自立支援医療(精神通院医療)の定義(障害者総合支援法 第5条第25項)、支給認定の流れ(第52条〜第59条)、有効期間(1年以内)、自己負担(原則1割と所得区分ごとの月額上限)、重度かつ継続の考え方を、e-Gov 法令検索の条文と厚生労働省の公式ページで整理します。旧精神保健福祉法の通院医療費公費負担からの移行と、精神保健福祉制度論との関係も扱います。
目次
結論:自立支援医療とは、障害者総合支援法(平成17年法律第123号)が定める、障害者等の心身の障害の状態の軽減を図り、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療であって政令で定めるもの、のことです(第5条第25項)。政令は、育成医療・更生医療・精神通院医療の3種類を定めています。精神通院医療は、精神障害の医療のうち、病院又は診療所へ入院することなく行われるものです。支給認定の有効期間は1年以内、自己負担は原則として費用の1割で、世帯の所得に応じた月額の上限があります。精神通院医療の支給認定は都道府県が行い、申請は居住地の市町村を経由します。
条文は e-Gov 法令検索で確認(2026年10月10日時点の現行条文)しています。障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(e-Gov法令検索)、同法施行令、同法施行規則
現行の版:e-Gov 法令検索の現行版は、障害者総合支援法が2026年10月1日施行の版(令和7年法律第87号による改正)、施行令が2026年10月1日施行の版、施行規則が2026年5月20日施行の版です。この記事で扱う自立支援医療の条文(法第52条〜第59条、施行令第35条、施行規則第35条・第43条)は、これらの版の文言にもとづきます。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 障害者総合支援法、同施行令、同施行規則。
自立支援医療とは:定義と3つの種類
定義は、法第5条第25項に1文で書かれています。「障害者等につき、その心身の障害の状態の軽減を図り、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療であって政令で定めるもの」です。何が自立支援医療かは、政令(施行令第1条の2)に委ねられています。
| 種類 | 施行令の号 | 内容(条文の要点) |
|---|---|---|
| 育成医療 | 第1条の2第1号 | 障害児のうち内閣府令・厚生労働省令で定める身体障害のある者の健全な育成を図るため、生活の能力を得るために必要な医療 |
| 更生医療 | 第1条の2第2号 | 身体障害者のうち内閣府令・厚生労働省令で定める身体障害のある者の自立と社会経済活動への参加の促進を図るため、その更生のために必要な医療 |
| 精神通院医療 | 第1条の2第3号 | 精神障害者のうち内閣府令・厚生労働省令で定める精神障害のある者に対し、病院又は診療所へ入院することなく行われる精神障害の医療 |
厚生労働省の「自立支援医療制度の概要」のページは、制度の目的を「心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度」と説明しています。精神通院医療の対象者は、精神保健福祉法第5条に規定する統合失調症などの精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する者です。
障害者総合支援法の全体像(自立支援給付と地域生活支援事業、障害福祉サービスの種類)は、障害者総合支援法の記事(介護福祉士)にまとめられています。この記事では、その中の自立支援医療のうち精神通院医療に絞ります。
第5条の項番号:自立支援医療の定義は、2025年9月30日までの版では第5条第24項、2025年10月1日施行の版から第5条第25項です。同日施行の改正(令和4年法律第104号)で第5条第13項に就労選択支援の定義が加わり、以降の項が1つずつ繰り下がったためです。内容は変わっていません。第26回(2024年2月3日・4日)と第27回(2025年2月1日・2日)は施行前、第28回(2026年1月31日・2月1日)は施行後に行われました。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 障害者総合支援法(2025年9月30日時点と2025年10月1日時点の版を比較)、社会福祉振興・試験センター 第26回・第27回・第28回の合格発表について。
