測量士補

測量士補 写真測量 問11出典: 令和6年度 問20

問題

測量士補 | 写真測量 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19

次の 1 〜 5 の文は,公共測量における無人航空機(以下「UAV」という。)を用いた測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

UAV(無人航空機)を用いた測量の特性に関する問題です。正答(間違っているもの)は 5 です。

5 が誤り:UAV レーザー測量において,対地高度が高くなると計測点間隔は大きくなります(小さくなるは逆)。スキャナのスキャン速度・回転角速度が一定の場合,高度が上がるほど 1 パルス当たりの地上照射間隔が広がります。「高度が高いほど計測点間隔が小さくなる」は誤りです。

1〜4 は正しい記述です。特に 4 の「作業規程の条件を満たした市販カメラの使用可」は実務上重要な規定です。

【UAV 測量の法規・技術・品質に関する整理】

5 が誤りの根拠(UAV レーザー測量の計測点間隔と対地高度)

UAV レーザースキャナ(LiDAR)の計測点間隔(地上投影):

点間隔 Δd ≒ H × ω / v_scan

(H:対地高度,ω:スキャン角速度,v_scan:スキャン速度)

H が増大 → Δd が増大(計測点間隔が大きくなる)。

別の見方:レーザーパルスの発射角θが同じなら,地上での照射位置は H × tanθ で決まるため,高度が高いほど同じ角度差でも地上での間隔が広がる。

→「対地高度が高くなると計測点間隔は小さくなる」は誤り。正しくは「大きくなる」。

点密度(点/m²)との関係:

点密度 ∝ 1/H²(高度が2倍→点密度が1/4になる)

高度が高いほど点が粗くなる → 欠測率が増加・精度が低下するリスク。

1 が正しい理由(UAV の法的規制)

航空法(第 132 条以降)によりドローン(無人航空機)の飛行には種々の規制:

  • 空港周辺・人口集中地区・150m 以上の高度:国土交通大臣の許可
  • 夜間飛行・目視外飛行・人・物件から 30m 以内の飛行:承認
  • 令和 4 年(2022 年)改正:機体登録義務化・最大離陸重量 100g 以上が対象
  • 地方条例・飛行禁止区域(防衛施設・原子力施設等)も遵守必須

2 が正しい理由(UAV 写真測量での点群生成)

UAV で複数方向から撮影した空中写真を,SfM(Structure from Motion)・MVS(Multi-View Stereo)処理することで三次元点群データ(および DSM・オルソ画像)を生成可能。

3 が正しい理由(自然物を標定点・対空標識として活用)

色調差が明瞭で測定可能な既存構造物(マンホール蓋・交差点の白線・建物コーナー等)を対空標識として活用できる(公共測量作業規程準則 UAV 写真測量編)。ただし,位置精度・判読性の要件を満たすことが条件。

4 が正しい理由(市販デジタルカメラの使用可)

公共測量作業規程準則では,「UAV 写真測量に使用する機器は,当該測量に適用する作業規程等の規定に定める条件を満たすもの」であれば市販品でよい。焦点距離・センサーサイズ・GSD 要件を満たせば使用可能。

【UAV 測量の技術動向と精度管理の深層理解】

UAV LiDAR の計測点間隔設計(定量)

典型的な UAV LiDAR(例:Velodyne VLP-16)の場合:

  • スキャン回転速度: 10 Hz(1 秒で 10 回転)
  • 水平解像度(点間隔角度): 0.1°〜0.4°(設定可変)
  • 対地高度 H = 50 m,角度解像度 0.2° の場合:

水平点間隔 = 2 × H × tan(0.1°) = 2 × 50 × 0.00175 = 0.175 m

  • H = 100 m の場合:水平点間隔 = 0.35 m(2 倍に増大)

これより「高度が高いほど計測点間隔が大きくなる」が定量的に確認できる。

UAV 写真測量(SfM)の精度管理

誤差要因:

① IMU/GNSS 精度(RTK-GNSS 使用で位置精度 ±数 cm → 地上基準点(GCP)削減可能)

② キャリブレーション精度(レンズ歪み係数 k1, k2 の推定精度)

③ 重複率(前後 80%/側方 60% 以上が SfM の標準)

④ 飛行高度の安定性(気流・気温変化による高度変動)

地上基準点(GCP)の配置設計:

  • 最少 GCP 数: 4 点(3D 変換の最小要件)
  • 推奨: 飛行範囲に均等配置 + 独立チェックポイント

ネットワーク RTK と GNSS の活用

直接外部標定(Direct Georeferencing):RTK-GNSS + IMU 搭載 UAV で GCP なしに座標を直接取得。精度:水平 ±2〜5 cm,垂直 ±5〜10 cm(公開ネットワーク RTK 使用時)。GCP を省略できるため,アクセス困難な場所での測量効率が大幅向上。

測量士試験への接続

測量士試験では,SfM の原理(特徴点検出・マッチング・バンドル調整),UAV LiDAR の回転翼型と固定翼型の用途差,重複率と SfM 精度の定量関係(基高比の概念),人工衛星画像(SAR・光学)との組み合わせ(データフュージョン)など,より高度な技術論点が問われる。また,令和 4 年以降の航空法改正(レベル 4 飛行:目視外・補助者なし)の実務的影響も重要知識となっている。

この問題の根拠出典: 令和6年度 測量士補試験 問20(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和6年度 測量士補試験 問20(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。