問題
有機溶剤中毒予防規則(有機則)における有機溶剤の区分と管理に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはウです。有機溶剤作業主任者は有機溶剤作業主任者技能講習の修了者から選任し(有機則第19条第2項)、局所排気装置等を1か月を超えない期間ごとに点検させるなどの職務を行わせます(同第19条の2)。
各誤りの要点: ア→第3種(ガソリン等)は設備の規制がタンク等の内部に限られ、作業環境測定の対象でもないなど、規制は第1種・第2種より狭い。イ→色分けは第1種=赤・第2種=黄・第3種=青(第1種と第2種が入れ替わっている)。エ→作業環境測定は6か月以内ごとに1回、記録は3年間保存。オ→トルエン・キシレンは中枢神経系への影響(麻酔作用等)が重要。
有機溶剤の3区分の比較:
| 区分 | 色分け(有機則第25条) | 物質(令別表第6の2) | 局所排気装置等の設置(有機則第5条・第6条) |
|---|---|---|---|
| 第1種 | 赤 | 1,2-ジクロルエチレン・二硫化炭素 | 屋内作業場等で必要 |
| 第2種 | 黄 | トルエン・キシレン・酢酸エチル・アセトン等 | 屋内作業場等で必要 |
| 第3種 | 青 | ガソリン・石油エーテル・石油ベンジン等 | タンク等の内部で必要 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 第1種・第2種は屋内作業場等で密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置の設置が必要(第5条)ですが、第3種はタンク等の内部の業務について設備が求められる(第6条)にとどまります。作業環境測定(第28条)の対象も令別表第6の2第1号〜第47号(第1種・第2種)で、第3種(第48号〜)は含まれません。「第3種に最も厳しい規制」は誤りです。
- イ(誤): 色分けは「第1種=赤・第2種=黄・第3種=青」(有機則第25条第2項)。選択肢は第1種と第2種の色が入れ替わっています。
- ウ(正): 選任は有機溶剤作業主任者技能講習の修了者から(第19条第2項)。職務は作業方法の決定と労働者の指揮、局所排気装置等の1か月を超えない期間ごとの点検、保護具の使用状況の監視等(第19条の2)。
- エ(誤): 作業環境測定は「6月以内ごとに1回」、記録は「3年間」保存(有機則第28条)。
- オ(誤): トルエンのモデルSDSでは特定標的臓器毒性(単回ばく露)区分1(中枢神経系)、キシレンのモデルSDSでも単回ばく露区分1に中枢神経系が挙げられ、いずれも区分3(麻酔作用)とされています。「中枢神経系への影響は軽微」は誤りです。
【理論的背景】
有機溶剤中毒予防規則(有機則)は、労働安全衛生法施行令別表第6の2に掲げる有機溶剤を第1種・第2種・第3種に区分し、区分ごとに設備・測定・健康診断等の措置を定めた規則です。区分は物質名で決まり、混合物は含有率で区分されます(有機則第1条)。
区分の内容(有機則第1条・令別表第6の2):
- 第1種有機溶剤等: 令別表第6の2第28号(1,2-ジクロルエチレン〔別名二塩化アセチレン〕)・第38号(二硫化炭素)の2物質と、これらを含む一定の混合物。
- 第2種有機溶剤等: 第1号〜第13号・第15号〜第22号・第24号・第25号・第30号・第34号・第35号・第37号・第39号〜第42号・第44号〜第47号の物(アセトン・キシレン・酢酸エチル・トルエン・ノルマルヘキサン・メタノール等)と、これらを含む一定の混合物。
- 第3種有機溶剤等: 第1種・第2種以外の有機溶剤等。第48号以降のガソリン・コールタールナフサ・石油エーテル・石油ナフサ・石油ベンジン・テレビン油・ミネラルスピリット等。
- クロロホルム・四塩化炭素は、現在は令別表第3の第2類物質(特定化学物質)として特化則で管理されます。
色分けによる表示(有機則第25条):
屋内作業場等で有機溶剤業務に従事させるときは、有機溶剤等の区分を色分け及び色分け以外の方法により見やすい場所に表示します。色は第1種=赤・第2種=黄・第3種=青です。
【実務・条文構造】
有機則の主要義務(屋内作業場等での有機溶剤業務):
1. 設備(有機則第5条・第6条):
- 第1種・第2種: 屋内作業場等で、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設ける
- 第3種: タンク等の内部の業務で、密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置又は全体換気装置を設ける(吹付けの場合は全体換気装置は不可)
2. 作業環境測定(有機則第28条):
- 対象: 令別表第6の2第1号〜第47号の有機溶剤(第1種・第2種)に係る有機溶剤業務を行う屋内作業場
- 頻度: 6月以内ごとに1回、定期に
- 記録保存: 3年間
3. 健康診断(有機則第29条・第30条):
- 対象: 屋内作業場等(第3種はタンク等の内部に限る)の有機溶剤業務に常時従事する労働者
- 頻度: 雇入れ・配置替えの際と、その後6月以内ごとに1回
- 個人票の保存: 5年間
4. 有機溶剤作業主任者(安衛法第14条・令第6条第22号・有機則第19条・第19条の2):
- 資格: 有機溶剤作業主任者技能講習の修了者
- 職務: 作業の方法を決定し労働者を指揮すること/局所排気装置・プッシュプル型換気装置・全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検すること/保護具の使用状況を監視すること/タンク内作業での措置の確認
【試験での位置づけ】
有機則の区分問題では「色分けの対応(第1種=赤・第2種=黄・第3種=青)」「第1種は1,2-ジクロルエチレンと二硫化炭素の2物質」「作業環境測定は6月以内ごとに1回・記録3年」「作業主任者の資格と職務」が問われます。イのような色の入れ替えは定番の引っかけです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 第3種(ガソリン・石油ベンジン等)は、設備(第6条)や健康診断(第29条)の対象がタンク等の内部に限られ、作業環境測定(第28条)の対象にも含まれません。
- イ: 色分けの表示は、色分け「及び」色分け以外の方法(文字など)により、見やすい場所に行います(有機則第25条第1項)。
- ウ: 作業主任者の点検対象には全体換気装置も含まれ、点検の間隔は「1月を超えない期間ごと」です(第19条の2第2号)。局所排気装置の定期自主検査(1年以内ごとに1回・第20条)と区別して覚えます。
- エ: 測定(第28条)・評価(第28条の2)の記録はいずれも3年間保存です。健康診断個人票の5年間(第30条)と区別します。
- オ: ベンゼンは有機則ではなく特化則の第2類物質(令別表第3第2号30)として管理されます。有機溶剤と特定化学物質の区分の違いにも注意します。
【根拠】有機溶剤中毒予防規則(有機則)第1条(区分の定義)・第5条・第6条(設備)・第19条・第19条の2(作業主任者)・第25条(色分けによる表示)・第28条(作業環境測定)・第29条・第30条(健康診断)。労働安全衛生法第14条・同法施行令第6条第22号・別表第6の2。
【補足】第1種=赤・第2種=黄・第3種=青(イは第1種と第2種の入れ替え)。作業主任者は技能講習修了者から選任し、局所排気装置等を1月を超えない期間ごとに点検させる。作業環境測定は6月以内ごとに1回・記録保存3年。
- 有機溶剤中毒予防規則第19条・第25条・第5条・第28条・第1条・第29条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令e-Govで原文を読む
- 特定化学物質障害予防規則e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法第14条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 有機溶剤中毒予防規則(有機則)第1条・第5条・第6条・第19条・第19条の2・第25条・第28条、労働安全衛生法第14条・同法施行令第6条第22号・別表第6の2。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

