第一種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第一種電工 令和5年度午前 問21|保安に関する法令

問題

第一種電工 | 保安に関する法令 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14

次の文章は,「電気設備の技術基準」で定義されている調相設備についての記述である。「調相設備とは,[  ]を調整する電気機械器具をいう。」上記の空欄にあてはまる語句として,正しいものは。

キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

「電気設備に関する技術基準を定める省令」(電技省令)第1条の用語の定義から、調相設備の意味を問う問題です。正答はウ「無効電力」です。調相設備とは、無効電力を調整する電気機械器具のことで、代表例は電力用コンデンサ(進相)や分路リアクトル(遅相)です。無効電力を調整することで、電圧の調整や力率の改善を行います。受電電力・最大電力(ア・イ)は有効電力に関する量、皮相電力(エ)は電圧と電流の積で、どれも調相設備が調整するものではありません。

交流回路の電力には、実際に仕事をする有効電力P〔kW〕、電源と負荷の間を行き来するだけの無効電力Q〔kvar〕、電圧と電流の積である皮相電力S〔kV・A〕があり、S²=P²+Q²の関係があります。

調相設備は、このうち無効電力を調整する設備です。電動機などの誘導性の負荷が多いと、遅れの無効電力が増えて力率が下がり、電線に流れる電流が増えて電圧降下や電力損失が大きくなります。電力用コンデンサ(進相コンデンサ)で進みの無効電力を供給すると、遅れの無効電力が打ち消されて力率が改善します。反対に、軽負荷時にケーブルの静電容量などで進みの無効電力が多くなりすぎたときは、分路リアクトルで遅れの無効電力を加えて電圧の上昇を抑えます。

選択肢を見ると、ア「受電電力」とイ「最大電力」は有効電力に関する量で、契約や設備の規模を表すものです。エ「皮相電力」は有効電力と無効電力を合わせた見かけの電力です。調相設備が直接調整するのは無効電力なので、正答はウです。

本問は電技省令第1条の用語の定義を問う問題です。言葉の暗記だけでなく、調相設備が電力系統や受電設備で何をしているかを理解しておくと、力率改善の計算や機器の問題にも対応できます。

【調相設備の種類】電気設備の技術基準の解釈(以下「解釈」)第43条の保護装置の規定では、調相設備の種類として「電力用コンデンサ又は分路リアクトル」と「調相機」が挙げられています。電力用コンデンサは進みの無効電力を、分路リアクトルは遅れの無効電力を供給します。調相機は無負荷で回す同期電動機で、界磁電流を変えることで進みと遅れの両方の無効電力を連続的に調整できます。

【力率改善の計算例】有効電力300kW、力率0.6(遅れ)の負荷では、皮相電力は300÷0.6=500kV・A、無効電力は√(500²-300²)=400kvarです。力率を0.8に改善すると、皮相電力は300÷0.8=375kV・A、無効電力は√(375²-300²)=225kvarになります。必要なコンデンサの容量は400-225=175kvarです。有効電力は変わらず、皮相電力(=電流)が500から375に減るので、電線の電力損失や電圧降下が小さくなります。

【高圧受電設備での調相設備】高圧需要家では、高圧進相コンデンサを設置して力率を改善します。コンデンサには、回路に投入したときの突入電流を抑え、高調波による影響を減らすために直列リアクトルを組み合わせます(令和3年度(午前)問19でも、高圧進相コンデンサの高調波対策として直列リアクトルを設置することが正しい記述として出題)。また、負荷が少ない時間帯にコンデンサが入ったままだと進みの力率になって電圧が上がりすぎることがあるため、負荷に応じてコンデンサを入り切りする制御が行われます。

【用語の区別】受電電力・最大電力・契約電力は有効電力〔kW〕に関する量、皮相電力は設備容量(変圧器の容量〔kV・A〕など)を考えるときの量、無効電力は力率や電圧の調整に関わる量です。単位(kW・kvar・kV・A)とセットで区別しておきましょう。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度(午前) 第一種電気工事士 学科試験 問21(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。