文で整理します。

目次
  1. 測定器4種:何を測るか(早見表)
  2. クランプメータ:電線をはさんで電流を測る
  3. 検電器:電圧がかかっているかを調べる
  4. 接地抵抗計:接地極の抵抗を測る
  5. 回路計(テスタ):電圧・抵抗・導通
  6. 間違えやすいポイント
  7. まとめ
結論:クランプメータは、電線をはさむだけで流れている電流を測る計器です(負荷電流用と、mA単位の漏れ電流用があります)。検電器は、電路に電圧がかかっているか(充電の有無)を調べる器具。接地抵抗計は、接地極と大地の間の抵抗を測る計器。回路計(テスタ)は、電圧・抵抗・導通を調べる計器です。第二種電気工事士の学科試験では「検査」の分野で、測定器と用途の組合せ、使う前の確認、はさみ方や補助接地極の置き方が問われます。絶縁抵抗計は絶縁抵抗測定の記事で扱っているので、ここでは繰り返しません。

電気技術者試験センターの公表問題(令和4年度上期〜令和8年度上期)のうち、この記事で使った問題の問題文と正答は、令和8年度上期・令和7年度下期・令和7年度上期・令和6年度上期・令和5年度下期(午前)・令和5年度上期(午後)・令和4年度下期(午前)・令和4年度下期(午後)・令和4年度上期(午後) の公式PDFで読めます。条文は経済産業省の電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正)によります。

測定器4種:何を測るか(早見表)

測定器測るもの試験で手がかりになる記述(センターの公表問題)
クランプメータ(クランプ式電流計)負荷電流令和8年度上期 問24:「クランプ式電流計 と 負荷電流の測定」は正しい組合せ
漏れ電流計(クランプ形)漏れ電流(mA単位)令和5年度上期(午後)問27:「接地線を開放することなく,漏れ電流が測定できる。」は正しい記述
検電器(低圧)電路の充電の有無令和4年度上期(午後)問24:ネオン式検電器を使用する目的は「電路の充電の有無を確認する。」
接地抵抗計接地極の接地抵抗令和7年度下期 問26:直読式で補助接地極(2か所)を置く配置を問う
回路計(テスタ)電圧・抵抗・導通令和8年度上期 問24:「回路計(テスタ) と 導通試験」は正しい組合せ
絶縁抵抗計電路の絶縁抵抗別記事を参照

似た名前の計器も、組合せ問題の選択肢に並びます。令和8年度上期 問24 では「検相器 と 三相回路の相順(相回転)の確認」が正しい組合せ、「電力計 と 消費電力量の測定」が誤りの組合せでした(正答はハ)。電力計は電力[W]を測る計器で、消費電力量[kW・h]は電力量計で測ります(当サイトの補足)。令和4年度下期(午後)問24 では、「検相器 と 電動機の回転速度の測定」が誤りの組合せです(正答はハ)。検相器と相順の関係は、検相器の記事で説明しています。

クランプメータ:電線をはさんで電流を測る

クランプメータは、電線を切らずに、はさむだけで電流を測れる計器です。負荷電流を測るものと、漏れ電流を測るものがあります。

漏れ電流を測るクランプ形の計器について、センターは次のように整理しています(令和5年度上期(午後)問27、正答はイ=誤りの記述を選ぶ問題)。

記述扱い
「接地線を開放することなく,漏れ電流が測定できる。」正しい
「漏れ電流計には増幅回路が内蔵され,[mA]単位で測定できる。」正しい
「漏れ電流専用のものとレンジ切換えで負荷電流も測定できるものもある。」正しい
「漏れ電流計(クランプ形)の方が一般的な負荷電流測定用のクランプ形電流計より感度が低い。」誤り

負荷電流用より、漏れ電流用の方が感度が高い(小さな電流が読める)、ということです。

はさみ方:3線をまとめてはさむ

令和8年度上期 問27 は、単相3線式回路の漏れ電流の有無を、クランプ形漏れ電流計で測る方法を、はさみ方の図4つから選ぶ問題です。正答はニで、図は電圧線2本と中性線の3本をまとめてはさんでいます。

当サイトの作例で確かめます。単相3線式で、上の電圧線に10A、下の電圧線に7Aが流れ、中性線に3Aが戻る(向きは逆)とします。漏れがなければ、3本の電流の合計(向きを考えた和)は 10 − 7 − 3 = 0A で、メータは0を示します。どこかで2mAが大地に漏れていると、戻る電流が2mA足りなくなり、3本をまとめてはさんだ表示は2mAです。電圧線の2本だけをはさむと、10 − 7 = 3A が表示されてしまい、漏れ電流は読めません。