精神通院医療の対象と、医療費の軽減が受けられる範囲
厚生労働省のページは、精神通院医療を、精神保健福祉法第5条に規定する統合失調症、精神作用物質による急性中毒、その他の精神疾患(てんかんを含む。)を有する者で、「通院による精神医療を継続的に要する病状にある者」に対し、その通院医療に係る自立支援医療費の支給を行うもの、と説明しています。
対象となる精神疾患は、ICD-10の分類で、厚生労働省のページに次のように挙げられています。
- 症状性を含む器質性精神障害(F0)
- 精神作用物質使用による精神及び行動の障害(F1)
- 統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害(F2)
- 気分障害(F3)
- てんかん(G40)
- 神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(F4)
- 生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群(F5)
- 成人の人格及び行動の障害(F6)
- 精神遅滞(F7)
- 心理的発達の障害(F8)
- 小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F9)
医療の範囲は、精神障害及び当該精神障害に起因して生じた病態に対して、病院又は診療所に入院しないで行われる医療(通院医療)です。厚生労働省のリーフレットは、外来、外来での投薬、デイ・ケア、訪問看護等が含まれると書いています。症状がほとんど消失している場合でも、軽快状態を維持し、再発を予防するためになお通院治療を続ける必要があるときは対象になる、とも書かれています。
対象外として、リーフレットは次の3つを挙げています。
1. 入院医療の費用
2. 公的医療保険が対象とならない治療、投薬などの費用(例:病院や診療所以外でのカウンセリング)
3. 精神障害と関係のない疾患の医療費
医療費の軽減が受けられるのは、受給者証に記載された指定自立支援医療機関(病院・診療所、薬局、訪問看護ステーション)での医療に限られます。
支給認定から受診までの流れ(第52条〜第59条)
自立支援医療費の支給を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、まず市町村等の「支給認定」を受けなければなりません(第52条第1項)。「市町村等」とは、市町村と、政令で定める医療(精神通院医療)に係る自立支援医療費の支給に関しては都道府県をいいます(第8条第1項、施行令第3条)。
| 段階 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 申請 | 第53条、施行規則第35条 | 主務省令で定めるところにより、申請書を提出する。申請書には、医師の意見書又は診断書、所得の状況などの書類を添付する |
| 支給認定 | 第54条第1項 | 自立支援医療を受ける必要があり、かつ、所得の状況、治療状況その他の事情を勘案して政令で定める基準に該当する場合に、自立支援医療の種類ごとに行う |
| 指定自立支援医療機関の決定 | 第54条第2項 | 都道府県知事が指定する医療機関の中から、自立支援医療を受けるものを定める |
| 医療受給者証の交付 | 第54条第3項 | 支給認定の有効期間、指定自立支援医療機関の名称などを記載した医療受給者証を交付する |
| 受診 | 第58条第2項 | 指定自立支援医療機関に医療受給者証を提示して受ける(緊急の場合その他やむを得ない事由があるときを除く) |
| 費用の支払 | 第58条第5項・第6項 | 市町村等は、自立支援医療費を、支給認定障害者等に代わって指定自立支援医療機関に支払うことができる。支払があれば、支給があったものとみなす |
申請の窓口:精神通院医療の申請は、居住地の市町村(居住地がないとき又は明らかでないときは現在地の市町村)を経由して行うものとされています(施行規則第35条第3項。施行令第28条も、市町村を経由して行うことができると定めています)。厚生労働省のリーフレットは、申請はお住まいの市町村の担当窓口で行ってください、必要書類は自治体によって異なる場合があるので市町村の担当課や精神保健福祉センターに問い合わせてください、と案内しています。この記事は制度の仕組みの紹介であり、個別の申請の可否や書類の相談はできません。実際の手続は、お住まいの市町村に確認してください。
