ライティングダクト工事は、電気設備の技術基準の解釈第165条第3項で定める低圧屋内配線の工事です。支持点間2m以下・開口部は下向き(例外あり)・造営材を貫通しない・接地の例外などの条件と、金属ダクト工事(第162条)・フロアダクト工事(第165条第1項)の違い、使える場所(156-1表)、令和6年度上期 問20などの出題を整理します。
目次
結論:ライティングダクトとは、電気設備の技術基準の解釈で「ライティングダクト工事」として定められている、低圧屋内配線の工事に使うダクトです(第165条第3項)。解釈は「ライティングダクトの導体」「ダクトの導体」という言葉を使っていて(第4条、第165条第3項第九号)、条件として、支持点間の距離2m以下、終端部の閉そく、開口部は下向き(例外あり)、造営材を貫通しない、D種接地工事(例外あり)、地絡遮断装置(例外あり)などを挙げています(各号は後の表)。使える場所は、乾燥した場所で使用電圧300V以下の、展開した場所と点検できる隠ぺい場所です。金属ダクト工事(解釈第162条)やフロアダクト工事(解釈第165条第1項)とは、条文も使える場所も別です。
この記事は、「ライティングダクトとは何か」を調べている方にも、試験の準備をしている方にも読めるように、はじめに3つのダクト工事の違いを整理し、後半で条文の条件と、センターの公表問題での出方を扱います。ご自宅や店舗のライティングダクトの取付けや増設について、当サイトが個別に判断することはできません。工事は電気工事業者に相談してください。資格が要る作業の範囲は、電気工事士2種でできることで条文を整理しています(電気工事士法施行規則第2条第1項第一号ニは、電線管、線樋(せんぴ)、ダクトその他これらに類する物に電線を収める作業を挙げています)。
試験センター非提携:本サイトは一般財団法人 電気技術者試験センターと一切関係ありません。試験の出題・資料は、出典を示して内容を紹介しています。製品名やメーカーは扱いません。
解釈の版:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省のPDF)の最終改正は、令和7年11月20日付けです。条文の番号や数値は改正で変わることがあります。最終確認日:2026-10-09。出典:電気設備の技術基準の解釈(PDF)。
3つのダクト工事のちがい(早見表)
次の表は、解釈の条文から、3つのダクト工事の主な項目を抜き出して並べたものです(表に書いた項目では、条件・ただし書を省いていません。表にない号もあるので、全体は各節と条文を見てください)。バスダクト工事(第163条)とセルラダクト工事(第165条第2項)は、この記事では扱いません。
| 項目 | 金属ダクト工事(第162条) | フロアダクト工事(第165条第1項) | ライティングダクト工事(第165条第3項) |
|---|---|---|---|
| 使える場所(156-1表) | 展開した場所・点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所(使用電圧300V以下・300V超過とも) | 点検できない隠ぺい場所の乾燥した場所(使用電圧300V以下) | 展開した場所・点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所(使用電圧300V以下) |
| 電線 | 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く) | 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)で、より線又は直径3.2mm(アルミ線にあっては4mm)以下の単線 | ダクトの導体(解釈第4条の裸電線の規定の対象から、ライティングダクトの導体は除かれています。第144条第三号は、第165条第3項で施設する場合を、裸電線の使用制限の例外にしています) |
| 電線の接続点 | ダクト内には設けない。ただし、電線を分岐する場合でその接続点が容易に点検できるときを除く | 同左 | ダクト相互及び電線相互を、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続する |
| 支持点間・取付け | 支持点間3m以下(取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所で垂直に取り付ける場合は6m以下)、堅ろうに取り付ける | 支持点間の数値の規定は、第165条第1項にありません。ダクト相互・ボックス・引出口は堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続する | 造営材に堅ろうに取り付け、支持点間2m以下 |
| 終端部 | 閉そくする | 閉そくする | 閉そくする |
