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漏電火災警報器とは?設置基準と漏電警報器・漏電遮断器の違い第二種電気工事士

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

漏電火災警報器は、建築物の屋内電気配線に係る火災を感知して知らせる消防法の警報設備です。消防法施行令22条の設置基準、変流器の取付け位置、漏電遮断器との違い、第二種電気工事士の学科で「漏電警報器」がどう出ているかを整理します。

目次
  1. 漏電火災警報器とは:消防法の「警報設備」
  2. 設置基準:消防法施行令22条1項
  3. 設置のしかた:変流器・音響装置(消防法施行規則24条の3)
  4. 工事は誰が行う?:消防設備士の整備と電気工事士法
  5. 試験での出方:「漏電警報器」の名前で出る
  6. 間違えやすいポイント
  7. まとめ
結論:漏電火災警報器は、建築物の屋内電気配線に係る火災を感知して音で知らせる消防法の警報設備です(消防法施行令7条3項2号・22条2項)。設置が必要な建物は、鉄網入りの壁・床・天井を持つ防火対象物のうち、用途と延べ面積などの条件に当てはまるものです(同令22条1項)。漏電を検出して電路を自動で遮断する漏電遮断器とは役割が違います(当サイトの説明)。第二種電気工事士の学科の出題範囲に消防法は載っておらず、試験には「漏電警報器」の名前で、写真・図記号・組合せの選択肢として出ています。

漏電火災警報器の名前は、建物の管理や電気設備の点検で耳にします。この記事は、その言葉を調べている人に向けて、まず法令が定める内容を整理し、そのあとで第二種電気工事士の学科にどうつながるかを説明します。建物ごとに設置が必要かどうかは、この記事では判断できません。所轄の消防署(予防担当)に確認してください。

試験センター非提携:本サイトは一般財団法人 電気技術者試験センターと一切関係ありません。試験の出題・資料は、出典を示して内容を紹介しています。製品名やメーカーは扱いません。
根拠法令の版:消防法施行令は2025-10-01施行の版、消防法施行規則は2026-06-26施行の版(e-Gov 法令検索の現行条文)。条文の数値や対象は改正で変わることがあります。最終確認日:2026-10-09。出典:消防法施行令、消防法施行規則。

漏電火災警報器とは:消防法の「警報設備」

消防法施行令7条は消防用設備等の種類を定めていて、3項が「火災の発生を報知する機械器具又は設備」を警報設備として列挙しています。その2号が「漏電火災警報器」です。同じ3項には、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備なども並びます。

22条2項は、漏電火災警報器を「建築物の屋内電気配線に係る火災を有効に感知することができるように設置するものとする」と定めています。つまり、目的は建物の屋内配線から出る火災の感知で、感知した結果を知らせる設備です。

次の表は、似た名前の3つを分けたものです(当サイトの整理)。

名称どの文書の言葉か役割
漏電火災警報器消防法施行令7条3項2号・22条屋内電気配線に係る火災を感知して知らせる警報設備
漏電警報器第二種電気工事士の学科の問題文写真・図記号・組合せの選択肢の名称(組合せの問題では「零相変流器と漏電警報器」の形で出る)
漏電遮断器電気設備の技術基準の解釈・学科の問題文漏電を検出して電路を自動で遮断する器具

出典:消防法施行令7条・22条、電気設備の技術基準の解釈、センター公表の学科問題(後述)。

電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正の版、2026-10-09 時点)には、「漏電火災警報器」「漏電警報器」の語の記載がありません。同じ文書で漏電遮断器は、機械器具の金属製外箱の接地を省略できる場合や電気さくの電路などの条文に出てきます。

設置基準:消防法施行令22条1項

22条1項は、次の前提をつけたうえで、各号に当てはまる防火対象物に設置するとしています。

  • 前提:間柱若しくは下地を準不燃材料以外の材料で造った鉄網入りの壁、根太若しくは下地を準不燃材料以外の材料で造った鉄網入りの床、又は天井野縁若しくは下地を準不燃材料以外の材料で造った鉄網入りの天井を有するもの