指定自立支援医療機関:第59条第1項は、指定は病院若しくは診療所(これらに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)又は薬局の開設者の申請により、自立支援医療の種類ごとに行うと定めています。政令(施行令第36条)が、病院又は診療所に準ずるものとして、健康保険法の指定訪問看護事業者などを挙げています。指定自立支援医療機関は、一月以上の予告期間を設けて、指定を辞退できます(第65条)。
支給認定の変更と取消し:医療受給者証に記載された指定自立支援医療機関などを変更する必要があるときは、支給認定の変更の申請ができます(第56条)。支給認定を行った市町村等は、自立支援医療を受ける必要がなくなったと認めるとき、支給認定障害者等が支給認定の有効期間内に他の市町村等の区域に居住地を有するに至ったと認めるときなどに、支給認定を取り消すことができます(第57条第1項)。
医療観察法との関係:第54条第1項のただし書は、障害者等が、自立支援医療のうち主務省令で定める種類の医療を、戦傷病者特別援護法又は心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)の規定により受けることができるときは、支給認定を行うものとする、という原則の例外にしています。主務省令で定める種類は、更生医療と精神通院医療です(施行規則第37条)。つまり、精神通院医療を医療観察法の規定により受けることができるときは、第54条第1項本文の「支給認定を行うものとする」は適用されません(同項ただし書「この限りでない」)。医療観察法の仕組みは、医療観察法の記事で整理しています。
有効期間と更新
法第55条は、支給認定は、主務省令で定める期間(支給認定の有効期間)内に限り、その効力を有すると定めています。施行規則第43条が、その期間を「一年以内であって、支給認定に係る障害者等の心身の障害の状態からみて指定自立支援医療を受けることが必要な期間」としています。
厚生労働省のリーフレットは、受給者証の有効期間は1年以内で、有効期間の終了後も引き続き自立支援医療を受ける場合は更新が必要になり、更新の申請はおおむね有効期間終了の3か月前から受付が始まる、と書いています。病態や治療方針に変更がなければ、2回に1回は医師の診断書を省略できる、とも書かれており、詳しくは申請した市町村に問い合わせる案内です。
条文の側では、施行規則第35条第1項第10号が、有効期間の満了後に引き続き精神通院医療に係る自立支援医療費の支給を受けるための支給認定の申請を「継続申請」と呼び、同条第4項が、継続申請のときに病状の変化及び治療方針の変更がなく、直近の支給認定の申請で診断書を添付していれば、診断書の添付を要しないとしています(都道府県知事が必要があると認めるときは、提出を求められます)。
有効期間と更新:支給認定の有効期間は1年以内(施行規則第43条)。更新(継続申請)の申請はおおむね有効期間終了の3か月前から受付が始まる。病態や治療方針に変更がなければ、2回に1回は医師の診断書を省略できる(厚生労働省リーフレット)。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 障害者総合支援法施行規則、厚生労働省 自立支援医療(精神通院医療)について(リーフレット)。
自己負担:原則1割と、所得区分ごとの月額上限
原則の1割:自立支援医療費の額は、同一の月に受けた指定自立支援医療について、健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額から、家計の負担能力、障害の状態その他の事情をしん酌して政令で定める額(その額が算定した額の百分の十に相当する額を超えるときは、当該相当する額)を控除して得た額です(第58条第3項第1号)。言い換えると、利用者の負担は、政令で定める上限月額か、費用の1割のどちらか低いほうになります。