| 接地 | 使用電圧300V以下はD種接地工事。300V超過はC種接地工事(接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施すダクトと電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く)を施す場合はD種接地工事によることができる) | D種接地工事 | D種接地工事。ただし、絶縁物で金属製部分を被覆したダクト、又は対地電圧150V以下でダクト長4m以下(接続して使う場合は全長)のときは除く |
| そのほか | 電線の断面積の総和はダクト内部断面積の20%以下(制御回路等のみは50%以下)。ダクトは幅5cm超かつ厚さ1.2mm以上の鉄板又は同等以上 | ダクト及びボックスその他の附属品(ダクト相互を接続するもの及びダクトの端に接続するものに限る)は、電気用品安全法の適用を受ける金属製のもの、又は厚さ2mm以上の鋼板で堅ろうに製作し、亜鉛めっき若しくはエナメル等の被覆を施し、端口及び内面を滑らかにしたもの。水のたまるような低い部分を設けない。ボックス・引出口は、床面から突出しないように施設し、水が浸入しないように密封する | 開口部は下向き(例外あり)、造営材を貫通しない、地絡遮断装置(例外あり) |
出典:電気設備の技術基準の解釈第4条・第144条・第156条(156-1表)・第162条・第165条。配線器具や工具の暗記表は電気工事士2種の暗記表に、工事の種類の全体は工事の方法の攻略記事にまとめています。
ライティングダクト工事の条件(解釈第165条第3項)
第165条第3項は、ライティングダクト工事による低圧屋内配線を、次の各号によると定めています。
| 号 | 内容 | 令和6年度上期 問20での対応 |
|---|---|---|
| 一 | ダクト及び附属品は、電気用品安全法の適用を受けるものであること | 選択肢に出ていません |
| 二 | ダクト相互及び電線相互は、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続すること | 選択肢に出ていません |
| 三 | ダクトは、造営材に堅ろうに取り付けること | イ(適切) |
| 四 | ダクトの支持点間の距離は、2m以下とすること | イ(1.5mは適切) |
| 五 | ダクトの終端部は、閉そくすること | ロ(適切) |
| 六 | ダクトの開口部は、下に向けて施設すること。ただし、次のいずれかに該当する場合は、横に向けて施設することができる(イ:簡易接触防護措置を施し、かつ、ダクトの内部にじんあいが侵入し難いように施設する場合、ロ:JIS C 8366(2012)「ライティングダクト」の「5 性能」、「6 構造」及び「8 材料」の固定Ⅱ形に適合するライティングダクトを使用する場合) | イ(開口部を下に向けたので適切) |
| 七 | ダクトは、造営材を貫通しないこと | ニ(壁を貫通したので不適切) |
| 八 | ダクトには、D種接地工事を施すこと。ただし、(イ)合成樹脂その他の絶縁物で金属製部分を被覆したダクトを使用する場合、(ロ)対地電圧が150V以下で、かつ、ダクトの長さ(2本以上のダクトを接続して使用する場合は、その全長)が4m以下の場合は、この限りでない | ハ(全長3.5mで省略は適切) |
| 九 | ダクトの導体に電気を供給する電路には、地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。ただし、ダクトに簡易接触防護措置(金属製のものであって、ダクトの金属製部分と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は、この限りでない | 選択肢に出ていません |
出典:電気設備の技術基準の解釈第165条第3項。右端の欄は、センターの令和6年度上期 問20の選択肢と、この条文の対応を当サイトが整理したものです。
条文以外に、電気用品安全法施行令の別表第二第四号(三)は、「ライティングダクト及びその附属品(ライティングダクトを接続し、又はその端に接続するものに限る。)並びにライティングダクト用接続器(定格電流が五〇アンペア以下のものであつて、極数が五以下のものに限り、タイムスイッチ機構以外の点滅機構を有するものを含む。)」を、特定電気用品以外の電気用品として挙げています(定格電圧が100ボルト以上300ボルト以下で、交流の電路に使用するものに限る、などの条件が柱書きにあります)。表示や特定電気用品との違いは、電気用品安全法の記事で扱っています。
令和6年度上期 問20を条文で読む
令和6年度上期 問20は、使用電圧100Vの低圧屋内配線のライティングダクト工事として、不適切なものを選ぶ問題です。センターの解答はニで、選択肢の内容と、条文の対応は次のとおりです。
