測量士補

測量士補 写真測量 問14出典: 令和7年度 問18

問題

測量士補 | 写真測量 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19

次の a 〜 c の文は,公共測量における航空レーザ測深測量について述べたものである。 ア 〜 ウ に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。 a. レーザ測距装置に用いられる ア の波長域のレーザは,水面で反射しやすい特性を持つ。一方, イ の波長域のレーザは,水を透過しやすく,水底で反射しやすい特性を持つ。 b. 航空レーザ測深システムでは, ア の波長域のレーザ及び イ の波長域のレーザの特性を利用することで,計測したデータを地表面で反射したもの,水面で反射したもの,水底で反射したものに分類することが可能である。 c. イ の波長域のレーザを用いた測深は ウ の影響を受けるため,透明度や濁度などの調査をする必要がある。

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答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

航空レーザ測深(ALB)の波長域と特性に関する問題です。正答は1(ア: 近赤外,イ: 緑色,ウ: 水質)。

航空レーザ測深システムでは2種類のレーザを使います:

ア(水面で反射しやすい):「近赤外」波長(波長約1,064 nm)のレーザは水面でほぼ全反射するため,水面位置の検出に使います。

イ(水を透過して水底で反射):「緑色」波長(波長約532 nm)のレーザは水を透過しやすく,水底まで到達して反射してきます。この特性を使って水深を計測します。

ウ(測深に影響する要因):緑色レーザの測深は「水質」(透明度・濁度)の影響を受けます。水が濁っていると光が水底に届かず,測深できません。「地質」は水底の種類(砂・岩等)の問題で,透過には直接関係しません。

航空レーザ測深システムの波長域と原理の詳細問題です。正答は1(ア: 近赤外,イ: 緑色,ウ: 水質)。

航空レーザ測深(ALB: Airborne Laser Bathymetry)の原理

ALBシステムは2波長のレーザを組み合わせて使用します:

近赤外レーザ(ア,約1,064 nm)の特性

近赤外波長は水に対する吸収が大きく,水面でほぼ全反射します(フレネル反射)。このため:

  • 水面位置の検出・水面標高の決定に使用
  • 陸上の地表面(植生・地盤)でも反射するため,陸上地形計測にも利用

緑色レーザ(イ,約532 nm)の特性

緑色波長(Nd:YAGレーザの2倍波:1064 nm → 532 nm)は:

  • 水の吸収が比較的小さく,水中を透過(透過深度:清澄な海水で最大50〜70 m)
  • 水底に到達して反射 → 往復時間から水深を計算
  • 水面反射パルスと水底反射パルスの時間差から水深 d = c/(2n) × Δt(c: 光速,n: 水の屈折率≒1.333)

ウ:水質の影響

緑色レーザの測深能力は水の透明度(透明度)と濁度に依存します:

  • 清澄な水(外洋・珊瑚礁):50 m以上の測深が可能
  • 濁った水(河川・沿岸):10〜20 m以下に制限,または計測不可
  • 濁度は懸濁物質(SS: Suspended Solids)の濃度に依存

ALBの技術的詳細と最新動向,測量士レベルへの接続です。正答は1。

ALBの計測原理と精度

ALBシステム(例:RIEGL VQ-880-G, Leica HawkEye 4X)では:

  • パルス繰り返し周波数:数十〜数百kHz(各波長)
  • 飛行高度:400〜600 m(標準)
  • スワス幅:飛行高度の0.5〜1.0倍
  • 点群密度:水面 > 2 pt/m²(1/2,500地形図作成要件)

水深計算式(精密版):

d = c × Δt / (2n × cosθ_r)

(θ_r: 水中屈折角 = arcsin(sinθ_i/n),θ_i: 入射角,n: 水の屈折率 ≒ 1.333 at 20℃)

屈折率 n は水温・塩分濃度に依存し,精密測深では水温・塩分プロファイルの現地測定が必要です。

水質による測深限界(ウ)

Secchi深度(透明度円盤による透明度指標)と最大測深可能深度の経験式:

最大測深 ≈ 2〜3 × Secchi深度

外洋(Secchi > 20 m):40〜60 m測深可能

河川(Secchi < 1 m):計測不可または浅深度のみ

このため公共測量の航空レーザ測深では,事前の透明度調査(衛星データ解析・現地計測)が必須であり,季節・天候(降雨後は濁度上昇)の影響も考慮した計測計画が求められます。

作業規程の準則と航空レーザ測深の法的位置づけ

国土地理院は2020年代以降,航空レーザ測深を公共測量の正式な手法として作業規程の準則に組み込みました。海岸線・河川の精密計測,珊瑚礁モニタリング,港湾・航路の安全確保において,従来の音響測深(マルチビームソナー)と組み合わせたシームレス(陸・水底連続)三次元計測が進んでいます。

この問題の根拠出典: 令和7年度 測量士補試験 問18(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用
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出典と作り方

本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和7年度 測量士補試験 問18(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。