この前提に当てはまる防火対象物のうち、次の表のいずれかの号に当てはまるものが対象です(条文は「別表第一」の項の番号で用途を指定しています)。

号対象の用途(令別表第一の項)延べ面積などの条件
1号(十七)項の建築物面積の条件なし
2号(五)項・(九)項の建築物延べ面積150平方メートル以上
3号(一)項〜(四)項、(六)項、(十二)項、(十六の二)項の防火対象物延べ面積300平方メートル以上
4号(七)項・(八)項・(十)項・(十一)項の建築物延べ面積500平方メートル以上
5号(十四)項・(十五)項の建築物延べ面積1,000平方メートル以上
6号(十六)項イの防火対象物延べ面積500平方メートル以上で、かつ、(一)項〜(四)項、(五)項イ、(六)項又は(九)項イの用途に供される部分の床面積の合計が300平方メートル以上
7号前各号に掲げるもののほか、(一)項〜(六)項、(十五)項、(十六)項の建築物契約電流容量(同一建築物で契約種別の異なる電気が供給されているものは、そのうちの最大契約電流容量)が50アンペアを超えるもの

出典:消防法施行令22条1項(2025-10-01施行の版)。

読み取りの注意が3つあります。

  • 表の各号は、すべて冒頭の「鉄網入りの壁・床・天井を有するもの」という前提の中で読みます(7号の50アンペアも同じです)
  • 1号・2号・4号・5号・7号の「建築物」と、3号・6号の「防火対象物」は、条文の言葉の違いです。表は条文の語のまま書いています
  • どの項がどの用途にあたるかは、消防法施行令の別表第一で決まります。この記事では、項の中身までは扱いません

消防法施行令(2025-10-01施行の版)の附則には、22条について「当分の間」を定める記載はありません。昭和48年などの附則は、当時すでにあった防火対象物の経過措置です。

設置のしかた:変流器・音響装置(消防法施行規則24条の3)

設置と維持の細目は、消防法施行規則24条の3が定めています。電気工事に近い部分を表にします。

項目条文の内容(要点)
変流器の電流値警戒電路の定格電流以上の電流値を有するもの(B種接地線に設けるものは、その接地線に流れることが予想される電流以上の電流値)
変流器の取付け位置建築物に電気を供給する屋外の電路(建築構造上、屋外の電路に設けることが困難な場合は、電路の引込口に近接した屋内の電路)又はB種接地線で、点検が容易な位置に堅固に取り付ける
音響装置防災センター等に設ける。音圧と音色は、他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取れること
検出漏洩電流設定値誤報が生じないように、その建築物の警戒電路の状態に応じた適正な値とする
可燃性蒸気・粉じん等が滞留するおそれのある場所その作動と連動して電流の遮断を行う装置を、これらの場所以外の安全な場所に設ける

出典:消防法施行規則24条の3(2026-06-26施行の版)。

変流器は、警戒電路の漏洩電流を検出する部分です(当サイトの説明。規則24条の3は「検出漏洩電流設定値」という語を使っています)。電気工事士が学ぶ「零相変流器」に当たる器具と考えられますが、規則24条の3は「変流器」と書いていて、「零相」の語はありません(当サイトの読み)。B種接地線は、変圧器の低圧側の中性点などに行う接地工事(B種接地工事)の接地線のことです。接地工事の基本は、接地工事の記事にまとめています。

変流器を取り付ける位置には、「引込口に近い電路か、B種接地線」という2つの選択があることに注意します。規則24条の3の2号が、この2つを並べています。高圧受電設備の変流器(CT)・計器用変圧器(VT)・零相変流器(ZCT)の違いは、変流器(CT)・計器用変圧器(VT)・零相変流器の違いで扱っています。

工事は誰が行う?:消防設備士の整備と電気工事士法

消防法で「消防設備士でなければ行ってはならない工事」を挙げたのが、消防法施行令36条の2第1項です。屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、自動火災報知設備などが列挙されていて、漏電火災警報器は挙がっていません。同条2項の「整備」の一覧には、消火器とともに漏電火災警報器が入っています。

区分漏電火災警報器の扱い根拠
設置に係る工事(消防設備士でなければ行えないもの)一覧に挙がっていない消防法施行令36条の2第1項
整備(消防設備士でなければ行えないもの)一覧に挙がっている(屋内消火栓設備の表示灯の交換その他総務省令で定める軽微な整備は除く)同条2項3号
乙種消防設備士の指定区分第七類消防法施行規則33条の3第3項