- イ:ダクトの開口部を下に向け、支持点間の距離を1.5mとし、造営材に堅ろうに取り付けた。第三号・第四号(2m以下)・第六号(下向き)に合っています。
- ロ:終端部をエンドキャップを用いて閉そくした。第五号に合っています(エンドキャップは、閉そくの方法の一つです。当サイトの整理)。
- ハ:全長が3.5mなので、D種接地工事を省略した。第八号ロ(対地電圧が150V以下で、長さが4m以下)に合っています。
- ニ:建造物の壁を貫通してライティングダクトを設置した。第七号(造営材を貫通しないこと)に合わないので、不適切です(建造物の壁を造営材と読んでいます。当サイトの整理)。
出典:令和6年度上期の問題、解答(令和6年度上期)。
使える場所:156-1表でライティングダクト工事を探す
低圧屋内配線の工事の種類は、第156条の表(156-1表)で、施設場所の区分(展開した場所・点検できる隠ぺい場所・点検できない隠ぺい場所、乾燥した場所・湿気の多い場所又は水気のある場所)と、使用電圧の区分(300V以下・300V超過)から決まります。主な行は工事の方法の出題分類の記事にまとめているので、ここではダクトの列だけを取り出します(○が付いている場所の行です)。
| 施設場所の区分 | 使用電圧 | 金属ダクト | フロアダクト | ライティングダクト |
|---|---|---|---|---|
| 展開した場所・乾燥した場所 | 300V以下 | ○ | なし | ○ |
| 展開した場所・乾燥した場所 | 300V超過 | ○ | なし | なし |
| 展開した場所・湿気の多い場所又は水気のある場所 | 300V以下・300V超過 | なし | なし | なし |
| 点検できる隠ぺい場所・乾燥した場所 | 300V以下 | ○ | なし | ○ |
| 点検できる隠ぺい場所・乾燥した場所 | 300V超過 | ○ | なし | なし |
| 点検できる隠ぺい場所・湿気の多い場所又は水気のある場所 | - | なし | なし | なし |
| 点検できない隠ぺい場所・乾燥した場所 | 300V以下 | なし | ○ | なし |
| 点検できない隠ぺい場所・乾燥した場所 | 300V超過 | なし | なし | なし |
| 点検できない隠ぺい場所・湿気の多い場所又は水気のある場所 | - | なし | なし | なし |
出典:電気設備の技術基準の解釈第156条の表(156-1表。○は、使用できることを示す)。
センター公表の令和4年度上期〜令和8年度上期の学科試験問題で、この表に対応し、ダクトの工事が出ている問は、次のとおりです(当サイトの整理)。
- 令和4年度下期(午後)問20:使用電圧100Vの屋内配線の施設場所による工事の種類の表(金属線ぴ工事・金属管工事・金属ダクト工事と、点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所・展開した場所で湿気の多い場所)から、「施設できない工事」を全て選ぶ問題。センターの解答はロ(b,f)で、展開した場所で湿気の多い場所の金属線ぴ工事と金属ダクト工事に当たります。
- 令和5年度上期(午後)問20:同じ形の問題で、表の列は金属線ぴ工事・金属ダクト工事・ライティングダクト工事、行は展開した場所で湿気の多い場所・点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所です。センターの解答はイ(a,b,c)で、展開した場所で湿気の多い場所の3つの工事に当たります。
- 令和5年度下期(午前)問20:表の列は金属ダクト工事・合成樹脂管工事(CD管を除く)・セルラダクト工事、行は展開した場所で乾燥した場所・点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所で、「施設できる工事」を全て選ぶ問題です。センターの解答はロ(a,b,d,e,f)で、展開した場所のセルラダクト工事(c)だけが入りません。
- 令和6年度下期 問20:使用電圧100Vの屋内配線の施設場所における工事の種類で、不適切なものを選ぶ問題。センターの解答はイ(点検できない隠ぺい場所であって、乾燥した場所のライティングダクト工事)です。ロ(点検できない隠ぺい場所・湿気の多い場所の、防湿装置を施した合成樹脂管工事(CD管を除く))、ハ(展開した場所・湿気の多い場所のケーブル工事)、ニ(展開した場所・湿気の多い場所の、防湿装置を施した金属管工事)は、表で○が付いています。
- 令和7年度下期 問20:単相3線式100/200Vの2階建て木造住宅の低圧屋内配線工事として、不適切なものを選ぶ問題。センターの解答はロ(乾燥した場所の点検口のある天井裏に、600Vビニル絶縁電線を、合成樹脂製可とう電線管(CD管)に通線して施工した)です。選択肢ニの「展開した場所で乾燥した場所の居間に,ライティングダクト工事を行った」は、表で○が付いているので不適切ではありません。CD管の条件は配管材料の記事で扱っています。
