衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 関係法令(有害業務以外) 問37|産前休業の開始・本人請求制

問題

衛生管理者 | 関係法令(有害業務以外)

産前産後休業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

誤りはエです。労基法第65条は産前産後に「就業させてはならない」ことを定めていますが、その期間の賃金の支払いを使用者に義務付ける規定はありません。健康保険の被保険者には、労務に服さなかった期間について健康保険から出産手当金が支給されます(健康保険法第102条)。「使用者は賃金を支払わなければならない」という断言は誤りです。

ア(産前6週間・多胎14週間は本人請求で就業不可)、イ(産前休業は出産予定日を基準とする)、ウ(産後6週間経過後の医師が認めた業務への就業)、オ(事業主の申出による産前産後休業期間中の健康保険料の不徴収)はいずれも正しい記述です。

産前産後休業の全体像(労基法第65条):

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 労基法第65条第1項の通り。産前休業は「女性の請求」が前提であり、請求があった場合に使用者は就業させてはなりません。多胎妊娠の場合は14週間です。
  • イ(正): 労基法第65条第1項は「六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性」と定めており、産前休業は出産予定日を基準に判断します。予定日から起算して6週間前の時点から休業していれば、出産が予定日より早まっても同項に反することはありません。
  • ウ(正): 労基法第65条第2項ただし書の通り。産後6週間を経過した女性が請求した場合、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは差し支えありません。
  • エ(誤): 産前産後休業中の賃金の支払いを使用者に義務付ける規定はありません。健康保険の被保険者が出産したときは、労務に服さなかった期間について出産手当金が支給されます(健康保険法第102条)。
  • オ(正): 健康保険法第159条の3は、産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、保険料を徴収しないと定めています。

【理論的背景】

産前産後休業中の所得の補填は、労働基準法ではなく健康保険制度によって行われます。労基法第65条は「就業させてはならない」ことを定めますが、「その期間の賃金を使用者が支払う義務」は定めていません。業務上の傷病による休業では使用者に休業補償(平均賃金の100分の60:労基法第76条)が義務付けられているのと対照的です。

産前休業の「本人請求制」(選択肢ア):

産前休業は「休業を請求した場合」に就業させてはならないとされており、請求がなければ就業は禁止されません。これに対し産後8週間は請求の有無にかかわらず就業させてはならず、例外は「産後6週間を経過した女性が請求した場合において、医師が支障がないと認めた業務」だけです(労基法第65条第2項)。

【実務・条文構造】

産前産後休業に関わる制度の全体像:

【労基法第65条】:

  • 産前: 6週間(多胎妊娠は14週間)以内に出産する予定の女性が請求した場合は就業させてはならない(出産予定日が基準)
  • 産後: 8週間を経過しない女性は就業させてはならない(6週間経過後、本人請求+医師が支障なしと認めた業務は可)
  • 妊娠中の女性が請求した場合は他の軽易な業務に転換させなければならない(同条第3項)

【出産手当金(健康保険法第102条)】:

  • 支給期間: 出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは出産の予定日)以前42日(多胎妊娠は98日)から出産の日後56日までの間で、労務に服さなかった期間
  • 支給額: 1日につき、直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2(同条第2項による第99条第2項の準用)

【健康保険料(健康保険法第159条の3)】:

  • 事業主が保険者等に申出をしたときは、産前産後休業を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、保険料を徴収しない

【労基法上の関連規定】:

  • 産前産後の休業期間とその後30日間は解雇禁止(労基法第19条第1項)
  • 年次有給休暇の出勤率の算定では、産前産後の休業期間は出勤したものとみなす(同法第39条第10項)

業務上の傷病による休業との比較:

  • 業務上傷病: 使用者に平均賃金の100分の60の休業補償義務(労基法第76条)
  • 産前産後休業: 使用者の賃金支払い義務なし→健康保険の被保険者には出産手当金

【試験での位置づけ】

産前産後休業問題では「産前休業は本人請求が前提(絶対的禁止ではない)」「産後8週間は原則絶対的禁止(産後6週間後は医師許可例外あり)」「休業中の賃金支払い義務は使用者になし(健康保険から出産手当金)」「保険料の不徴収は事業主の申出が要件」の4点が頻出です。本問のエ(使用者の賃金支払い義務あり→誤)は典型的な誤りパターンです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 産前の就業禁止は「請求した場合」に限られる条件付きの規定です。請求がなければ、出産予定日の6週間前以降も就業させることは禁止されていません。
  • イ: 産前休業の基準は「出産する予定」の日です。予定日から起算して6週間前から休業していれば、出産が予定日より早まった場合でも第65条第1項の要件を満たしています。なお健康保険の出産手当金は「出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前四十二日」から支給対象となります(健康保険法第102条第1項)。
  • ウ: 産後6週間を経過した後の就業は、①本人の請求、②医師が支障がないと認めた業務、の両方がそろった場合に限られます(労基法第65条第2項ただし書)。
  • エ: 正答の誤り。労基法に産前産後休業中の賃金支払い義務はなく、健康保険の被保険者には出産手当金が支給されます(健康保険法第102条)。業務上の傷病による休業補償(労基法第76条)と混同しないことが重要です。
  • オ: 保険料が徴収されないのは「事業主が保険者等に申出をしたとき」です(健康保険法第159条の3)。育児休業等の期間についても、事業主の申出による同様の規定があります(同法第159条)。

【根拠法令】労働基準法 第65条第1項(産前6週間・多胎14週間・本人請求が条件)・第65条第2項(産後8週間・6週間経過後の本人請求+医師が認めた業務の例外)・第76条(休業補償)、健康保険法 第102条(出産手当金)・第159条の3(産前産後休業期間中の保険料)

【補足】産前産後休業中の賃金支払い義務は使用者にない(健康保険の被保険者には出産手当金が支給される)。健康保険料の不徴収には事業主からの申出が必要。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法(労基法)第65条(産前産後)・第76条(休業補償)、健康保険法第102条(出産手当金)・第159条の3(産前産後休業期間中の保険料)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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