社会福祉士

社会福祉士と社会福祉主事の違い任用資格と国家資格を社会福祉法第19条で比べる

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

社会福祉士と社会福祉主事の違いを、社会福祉法第19条の条文(年齢18年以上・人格要件・5つの号)、社会福祉士及び介護福祉士法の登録と名称の定め、社会福祉主事養成機関と受験資格の関係まで、e-Gov 法令検索と社会福祉振興・試験センターの出典つきで整理します。

目次
  1. 違いが分かる一覧表
  2. 社会福祉主事とは:社会福祉法第19条の要件
  3. 社会福祉主事が置かれる場所:第18条と第15条
  4. 社会福祉士の側:登録と名称の定め
  5. 2つの資格の関係:片方がもう片方の要件になる
  6. 試験との関係:社会福祉士国家試験を受けるなら
  7. まとめ
結論:社会福祉士は、国家試験に合格し、登録を受けて名乗る国家資格(社会福祉士及び介護福祉士法)です。社会福祉主事は、社会福祉法第19条第1項が定める、都道府県知事または市町村長の補助機関である職員として「任用しなければならない」者の要件で、年齢18年以上であること、人格・思慮・熱意の要件、5つの号のいずれかに当たることが書かれています。社会福祉士は、その第3号に「社会福祉士」として挙げられています。つまり、社会福祉士は主事の要件のひとつに当たりますが、主事の要件を満たしても、社会福祉士にはなれません。

この記事は、e-Gov 法令検索の社会福祉法と社会福祉士及び介護福祉士法(どちらも2026年10月7日時点の現行条文)、社会福祉振興・試験センター(以下「センター」)の社会福祉主事養成機関のページだけをもとに、2つの違いを整理したものです。法令以外の、各自治体の採用や待遇の話は扱いません。社会福祉法のそのほかの条文(目的、社会福祉事業、社会福祉法人、地域福祉)は、社会福祉法の記事で扱っています。この記事では、条文が「任用しなければならない」と書いている要件を、便宜上「任用資格」と呼びます。

違いが分かる一覧表

比べる点社会福祉士社会福祉主事
根拠の法律社会福祉士及び介護福祉士法社会福祉法(第19条)
資格の性格試験に合格し、登録を受けて名乗る資格(第4条・第28条)職員として任用する者の要件(第19条第1項)
試験社会福祉士国家試験に合格する5つの号のいずれかに当たる(試験は号のひとつ)
名称の使用登録を受けていない者は、名称を使えない(第48条第1項)名称の使用制限は、第19条には書かれていない
年齢・欠格年齢の定めではなく、欠格事由が第3条に定められている年齢18年以上(第19条第1項)
位置づけ相談援助を業とする者(第2条第1項)都道府県知事または市町村長の補助機関である職員

社会福祉主事とは:社会福祉法第19条の要件

社会福祉法第19条第1項は、社会福祉主事について次のように定めています。

  • 都道府県知事または市町村長の補助機関である職員とする
  • 年齢十八年以上の者で、人格が高潔で、思慮が円熟し、社会福祉の増進に熱意がある者であること
  • そのうえで、次の各号のいずれかに該当する者のうちから任用しなければならない
号要件(条文の要点)
第1号大学などで、厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者(専門職大学の前期課程を修了した者を含む)
第2号都道府県知事の指定する養成機関または講習会の課程を修了した者
第3号社会福祉士
第4号厚生労働大臣の指定する社会福祉事業従事者試験に合格した者
第5号前各号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者として厚生労働省令で定めるもの

第19条第2項は、第2号の養成機関と講習会の指定に必要な事項は政令で定めると書いています。

条文が「任用しなければならない」と書いていることが、社会福祉主事の特徴です。国家試験に合格して名乗る資格ではなく、職員を任用するときの要件として書かれています。

社会福祉主事が置かれる場所:第18条と第15条

社会福祉主事が登場する場面も、条文に書かれています。

  • 第18条第1項:都道府県、市、福祉に関する事務所を設置する町村に、社会福祉主事を置く。それ以外の町村は、置くことができる(第2項)
  • 第15条第6項:福祉に関する事務所の所員のうち、指導監督を行う所員と現業を行う所員は、社会福祉主事でなければならない
  • 第18条第3項から第5項:都道府県、市・町村ごとに、生活保護法、児童福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法などに定める援護、育成、更生の措置に関する事務を行うことを職務とする

社会福祉主事の仕事の場は、条文では、福祉に関する事務所などの、法律に基づく援護・育成・更生の措置の事務として書かれています。一方、社会福祉士は、法第2条第1項で「相談援助を業とする者」と定義されており、どこで働くかを条文は限定していません。

