電気工事士2種(第二種電気工事士)で何ができるかを、電気工事士法3条・施行令1条(軽微な工事)・施行規則2条(軽微な作業)の現行条文で整理。住宅や店舗の工事、太陽光の出力の区分、免状なしでできるDIY、エアコン、仕事にするときの登録まで表で確認できます。
目次
結論:電気工事士2種(第二種電気工事士)の免状があると、一般住宅や小規模な店舗のように低圧(600V以下)で受電する場所の配線や電気設備(一般用電気工作物等)の電気工事の作業ができます(電気工事士法3条2項)。高圧で受電するビル・工場(自家用電気工作物)の工事は第一種の範囲で、第二種ではできません。一方、プラグにコードを付ける・ヒューズを替えるなどの「軽微な工事」と、露出型コンセントの取換えなどの「軽微な作業」は、免状がなくてもできると条文で決まっています。
合格ナビが収録する第二種電気工事士の過去問326問(電気技術者試験センター公表の令和4年度上期〜令和7年度下期の10回分から収録。令和5年度下期は未収録)のうち、「電気工事士でなければ従事できない作業」「第二種でも従事できない作業」を問う問題は6問、一般用電気工作物の範囲を問う問題は4問あります(2026-10-02 集計)。この記事は、その出題の根拠になる条文を、試験と実生活の両方で使える形にまとめたものです。
条文は e-Gov 法令検索で確認(2026-10-02 時点の現行条文):電気工事士法・電気工事士法施行令・電気工事士法施行規則・電気事業法施行規則・電気工事業の業務の適正化に関する法律。
第二種電気工事士でできること・できないこと(一覧表)
| 工事・作業 | 第二種の免状 | 根拠 |
|---|---|---|
| 一般住宅・小規模な店舗など、低圧で受電する場所の配線や電気設備の工事 | できる | 電気工事士法3条2項 |
| 低圧で受電する構内に設置する、出力50kW未満の太陽電池発電設備(電圧600V以下)の工事(同じ構内の合計50kW以上を除く) | できる | 法2条1項・電気事業法施行規則48条 |
| 高圧以上で受電する工場・ビル(最大電力500kW未満の需要設備)の工事 | できない(第一種) | 法3条1項 |
| 上のうち600V以下で使う部分(電線路を除く)の工事 | 認定電気工事従事者の認定を受ければできる | 法3条4項・施行規則2条の3 |
| 自家用電気工作物のネオン工事・非常用予備発電装置工事 | できない(特種電気工事資格者) | 法3条3項・施行規則2条の2 |
| プラグにコードを付ける・ヒューズの取替えなどの軽微な工事 | 免状がなくてもできる | 施行令1条 |
| 露出型コンセント・露出型スイッチの取換えなどの軽微な作業 | 免状がなくてもできる | 施行規則2条2項 |
| 電気工事業を営む(工事を請け負う) | 免状だけではできない(電気工事業の登録が必要) | 電気工事業法3条1項 |
第二種の作業範囲は「一般用電気工作物等」(法3条2項)
電気工事士法3条2項は、第二種の作業範囲を次のように定めています。
「第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第二種電気工事士」という。)でなければ、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業(一般用電気工作物等の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。」
「一般用電気工作物等」は、一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物を合わせた呼び方です(法2条1項)。電気技術者試験センターの電気工作物の概要は、一般用電気工作物を「主に一般住宅や⼩規模な店舗などのように、低圧(電圧600V以下)で受電している施設等に設置される電気工作物」と説明し、「第二種電気工事士は、一般用電気工作物等(一般用電気工作物及び小規模事業用電気工作物)に係る電気工事の作業に従事できます。」としています。
発電設備がある場合は、出力で区分が変わります(電気事業法施行規則48条。低圧で受電する構内に設置する場合)。
| 発電設備(電圧600V以下) | 区分 | 第二種で工事できるか |
|---|---|---|
| 太陽電池発電設備 出力10kW未満 | 一般用電気工作物 | できる |
| 太陽電池発電設備 出力10kW以上50kW未満 | 小規模事業用電気工作物 | できる |
| 風力発電設備 出力20kW未満 | 小規模事業用電気工作物 | できる |
