登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問13|点眼薬の成分・コンタクト使用時の注意

問題

登録販売者 | 第3章 主な医薬品とその作用 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

点眼薬(目薬)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウ(誤っているもの)です。

「人工涙液ならコンタクトを外さなくても全て使用できる」は誤りです。人工涙液でも含まれる防腐剤(塩化ベンザルコニウム等)がソフトコンタクトレンズに吸着・蓄積してレンズを変質させたり、眼刺激の原因となる場合があります。ソフトコンタクトを装着したまま使用できるかどうかは、成分によらず添付文書で個別に確認することが基本です。

ア・イ・エ・オはいずれも正しい記述です。点眼薬では充血除去成分の長期使用による反跳性充血、コンタクトとの相性確認、ウイルス性結膜炎への無効性、過量点眼の全身吸収が重要な注意事項です。

点眼薬の主な成分カテゴリと特性:

成分カテゴリ代表成分作用コンタクト
充血除去ナファゾリン・テトラヒドロゾリンα受容体→血管収縮多くは装着中使用不可
抗ヒスタミンクロルフェニラミンH1遮断→アレルギー症状緩和多くは装着中使用不可
角膜保護・潤滑コンドロイチン・ヒアルロン酸Na保湿・涙液補充製品による
抗菌スルファメトキサゾール細菌の葉酸合成阻害通常は外して使用
収れん硫酸亜鉛タンパク変性→炎症緩和多くは装着中使用不可

各選択肢の解説:

  • ア(正): ナファゾリン塩酸塩はα2受容体刺激(一部α1も)による血管収縮で充血を除去します。しかし連続使用で受容体の感受性が下がり(ダウンレギュレーション)、使用中止後に血管が拡張して反跳性充血(リバウンド)が生じます。充血除去点眼薬は短期使用(数日以内)が原則です。
  • イ(正): コンドロイチン硫酸ナトリウムは軟骨・角膜の主要成分であるムコ多糖で、涙液の代わりに角膜表面を保護します。多くの点眼薬はソフトコンタクトレンズ装着中の使用を「避けること」または「外してから使用」と添付文書に記載されています(防腐剤の吸着が理由のことが多い)。
  • ウ(誤・正答): 人工涙液であっても、防腐剤として塩化ベンザルコニウム(BAK)が配合されている場合はソフトコンタクトレンズに吸着・蓄積し、コンタクトレンズの変質・眼刺激の原因となります。防腐剤フリーの人工涙液であればコンタクト装着中使用可能な製品もありますが、「人工涙液なら全て装着中OK」は誤りです。必ず添付文書で確認することが求められます。
  • エ(正): スルファメトキサゾール点眼はサルファ剤(葉酸合成阻害)で細菌に有効ですが、アデノウイルスによるウイルス性結膜炎(いわゆる「はやり目」・流行性角結膜炎)には無効です。ウイルス性結膜炎は感染力が非常に強く、接触感染で広がります。改善しない・悪化する場合は眼科受診が必須です。
  • オ(正): 眼の結膜嚢に保持できる液量は約25〜30μL(1滴は約50μL)です。1滴点眼しても約半分はあふれ、残りは鼻涙管を通じて鼻咽腔→消化管→全身循環に入ります。例えば緑内障治療薬の点眼薬では全身吸収されたβブロッカーで徐脈・気管支攣縮が生じた例があります。点眼後に目頭(鼻涙管開口部)を軽く押さえると全身吸収を減らせます。

【塩化ベンザルコニウム(BAK)のソフトコンタクトへの吸着機序と代替防腐剤】

塩化ベンザルコニウム(BAK)は第四級アンモニウム塩の陽イオン性界面活性剤で、点眼薬の防腐剤として最も広く使用されています。BAKの殺菌機序:

  • 細菌細胞膜の陰性リン脂質と結合→膜透過性亢進→細菌死滅

問題点:

