問題
次の a 〜 c の文は,公共測量における航空レーザー測量の欠測率について述べたものである。ア 及び イ に入る語句又は数値の組合せとして最も適当なものはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。 a. 「欠測」とは,点群データを格子間隔で区切り,一つの格子内に点群データがない場合をいう。 b. 欠測率は,対象面積に対する欠測の割合を示すものであり,欠測率 =(欠測格子数 / 格子数)× 100 で求めるものとする。なお,欠測率の計算対象に,水部 ア ものとする。 c. 800 m × 600 m の範囲において,計画する格子間隔が 1 m になるように計測した点群データがある。この範囲内に水部はなく,点群データがない格子の個数を数えたところ,36,000 であった。この範囲における欠測率として最も近い値は イ %である。
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
航空レーザー測量の欠測率に関する計算問題です。正答は 2「ア:は含まない,イ:7.5」です。
ア(水部の扱い)
公共測量作業規程準則では,欠測率の計算対象から水部(河川・湖沼・海域等)を除外します。水面ではレーザー光が反射・散乱するため,点群データが取得できないことが多く,欠測として扱いません。→ ア = は含まない
イ(欠測率の計算)
総格子数 = 800 m × 600 m ÷ (1 m × 1 m) = 480,000 格子
欠測格子数 = 36,000 格子
欠測率 = 36,000 / 480,000 × 100 = 7.5 %
【航空レーザー測量の欠測率計算の手順】
ア:水部の扱い(公共測量作業規程準則)
公共測量作業規程準則(第 4 編 航空レーザー測量)における欠測率の規定:
- 欠測率の計算対象:水部(河川・湖沼・池・海岸等の水面域)は含まない
- 理由:水面はレーザーパルスの鏡面反射・多重反射により点群データの取得が困難または不安定であり,水部の欠測は機器の性能や計測条件の問題ではなく,地物の物理的性質に起因するため,品質評価の対象外とする。
イ:欠測率の計算
Step1: 総格子数の計算
格子間隔 1 m → 1 m × 1 m の格子で 800 m × 600 m を分割:
総格子数 = (800 / 1) × (600 / 1) = 800 × 600 = 480,000 格子
Step2: 欠測格子数の確認
問題文より:点群データがない格子 = 36,000 格子
Step3: 欠測率の計算
欠測率 = (欠測格子数 / 格子数) × 100
= (36,000 / 480,000) × 100
= 0.075 × 100
= 7.5 %
→ イ = 7.5(選択肢 2)
選択肢 3(8.1%)が誤りである理由
もし計算を誤り 444,000 で割ると(謎の計算),8.1% に近づく場合があるが,正しい分母は全格子数 480,000。
許容欠測率の規格(参考)
公共測量作業規程準則:航空レーザー測量の欠測率の許容値 ≤ 10 %(地図情報レベルに応じて規定)。本問の 7.5% は許容値内。
【航空レーザー測量の品質管理と欠測率の実務的意義】
航空レーザー測量(LiDAR)の欠測発生原因
欠測(1 格子内に点群データなし)は以下の原因で発生:
① 樹木の遮蔽:密林地帯では最終エコーが樹冠で止まり,地盤まで届かない場合がある(フィルタリング後に欠測として判定)
② 建物の陰:高層建物の真北側(照射角度に起因する影)
③ 強反射面:水面・金属屋根での鏡面反射(パルスが散乱してリターン不良)
④ 飛行計画の問題:重複度不足による格子の取りこぼし
⑤ 機器ノイズ・電源変動:レーザー発振器の瞬断
欠測率の品質管理フロー
① 点群データを格子(格子間隔 = 設計点密度から決定)に分割
② 各格子内の点の有無を判定(水部格子を除外したマスクで処理)
③ 欠測格子数を集計 → 欠測率を計算
④ 許容値(10% 以下)超過 → 補完飛行または補足計測
欠測の補間処理
欠測格子の標高補間方法:
- IDW(逆距離加重法): 近傍の有効格子から内挿
- TIN 内挿: 有効点から TIN を生成して補間
- 自然隣接補間: Voronoi 多角形に基づく補間
公共測量では,補間範囲・補間方法を製品仕様書に明記する義務がある。
水部マスクの精度と欠測率への影響
水部マスク(河川・湖沼の境界ポリゴン)の精度が欠測率に影響する:
- マスクが大きすぎる → 本来陸域の欠測格子が水部として除外 → 欠測率が過小評価
- マスクが小さすぎる → 水部の反射不良格子が欠測として計上 → 欠測率が過大評価
正確な水部マスクは,航空写真・衛星画像・既存地図を組み合わせて作成する。
測量士試験への接続(LiDAR の精度管理)
測量士試験では,点密度と欠測率の関係,グラウンドフィルタリングアルゴリズム(PMF・CSF 等)の原理,LiDAR 測量の高さ精度(チェックポイントによる RMSE 評価),複数フライトの重複帯でのデータ整合性確認(高さオフセット・点密度の偏り)などが出題範囲となる。
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和6年度 測量士補試験 問19(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

