衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 関係法令(有害業務以外) 問44|労働者名簿・賃金台帳の作成・保存義務

問題

衛生管理者 | 関係法令(有害業務以外)

労働者名簿および賃金台帳に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正しいのはオです。労基法第109条は「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない」と定め、同法附則第143条第1項により、当分の間は「三年間」と読み替えられます。

各誤りの要点: ア→労働者名簿は各事業場ごとに作成する義務があり、10人未満の免除規定はない。イ→賃金台帳の記入事項(労基則第54条)に「住所」は含まれない(住所は労働者名簿の記入事項)。ウ→労働者名簿の起算日は「労働者の死亡、退職又は解雇の日」(労基則第56条第1項第1号)。エ→賃金台帳の起算日は「最後の記入をした日」(同項第2号)。

労働者名簿・賃金台帳・書類保存の全体像(労基法第107〜109条):

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(誤): 労働者名簿(労基法第107条)は「各事業場ごとに」「各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について」調製する義務があり、10人未満の免除規定は存在しません(就業規則の作成義務〔常時10人以上〕と混同しないこと)。
  • イ(誤): 賃金台帳の記入事項(労基法第108条・労基則第54条第1項)は、氏名・性別・賃金計算期間・労働日数・労働時間数・延長時間数/休日労働時間数/深夜労働時間数・基本給や手当その他賃金の種類ごとの額・控除した場合はその額です。「住所」は含まれていません(住所は労働者名簿〔労基則第53条第1項第2号〕の記入事項)。
  • ウ(誤): 労働者名簿を保存すべき期間の起算日は「労働者の死亡、退職又は解雇の日」です(労基則第56条第1項第1号)。雇い入れた日ではありません。
  • エ(誤): 賃金台帳の起算日は「最後の記入をした日」です(労基則第56条第1項第2号)。ただし、賃金の支払期日がそれより遅い場合は支払期日が起算日になります(同条第2項)。
  • オ(正): 労基法第109条は「五年間」、同法附則第143条第1項により当分の間は「三年間」です。

保存期間の起算日(労基則第56条)と期間(いずれも5年間、当分の間3年間):

  • 労働者名簿: 労働者の死亡、退職又は解雇の日
  • 賃金台帳: 最後の記入をした日(賃金の支払期日が遅い場合はその支払期日)
  • 健康診断個人票(安衛法関係): 労基法ではなく安衛則第51条で5年間保存

【理論的背景】

労働基準法第109条の記録の保存期間は「五年間」と定められ、附則第143条第1項により「当分の間」は「三年間」と読み替えられています。この附則第143条は令和2年法律第13号で追加されたもので、同法は民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)の施行の日(2020年4月1日)から施行されました。

同じ改正で、賃金の請求権の時効も「五年間」(労基法第115条)とされ、当分の間は退職手当を除く賃金について「三年間」とされています(附則第143条第3項)。民法では、債権は「権利を行使することができることを知った時から五年間」または「権利を行使することができる時から十年間」行使しないときに時効によって消滅します(民法第166条第1項)。

令和2年法律第13号の附則第3条には、施行後5年を経過した場合に改正後の規定の施行状況を勘案して検討を加え、必要があると認めるときは所要の措置を講ずるという検討規定があります。

【実務・条文構造】

労働者名簿(労基法第107条・労基則第53条)の記入事項:

  • 氏名・生年月日・履歴(法第107条)
  • 性別・住所・従事する業務の種類・雇入の年月日(則第53条第1項第1〜4号。常時30人未満の事業では業務の種類は不要)
  • 退職の年月日及びその事由(解雇の場合はその理由を含む)
  • 死亡の年月日及びその原因

賃金台帳(労基法第108条・労基則第54条)の記入事項:

  • 氏名・性別
  • 賃金計算期間(日々雇い入れられる者〔1か月を超えて引き続き使用される者を除く〕は不要)
  • 労働日数・労働時間数
  • 延長時間数・休日労働時間数・深夜労働時間数
  • 基本給、手当その他賃金の種類ごとの額
  • 法第24条第1項により賃金の一部を控除した場合はその額