出典:消防法施行令36条の2、消防法施行規則33条の3。

つまり、消防法の側では、漏電火災警報器の設置工事を消防設備士に限定する規定は、施行令36条の2第1項の一覧にありません。なお、消防法17条の5が対象にしているのは、技術上の基準などに従って設置しなければならない消防用設備等の工事(設置に係るもの)又は整備のうち、政令で定めるものです。設置する作業が電気工事士法の「電気工事」にあたるかどうかは、電気工事士法2条3項・3条と、同法施行令1条(軽微な工事)・同法施行規則2条(軽微な作業)で別に判断します。施行令1条と施行規則2条は、作業の内容(電圧600ボルト以下で使用する電気機器の端子に電線をねじ止めする工事など)で書かれていて、漏電火災警報器という機器の名前では書かれていません(e-Gov、2026-10-09 時点)。作業ごとの可否は、電気工事士2種で何ができる?と、消防設備士と電気工事士の関係にある条文の読み方を参照してください。個別の工事は、所轄の消防署と都道府県の担当課に確認します。

試験での出方:「漏電警報器」の名前で出る

センターが公表した学科問題のうち、令和4年度上期(午前)〜令和8年度上期の13冊(令和4年度上期・下期と令和5年度上期・下期は午前・午後の各2冊、令和6年度上期以降の5回は各回1冊)のうち、問題文に「漏電警報器」の語が出るのは次の7冊です(当サイトの整理)。「漏電火災」の語は13冊とも出ていません。

回問問いの型「漏電警報器」の位置づけ正答
令和4年度上期(午後)問17写真の器具の名称選択肢ニ(誤り)。写真は漏電遮断器ロ(漏電遮断器)
令和5年度上期(午前)問15組み合わせて使用する機器で明らかに誤っているもの選択肢ハ「零相変流器と漏電警報器」は誤りではないイ
令和5年度上期(午後)問17写真の器具の名称選択肢イ(誤り)ハ(配線用遮断器 電動機保護兼用)
令和5年度下期(午後)問38配線図の図記号の名称選択肢ロ(誤り)ハ(リモコンセレクタスイッチ)
令和6年度上期問15組み合わせて使用する機器で明らかに誤っているもの選択肢ハ「零相変流器と漏電警報器」は誤りではないイ
令和6年度上期問31配線図の図記号の名称選択肢ロ(誤り)イ(リモコンセレクタスイッチ)
令和6年度下期問17写真の器具の〇で囲まれた部分の名称選択肢イ(誤り)ニ(熱動継電器)
令和7年度上期問15組み合わせて使用する機器で明らかに誤っているもの選択肢ロ「零相変流器と漏電警報器」は誤りではないハ
令和7年度上期問17写真の器具の名称選択肢イ(誤り)ハ(配線用遮断器 電動機保護兼用)

出典:令和4年度上期(午後)、令和5年度上期(午前)・(午後)、令和5年度下期(午後)とその解答、令和6年度上期、令和6年度下期、令和7年度上期。

表の「誤り」は、その選択肢が正答ではないことを指します。図記号の問題(令和5年度下期 問38・令和6年度上期 問31)で、「漏電警報器」は選択肢の一つとして並ぶだけで、センターの正答は別の名称でした。写真の問題でも、「漏電警報器」が正答の回は、この表の範囲にありません。

令和4年度上期(午後)問17は、写真の器具の名称を、配線用遮断器・漏電遮断器・電磁接触器・漏電警報器の4つから選ぶ問題で、センターの正答は漏電遮断器でした。器具の見分け方は、遮断器と開閉器の違いの記事と、配線図の記号の記事にあります。

試験センターの出題範囲は、法令の欄に、電気工事士法・同法施行令・同法施行規則、電気設備に関する技術基準を定める省令、電気用品安全法と同法の施行令・施行規則・技術基準の省令を挙げています。消防法・消防法施行令は載っていません(電気技術者試験センター「第二種電気工事士の学科試験のポイント」、2026-10-09 時点)。また、試験に使う図記号は、原則として JIS C 0303:2000(構内電気設備用図記号)によると同ページに書かれています。この記事は JIS の本文を引用していません。図記号の形は、センターの問題と例題で確認してください。

間違えやすいポイント

  • 「漏電火災警報器」は消防法施行令の言葉、「漏電警報器」は試験の選択肢の言葉です。 試験では後者が出ます。同じ設備を指すかは、この記事では断定していません。
  • 漏電遮断器は電路を遮断する器具、漏電火災警報器は感知して知らせる設備です(当サイトの説明)。 学科の写真問題では、本体の表示(定格感度電流など)を見て遮断器の種類を選びます。
  • 設置が必要な建物は、「鉄網入りの壁・床・天井を有するもの」という前提の中で、用途と延べ面積(又は契約電流容量50アンペア超)の条件で決まります。 延べ面積の数字だけを覚えても、前提を外すと条文と合いません。
  • 変流器の取付け位置は、「屋外の電路(困難な場合は引込口に近接した屋内の電路)」か「B種接地線」です。
  • 消防法施行令36条の2第1項の工事の一覧に漏電火災警報器はなく、整備の一覧(2項)にはあります。 工事と整備を取り違えないようにします。

