ITパスポートのテクノロジ系で出題されるアルゴリズム問題(擬似言語)の解き方を解説。ループ・条件分岐・配列の基本パターン、トレース表の書き方、令和5〜8年度のIPA公開問題の形式も紹介します。
目次
結論:ITパスポートのアルゴリズム問題は実際のプログラミング言語ではなく擬似言語で出題され、ループと条件分岐のトレース表を書けるようになれば得点できる問題が増えます。当サイト掲載の令和3〜8年度600問のうち該当は年度ごとに1〜3問で、難易度はやや高めのため、優先度を決めて取り組むのが有効です。
この記事でわかること(30秒サマリ)
- ITパスポートのアルゴリズム問題(擬似言語)の出題パターン
- ループ・条件分岐・配列の基本3パターン
- トレース表の書き方(ステップごとの変数追跡)
- 令和5〜8年度のIPA公開問題にあるアルゴリズム問題の形式
- プログラミング未経験者が得点するための戦略
- 合格ナビの3レベルの解説の使い方
アルゴリズム問題はなぜ難しいのか
ITパスポートの中でアルゴリズム問題が「難しい」と感じられる理由は、知識の暗記では解けないからです。他の問題は「用語の意味を覚えておけば正解できる」ものが多いですが、アルゴリズム問題は「プログラムの動きを頭の中でシミュレートする」必要があります。
しかし出題パターンは限られており、基本の3パターン(ループ・条件分岐・配列)を理解してトレース表を書けるようになれば、正解できる問題が大幅に増えます。
擬似言語の基本ルール
ITパスポートのアルゴリズム問題は「擬似言語」と呼ばれる疑似コードで出題されます。実際のPythonやJavaとは異なりますが、構造は同じです。IPA公開問題(令和7年度 問78など)で使われている記法は次のとおりです。
主な記述ルール
| 記法 | 意味 |
|---|---|
| `←` | 代入(右辺の値を左辺の変数に入れる) |
| `while (条件)` 〜 `endwhile` | 条件が成り立つあいだ繰り返す |
| `for (i を 1 から 7 まで 1 ずつ増やす)` 〜 `endfor` | iを1から7まで1ずつ増やしながら繰り返す |
| `if (条件)` 〜 `endif` | 条件が成り立つとき実行する |
| `配列名[添字]` | 配列の要素を取り出す |
添字が何から始まるかは、問題文に「配列の要素番号は1から始まる」のように書かれています。
基本パターン1:ループ(繰り返し)
ループ問題は「ある処理を何回繰り返したか」「最終的に変数がいくつになるか」を問うものが多いです。
例題
```
整数型: i, 合計
i ← 1
合計 ← 0
while (i が 5 以下)
合計 ← 合計 + i
i ← i + 1
endwhile
```
このプログラムが終了したとき、合計はいくつか?
トレース表の書き方
変数の変化をステップごとに表形式で追跡します。
| ステップ | i | 合計 |
|---|---|---|
| 初期値 | 1 | 0 |
| 1回目 | 2 | 1 |
| 2回目 | 3 | 3 |
| 3回目 | 4 | 6 |
| 4回目 | 5 | 10 |
| 5回目 | 6 | 15 |
| 終了(i=6 > 5) | 6 | 15 |
答えは「15」です。
トレース表を書く手順は単純で、「各行のコードを1行ずつ実行し、変数の値を表に書き込む」だけです。焦らず1行ずつ進めることが正確なトレースのコツです。
基本パターン2:条件分岐(if-else)
条件分岐問題は「ある条件のときに処理が分かれる」パターンです。「どの条件が満たされるか」を正確に判断することがポイントです。
よくある出題形式
- 複数の条件(AND・OR)が組み合わさる
- ネスト(入れ子)した条件分岐
注意点
条件が上から順に評価される形(`elseif` が続く形)では、最初に成り立った条件でその後の分岐はスキップされます。「どの条件が先に評価されるか」の順序を見誤らないようにします。
試験問題では選択肢が「条件Aのとき〇〇を実行する」という形で4択になっています。プログラムの流れを正確に読み取れれば、消去法でも正解に近づけます。
基本パターン3:配列(データの集合)
配列問題は「配列の要素を操作するプログラムの出力を求める」ものが多いです。
配列の基本
配列は複数のデータを一列に並べたものです。`データ[1]` は1番目の要素、`データ[3]` は3番目の要素を指します(問題文に「配列の要素番号は1から始まる」と書かれている問題があります。例:令和5年度 問60)。
基本的な操作パターン
- 最大値・最小値を求める:配列の全要素を順番に比較する
- 合計・平均を求める:配列の全要素を足して合計を計算する
- 並び替え(ソート):隣り合う要素を比較して順序を入れ替える
令和5〜8年度のIPA公開問題にある出題