厚生労働省のリーフレットは、一般の方であれば公的医療保険で3割の医療費を負担しているところが1割に軽減される、と書いています(例:ひと月の医療費が7,000円、医療保険による自己負担が2,100円の場合は、700円に軽減)。1割の負担が過大にならないよう、世帯の所得に応じて1か月当たりの負担の上限が設けられています。ここでいう「世帯」は、通院する人と同じ健康保険などの公的医療保険に加入する人を同一の世帯としてとらえます。
月額の上限は、施行令第35条が、生活保護・市町村民税非課税の区分と、「重度かつ継続」(高額治療継続者)の区分について定めています。市町村民税課税世帯で「重度かつ継続」に当たらない区分(中間所得1・2)について、厚生労働省の「自立支援医療の患者負担の基本的な枠組み」の資料は、総医療費の1割又は高額療養費(医療保険)の自己負担限度額としています。この資料は、上限を所得区分ごとの表にしています。
自己負担の月額上限:精神通院医療の自己負担上限月額は、次のとおり(厚生労働省の資料。生活保護・低所得1・低所得2の額は施行令第35条第3号〜第5号の額と同じ)。生活保護世帯は0円。低所得1(市町村民税非課税で、本人又は障害児の保護者の公的年金等の収入金額と合計所得金額などの合計が826,500円以下)は2,500円。低所得2(市町村民税非課税で低所得1を除く)は5,000円。中間所得1(市町村民税所得割33,000円未満)と中間所得2(同33,000円以上235,000円未満)は、総医療費の1割又は高額療養費(医療保険)の自己負担限度額。一定所得以上(同235,000円以上)は、原則として対象外。最終確認日:2026-10-10。出典:厚生労働省 自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み、e-Gov法令検索 障害者総合支援法施行令 第29条・第35条。
「対象外」とは、支給認定の基準を満たさない、という意味です。施行令第29条第1項が、支給認定の所得の基準を、支給認定に係る障害者等と支給認定基準世帯員の市町村民税の所得割の額の合算額が23万5千円未満であることと定めています(ただし次の節の経過的特例があります)。
「重度かつ継続」(高額治療継続者)は、上限がさらに下がる
厚生労働省のリーフレットは、統合失調症などで、医療費が高額な治療を長期間にわたり続けなければならない方を、本制度では「重度かつ継続」と呼ぶと説明しています。市町村民税課税世帯の方については、通常とは別に負担上限月額が定められ、負担が軽減されています。
法令の側では、この区分を「高額治療継続者」と呼び、市町村等による認定が必要です。施行令第35条第1号が、費用が高額な治療を長期間にわたり継続しなければならない者として内閣総理大臣及び厚生労働大臣が定めるものに該当する旨の市町村等による認定を受けた者、と定義しています。リーフレットが挙げる対象は、次のいずれかです。
- 医療保険の「多数回該当」の方(直近の12か月間に、高額療養費の支給を3回以上受けた方)
- 症状性を含む器質性精神障害(F0)、精神作用物質使用による精神及び行動の障害(F1)、統合失調症等(F2)、気分障害(F3)、てんかん(G40)のいずれかの方
- 3年以上精神医療を経験している医師から、情動及び行動の障害又は不安及び不穏状態を示すことから、入院によらない計画的かつ集中的な精神医療(状態の維持、悪化予防のための医療を含む)が続けて必要であると判断された方
重度かつ継続の月額上限:施行令第35条が定める上限月額は、高額治療継続者(次に挙げる者を除く)が1万円、高額治療継続者で、市町村民税の所得割の合算額が3万3千円未満の者が5千円。市町村民税世帯非課税者の5千円、低所得1に当たる者の2,500円、生活保護の被保護者等の0円は、「重度かつ継続」に当たらない人と同じ額。さらに、令和9年(2027年)3月31日までの経過的特例として、所得割の合算額が23万5千円以上で高額治療継続者である者も支給認定の対象とし、上限月額を2万円とする(施行令附則第12条・第13条)。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 障害者総合支援法施行令、厚生労働省 自立支援医療制度の概要。
厚生労働省の概要のページは、「重度かつ継続の一定所得以上」の区分が、もともと令和6年(2024年)3月31日までの経過的特例だったが、令和9年(2027年)3月31日まで延長された、と書いています。期限の後の扱いは、2026-10-10 時点の施行令と厚生労働省のページには書かれていないため、この記事では扱いません。