金属ダクト工事(第162条)
金属ダクト工事は、幅が5cmを超え、かつ、厚さが1.2mm以上の鉄板(又はこれと同等以上の強さを有する金属製のもの)で堅ろうに製作したダクトに、絶縁電線を収める工事です(第162条第2項第一号)。第1項第二号の「断面積の総和はダクトの内部断面積の20%以下」は、次のように使います。
当サイトの作例:内部断面積が50cm²(幅10cm×高さ5cm)の金属ダクトに、被覆を含む外径9mmの電線を収める場合。電線1本の断面積は、π×(0.9cm÷2)²=π×0.2025cm²=約0.636cm²です。20%以下の上限は、50cm²×0.2=10cm²。10cm²÷0.636cm²=約15.7なので、収められるのは15本までです(15本で約9.54cm²、16本で約10.18cm²)。電線を円形の断面として、すき間を考えない単純な計算です。制御回路等のみを収める場合の50%では、上限が25cm²になります。
ほかの条件は、前の早見表のとおりです。金属ダクト工事の語は、センターの公表問題では、施設場所の表の列(令和4年度下期(午後)・令和5年度上期(午後)・令和5年度下期(午前)の問20。前の節を参照)と、選択肢に出ています。選択肢では、令和5年度上期(午後)問33(③で示す部分の工事の種類)の選択肢ハ「金属ダクト工事」、令和6年度上期 問16(写真の矢印で示す材料の名称)の選択肢イ「金属ダクト」、令和8年度上期 問16(写真に示す材料が使用される工事)の選択肢イ「金属ダクト工事」で、いずれも解答ではありません(解答は、令和5年度上期(午後)問33がイ(ケーブル工事(CVT))、令和6年度上期 問16がロ(ケーブルラック)、令和8年度上期 問16がニ(金属線ぴ工事))。
フロアダクト工事(第165条第1項)
フロアダクト工事は、電線を絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)とし、より線又は直径3.2mm(アルミ線にあっては4mm)以下の単線を使います(第一号・第二号)。フロアダクト内には電線に接続点を設けないこと、ただし電線を分岐する場合でその接続点が容易に点検できるときは除く(第三号)。ダクトとボックスその他の附属品(ダクト相互を接続するもの及びダクトの端に接続するものに限る)は、次のいずれかであること(第四号)。イ:電気用品安全法の適用を受ける金属製のもの。ロ:厚さが2mm以上の鋼板で堅ろうに製作したもので、亜鉛めっきを施したもの又はエナメル等で被覆したものであり、端口及び内面が電線の被覆を損傷しないような滑らかなもの。施設では、ダクト相互・ダクトとボックス及び引出口を堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続すること、水のたまるような低い部分を設けないこと、ボックス及び引出口は床面から突出しないように施設し、かつ、水が浸入しないように密封すること、終端部を閉そくすること、D種接地工事を施すことが求められます(第五号)。
使える場所は、点検できない隠ぺい場所の乾燥した場所(使用電圧300V以下)です。センターが公表した学科試験問題(令和4年度上期〜令和8年度上期)のテキストには、「フロアダクト」の記載がありません(2026-10-09 時点)。なお、電気用品安全法施行令の別表第二第二号(二)は、「フロアダクト(幅が一〇〇ミリメートル以下のものに限る。)」を、特定電気用品以外の電気用品として挙げています。
公表問題での出方(令和4〜令和8年度)
次の表は、センター公表の令和4年度上期〜令和8年度上期の学科試験問題に、ライティングダクトの語が出る問です(当サイトの整理。写真の中の文字は含みません)。
| 回・問 | 問われ方 | ライティングダクトの出方 | センターの解答 |
|---|---|---|---|
| 令和6年度上期 問20 | 使用電圧100Vの低圧屋内配線のライティングダクト工事として、不適切なもの | 問題の主題(4つの選択肢が第165条第3項の号に対応) | ニ(壁を貫通) |
| 令和6年度下期 問20 | 使用電圧100Vの屋内配線の施設場所における工事の種類で、不適切なもの | 選択肢イ(点検できない隠ぺい場所・乾燥した場所のライティングダクト工事) | イ |
| 令和7年度下期 問20 | 単相3線式100/200V住宅の低圧屋内配線工事として、不適切なもの | 選択肢ニ(展開した場所・乾燥した場所の居間のライティングダクト工事)は不適切ではない | ロ |