解釈 第14条第1項第二号は、絶縁抵抗測定が困難な場合に、「当該電路の使用電圧が加わった状態における漏えい電流が、1mA以下であること」で絶縁性能を満たすとしています。令和7年度下期 問25 は、この測定をクランプ形漏れ電流計で行う問題です。判定の値は絶縁抵抗の記事の「停電できないとき」で扱っています。

検電器:電圧がかかっているかを調べる

検電器は、電路や機器に電圧がかかっているか(充電されているか)を、触れずに、または触れて確かめる器具です。作業の前に、停電しているかを確かめるときなどに使います。

センターの公表問題では、検電器は次のように扱われています。

問題内容
令和4年度上期(午後)問24ネオン式検電器を使用する目的は。選択肢のうち「電路の充電の有無を確認する。」が正答(ニ)
令和4年度下期(午後)問24測定器と用途の組合せで、「検電器 と 電路の充電の有無の確認」は正しい組合せ(誤りはハ)
令和5年度下期(午前)問24低圧検電器の記述。誤りはハ

令和5年度下期(午前)問24 の4つの記述のうち、センターが正しいとしているのは次の3つです(正答はハ=誤りの記述を選ぶ問題のため)。

  • 「低圧検電器では,接触式と非接触式のものがある。」
  • 「音響発光式には電池が必要であるが,ネオン式には不要である。」
  • 「電路の充電の有無を確認するには,当該電路の全ての電線について検電することが必要である。」

誤りとされたのは「使用電圧100Vのコンセントの接地側極では検知するが,非接地側極では検知しない」で、実際は反対です。大地との間に電圧があるのは非接地側の極で、接地側の極は大地とほぼ同電位だからです(当サイトの説明)。

令和7年度下期 問24 は、屋内配線工事が完了したときの検査の内容の空欄を埋める問題で、導通試験の空欄(C)が「回路計」の組合せが正答(イ)でした(空欄(C)が「検電器」の組合せも選択肢に並びます)。検電器で導通は調べられません。

接地抵抗計:接地極の抵抗を測る

接地抵抗計は、接地工事をした接地極と大地の間の抵抗を測る計器です。測った値が、接地工事の種類ごとの基準以下であることを確かめます。解釈 第17条は、C種接地工事の接地抵抗値を「10Ω(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500Ω)以下」(第3項第一号)、D種接地工事を「100Ω(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500Ω)以下」(第4項第一号)としています。種類ごとの値と省略条件は接地工事の記事で扱っています。

試験で問われる点は、次のとおりです。

点センターの公表問題
補助接地極(2か所)の配置令和7年度下期 問26:「被測定接地極を端とし,一直線上に2 箇所の補助接地極を順次10 m 程度離して配置する。」が正答(イ)
3極法の手順令和8年度上期 問26:測定の前に、補助接地極の配置、電池の有効性、接地極の「地電圧」が許容値以下であること、を確認する。空欄の正答はイ(地電圧)
測定前の確認令和7年度上期 問26:「端子間を開放して測定し,指示計の零点の調整をする。」は誤り(正答はロ)。電池の有効性、地電圧、補助極の位置は正しい記述
出力令和5年度上期(午後)問26:「出力端子における電圧は,直流電圧である。」は誤り(正答はロ)
計器の種類同問:「ディジタル形と指針形(アナログ形)がある。」は正しい記述

絶縁抵抗計は測定前に線路端子と接地端子を短絡して零点を確かめるのに対し(令和6年度上期 問25)、接地抵抗計の測定前の確認は、上の表のとおり「電池・地電圧・補助極の位置」です。両者を混同しないようにします。

回路計(テスタ):電圧・抵抗・導通

回路計は、電圧、抵抗、導通を測る万能型の計器です。試験では、使い方の手順と、絶縁抵抗計との線引きが問われます。

アナログ式回路計(電池内蔵)の抵抗測定について、令和6年度上期 問24 は、次の手順を正しい記述としています。

1. 回路計の電池が有効であることを確認する

2. 抵抗測定レンジに切り換える。被測定物の概略値が想定される場合は、測定レンジの倍率を適正なものにする

3. 赤と黒の測定端子(テストリード)を短絡し、指針が0になるよう調整する

4. 被測定物に接続して、指示値を読む

誤りとされたのは「測定レンジに倍率表示がある場合は,読んだ指示値を倍率で割って測定値とする」で、倍率表示がある場合は、読んだ値に倍率を掛けます(正答はニ。倍率を掛けることは、当サイトの補足)。