  • ソフトコンタクトレンズ(特にハイドロゲル素材)は陰性電荷を持つポリマーで構成→BAK(陽性)が強く吸着・蓄積
  • 吸着したBAKが眼に持続的に放出→角膜上皮毒性・ドライアイ悪化
  • 長期使用でレンズの変色・変質・光学特性変化

代替防腐剤(コンタクト適合性高い):

  • ポリクオタニウム-1(Polyquad): 高分子量でコンタクトへの吸着少ない
  • ポリヘキサニド(PHMB): コンタクトへの影響少ない
  • 亜塩素酸ナトリウム系(Purite等): 眼内で分解→毒性低い
  • 防腐剤フリー(単回使用タイプ): 最も安全

コンタクト使用者への実務対応: 市販点眼薬を選ぶ際に「防腐剤フリー」「コンタクト装着中使用可」の記載があるか確認を促す。

【充血の原因診断と適切な対応の重要性】

充血は複数の疾患・状態の症状です:

原因特徴対応
単純性眼疲労・ドライアイ軽度・夕方悪化人工涙液・休息
アレルギー性結膜炎両眼・かゆみ強い・季節性抗ヒスタミン点眼・内服
細菌性結膜炎目やに(黄色・膿性)・片眼から抗菌点眼薬
ウイルス性結膜炎(流行性)目やに(水様性)・非常に感染力強い受診勧奨・感染対策
急性閉塞隅角緑内障突然の充血・霧視・眼痛・頭痛・嘔吐緊急受診(失明リスク)
ぶどう膜炎充血・霧視・眼痛・光過敏受診勧奨

登録販売者は「充血だけ改善すればいい」という顧客の要求に安易に充血除去点眼薬を勧めず、目やに・眼痛・視力低下・頭痛等の随伴症状を確認することが重要です。特に「急性閉塞隅角緑内障」は充血・頭痛・嘔吐が重なり、かぜと間違えられて充血除去薬や頭痛薬が投与されると治療が遅れ、短時間で失明するリスクがあります。

【点眼薬の全身吸収と重要な相互作用・副作用】

点眼薬の全身吸収は薬剤の種類によっては臨床的に重要な副作用を生じさせます:

1. βブロッカー点眼薬(チモロール等・緑内障治療): 全身吸収で気管支攣縮(喘息患者)・徐脈・血圧低下。喘息患者への禁忌(OTCではないが知識として重要)。

2. 充血除去点眼薬(ナファゾリン等のα作動薬): 全身吸収で血圧上昇・頻脈。乳幼児では少量でも中毒(苦情事例あり)→乳幼児への使用注意。

3. スコポラミン点眼(散瞳薬): 抗コリン作用→全身吸収で口渇・頻脈・尿閉。

4. スルファメトキサゾール点眼(抗菌): スルフォンアミドアレルギーがある人(スルフォンアミド系抗菌薬や一部利尿薬・糖尿病薬でアレルギーの報告がある人)は注意。

点眼後の鼻涙管圧迫(鼻の付け根を約2分間軽く押さえる)で全身吸収を約40〜60%減らせます。この手技を適切に説明することも登録販売者の役割です。

【ウイルス性結膜炎の感染管理と登録販売者の役割】

流行性角結膜炎(EKC)はアデノウイルス8・19・37型等が原因で、非常に感染力が強い眼の感染症です。潜伏期5〜12日・感染力は2〜3週間続きます。

感染経路: 手→眼(接触感染)。タオル・点眼薬瓶の共用でも感染。

登録販売者が「目やにが多い・人と会った・流行りの目の病気かも」という購入者に対して:

1. 抗菌点眼薬を勧める前に「ウイルス性では無効」であることを説明

2. 眼科受診を強く推奨(検査で確定診断→適切な感染対策指導)

3. 感染拡大防止(手洗い・タオル共用禁止・集団感染の場)を伝える

4. 充血除去点眼薬も症状を一時的に緩和するだけで原因治療にはならないことを説明

【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章第12節

この問題の根拠根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章 第12節「眼科用薬」
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章 第12節「眼科用薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。