| 内燃力の発電設備 出力10kW未満 | 一般用電気工作物 | できる |
同じ構内で電気的に接続した発電設備の出力の合計が50kW以上になるもの(48条2項ただし書)や、火薬類(煙火を除く)を製造する事業場(48条3項1号)は、一般用電気工作物等から外れます。
第二種ではできない工事(自家用電気工作物・特殊電気工事)
第二種の免状では、次の工事の作業はできません。
- 自家用電気工作物の電気工事:工場やビルなど高圧以上で受電する事業場の設備で、第一種電気工事士でなければ作業できません(法3条1項)。電気工事士法の自家用電気工作物からは、発電所・変電所・最大電力500kW以上の需要設備などが除かれています(法2条2項・施行規則1条の2)
- 特殊電気工事:自家用電気工作物のネオン工事と非常用予備発電装置工事で、特種電気工事資格者でなければ作業できません(法3条3項・施行規則2条の2)
第二種の免状を受けた後に広げる道は、条文とセンターの受験案内で次のとおりです。
| 道 | 条件 | できるようになること |
|---|---|---|
| 認定電気工事従事者 | 第二種の免状の交付後に電気工事の実務経験3年以上、または認定電気工事従事者認定講習の修了(施行規則4条の2第2項2号)。産業保安監督部長に申請 | 自家用電気工作物のうち電圧600V以下で使う部分(電線路を除く)の工事(法3条4項・施行規則2条の3) |
| 100kW未満の許可主任技術者 | センターの受験案内は「最大電力100kW未満の工場、ビル等に勤務している場合、事業主が免状取得者を当該事業場の電気主任技術者として各地域の産業保安監督部長等に選任の手続きを行い、許可が得られれば電気主任技術者として業務に就くことができます。」とし、手続きは事業場の代表者が行うと説明 | 電気主任技術者としての業務 |
| 第一種電気工事士 | 第一種の試験に合格し、実務経験の要件を満たして免状を受ける | 自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の工事 |
認定電気工事従事者の認定の条件と、第二種電気工事士との違いは、認定電気工事従事者とは?第二種電気工事士との違いと認定の条件(電気工事士法3条4項)で整理しています。
出典は令和8年度第二種電気工事士下期試験受験案内の「資格の概要」です。第一種との違い(試験科目・実務経験・講習)は電気工事士1種と2種の違いにまとめています。
この論点の過去問を解く:
免状がなくてもできる「軽微な工事」(施行令1条)
電気工事士法2条3項は、電気工事を「一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事」としたうえで、ただし書で「政令で定める軽微な工事を除く。」としています。その中身が施行令1条の6つです。電気工事に当たらないので、免状がなくてもできます。
| 号 | 軽微な工事(条文の要点) | 例として読める作業 |
|---|---|---|
| 1号 | 600V以下で使う差込み接続器・ねじ込み接続器・ソケット・ローゼットなどの接続器、ナイフスイッチ・カットアウトスイッチ・スナップスイッチなどの開閉器に、コード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事 | 差込みプラグにコードを付ける |
| 2号 | 600V以下で使う電気機器(配線器具を除く)・蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事 | 機器の端子台に電線をねじで留める |
| 3号 | 600V以下で使う電力量計・電流制限器・ヒューズを取り付け、取り外す工事 | ヒューズの取替え |
| 4号 | 電鈴・インターホーン・火災感知器・豆電球などに使う小型変圧器(二次電圧36V以下)の二次側の配線工事 | インターホンの二次側の配線 |
| 5号 | 電線を支持する柱・腕木などを設置・変更する工事 | — |
| 6号 | 地中電線用の暗渠(あんきょ)又は管を設置・変更する工事 | — |
2号は「配線器具を除く」電気機器が対象なので、コンセントやスイッチ(配線器具)への接続はこの号に入りません。
免状がなくてもできる「軽微な作業」と、免状が必要な作業(施行規則2条2項)
法3条2項の括弧書き「保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるもの」は、施行規則2条2項に書かれています。条文は「次に掲げる作業以外の作業」という書き方で、列挙された作業だけが電気工事士でなければできない作業です。一般用電気工作物等で列挙されているのは次のとおりです(2条1項1号イ〜ヌ・ヲを2条2項1号イで準用、接地は2条2項1号ロ)。
