測量士補

測量士補 水準測量 問9出典: 令和6年度 問10

問題

測量士補 | 水準測量 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19

公共測量における 1 級水準測量を実施するに当たり,既知点間が 1.7 km の平たんな路線において,最大視準距離を 45 m として観測することとした。往路におけるレベルの設置回数(測点数)は最低何点になるか。次の 1 〜 5 の中から選べ。 ただし,全測点において視通や観測時の環境条件を考えずにレベルを設置できるものとする。 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

1 級水準測量の往路で必要なレベルの最低設置回数(測点数)を求める問題です。正答は 3「20 点」です。

水準測量では,レベル(水準儀)を1か所に設置し,後ろの標尺(後視)と前の標尺(前視)を読み取って高低差を求めます。レベルを1回設置するたびに,最大で後視側と前視側にそれぞれ 45 m ずつ,合計 90 m 進むことができます。

計算:

1,700 m ÷ 90 m = 18.88…→ 切り上げて 19 スパン

19 スパンに必要な標尺の立て点(測点)は,始点(既知点)と終点(既知点)を含めると 20 点です。レベルの設置回数 = スパン数 = 19 回ですが,問題文の「測点数」は標尺を立てた点(既知点含む両端 + 中間点)の合計を指し,20 点となります。

【水準測量の測点数計算の手順】

基本概念の整理

  • レベル 1 設置(1 スパン): 後視(BS)1 回 + 前視(FS)1 回 = 最大 90 m 前進
  • 測点(T.P.:転換点): 標尺を立てる点。既知点(出発・到着)を含む
  • スパン数 = レベル設置回数 = 測点数 − 1

計算手順

Step1: 1 スパン当たりの最大前進距離

= 最大視準距離 × 2 = 45 m × 2 = 90 m

Step2: 最小スパン数の計算

1,700 m ÷ 90 m = 18.888…

→ 小数点以下切り上げ → 19 スパン

Step3: 測点数の計算

測点数 = スパン数 + 1(両端の既知点を含む)

= 19 + 1 = 20 点

→ 選択肢 3「20 点」が正答

補足:スパン数と測点数の関係

既知点A ─[スパン1]─ T.P.1 ─[スパン2]─ T.P.2 ─…─ T.P.19 ─[スパン?]─ 既知点B

19 スパン = 測点 20 個(既知点 A,T.P.1〜T.P.18,既知点 B)

※ 18 スパンでは 18 × 90 = 1,620 m しか進めず 1,700 m に不足する。

誤り選択肢の分析

  • 選択肢 1(18 点): 18 スパン+1=19 点、または 18 スパンで 1,620 m → 不足
  • 選択肢 2(19 点): スパン数のみで +1 を忘れた場合(18 スパン+1=19 は別解釈)
  • 選択肢 4(38 点)・5(39 点): 片道ではなく往復の合計設置回数を誤って計算した場合

【水準測量の精度設計と測点数の最適化】

1 級水準測量の規格(公共測量作業規程準則)

  • 最大視準距離:50 m 以内(本問は 45 m に設定)
  • 前後視距差:±1 m 以内(精密視準距離等化)
  • 標尺読定最小単位:0.1 mm(精密標尺使用)
  • 閉合差許容値:±2√S mm(S:距離 km)→ 1.7 km なら ±2√1.7 = ±2.6 mm

測点数(転換点数)の精度への影響

転換点(T.P.)は標尺を置きかえる点であり,各 T.P. で標尺読定誤差が蓄積する。

  • 偶然誤差(標準偏差 σ): n 転換点では √n × σ に増大
  • 1 スパン当たりの標準偏差 σ_span = 0.3 mm(1 級水準)
  • n = 19 スパン: 累積 σ = 0.3 × √19 = 0.3 × 4.36 = 1.31 mm
  • 閉合差許容値 2.6 mm > 累積σ×2 = 2.62 mm ≒ 合格ライン

測点数最適化(実務的考察)

最大視準距離を 45 m に抑える意味:

① 大気揺らぎ(かげろう)の影響軽減(長視準ほど影響大)

② 地形追従精度の向上(緩勾配でもスパン長が短いほど高低差誤差が小さい)

③ 視準線の質的確保(望遠鏡の分解能限界内)

一方,視準距離を短くするほど測点数が増え:

  • 45 m: 19 スパン・20 測点
  • 30 m: 57 スパン・58 測点(標尺読定回数が大幅増加)

→ 精度と作業効率のトレードオフ最適点が視準距離の選択基準。

デジタルレベルの登場と測点数管理

近年の 1 級水準測量では,バーコード標尺を用いたデジタルレベルが標準。デジタルレベルは:

  • 自動的に前後視距差を計算・警告
  • 測点番号・観測値・時刻を電子記録(野帳不要化)
  • 再測判定(基準外の場合は警告音)

これにより測点数の管理精度が向上し,作業ミスが激減。測量士試験の観点では,デジタルレベルでも測点数の計算原理(1スパン=90m,測点数=スパン数+1)は同一である。

この問題の根拠出典: 令和6年度 測量士補試験 問10(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用
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出典と作り方

本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和6年度 測量士補試験 問10(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。