問題
外皮用薬に配合される角質軟化・保湿成分に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はア(正しいもの)です。
手引きでは、サリチル酸は「角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示す」成分で、併せて抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待され、にきび用薬等に配合されることもあります。
各選択肢の誤りポイント:
- イ(誤): イオウはケラチンを変質させる角質軟化作用に加え、抗菌・抗真菌作用も期待され、にきび用薬等に配合されます。
- ウ(誤): 尿素は角質層中に元来存在する保湿因子の一つで、保湿成分として用いられます。
- エ(誤): グリセリンは角質層の水分保持量を高める保湿成分で、角質軟化成分ではありません。
- オ(誤): ヘパリン類似物質も手引きでは保湿成分(と血行促進成分)であり、角質軟化成分ではありません。
角質軟化成分と保湿成分の整理(手引き 第3章Ⅹ「皮膚に用いる薬」3)「肌の角質化、かさつき等を改善する配合成分」):
| 区分 | 成分名 | 手引きの記載 |
|---|---|---|
| (a) 角質軟化成分 | サリチル酸 | 角質成分を溶解することにより角質軟化作用。抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待され、にきび用薬等にも配合 |
| (a) 角質軟化成分 | イオウ | 角質層を構成するケラチンを変質させることにより角質軟化作用。抗菌、抗真菌作用も期待され、にきび用薬等にも配合 |
| (b) 保湿成分 | グリセリン、尿素、白色ワセリン、オリブ油、ヘパリン類似物質等 | 角質層の水分保持量を高め、皮膚の乾燥を改善する |
各選択肢の解説:
- ア(正): 手引きの記載どおりです。サリチル酸は「角質成分を溶解する」ことで角質を軟らかくし、抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待されてにきび用薬等にも配合されます。
- イ(誤): 手引きはイオウについて「併せて抗菌、抗真菌作用も期待され、にきび用薬等に配合されている場合もある」としています。「抗菌・抗真菌作用はない」は誤りです。なお、イオウの作用は「ケラチンを変質させる」で、サリチル酸の「角質成分を溶解する」と区別して覚えます。
- ウ(誤): 手引きは、皮膚の乾燥は「角質層中に元来存在するアミノ酸、尿素、乳酸等の保湿因子が減少」すること等で生じるとし、保湿成分として尿素を挙げています。「元来存在しない」「保湿成分として用いられない」はいずれも誤りです。
- エ(誤): グリセリンは保湿成分の筆頭に挙げられる成分で、角質軟化成分には含まれていません。
- オ(誤): ヘパリン類似物質は保湿成分に挙げられ、別の項目では血行促進成分としても記載されています。角質軟化成分ではありません。
【角質軟化成分と保湿成分の区別・うおのめ/たこ/いぼの見分け・販売時の注意】
1. 2つの角質軟化成分の作用の違い
手引きの角質軟化成分はサリチル酸とイオウの2つで、作用の書き方が異なります。
- サリチル酸:「角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示す」。抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待され、にきび用薬等に配合されるほか、頭皮の落屑(ふけ)を抑える効果を期待して毛髪用薬に配合されている場合もある。
- イオウ:「皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることにより、角質軟化作用を示す」。抗菌、抗真菌作用も期待され、にきび用薬等に配合されている場合もある。
「溶解」と「ケラチンを変質」の区別、どちらも抗菌・抗真菌作用が期待される点(イ)をセットで覚えます。
2. 保湿成分の考え方(ウ・エ・オ)
手引きは、皮膚の乾燥を「角質層の細胞間脂質や角質層中に元来存在するアミノ酸、尿素、乳酸等の保湿因子が減少したり、また、皮脂の分泌が低下する等により、角質層の水分保持量が低下することによって生じる」と説明しています。そのうえで、角質層の水分保持量を高め乾燥を改善する成分として、グリセリン、尿素、白色ワセリン、オリブ油、ヘパリン類似物質等を挙げています。尿素はもともと角質層にある保湿因子なので、ウの「元来存在しない」は誤りです。グリセリンもヘパリン類似物質も保湿成分の側に入り、角質軟化成分ではありません(エ・オ)。
ヘパリン類似物質は血行促進成分としても記載され、抗炎症作用や保湿作用も期待されます。一方、血液凝固を抑える働きがあるため、出血しやすい人、出血が止まりにくい人、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑症など)の診断を受けた人では使用を避ける必要があります。
3. うおのめ・たこ・いぼの区別
| 症状 | 手引きの説明 |
|---|---|
| うおのめ(鶏眼) | 角質の芯が真皮にくい込んでいるため、圧迫されると痛みを感じる |
| たこ(胼胝) | 角質層の一部が単純に肥厚したもので芯がなく、通常、痛みは伴わない |
| いぼ(疣贅) | 表皮が隆起した小型の良性の腫瘍。ウイルス性のいぼと老人性のいぼに大別される |
角質軟化薬のうち、配合成分や濃度等が定められた範囲内の製品は医薬部外品(うおのめ・たこ用剤)として製造販売されていますが、いぼに用いる製品は医薬品としてのみ認められています。ただし、いぼの原因となるウイルスに対する抑制作用はなく、いぼが広範囲に生じたり、外陰部や肛門周囲に生じた場合には医師の診療を受けるなどの対応が必要です。
4. 販売時の注意(してはいけないこと)
うおのめ・いぼ・たこ用薬は、添付文書の「次の部位には使用しないこと」に、目の周囲、粘膜、やわらかな皮膚面(首の回り等)、顔面等が挙げられています。理由は「角質溶解作用の強い薬剤であり、誤って目に入ると障害を与える危険性があるため」等です。炎症又は傷のある患部も、刺激が強く症状を悪化させるおそれがあるため同じ項に挙げられています。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅹ「皮膚に用いる薬」(角質軟化成分・保湿成分) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

