問題
皮膚・創傷の消毒に用いる殺菌消毒成分に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はオです。
消毒用エタノールは皮膚刺激性が強いため、患部表面を軽く清拭するにとどめ、脱脂綿やガーゼに浸して患部に貼付することは避けるべきとされています。また、揮発性で引火しやすい成分です。
アは誤りで、オキシドールは作用の持続性が乏しく、組織への浸透性も低い成分です。イは誤りで、クロルヘキシジンは結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はありません。ウは誤りで、ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人では使用を避ける必要があります。エは誤りで、アクリノールは一般細菌類の一部(化膿菌)に殺菌消毒作用を示しますが、真菌・結核菌・ウイルスに対しては効果がなく「万能」ではありません。
主な殺菌消毒成分の特性比較:
| 成分 | 有効スペクトル | 無効なもの | 主な注意 |
|---|---|---|---|
| アクリノール | 一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌) | 真菌・結核菌・ウイルス | 比較的刺激性が低く創傷患部にしみにくい・衣類等を黄色く着色 |
| オキシドール | 一般細菌類の一部(化膿菌) | ― | 作用の持続性が乏しく組織への浸透性も低い・目の周りは避ける |
| ヨウ素系(ポビドンヨード等) | 結核菌を含む一般細菌類・真菌類・ウイルス | ― | ヨウ素アレルギーの既往がある人は避ける・まれにショック・石けん分を洗い落としてから使用 |
| ベンザルコニウム塩化物等(陽性界面活性成分) | 黄色ブドウ球菌・溶血性連鎖球菌・カンジダ等の真菌類 | 結核菌・ウイルス | 石けんとの混合で効果低下 |
| クロルヘキシジン | 一般細菌類・真菌類 | 結核菌・ウイルス | ― |
| 消毒用エタノール | 結核菌を含む一般細菌類・真菌類・ウイルス | ― | 皮膚刺激性→軽く清拭・貼付は避ける・粘膜や目の周りは避ける・揮発性で引火しやすい |
各選択肢の解説:
- ア(誤): オキシドール(過酸化水素水)の作用は、過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化と、発生する酸素による泡立ちによる物理的な洗浄効果です。そのため作用の持続性は乏しく、組織への浸透性も低いとされています。「浸透性が高く、長時間持続する」は誤りです。
- イ(誤): クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩は、一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示しますが、結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はありません。「結核菌やウイルスにも作用する」は誤りです。
- ウ(誤): ヨウ素系殺菌消毒成分は、外用薬として用いた場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがあり、ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人では使用を避ける必要があります。造影剤によるアレルギーがある場合にも、ヨウ素を含むものの使用は避けることを考慮すべきとされています。「アレルギーの有無にかかわらず安全」は誤りです。
- エ(誤): アクリノールは黄色の色素で、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示しますが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がありません。「ウイルス・結核菌にも有効な万能消毒薬」は誤りです。なお比較的刺激性が低く、創傷患部にしみにくい点が特徴です。
- オ(正): 消毒用エタノールは、手指・皮膚の消毒、器具類の消毒のほか、創傷面の殺菌・消毒にも用いられることがあります。皮膚刺激性が強いため、患部表面を軽く清拭するにとどめ、脱脂綿やガーゼに浸して患部に貼付することは避けるべきとされています。また、揮発性で引火しやすく、広範囲に長時間使用する場合には蒸気の吸引にも留意する必要があります。
【殺菌消毒成分のスペクトルを3グループで覚える】
| グループ | 成分 | 手引きの表現 |
|---|---|---|
| 結核菌・ウイルスまで効く | ヨウ素系(ポビドンヨード、ヨードチンキ)、エタノール | 結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す |
| 一般細菌類・真菌類まで(結核菌・ウイルスには効かない) | クロルヘキシジン、ベンザルコニウム塩化物等の陽性界面活性成分 | 結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はない/結核菌やウイルスには効果がない |
| 一般細菌類の一部(化膿菌)のみ | アクリノール、オキシドール | 連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌に対する殺菌消毒作用を示す |
選択肢イ(クロルヘキシジンが結核菌・ウイルスにも効く)と選択肢エ(アクリノールが万能)は、このグループを入れ替えた誤りです。
【エタノールの作用と使い方】
エタノールは、アルコール分が微生物のタンパク質を変性させ、それらの作用を消失させることで殺菌消毒作用を示します。使い方の注意は次のとおりです。
- 皮膚刺激性が強いため、創傷面に用いる場合は患部表面を軽く清拭するにとどめ、脱脂綿やガーゼに浸して患部に貼付することは避ける(選択肢オ)
- 粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける
- 脱脂による肌荒れを起こしやすく、皮膚へ繰り返して使用する場合には適さない
- 揮発性で引火しやすく、広範囲に長時間使用する場合には蒸気の吸引にも留意する
【オキシドールの作用の特徴】
オキシドールの作用は、過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化と、発生する酸素による泡立ちによる物理的な洗浄効果です。そのため作用の持続性は乏しく、組織への浸透性も低いとされています(選択肢ア)。刺激性があるため、目の周りへの使用は避ける必要があります。
【ヨウ素系殺菌消毒成分の注意】
- ポビドンヨードは、ヨウ素をポリビニルピロリドン(PVP)と呼ばれる担体に結合させて水溶性とし、徐々にヨウ素が遊離して殺菌作用を示すように工夫されたものです。口腔咽喉薬や含嗽薬より高濃度で配合されているため、誤って原液を口腔粘膜に適用しないよう注意します。
- ヨードチンキは皮膚刺激性が強く、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避けます。化膿している部位では、かえって症状を悪化させるおそれがあります。
- 外用でもまれにショック(アナフィラキシー)を生じることがあり、ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人では使用を避けます(選択肢ウ)。
【石けんとの関係:実務の落とし穴】
- ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると低下するため、石けん等と併用する場合には、石けん分をよく洗い落としてから使用します。
- ベンザルコニウム塩化物等の陽性界面活性成分も、石けんとの混合によって殺菌消毒効果が低下するので、石けんで洗浄した後は石けんを十分に洗い流してから使用します。
登録販売者は「石けんで洗ったら、よく洗い流してから消毒する」ことを購入者に伝えることで、消毒薬の効果を引き出せます。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅹ-1)「きず口等の殺菌消毒成分」
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅹ-1)「きず口等の殺菌消毒成分」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