まとめ

  • 漏電火災警報器は、建築物の屋内電気配線に係る火災を感知する消防法の警報設備(消防法施行令7条3項2号・22条2項)
  • 設置対象は、鉄網入りの壁・床・天井を有する防火対象物のうち、令22条1項の1号〜7号の用途・延べ面積・契約電流容量(50アンペア超)の条件に当てはまるもの
  • 変流器は、引込口に近い屋外(困難なときは近接した屋内)の電路かB種接地線に、点検しやすい位置で取り付ける(消防法施行規則24条の3)
  • 消防設備士でなければ行えない設置工事の一覧(令36条の2第1項)に漏電火災警報器はなく、整備の一覧(同条2項)にはある
  • 電気技術者試験センターの出題範囲の法令に消防法は載っていない。学科には「漏電警報器」の名前で、写真・図記号・組合せの選択肢として出ている
  • 建物ごとの設置の要否や個別の工事の可否は、所轄の消防署に確認する

よくある質問

Q漏電火災警報器とは何ですか?

消防法施行令7条3項2号に挙げられた警報設備で、建築物の屋内電気配線に係る火災を有効に感知するように設置するものです(同令22条2項)。感知して音で知らせる設備で、それ自体は電気を止める器具ではありません(当サイトの説明)。ただし、可燃性蒸気・可燃性粉じん等が滞留するおそれのある場所に設ける場合は、その作動と連動して電流を遮断する装置を、それらの場所以外の安全な場所に設けます(消防法施行規則24条の3第5号)。漏電を検出して電路を遮断する器具は、電気設備の技術基準の解釈に出てくる漏電遮断器です。

Q漏電火災警報器は、どんな建物に設置が必要ですか?

消防法施行令22条1項は、鉄網入りの壁・床・天井(間柱・根太・天井野縁又は下地を準不燃材料以外の材料で造ったもの)を有する防火対象物のうち、用途と延べ面積(7号は契約電流容量)が各号の条件に当てはまるものに設置するとしています。例えば、別表第一(十七)項の建築物は面積の条件がなく、(一)項〜(四)項、(六)項、(十二)項、(十六の二)項は延べ面積300平方メートル以上が条件です。7号は、1号〜6号に当たらない(一)項〜(六)項、(十五)項、(十六)項の建築物で、契約電流容量が50アンペアを超えるものです。自分の建物が当てはまるかは、所轄の消防署(予防担当)に確認してください。

Q漏電火災警報器の設置工事は、電気工事士でないとできませんか?

電気工事士法の対象になるかどうかは、電気工事士法2条3項(電気工事の定義。政令で定める軽微な工事を除く)・3条と、同法施行令1条(軽微な工事)・同法施行規則2条(軽微な作業)で別に判断します。施行令1条と施行規則2条は作業の内容で書かれていて、漏電火災警報器という機器の名前では書かれていません(e-Gov、2026-10-09 時点)。消防法側では、消防設備士でなければ行ってはならない「設置に係る工事」の一覧(消防法施行令36条の2第1項)に漏電火災警報器は挙がっていません。一方、「整備」の一覧(同条2項)には漏電火災警報器があり、乙種第7類の消防設備士が行える整備の対象です(消防法施行規則33条の3第3項)。個別の工事の可否は、所轄の消防署と電気工事士法の窓口である都道府県の担当課に確認してください。

Q第二種電気工事士の学科試験に、消防法は出ますか?

電気技術者試験センターの出題範囲のうち、法令の欄に挙がっているのは、電気工事士法・同法施行令・同法施行規則、電気設備に関する技術基準を定める省令、電気用品安全法と同法の施行令・施行規則・技術基準の省令です(2026-10-09 時点)。消防法は載っていません。学科で出ている名称は「漏電警報器」で、写真や図記号、組合せの選択肢として並びます。

Q「漏電警報器」と「漏電火災警報器」は同じですか?

試験の問題文は「漏電警報器」と書き、法令(消防法施行令)は「漏電火災警報器」と書きます。電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正の版)には、どちらの語も記載がありません。センターの問題では「零相変流器と漏電警報器」が、組み合わせて使用する機器で「明らかに誤っているもの」を選ぶ問題の、正答ではない選択肢として出ています。この記事では、2つの名称が同じ設備を指すかどうかは断定せず、それぞれの出典の言葉で書き分けています。

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