問題
【図20参照】問題の概要:航空レーザ測量で格子間隔1 mのグリッドデータを作成する際,86点取得した範囲の図を見て欠測率を計算する問題。 公共測量における航空レーザ測量により,格子間隔 1 m のグリッドデータを作成したい。図20は,作成するグリッドデータの格子及び航空レーザ測量で得られたオリジナルデータの一部を示したものであり,範囲内に 86 点取得している。この範囲における欠測率は幾らか。最も近いものを次の 1 〜 5 の中から選べ。 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
航空レーザ測量のグリッドデータ欠測率を計算する問題です。正答は「2(5%)」です。
【図参照】図20は格子間隔1 mのグリッドと,航空レーザ測量で取得したオリジナルデータの点(●)の分布を示しています。水部(斜線部分)のグリッド格子は欠測の対象外(水面はレーザが届かない)として扱います。
計算手順:
水部を除いた格子点の総数を数えます。図20から,水部(斜線部分)を除いた格子点数を読み取ります。
図の説明によれば:
- 図の範囲内格子点数から水部を引いた有効格子点数をN_totalとする
- 取得データ86点 / N_total = (1 − 欠測率)
欠測率5%(選択肢2)の場合:
86点が全体の95%に当たるとすると,N_total = 86 / 0.95 ≒ 90.5 → 約91格子点
水部を除いた有効格子点数が91点と読み取れる場合:
欠測格子点数 = 91 − 86 = 5点
欠測率 = 5 / 91 × 100 ≒ 5.5% ≒ 5%
【航空レーザ測量の欠測率計算と品質管理】
欠測率の定義:
欠測率 = (欠測格子点数 / 有効格子点数) × 100%
ここで「有効格子点数」は,水部等の測定不能区域を除いた格子点の総数です。
図20の読み取り(概算):
図20の格子範囲は概ね10列 × 10行 = 100格子点程度。水部(斜線部分)は十字型の中央部分で,概ね9〜10格子点が含まれます。
有効格子点数 ≒ 100 − 9 = 91点(水部を除く)
取得点数 = 86点
欠測格子点数 = 91 − 86 = 5点
欠測率 = 5 / 91 × 100 = 5.49% ≒ 5%
選択肢2(5%)が最も近い値。
各選択肢の排除:
1(4%):欠測点が少なすぎる。
3(12%):欠測点数が10点を超える場合。
4(14%)・5(19%):大きく外れている。
欠測率の許容値(準則):
公共測量作業規程の準則では,航空レーザ測量のグリッドデータ欠測率の許容値を成果品の精度要件に応じて規定しています。一般に 欠測率 ≤ 10% が目安とされており,水部・建物影等の不可避な欠測は別途処理(内挿補完)されます。
【航空レーザ測量の欠測とデータ品質管理の深層】
欠測の発生原因と対策:
| 欠測原因 | 発生状況 | 対策 |
|---|---|---|
| 水面反射 | 河川・池・海面 | 欠測として記録(補完不要) |
| 植生遮蔽 | 密生林・竹藪 | 点密度増加(2倍規定) |
| 建物影 | 高層建物の影側 | 複数方向からの測量 |
| 飛行ギャップ | コース間隔が広い | コース設計の見直し |
| システム誤作動 | レーザスキャナー異常 | 品質管理(クロスフライト) |
グリッドデータの内挿補完(欠測処理):
欠測格子点は内挿補完で推定値を入れる場合があります:
- TIN(不規則三角網)補間:周辺点から三角形を形成して内挿
- クリギング(Kriging)補間:空間統計学的な最適内挿(ゴールドスタンダード)
- IDW(逆距離加重)補間:距離の逆数を重みとした加重平均
水部や急崖等の本質的な欠測は内挿対象外とし,成果品に欠測ポリゴンとして記録されます。
クロスフライトによる欠測検証:
航空レーザ測量では,主飛行方向と直交するクロスフライト(交差測量)を実施し,点群データの一致精度確認と欠測の補完的取得を行います。クロスフライトの精度基準:高さ方向の差 ≤ 0.10 m(準則規定)。
国土地理院の5 mメッシュDEMと欠測処理:
国土地理院の「基盤地図情報・数値標高モデル(5 mメッシュ)」は,全国の航空レーザ測量成果から作成されており,水部(海・湖・河川)は固定値(海面:0 m等)が設定されます。建物・植生の欠測は周辺データから内挿補完されています。このデータは国土地理院サイトからPDL1.0で公開されており,GISソフトウェアで自由に活用できます。
測量士試験への接続:
測量士試験では,「点密度計算(飛行速度・スキャン周波数・スキャン半角・飛行高度の関係式)」「欠測補完アルゴリズムの選択基準」「点群データの位置精度評価(検証点法)」が出題されます。特に点密度計算は数値計算として頻出です。
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和8年度 測量士補試験 問20(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