保存すべき期間の起算日(労基則第56条):

書類保存期間起算日
労働者名簿5年(当分3年)労働者の死亡、退職又は解雇の日
賃金台帳5年(当分3年)最後の記入をした日
雇入れ又は退職に関する書類5年(当分3年)労働者の退職又は死亡の日
災害補償に関する書類5年(当分3年)災害補償を終わった日
賃金その他労働関係に関する重要な書類5年(当分3年)その完結の日

賃金台帳と賃金その他の重要な書類は、賃金の支払期日が上の日より遅い場合、その支払期日が起算日になります(労基則第56条第2項)。

注意点: 健康診断と労基法書類の区別:

  • 健康診断個人票(安衛法関係): 安衛則第51条で5年間保存
  • 労働者名簿・賃金台帳(労基法): 第109条で5年間、当分の間は3年間

罰則:

労基法第107条〜第109条に違反した者は、30万円以下の罰金(労基法第120条第1号)の対象です。

【試験での位置づけ】

労働者名簿・賃金台帳の頻出ポイント:

  • 「労働者名簿の作成義務は規模を問わない」(10人以上・50人以上等の規模要件なし)
  • 「保存期間は5年間(第109条)、当分の間は3年間(附則第143条第1項)」
  • 「保存期間の起算日」(労働者名簿=死亡・退職・解雇の日、賃金台帳=最後の記入をした日)
  • 「健康診断個人票は安衛則第51条で5年間」(労基法の書類とは根拠が別)
  • 「賃金台帳の記入事項(延長・休日・深夜の各時間数が必要、住所は不要)」

第109条の「五年間」と附則第143条第1項の「当分の間三年間」の二重構造は、どちらの数字を問われているのかを文脈で判断します。現に義務付けられている保存期間は3年間です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 労働者名簿・賃金台帳は、各事業場ごとに調製する義務があり、労働者数による免除規定はありません。就業規則の作成義務(常時10人以上)と混同させる誤りが典型的な引っかけです。
  • イ: 賃金台帳には延長時間数・休日労働時間数・深夜労働時間数を記入します(労基則第54条第1項第6号)。本肢が誤りなのは「住所」を加えた点で、住所は労働者名簿の記入事項(労基則第53条第1項第2号)です。
  • ウ: 労働者名簿の起算日は「労働者の死亡、退職又は解雇の日」です(労基則第56条第1項第1号)。雇入れや退職に関する書類の起算日も「労働者の退職又は死亡の日」です(同項第3号)。
  • エ: 賃金台帳の起算日は「最後の記入をした日」で、賃金の支払期日がそれより遅いときは支払期日です(労基則第56条第1項第2号・第2項)。
  • オ: 当分の間「三年間」と読み替える規定は労基法附則第143条第1項です。この規定を追加した令和2年法律第13号の附則第3条は、施行後5年を経過した場合の検討を定めています。

【根拠法令】労働基準法 第107条(労働者名簿)・第108条(賃金台帳)・第109条(記録の保存:5年間)・附則第143条第1項(当分の間3年間)・第120条第1号(罰則:30万円以下の罰金)、労働基準法施行規則 第53条・第54条・第56条

【補足】労働者名簿・賃金台帳は規模を問わず各事業場で作成義務あり。保存期間は5年間(当分の間3年間)。起算日は名簿=死亡・退職・解雇の日、賃金台帳=最後の記入をした日。健康診断個人票は安衛則第51条で5年間。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法(労基法)第107条(労働者名簿)・第108条(賃金台帳)・第109条(記録の保存:5年間)・附則第143条第1項(当分の間は3年間)、労働基準法施行規則(労基則)第53条・第54条・第56条。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

この問題の関連トピック

  • 労働者名簿・賃金台帳の作成・保存義務
  • 頻出度B

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