| 電気工事士でなければできない作業 | 条文 |
|---|---|
| 電線相互を接続する | 1項1号イ |
| がいしに電線を取り付け・取り外す | 同ロ |
| 電線を直接造営材(壁・天井など)その他の物件に取り付け・取り外す | 同ハ |
| 電線管・線樋(せんぴ)・ダクトなどに電線を収める | 同ニ |
| 配線器具を造営材などに取り付け・取り外し、又は電線を接続する(露出型点滅器・露出型コンセントの取換えを除く) | 同ホ |
| 電線管を曲げ・ねじ切りし、電線管相互や電線管とボックスなどを接続する | 同ヘ |
| 金属製のボックスを取り付け・取り外す | 同ト |
| 造営材を貫通する部分に金属製の防護装置を取り付け・取り外す | 同チ |
| 金属製の電線管などを、メタルラス張り・ワイヤラス張り・金属板張りの部分に取り付け・取り外す | 同リ |
| 配電盤を造営材に取り付け・取り外す | 同ヌ |
| 600Vを超えて使う電気機器に電線を接続する | 同ヲ |
| 接地線を取り付け・取り外す(600V以下で使う電気機器は除く)、接地線相互や接地線と接地極を接続する、接地極を地面に埋める | 2項1号ロ |
イとロには、電気さく(定格一次電圧300V以下で、感電により人体に危害を及ぼすおそれがないように出力電流を制限できる電気さく用電源装置から電気を供給されるもの)の電線についての除外があります。
読み方の要点は2つの括弧書きです。
- ホの括弧書きにより、露出型のスイッチ(点滅器)・露出型コンセントの取換えは列挙から外れ、免状がなくてもできます
- 2項1号ロの括弧書き「電圧六百ボルト以下で使用する電気機器を除く。」は接地線を取り付ける対象にかかるため、600V以下で使う電気機器への接地線の取付け・取外しは免状がなくてもできます。接地線どうしの接続、接地線と接地極の接続、接地極の埋設は免状が必要です
また、電気工事士が行う上の作業を「補助する作業」も、免状がなくてもできる作業です(2項2号)。
DIYでできること・できないこと(自宅の電気工事)
自宅の配線や電気設備は一般用電気工作物なので、上の2つの条文がそのまま当てはまります。
| 自宅でやりたいこと | 免状 | 根拠 |
|---|---|---|
| 差込みプラグにコードを付ける・付け替える | 不要 | 施行令1条1号 |
| 600V以下で使う電気機器の端子に電線をねじで留める | 不要 | 施行令1条2号 |
| ヒューズを取り替える(600V以下) | 不要 | 施行令1条3号 |
| インターホン・電鈴(ベル)の小型変圧器(二次36V以下)の二次側の配線 | 不要 | 施行令1条4号 |
| 露出型のコンセント・スイッチを取り換える | 不要 | 施行規則2条2項(1項1号ホの括弧書き) |
| 洗濯機など600V以下で使う電気機器に接地線を取り付ける | 不要 | 施行規則2条2項1号ロの括弧書き |
| 露出型以外のコンセント・スイッチを取り付ける、配線器具に電線をつなぐ | 必要 | 施行規則2条1項1号ホ |
| コンセントを増やすために電線どうしをつなぐ・壁や天井に電線を固定する | 必要 | 同イ・ハ |
| 電線管に電線を通す・電線管を曲げる | 必要 | 同ニ・ヘ |
| 配電盤を壁に取り付ける | 必要 | 同ヌ |
| 接地極(アース棒)を地面に埋める、接地線と接地極をつなぐ | 必要 | 施行規則2条2項1号ロ |
この表は電気工事士法の資格の要否だけを整理したもので、作業の安全や、他の法令・設備の持ち主の決まりまでは扱っていません。免状がいる作業を免状なしで行うことは法3条2項違反で、罰則があります。
電気工事士法3条1項〜3項に違反した場合の罰則:三月以下の拘禁刑又は三万円以下の罰金(電気工事士法14条)。最終確認日:2026-10-02。出典:e-Gov 法令検索 電気工事士法。
エアコンの取付けと電気工事士
エアコンの設置で、専用の回路やコンセントを新しく設ける・変える工事は、電線の接続(イ)、電線を造営材に固定する作業(ハ)、配線器具の取付けと電線の接続(ホ)などを含むため、電気工事士でなければできません。
エアコン本体は電気機器なので、本体の端子に電線をねじ止めする部分だけを見ると施行令1条2号(600V以下で使う電気機器の端子に電線をねじ止めする工事)の文言に当たります。ただ、実際の取付けで電線を壁に固定したり電線管に収めたりする作業は施行規則2条の列挙に当たり、その部分には免状が必要です。個別の工事がどの号に当たるかの判断は、この記事ではしていません。