社会福祉士の側:登録と名称の定め

社会福祉士となるには、試験に合格し(第4条)、社会福祉士登録簿への登録を受ける必要があります(第28条)。登録を受けていない人は、社会福祉士という名称を使えません(第48条第1項)。違反した者には、第53条第3号により30万円以下の罰金が定められています。合格後の登録手続きは、社会福祉士の登録手続きで整理しています。

社会福祉主事の要件を満たす(第19条の各号)ことは、社会福祉士の登録とは別の話です。社会福祉主事の要件を満たしても、社会福祉士登録簿には登録されず、社会福祉士の名称も使えません。

2つの資格の関係:片方がもう片方の要件になる

2つの資格は、次のように関係しています。

1. 社会福祉士は、社会福祉法第19条第1項第3号で、社会福祉主事の要件のひとつに挙げられている

2. 社会福祉主事養成機関の課程の修了は、社会福祉士国家試験の受験資格のひとつ。センターのページには、修業年限2年以上の学校のほか、1年間の通信課程のものがあると書かれている

3. 社会福祉士及び介護福祉士法第7条には、福祉に関する事務所の所員や、老人福祉法第6条・第7条に規定する社会福祉主事であった期間が4年以上になったあと、社会福祉士短期養成施設等で6月以上学ぶ区分も書かれている

つまり、社会福祉主事として働いた期間や、養成機関の課程の修了が、社会福祉士国家試験の受験資格につながる道があります。ただし、受験資格の区分ごとの条件(実務の期間、養成施設で学ぶ期間など)は異なるため、社会福祉士の受験資格を12区分で整理した記事と、社会福祉士になるまでの道筋で、自分の立場に合う区分を確かめてください。

試験との関係:社会福祉士国家試験を受けるなら

社会福祉士国家試験は、受験資格を満たした人が受け、合格すると社会福祉士となる資格を有します(第4条)。社会福祉主事の要件のうち、受験資格につながるのは、この記事で見た社会福祉主事養成機関の課程の修了などです。社会福祉法第19条の要件を満たしたことは、それだけでは、国家試験の合格にも、社会福祉士の登録にもなりません。

試験の準備では、社会福祉士及び介護福祉士法と社会福祉法のように、似た名前の資格や職を、根拠の法律ごとに分けて整理しておくと、取り違えを防げます。

まとめ

  • 社会福祉士は、試験に合格し登録を受けて名乗る国家資格。社会福祉主事は、社会福祉法第19条第1項が定める、職員として任用するときの要件
  • 社会福祉主事の要件は、年齢18年以上、人格・思慮・熱意の要件、5つの号のいずれか。社会福祉士は第3号に挙げられている
  • 社会福祉士は主事の要件のひとつに当たる。逆に、主事の要件を満たすだけでは、社会福祉士にはなれない
  • 社会福祉主事養成機関の課程の修了は、社会福祉士国家試験の受験資格のひとつ。受験資格の区分は第7条で確認する
  • 社会福祉士は、登録を受けないと名称を使えない(第48条第1項)。主事の名称の使用制限は、第19条には書かれていない
本サイトはセンター・厚生労働省・各自治体とは関係のない民間のサイトです。条文の引用・要約は e-Gov 法令検索の現行条文(2026年10月7日確認)にもとづきます。

よくある質問

Q社会福祉士の資格があれば、社会福祉主事の要件を満たしたことになりますか?

社会福祉法第19条第1項第3号に「社会福祉士」が挙げられているため、社会福祉士は社会福祉主事の要件のひとつに当たります(e-Gov法令検索の2026-10-07時点の現行条文)。ただし同項は、年齢18年以上で、人格が高潔で、思慮が円熟し、社会福祉の増進に熱意がある者のうちから任用すると書いており、要件に当たることと、実際に任用されることは別です。

Q社会福祉主事の要件を満たしている人は、社会福祉士の国家試験を受けられますか?

社会福祉主事の要件を満たしているだけでは、受験資格にはなりません。社会福祉振興・試験センターのページには、受験資格の1つとして「社会福祉主事養成機関」の課程があり、修業年限2年以上の学校のほか、1年間の通信課程のものがあると書かれています。受験資格の12区分は社会福祉士の受験資格で整理しています。出典:センター 社会福祉主事養成機関。

Q社会福祉主事にも国家試験はありますか?

社会福祉法第19条第1項第4号に、「厚生労働大臣の指定する社会福祉事業従事者試験に合格した者」が挙げられています。この試験は、社会福祉士国家試験とは別の根拠で書かれた試験です。

Q社会福祉主事は、社会福祉士のように名称の使用を制限されていますか?

社会福祉士については、社会福祉士及び介護福祉士法第48条第1項が、社会福祉士でない者がその名称を使用することを禁じています。社会福祉法第19条には、社会福祉主事の名称の使用を制限する規定は書かれていません。社会福祉主事は、任用される職の名前として、条文に位置づけられています。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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