| 令和5年度上期(午後)問20 | 使用電圧100Vの屋内配線の施設場所と工事の種類の表で、「施設できない工事」を全て選んだ組合せ | 表の列(展開した場所で湿気の多い場所はc、点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所はf) | イ(a,b,c) |
| 令和5年度下期(午後)問20 | 使用電圧100Vの低圧屋内配線工事として、不適切なもの | 選択肢ニ(造営材の下面に堅ろうに取り付け、支持点間の距離を2m)は解答ではない | ロ(2種キャブタイヤケーブルのケーブル工事) |
| 令和6年度上期 問16 | 写真の矢印で示す材料の名称 | 選択肢ハ(ライティングダクト)は解答ではない | ロ(ケーブルラック) |
| 令和6年度下期 問29 | 低圧の屋内電路に使用する電気用品のうち、特定電気用品の組合せ | 選択肢C(定格電圧125V・定格電流15Aのライティングダクト) | ロ(A,D) |
| 令和8年度上期 問29 | 配線器具のうち、特定電気用品の組合せ | 選択肢ニ(ライティングダクト,差込み接続器) | ハ(タイムスイッチ,配線用遮断器) |
| 令和4年度上期(午後)問18、令和5年度下期(午前)問18、令和7年度上期 問18 | 写真に示す工具の電気工事における用途 | 選択肢ニ「ライティングダクトの曲げ加工に用いる。」 | イ(硬質ポリ塩化ビニル電線管の曲げ加工に用いる) |
| 令和8年度上期 問18 | 写真に示す工具の用途 | 選択肢ハ「ライティングダクトの曲げ加工に用いる。」 | イ(硬質ポリ塩化ビニル電線管の曲げ加工に用いる) |
| 令和5年度下期(午後)問18 | 写真に示す工具の用途 | 選択肢ロ「ライティングダクトの切断に使用する。」 | ハ(硬質ポリ塩化ビニル電線管の切断に使用する) |
| 令和7年度上期 問13 | 電気工事の種類と、その工事に使用する工具との組合せで、適切なもの | 選択肢ロ(ライティングダクト工事と合成樹脂管用カッタ) | ハ(金属管工事とパイプベンダ) |
出典:センター公表の学科試験問題と解答。令和4年度上期(午後)、令和4年度下期(午後)、令和5年度上期(午後)、令和5年度下期(午前)、令和5年度下期(午後)、令和6年度上期、令和6年度下期、令和7年度上期、令和7年度下期、令和8年度上期。特定電気用品の問29は電気用品安全法の記事の表にも載せています。
間違えやすいポイント
- ライティングダクトの支持点間は2m以下、金属ダクトは3m以下(垂直で取扱者以外が出入りできない場所は6m)です。 数字を取り違えやすいところです(第162条第3項第二号、第165条第3項第四号)。
- ライティングダクトは、造営材を貫通できません。 令和6年度上期 問20の不適切な選択肢は、壁を貫通したものでした(第七号)。
- D種接地工事を省略できる条件は、2つのうちどちらか一方です。 絶縁物で金属製部分を被覆したダクトか、対地電圧150V以下かつ長さ4m以下です。「長さ」は、2本以上を接続して使う場合は全長です(第八号)。
- 使える場所は、ダクトの種類で違います。 ライティングダクトは乾燥した場所の300V以下で、展開した場所と点検できる隠ぺい場所に限られます。この記事で並べた3つのダクト工事のうち、点検できない隠ぺい場所の乾燥した場所(使用電圧300V以下)に○が付くのは、フロアダクト工事だけです(令和6年度下期 問20はライティングダクト工事が不適切の例)。
- ライティングダクトは、電気用品安全法施行令の別表第二第四号(三)(特定電気用品以外)です。 定格電圧などの条件は、本文の「ライティングダクト工事の条件」の節のとおりです。令和6年度下期と令和8年度上期の問29で、特定電気用品の組合せの誤りの選択肢として出ています。
まとめ
- ライティングダクト工事は解釈第165条第3項。支持点間2m以下・終端部の閉そく・開口部は下向き(例外あり)・造営材を貫通しない・D種接地工事(例外あり)・地絡遮断装置(例外あり)
- 使える場所は、展開した場所と点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所で、使用電圧300V以下(156-1表)。点検できない隠ぺい場所では使えない
- 金属ダクト工事は第162条。支持点間3m以下(取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所で垂直に取り付ける場合は6m以下)、電線の断面積の総和はダクト内部断面積の20%以下(制御回路等のみは50%以下)
- フロアダクト工事は第165条第1項。点検できない隠ぺい場所の乾燥した場所で、使用電圧300V以下。公表問題のテキストには、フロアダクトの記載がありません(2026-10-09 時点)
- 令和6年度上期 問20は、第165条第3項の号と、4つの選択肢がそのまま対応する問題
よくある質問
Qライティングダクト工事は、湿気の多い場所や、点検できない隠ぺい場所でも使えますか?