沿革:旧精神保健福祉法の通院医療費公費負担から自立支援医療へ
厚生労働省の精神通院医療のページは、創設年度を平成18年度(旧制度は昭和40年度創設)と書いています。障害者自立支援法(現在の障害者総合支援法)は、2006年(平成18年)4月1日に施行されました(附則第1条。一部の規定を除く)。
法の附則は、この移行の経過措置を定めています。附則第13条は、施行日において現に、旧児童福祉法による育成医療の給付等を受けている障害児の保護者、旧身体障害者福祉法による更生医療の給付等を受けている障害者、並びに「附則第四十五条の規定による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十二条第一項の規定による医療に必要な費用の負担を受けている障害者及び障害児の保護者」については、厚生労働省令で定めるところにより、施行日に、第52条第1項の規定による支給認定を受けたものとみなす、と定めています。つまり、旧精神保健福祉法第32条第1項による通院医療費の公費負担が、自立支援医療の精神通院医療に引き継がれました。
附則第14条も、旧精神保健福祉法第32条第1項の医療を担当するものとして厚生労働省令で定める基準に該当する医療機関は、施行日に、第54条第2項の指定があったものとみなす、と定めています。なお、現在の精神保健福祉法の側の条文は、精神保健福祉法の記事で整理しています。
創設年度:精神通院医療の創設年度は平成18年度(2006年度)。旧制度は昭和40年度(1965年度)創設。実施主体は都道府県・指定都市。最終確認日:2026-10-10。出典:厚生労働省 自立支援医療(精神通院医療)の概要。
精神保健福祉制度論の学習での位置づけ
試験センターが公表している科目別出題基準(2026-10-10 時点の版)では、自立支援医療の根拠法である障害者総合支援法が、精神保健福祉制度論の次の項目に挙がっています。
| 科目 | 大項目 | 中項目・小項目の例 |
|---|---|---|
| 精神保健福祉制度論 | 1 精神障害者に関する制度・施策の理解 | 1)精神障害者に関する法律の体系(障害者基本法、障害者総合支援法、精神保健福祉法) |
精神保健福祉制度論の項目(同出題基準の p.100・p.101)に「自立支援医療」の語は載っていません。一方で、出題基準のページは、「出題基準は、あくまでも標準的な出題範囲の例示であって、出題範囲を厳密に限定するものではなく、また、作問方法や表現等を拘束するものではない。」と書いています。
当サイトに載せている第26〜28回の専門科目176問(第26回80問・第27回48問・第28回48問)のうち、事例文・問題文・選択肢に「自立支援医療」を含む問は2問です(第26回1問・第27回0問・第28回1問、2026-10-10 時点)。
次の5点が、条文から確認できる制度の骨格です。
1. 定義と3種類:第5条第25項、施行令第1条の2(育成医療・更生医療・精神通院医療)
2. 実施主体:精神通院医療は都道府県(第8条第1項、施行令第3条)。申請は市町村を経由(施行規則第35条第3項)
3. 認定と指定:支給認定(第52条〜第54条)、有効期間は1年以内(施行規則第43条)、指定自立支援医療機関(第59条)
4. 自己負担:原則1割(第58条第3項第1号)、月額上限は所得区分と「重度かつ継続」で決まる(施行令第35条)
5. 他制度との関係:精神通院医療を医療観察法の規定により受けられるときは、支給認定の定め(第54条第1項本文)が適用されない(同項ただし書)
専門科目の問題を解くときに確認すること
1. 何の医療に使えるか:精神通院医療は、入院によらない通院医療です。入院医療の費用は対象外です。
2. だれが認定するか:精神通院医療は都道府県が支給認定を行い、申請の窓口は居住地の市町村です。更生医療・育成医療は市町村が行います。
3. 期間の数字:有効期間は1年以内です。更新の申請は、おおむね有効期間終了の3か月前から受け付けられます。
4. 負担の数字:原則1割。上限は所得区分で決まり、「重度かつ継続」の区分は上限がさらに低く定められています。
5. 用語:条文は「支給認定」「医療受給者証」「指定自立支援医療機関」「高額治療継続者」。厚生労働省の資料は「受給者証」「重度かつ継続」と書くことがあり、同じものを指します。