令和4年度下期(午前)問24 では、次のように扱われています(正答はハ)。

記述扱い
「交流又は直流電圧を測定する場合は,あらかじめ想定される値の直近上位のレンジを選定して使用する。」正しい
「電路と大地間の抵抗測定を行った。その測定値は電路の絶縁抵抗値として使用してよい。」誤り
「抵抗を測定する場合の回路計の端子における出力電圧は,交流電圧である。」誤り
「ディジタル式は電池を内蔵しているが,アナログ式は電池を必要としない。」誤り

間違えやすいポイント

  • 検電器は「電圧の有無」、回路計は「導通・電圧・抵抗」、絶縁抵抗計は「絶縁抵抗」。用途の取り違えが、組合せ問題の誤りの選択肢になります
  • クランプメータが電線をはさんで測るのは電流です。漏れ電流は、電線をまとめてはさんで測ります
  • 接地抵抗計の補助接地極は、被測定接地極を端にして一直線上に順に10m程度。5mや1m、正三角形の配置は、センターの正答ではありません(令和7年度下期 問26)
  • 接地抵抗計の出力は直流ではなく、回路計の抵抗測定の出力は交流ではありません

まとめ

  • クランプメータ:電線をはさんで電流を測る。漏れ電流用は mA 単位で、接地線を開放せずに測れ、単相3線式では3本をまとめてはさむ
  • 検電器:電路の充電の有無を確認する。コンセントでは非接地側の極で検知する。確認するときは、その電路の全ての電線について検電する
  • 接地抵抗計:補助接地極を一直線上に10m程度ずつ離して置く。測定前に電池と地電圧を確認する。出力は直流ではない
  • 回路計:導通・電圧・抵抗。抵抗値は絶縁抵抗値として使えない

よくある質問

Qクランプメータで漏れ電流を測るとき、電線は何本をはさみますか。

単相3線式では、2本の電圧線と中性線の3本をまとめてはさみます。令和8年度上期 問27(単相3線式回路の漏れ電流の有無をクランプ形漏れ電流計で測る方法)の選択肢は、はさみ方を描いた4つの図で、センターの公表した正答は、3本を一緒にはさんだ図のニです。漏れがなければ、3本の電流を向きも含めて合計すると0になるので、3本をまとめてはさむと打ち消し合い、大地へ漏れた分だけが差として表示されます(当サイトの説明)。

Q低圧検電器は、コンセントの両方の穴で反応しますか。

反応するのは、大地との間に電圧がある非接地側の極だけです。令和5年度下期(午前)問24 は、低圧検電器の記述のうち「使用電圧100Vのコンセントの接地側極では検知するが,非接地側極では検知しない」を誤りとしており、センターの正答はハでした。接地側の極は大地とほぼ同電位なので、電圧を検知しません(当サイトの説明)。

Q接地抵抗計の出力は、直流ですか交流ですか。

直流ではありません。令和5年度上期(午後)問26 は、接地抵抗計(電池式)の記述として「接地抵抗計の出力端子における電圧は,直流電圧である。」を誤りとし、センターの正答はロでした。接地抵抗計は交流の電流を流して測る計器で、直流を使わないのは、土の中で分極が起きて値が正しく出ないためです(当サイトの補足)。なお回路計(テスタ)の抵抗測定では、令和4年度下期(午前)問24 が「抵抗を測定する場合の回路計の端子における出力電圧は,交流電圧である。」を正しい記述としていません(正しい記述を選ぶ問題で、正答はハ)。回路計の抵抗測定は内蔵電池の直流で測る(当サイトの補足)、接地抵抗計の出力は直流ではない、という違いです。

Q回路計(テスタ)で測った抵抗値を、絶縁抵抗値として使えますか。

使えません。令和4年度下期(午前)問24(回路計の正しい記述を選ぶ問題。正答はハ)では、「電路と大地間の抵抗測定を行った。その測定値は電路の絶縁抵抗値として使用してよい。」は正答ではありません。絶縁抵抗は、絶縁抵抗計で測ります。基準値と測り方は、絶縁抵抗の記事にまとめています。

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