使えません。電気設備の技術基準の解釈の156-1表(第156条)で、ライティングダクト工事に○が付いているのは、展開した場所の乾燥した場所(使用電圧300V以下)と、点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所(使用電圧300V以下)だけです。湿気の多い場所又は水気のある場所、使用電圧300V超過、点検できない隠ぺい場所の行には、○がありません。令和6年度下期の問20は、使用電圧100Vの屋内配線で「点検できない隠ぺい場所であって,乾燥した場所のライティングダクト工事」が不適切なものとして出ていて、センターの解答はイでした。なお、第156条は、第172条第1項により施設するものと、第175条から第178条までに規定する場所に施設するものを除く、低圧屋内配線の規定です。出典:電気設備の技術基準の解釈第156条、令和6年度下期の問題。
Qライティングダクトに接地工事(D種接地工事)を施さなくてよいのは、どんな場合ですか?
解釈第165条第3項第八号は、ダクトにD種接地工事を施すことを原則とし、次のいずれかに当たる場合は施さなくてよいとしています。イ:合成樹脂その他の絶縁物で金属製部分を被覆したダクトを使用する場合。ロ:対地電圧が150V以下で、かつ、ダクトの長さ(2本以上のダクトを接続して使用する場合は、その全長)が4m以下の場合。令和6年度上期の問20の選択肢ハは、使用電圧100Vの配線で、全長3.5mのライティングダクトのD種接地工事を省略した、というもので、ロの条件に当たるため不適切ではありません(当サイトの整理。使用電圧100Vの電路の対地電圧が150V以下であることを前提にしています)。出典:電気設備の技術基準の解釈第165条第3項、令和6年度上期の問題。
Qライティングダクトに電気を供給する電路には、漏電遮断器(地絡遮断装置)が必要ですか?
解釈第165条第3項第九号は、ダクトの導体に電気を供給する電路に、地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設することを求めています。ただし、ダクトに簡易接触防護措置(金属製のものであって、ダクトの金属製部分と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は、この限りでないとしています。簡易接触防護措置は、解釈第1条第三十七号が、「設備を、屋内にあっては床上1.8m以上、屋外にあっては地表上2m以上の高さに、かつ、人が通る場所から容易に触れることのない範囲に施設すること」(イ)、又は「設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと」(ロ)のいずれかに適合するように施設することと定義しています。個別の設備がこの条件に当たるかどうかは、当サイトでは判断できません。工事を依頼する電気工事業者に確認してください。出典:電気設備の技術基準の解釈第1条・第165条。
Q金属ダクトに収める電線の本数に、決まりはありますか?
解釈第162条第1項第二号は、本数ではなく断面積で決めています。ダクトに収める電線の断面積(絶縁被覆の断面積を含む)の総和は、ダクトの内部断面積の20%以下であること、と定めています。ただし、電光サイン装置、出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等(自動制御回路、遠方操作回路、遠方監視装置の信号回路その他これらに類する電気回路)の配線のみを収める場合は、50%以下とすることができます。計算の例は、本文の「金属ダクト工事」の節にあります(当サイトの作例)。出典:電気設備の技術基準の解釈第162条。
Qフロアダクト工事は、どんな場所で使えますか? 試験に出ますか?
解釈の156-1表で、フロアダクト工事に○が付いているのは、点検できない隠ぺい場所の乾燥した場所(使用電圧300V以下)だけです。センターが公表した学科試験問題(令和4年度上期〜令和8年度上期)のテキストには、「フロアダクト」の記載がありません(2026-10-09 時点)。条文の内容は、本文の「フロアダクト工事」の節にまとめています。出典:電気設備の技術基準の解釈第156条・第165条第1項。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月9日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