回別の問題一覧は、第26回、第27回、第28回からたどれます。出題範囲は出題範囲の一覧で確認できます。
まとめ
- 自立支援医療は、障害者総合支援法第5条第25項が定める、障害者等の心身の障害の状態の軽減を図るために必要な医療で政令で定めるもの。育成医療・更生医療・精神通院医療の3種類(施行令第1条の2)
- 精神通院医療は、入院によらない精神障害の医療。支給認定は都道府県が行い、申請は居住地の市町村を経由する。入院医療の費用などは対象外
- 支給認定の有効期間は1年以内(施行規則第43条)。更新(継続申請)が必要で、病態や治療方針に変更がなければ、2回に1回は診断書を省略できる(厚生労働省リーフレット)
- 自己負担は原則1割で、所得区分ごとの月額上限がある(第58条第3項第1号、施行令第35条)。「重度かつ継続」(法令上は高額治療継続者)は上限がさらに低い。経過的特例は2027年3月31日まで
- 旧精神保健福祉法第32条第1項の通院医療費公費負担が、2006年度に自立支援医療の精神通院医療に引き継がれた(法の附則第13条、厚生労働省のページ)
- 次の一歩は、地域移行支援・地域定着支援の記事で障害者総合支援法の地域相談支援を整理することと、専門科目の問題を解いてみることです
本サイトは社会福祉振興・試験センター・厚生労働省とは関係のない民間のサイトです。条文の引用・要約は e-Gov 法令検索の現行条文(2026年10月10日確認)と、厚生労働省・試験センターの公表資料にもとづきます。制度の説明であり、個別の申請や費用についての相談には対応できません。お住まいの市町村の担当窓口にご確認ください。
よくある質問
Q自立支援医療の「精神通院医療」は、入院の費用にも使えますか。
使えません。政令は、精神通院医療を「病院又は診療所へ入院することなく行われる精神障害の医療」と定めています(障害者総合支援法施行令 第1条の2第3号)。厚生労働省のリーフレットも、入院医療の費用、公的医療保険の対象にならない治療や投薬の費用(例として病院や診療所以外でのカウンセリング)、精神障害と関係のない疾患の医療費を対象外と書いています。
Q自立支援医療の支給認定は、市町村と都道府県のどちらが行いますか。
精神通院医療については、都道府県が支給認定を行います。法第8条第1項と施行令第3条が、精神通院医療に係る自立支援医療費の支給に関しては都道府県が行うと定めています(厚生労働省のページは、実施主体を都道府県・指定都市としています)。ただし、申請は居住地の市町村を経由して行う仕組みで(施行規則 第35条第3項)、厚生労働省のリーフレットも、申請はお住まいの市町村の担当窓口で行うと案内しています。窓口や必要書類は自治体によって異なる場合があるため、実際の手続は市町村の担当課または精神保健福祉センターで確認します。
Q「重度かつ継続」とは、症状の重さのことですか。
症状の重さそのものではなく、制度上の区分の名前です。法令上の用語は「高額治療継続者」で、費用が高額な治療を長期間にわたり継続しなければならない者として内閣総理大臣及び厚生労働大臣が定めるものに該当するという市町村等の認定を受けた者をいいます(施行令 第35条第1号)。厚生労働省のリーフレットは、対象を、特定の精神疾患(統合失調症、気分障害、てんかんなど)の者と、一定の経験を持つ医師が判断した者、医療保険の多数回該当の者に分けて説明しています。
Q自立支援医療費の支給認定の有効期間は、何年ですか。
1年以内です。法第55条は有効期間を主務省令で定める期間としており、施行規則 第43条は「一年以内であって、支給認定に係る障害者等の心身の障害の状態からみて指定自立支援医療を受けることが必要な期間」と定めています。有効期間の後も引き続き受ける場合は、継続申請(更新)をします。
Q自立支援医療の制度は、いつ始まったのですか。
厚生労働省の精神通院医療のページは、創設年度を平成18年度(旧制度は昭和40年度創設)と書いています。法の附則第13条は、施行日の時点で旧精神保健福祉法第32条第1項による医療費の負担を受けていた者は、施行日に支給認定を受けたものとみなすと定めています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月10日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