電気工事を仕事にするとき(電気工事業の登録)
免状は「作業に従事する」ための資格で、電気工事を事業として請け負うには別に電気工事業の業務の適正化に関する法律の手続きが必要です。
- 登録:電気工事業を営もうとする者(自家用電気工作物の工事だけを営む者は17条の2の通知の手続き)は、営業所が1つの都道府県にだけあるときはその都道府県知事、2つ以上の都道府県にあるときは経済産業大臣の登録を受けなければなりません(3条1項)
- 主任電気工事士:登録電気工事業者は、一般用電気工事を行う営業所ごとに、第一種電気工事士か「第二種電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し三年以上の実務の経験を有する第二種電気工事士」を主任電気工事士として置きます(19条1項)
- 作業者:登録電気工事業者は、第一種・第二種の電気工事士でない者を一般用電気工事の作業(省令で定める軽微な作業を除く)に従事させてはなりません(21条2項)
登録・通知・届出の区分、登録先、営業所に必要な備え、一人親方の労災保険の特別加入といった独立・開業の手続は電気工事士で独立・開業するにはで整理しています。免状が関わる仕事の種類や、電気工事業者以外の事業所で働く場合の決まりは、電気工事士の就職先と職種は?免状が関わる仕事を法令で整理で条文ごとに整理しています。
免状を持って作業するときの義務
第二種の免状で作業するときは、作業の範囲だけでなく、次の義務も条文で決まっています。学科試験の「検査・法令」でよく問われる部分です。
- 技術基準に適合するように作業する(法5条1項。一般用電気工作物は電気事業法56条1項、小規模事業用電気工作物は同法39条1項の技術基準)
- 作業に従事するときは電気工事士免状を携帯する(法5条2項「…電気工事士免状…を携帯していなければならない。」)
- 電気用品安全法の表示が付いていない電気用品を、電気工作物の設置・変更の工事に使わない(電気用品安全法28条1項。表示と特定電気用品の区分は電気用品安全法の記事で扱っています)
この論点の過去問を解く:
合格してから免状を受けるまでの手続き(申請先・必要書類)は第二種電気工事士の合格発表と免状申請、学科で覚える数値は電気工事士2種の暗記表にまとめています。
よくある質問
Q第二種電気工事士の免状で、ビルや工場の電気工事もできますか?
高圧以上で受電する工場やビルなど(最大電力500kW未満の需要設備)は自家用電気工作物で、その電気工事の作業は第一種電気工事士でなければできません(電気工事士法3条1項)。ただし、第二種の免状を受けた後に3年以上の実務経験を積むか認定講習を修了して認定電気工事従事者の認定を受けると、そのうち電圧600V以下で使う部分(電線路を除く)の工事ができます(同法3条4項・施行規則2条の3・4条の2)。
Q露出型のコンセントやスイッチの交換に免状は要りますか?
要りません。施行規則2条2項は、電気工事士でなければできない作業として「配線器具を造営材その他の物件に取り付け…又はこれに電線を接続する作業」を挙げつつ、括弧書きで「露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業」を除いています。露出型以外の配線器具の取付けや、配線器具への電線の接続は免状が必要です。
Q試験に合格したら、すぐに電気工事の作業をしてよいですか?
電気工事士法3条2項は「第二種電気工事士免状の交付を受けている者」でなければ作業に従事してはならないとしています。合格後、住所地の都道府県知事に免状の交付を申請し、免状を受けてから作業します。申請先と必要書類は「第二種電気工事士の合格発表と免状申請」の記事にまとめています。
Q太陽光発電の工事は第二種電気工事士でできますか?
低圧で受電する構内に設置する電圧600V以下の太陽電池発電設備のうち、出力10kW未満は一般用電気工作物、10kW以上50kW未満は小規模事業用電気工作物で、どちらも第二種の作業範囲(一般用電気工作物等)です(電気事業法施行規則48条)。同じ構内で電気的に接続した発電設備の出力の合計が50kW以上になるものは除かれます。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月2日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