合格ナビに掲載しているIPA公開問題(令和3〜8年度の600問)のうち、当サイトの分類でアルゴリズム・プログラミングに当たる問題は、令和3年度1問・令和4年度3問・令和5年度3問・令和6年度2問・令和7年度3問・令和8年度3問(計15問)です。数え方は、IPAシラバスの項番37「アルゴリズムとプログラミング」にあたる問題で、表計算ソフトの問題(令和8年度 問74)は含めていません(2026-10-02 当サイト集計・2026-10-28 に数え方を統一。試験全体の出題頻度ではありません)。プログラミング問題を捨てるかどうかの考え方は、ITパスポートのプログラミング問題は捨てていい?で扱っています。
問題の形式(当サイトの掲載問題から)
- 手続や関数を呼び出したときの出力・戻り値を求める問題(令和7年度 問78、令和5年度 問60)
- プログラム中の空欄に入る字句を選ぶ問題(令和5年度 問64、令和6年度 問85)
- 処理の途中経過を問う問題(令和8年度 問67)
プログラミング未経験者の得点戦略
アルゴリズム問題が苦手な場合、以下の戦略が有効です。
1. 捨て問にしないための最低限の理解
アルゴリズム問題を完全に捨てると、テクノロジ系のスコアが低下するリスクがあります。最低限「ループと条件分岐のトレース表」だけでも書けるようにして、易しめの問題から得点します。
2. 消去法の活用
プログラムの詳細がわからなくても、「明らかにおかしい選択肢」を消去することで2択・3択に絞れます。数値の選択肢なら、概算で外れた数値を消去できます。
3. 過去問の繰り返しが最有効
当サイトに掲載しているアルゴリズム問題は、出力や戻り値を求める型と、空欄に入る字句を選ぶ型が中心です。過去3〜5年分の問題を繰り返し解いてトレース表を書く練習をすることで、本番の問題にも対応しやすくなります。
合格ナビの3レベルの解説の使い方
合格ナビでは、アルゴリズム問題を含む令和3〜8年度の過去問600問に解説を付けています。
初心者レベル:「この変数はここで5になります。次のループで…」というように、変数の値がステップごとに日本語で説明されます。トレース表を書く代わりに、AIが手順を示してくれます。
標準レベル:ループ・条件分岐の仕組みと、このプログラムが何をしているかの説明が中心です。
上級者レベル:アルゴリズムの名称(線形探索・バブルソート等)や計算量の背景まで解説します。
最初は初心者レベルで「どう追跡するか」を体で覚え、慣れたら標準レベルで理解を深めるという使い方が効果的です。
まとめ:アルゴリズムは「手を動かす」練習が全て
アルゴリズム問題は理屈を読むだけでは身につきません。実際にトレース表を紙に書いて変数を追跡する練習を繰り返すことが、最も効果的な学習法です。
- ループ問題:トレース表で変数を1行ずつ追う
- 条件分岐問題:条件の評価順を正確に読む
- 配列問題:添字と要素の対応を丁寧に確認する
この3パターンを体で覚えれば、アルゴリズム問題で安定して得点できるようになります。
他の分野の学習方針については3分野の違いと対策法、シラバスの変更点はシラバス6.5 変更点まとめで確認できます。
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よくある質問
QITパスポートでアルゴリズム問題は何問出ますか?
合格ナビに掲載しているIPA公開問題(令和3〜8年度の600問)のうち、当サイトの分類でアルゴリズム・プログラミングに当たる問題は、令和3年度1問・令和4年度3問・令和5年度3問・令和6年度2問・令和7年度3問・令和8年度3問(計15問)でした。数え方は、IPAシラバスの項番37「アルゴリズムとプログラミング」にあたる問題で、表計算ソフトの問題(令和8年度 問74)は含めていません(2026-10-02 当サイト集計・2026-10-28 に数え方を統一。試験全体の出題頻度ではありません)。難易度はやや高めのため、1〜2問捨ててもほかで補えるかを考えて優先度を設定することが有効です。
Qプログラミング経験がなくてもアルゴリズム問題は解けますか?
ITパスポートのアルゴリズム問題は実際のプログラミング言語ではなく「擬似言語」で出題されます(シラバス Ver.6.5 の「アルゴリズムとプログラミング」に「擬似言語などによる表現方法」の記載があります)。プログラミング経験がなくても、ループと条件分岐の2つのパターンを理解しトレース表を書けるようになれば、得点できる問題が増えます。
Q合格ナビの解説はアルゴリズム問題に対応していますか?
合格ナビでは擬似言語問題を含むすべての過去問に解説を提供しています。「初心者向け」の解説レベルを選ぶと、変数がどう変化するかをステップごとに日本語で説明します。トレース表の書き方がわからなくてもAIが手順を示してくれます。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月28日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。


