問題
重油の性状に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはアです。重油は第三石油類・非水溶性で、引火点は60℃以上で常温では引火しないです。
- ア(正): 第三石油類・非水溶性・引火点60℃以上。常温(20℃)では通常引火しない。
- イ(誤): 液比重は約0.82〜1.00(1以下)。1.5〜2.0は誤り。
- ウ(誤): JISの引火点は1種・2種が60℃以上、3種が70℃以上で、種別によって異なる(一律ではない)。
- エ(誤): 重油は粘性が高い(さらさらではない)。
- オ(誤): 重油の火災に棒状注水は不適(火災を拡大し危険な場合がある)。
「重油=第三石油類・引火点60℃以上(種別で規格が異なる)・粘性高い・泡等で消火」を押さえます。
重油(第三石油類・非水溶性)の性状:
- ア(正): 重油は第三石油類・非水溶性(水に溶けない炭化水素の混合物)。JISの引火点は最も低い種別でも60℃以上で、常温(20℃)は引火点よりはるかに低いため、液面から燃焼範囲に達する蒸気が出ず通常引火しません。ただし高温の金属表面に触れたり、燃料管から漏れたりすると、発生した蒸気で燃焼や爆発が起きることがあります。正しい。
- イ(誤): 重油の密度はA重油0.82〜0.90・C重油0.87〜1.00 g/cm³(15℃)で、水より軽いか同程度です。1.5〜2.0は誤りです。水に溶けないため、水より軽いものは流出すると水面に浮いて広がります。
- ウ(誤): 重油は動粘度によって1種(A重油)・2種(B重油)・3種(C重油)に分類され(JIS K 2205)、引火点の規格は1種・2種が60℃以上、3種が70℃以上と種別によって異なります。実際の製品の引火点もA重油60〜120℃、C重油70〜230℃と幅があり、「一律に60℃以上120℃未満」は誤りです。
- エ(誤): 重油は粘性(粘度)が高いのが特徴です。JISの動粘度の規格は1種が20 mm²/s以下なのに対し、3種は250以下・400以下・400を超え1,000以下の区分があり、3種(C重油)は特に高粘度です。C重油は加熱した状態で取り扱われます。
- オ(誤): 重油の火災に棒状水を使うと、火災を拡大し危険な場合があります。霧状の強化液・粉末・炭酸ガス・泡が有効で、大規模火災では泡で空気を遮断します。
引っかけパターン: 液比重を大幅に大きくする(イ)、引火点を一律値とする(ウ)、粘性低いとする(エ)、棒状注水有効とする(オ)。
【理論的背景】
重油は炭化水素を主成分とする石油製品で(C重油のSDSでは炭化水素95質量%以上)、内燃機関用・ボイラー用・各種炉用の燃料に使われます。JIS K 2205 は重油を動粘度によって1種(A重油)・2種(B重油)・3種(C重油)に分類し、引火点の規格を1種・2種は60℃以上、3種は70℃以上と定めています。品名区分では第三石油類(引火点70℃以上200℃未満)とされますが、重油は引火点が70℃未満の製品を含むA重油(製品SDSの引火点60〜120℃)も、C重油と同じく第三石油類として扱われています(両SDSの適用法令欄「消防法 危険物第4類第3石油類」)。「重油=第三石油類」は物質名とセットで覚えます。
【重油の詳細性状(製品SDSの値)】
- 区分: 第三石油類・非水溶性(水に対して不溶)
- 引火点: A重油 60〜120℃、C重油 70〜230℃(いずれもペンスキーマルテンス密閉式)
- 自然発火点: A重油 約240℃、C重油 約250℃
- 密度(15℃): A重油 0.82〜0.90 g/cm³、C重油 0.87〜1.00 g/cm³(水より軽いか同程度)
- 相対ガス密度(蒸気比重): 5以上(空気=1)
- 爆発範囲: 下限1容量%・上限7容量%(推定値)
- 粘性: 高い(C重油の動粘性率は40℃で20.5 cSt超。流動点は−30〜50℃で、加熱した状態で取り扱う)
【種別(グレード)の概要】
JIS K 2205 の区分です(試験では細部より「種別によって引火点などの規格が異なる」ことを押さえる)。
- 1種(A重油): 動粘度20 mm²/s以下、引火点60℃以上。硫黄分によって1号・2号に細分。
- 2種(B重油): 動粘度50 mm²/s以下、引火点60℃以上。
- 3種(C重油): 動粘度によって1号(250以下)・2号(400以下)・3号(400を超え1,000以下)に細分、引火点70℃以上。
【火災・消火】
- 適切な消火剤: 霧状の強化液・粉末・炭酸ガス・泡。初期の火災には粉末・炭酸ガス、大規模火災には泡で空気を遮断するのが有効です。
- 使ってはならない消火剤: 棒状水(火災を拡大し危険な場合がある)。
- 特有の危険: 高温の金属表面に触れたり燃料管から漏れたりすると、発生した蒸気で燃焼や爆発が起きることがあります。燃焼すると煙・一酸化炭素・亜硫酸ガス等が生じます。
【試験での位置づけ】
重油の性状は性質科目で出題頻度B程度です。核心は、(1)第三石油類・非水溶性、(2)引火点60℃以上(常温では通常引火しない)、(3)種別で引火点の規格が異なる(1種・2種60℃以上、3種70℃以上)、(4)密度は約0.82〜1.00(水より大幅に重くはない)、(5)粘性が高い、(6)消火は泡・粉末・炭酸ガス等(棒状水は不適)です。引っかけは液比重を大きくする(イ)、引火点を一律値とする(ウ)、粘性低いとする(エ)、棒状注水有効とする(オ)です。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 第三石油類・非水溶性・引火点60℃以上・常温では通常引火しない。
- イ(誤): 密度は約0.82〜1.00 g/cm³(水より軽いか同程度)。1.5〜2.0は誤り。
- ウ(誤): JISの引火点は1種・2種60℃以上、3種70℃以上で、種別によって異なる。製品の引火点もC重油は70〜230℃で、「一律に60℃以上120℃未満」は誤り。
- エ(誤): 粘性が高い(さらさらではない)。特に3種(C重油)は高粘度。
- オ(誤): 棒状水は火災を拡大し危険な場合がある。霧状の強化液・粉末・炭酸ガス・泡が適切。
【根拠】JIS K 2205(重油)、ENEOS株式会社 安全データシート「A重油一般品」「HSC重油R-Vis品」。
【補足】重油:第三石油類・非水溶性・引火点60℃以上(JIS: 1種・2種60℃以上、3種70℃以上)・密度約0.82〜1.00 g/cm³・粘性高い。消火:霧状の強化液・粉末・炭酸ガス・泡(棒状水は不適)。
- 消防法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: JIS K 2205(重油)、ENEOS株式会社 安全データシート「A重油一般品」「HSC重油R-Vis品(C重油)」。重油は第三石油類・非水溶性(SDSの適用法令欄「消防法 危険物第4類第3石油類」・溶解度「水に対して不溶」)。JISの引火点は1種(A重油)・2種(B重油)が60℃以上、3種(C重油)が70℃以上で、種別によって異なる(製品SDSの引火点はA重油60〜120℃、C重油70〜230℃)。密度はA重油0.82〜0.90 g/cm³、C重油0.87〜1.00 g/cm³(15℃)。3種は動粘度が大きく粘性が高い。消火は霧状の強化液・粉末・炭酸ガス・泡が有効で、棒状水は火災を拡大し危険な場合がある。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。
