問題
有機溶剤中毒予防規則(有機則)に定める局所排気装置のフードの型式と制御風速に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはアです。有機則第16条第1項の表では、制御風速は囲い式フード0.4m/s、外付け式フードは側方吸引型0.5m/s・下方吸引型0.5m/s・上方吸引型1.0m/sと定められています。囲い式の0.4m/sは、外付け式のどの型よりも小さい値です。
各誤りの要点: エ→囲い式(0.4)は側方吸引型(0.5)より小さい。イ→上方吸引型だけが1.0m/sで、側方・下方(0.5)と異なる。ウ→「開口面における最小風速」は囲い式の制御風速。外付け式は「開口面から最も離れた作業位置の風速」。オ→プッシュプル型換気装置は第16条の2で「厚生労働大臣が定める構造及び性能」を求められ、第16条の表の制御風速の対象ではない。
有機則第16条第1項の表(局所排気装置の制御風速):
| 型式 | 制御風速 | 制御風速を測る位置(表の備考二) |
|---|---|---|
| 囲い式フード | 0.4m/s | フードの開口面における最小風速 |
| 外付け式フード 側方吸引型 | 0.5m/s | 吸引しようとする範囲内で、フードの開口面から最も離れた作業位置の風速 |
| 外付け式フード 下方吸引型 | 0.5m/s | 同上 |
| 外付け式フード 上方吸引型 | 1.0m/s | 同上 |
表の備考一により、いずれの制御風速も「局所排気装置のすべてのフードを開放した場合」の値です。
各選択肢の正誤と根拠:
- エ(誤): 囲い式は0.4m/s、側方吸引型は0.5m/sで、囲い式の方が小さい。
- イ(誤): 側方吸引型・下方吸引型は0.5m/s、上方吸引型は1.0m/sで、同じ値ではない。
- ウ(誤): 「フードの開口面における最小風速」は囲い式フードの制御風速。外付け式フードは、吸引しようとする範囲内でフードの開口面から最も離れた作業位置の風速をいう(表の備考二)。
- ア(正): 囲い式0.4m/sは、外付け式の0.5m/s(側方・下方)・1.0m/s(上方)のいずれよりも小さい。
- オ(誤): プッシュプル型換気装置は第16条の2で「厚生労働大臣が定める構造及び性能を有するもの」とされ、局所排気装置の制御風速(第16条の表)とは別に規定されている。
【理論的背景】
有機則は、局所排気装置の性能を「フードの型式ごとの制御風速」で定めています(第16条第1項)。制御風速をどこで測るかは型式で異なり、囲い式フードは「フードの開口面における最小風速」、外付け式フードは「当該フードにより有機溶剤の蒸気を吸引しようとする範囲内における当該フードの開口面から最も離れた作業位置の風速」です(同項の表の備考二)。また、表の制御風速は「局所排気装置のすべてのフードを開放した場合の制御風速」です(備考一)。外付け式の中では上方吸引型だけが1.0m/sと、側方・下方吸引型(0.5m/s)より大きい値になっています。
フードそのものの要件は第14条第1項にあり、①有機溶剤の蒸気の発散源ごとに設けられていること、②外付け式のフードは発散源にできるだけ近い位置に設けられていること、③作業方法・蒸気の発散状況・蒸気の比重等からみて、吸引するのに適した型式及び大きさのものであること、の3つです。同条第2項は、ダクトを「長さができるだけ短く、ベンドの数ができるだけ少ないもの」とするよう定めています。
【実務・条文構造】
- 第15条第1項: 空気清浄装置を設けた局所排気装置の排風機は、清浄後の空気が通る位置に設ける。ただし、吸引された有機溶剤の蒸気等による爆発のおそれがなく、かつ、ファンの腐食のおそれがないときは、この限りでない。
- 第15条の2: 局所排気装置・プッシュプル型換気装置・全体換気装置等の排気口は直接外気に向かって開放する。空気清浄装置を設けていない局所排気装置・プッシュプル型換気装置(屋内作業場に設けるもの)等の排気口の高さは屋根から1.5m以上とする(排出濃度が厚生労働大臣が定める濃度に満たない場合を除く)。
- 第16条第2項: 第6条第1項により局所排気装置を設けた場合などは、換気量を第17条の全体換気装置の換気量に等しくなるまで下げた場合の制御風速を出し得る能力で足りる。
- 第16条の2: プッシュプル型換気装置は「厚生労働大臣が定める構造及び性能を有するもの」でなければならない。局所排気装置の制御風速の表とは別の規定です。
- 第18条: 局所排気装置は労働者が有機溶剤業務に従事する間、表の制御風速以上で稼働させる(第1項)。プッシュプル型換気装置は厚生労働大臣が定める要件を満たすように稼働させる(第4項)。バッフルを設けて換気を妨害する気流を排除する等の措置も求められる(第8項)。
- 第18条の2・第18条の3: 過去1年6月間、第一管理区分が継続した作業場では、所定の確認・保護具の使用などの措置を講じたうえで表の値未満の制御風速での測定ができ、評価が第一管理区分であれば所轄労働基準監督署長の許可を受けてその制御風速(特例制御風速)で稼働させることができる。
- 参考(特化則第7条第1号): 特定化学物質の局所排気装置でも、外付け式又はレシーバ式のフードは発散源にできるだけ近い位置に設けることとされています。
【試験での位置づけ】
この論点では、①4つの数値(囲い式0.4/側方0.5/下方0.5/上方1.0m/s)、②制御風速を測る位置が囲い式(開口面の最小風速)と外付け式(開口面から最も離れた作業位置)で違うこと、③プッシュプル型換気装置は局所排気装置とは別条(第16条の2)で性能が決まること、の3点を押さえます。数値の大小を入れ替えた記述や、測る位置を入れ替えた記述に注意します。
【各選択肢の発展補足】
- エ: 囲い式0.4m/sと側方吸引型0.5m/sの大小を入れ替えた記述です。
- イ: 外付け式の3つの型のうち、上方吸引型だけが1.0m/sです。
- ウ: 外付け式フードの制御風速は、吸引しようとする範囲内でフードの開口面から最も離れた作業位置の風速です。囲い式フードの「開口面における最小風速」と取り違えないようにします。
- ア: 表の数値どおりです。なお、第18条第1項により、労働者が有機溶剤業務に従事する間は表の制御風速以上で稼働させなければなりません。
- オ: プッシュプル型換気装置は、性能を第16条の2(厚生労働大臣が定める構造及び性能)で、稼働を第18条第4項(厚生労働大臣が定める要件を満たすように稼働)で定めており、第16条の表の制御風速の規定は局所排気装置についてのものです。
【根拠】有機溶剤中毒予防規則 第14条・第15条・第15条の2・第16条(同条第1項の表と備考)・第16条の2・第18条・第18条の2・第18条の3、特定化学物質障害予防規則 第7条第1号。
【補足】ア(正): 囲い式0.4m/sは外付け式(側方0.5・下方0.5・上方1.0m/s)のいずれよりも小さい。エ・イは数値の入れ替え、ウは測る位置の入れ替え、オはプッシュプル型換気装置の規定(第16条の2)の取り違え。
- 有機溶剤中毒予防規則第16条・第14条e-Govで原文を読む
- 特定化学物質障害予防規則第7条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 有機溶剤中毒予防規則 第14条(局所排気装置のフード等)・第16条第1項および同項の表(局所排気装置の性能・制御風速)・第16条の2(プッシュプル型換気装置の性能等)・第18条(換気装置の稼働)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

