衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 労働衛生(有害業務) 問9|特定化学物質の区分と規制差・発がん性

問題

衛生管理者 | 労働衛生(有害業務) | 第一種

特定化学物質の区分(第1類・第2類・第3類)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

誤りはエです。特定化学物質のうち、製造に厚生労働大臣の許可が必要なのは第1類物質です(安衛法第56条・令第17条)。第3類物質を製造禁止とする規定や、第2類物質を届出制とする規定はありません。製造・使用等が禁止されているのは、ベンジジン・ベータ-ナフチルアミン・石綿などの安衛法第55条・令第16条の物質で、第3類物質ではありません。

ア(第1類は製造許可)・イ(第2類の物質例)・ウ(第3類の物質例)・オ(第3類も作業主任者の選任対象)はいずれも正しい内容です。

特定化学物質の3区分の比較:

区分製造許可(安衛法第56条)代表物質(令別表第3)作業主任者
第1類必要ジクロルベンジジン・アルファ-ナフチルアミン・塩素化ビフェニル(PCB)・ベリリウム・ベンゾトリクロリド選任対象
第2類不要アクリルアミド・塩素・クロム酸・トリクロロエチレン・弗化水素・ベンゼン・溶接ヒューム選任対象
第3類不要アンモニア・一酸化炭素・塩化水素・硝酸・二酸化硫黄・フェノール・ホスゲン・硫酸選任対象

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 製造許可の対象は「別表第三第一号に掲げる第一類物質及び石綿分析用試料等」(令第17条)。第1類にはジクロルベンジジン・アルファ-ナフチルアミン・ベンゾトリクロリド等が掲げられています。
  • イ(正): アクリルアミド(1)・クロム酸及びその塩(11)・トリクロロエチレン(22の5)・ベンゼン(30)はいずれも令別表第3第2号の第2類物質です。
  • ウ(正): 第3類物質はアンモニア・一酸化炭素・塩化水素・硝酸・二酸化硫黄・フェノール・ホスゲン・硫酸の8物質と、これらを含有する製剤等です。
  • エ(誤): 製造許可制なのは第1類物質で、第2類を届出制、第3類を製造禁止とする規定はありません。製造等の禁止は安衛法第55条・令第16条の物質(ベンジジン・ベータ-ナフチルアミン・石綿等)です。
  • オ(正): 令第6条第18号は「別表第三に掲げる特定化学物質を製造し、又は取り扱う作業(試験研究のため取り扱う作業及び…を除く。)」を作業主任者の選任対象としており、第3類物質も含まれます。

【理論的背景】

特定化学物質障害予防規則(特化則・昭和47年労働省令第39号)は、労働安全衛生法施行令別表第3に掲げる「特定化学物質」を第1類・第2類・第3類に分けて管理する規則です。重度の健康障害を生ずる物に対する安衛法の規制は、次の3段階に整理できます。

規制の3段階:

  • 製造等の禁止(安衛法第55条・令第16条): 黄りんマッチ・ベンジジン・4-アミノジフェニル・石綿・4-ニトロジフェニル・ビス(クロロメチル)エーテル・ベータ-ナフチルアミン等。製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止され、試験研究のため製造・輸入・使用する一定の場合だけが例外。
  • 製造の許可(安衛法第56条・令第17条): 第1類物質と石綿分析用試料等。製造しようとする者は、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
  • 特化則による管理: 第1類〜第3類物質の製造・取扱いについて、設備・作業主任者・測定等の措置。

令別表第3の構成:

  • 第1類: ジクロルベンジジン・アルファ-ナフチルアミン・塩素化ビフェニル(PCB)・オルト-トリジン・ジアニシジン・ベリリウム・ベンゾトリクロリドの7物質と、これらを一定割合を超えて含有する製剤等
  • 第2類: アクリルアミドから硫酸ジメチルまでの物質(弗化水素〔28〕・ベンゼン〔30〕・溶接ヒューム〔34の2〕を含む)と、これらを含有する製剤等で厚生労働省令で定めるもの
  • 第3類: アンモニア・一酸化炭素・塩化水素・硝酸・二酸化硫黄・フェノール・ホスゲン・硫酸の8物質と、これらを含有する製剤等

【実務・条文構造】

特定化学物質作業主任者(安衛法第14条・令第6条第18号・特化則第27条):

  • 対象: 別表第3に掲げる特定化学物質を製造し、又は取り扱う作業(試験研究のため取り扱う作業等を除く)。第3類物質も対象
  • 資格: 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習の修了者(特別有機溶剤業務に係る作業は有機溶剤作業主任者技能講習の修了者)
  • 溶接ヒュームを製造し、又は取り扱う金属アーク溶接等作業は、限定技能講習の修了者から金属アーク溶接等作業主任者を選任できる(特化則第27条第2項)
  • 職務(特化則第28条): 作業の方法を決定し労働者を指揮すること/局所排気装置等を1月を超えない期間ごとに点検すること/保護具の使用状況を監視すること 等

健康管理手帳(安衛法第67条・令第23条):

がんその他の重度の健康障害を生ずるおそれのある業務に従事していた者のうち要件に該当する者に、都道府県労働局長が離職の際又は離職の後に交付します。対象業務には、ベンジジン・ベータ-ナフチルアミン・クロム酸等の製造・取扱い業務、粉じん作業、石綿の粉じんを発散する場所における業務などがあります。

【試験での位置づけ】

特定化学物質の区分問題では「製造許可が必要なのは第1類」「製造等禁止物質(令第16条)と第1類の区別」「作業主任者は第3類も対象」「代表物質がどの類か(弗化水素は第2類・一酸化炭素は第3類)」が問われます。エのように規制の種類を区分に誤って割り当てる記述は典型的な引っかけです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: アルファ-ナフチルアミンは第1類(製造許可)ですが、ベータ-ナフチルアミンは製造等禁止物質(令第16条第7号)で、区分が異なります。
  • イ: ベンゼンの管理濃度は1ppm(作業環境評価基準別表)。トリクロロエチレンは令別表第3第2号の22の5に掲げられた第2類物質です。
  • ウ: 弗化水素は第3類ではなく第2類物質(令別表第3第2号28)です。第3類の8物質を正確に覚えておくと区別できます。
  • エ: 第1類=製造許可(安衛法第56条)、製造等の禁止=安衛法第55条・令第16条の物質、と根拠条文で整理すると取り違えを防げます。
  • オ: 第3類物質(例: アンモニア・硫酸)を取り扱う作業でも、試験研究のため取り扱う作業等を除き、特定化学物質作業主任者の選任が必要です。

【根拠】労働安全衛生法第14条(作業主任者)・第55条(製造等の禁止)・第56条(製造の許可)・第67条(健康管理手帳)、同法施行令第6条第18号・第16条・第17条・第23条・別表第3、特定化学物質障害予防規則第27条・第28条。

【補足】製造許可=第1類。製造等の禁止=令第16条の物質(第3類ではない)。作業主任者は第1類〜第3類のいずれも対象。弗化水素は第2類。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第56条(製造の許可)・第55条(製造等の禁止)、労働安全衛生法施行令第6条第18号(作業主任者)・第16条・第17条・別表第3(特定化学物質)、特定化学物質障害予防規則(特化則)第27条・第28条。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

この問題の関連トピック

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