問題
年少者の就業制限に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
誤りはイです。交替制によって労働させる事業で行政官庁の許可を受けた場合に延長できるのは「午後10時30分まで」です(労基法第61条第3項)。「午後11時まで」ではありません。なお、交替制によって使用する満16歳以上の男性には、許可がなくても深夜業の禁止が適用されません(同条第1項ただし書)。
ア(18歳未満の坑内業務禁止)、ウ(義務教育終了前の者は原則労働不可)、エ(年齢証明書の備え付け義務)、オ(危険有害業務の就業制限)はいずれも正しい記述です。
年少者保護の就業制限の全体像(労基法第56条〜第63条):
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 労基法第63条により、満18歳未満の者は坑内業務に就かせることができません(性別にかかわらず絶対的禁止)。妊産婦の坑内業務禁止(労基法第64条の2)と対になる重要規定です。
- イ(誤): 深夜業禁止の例外として、交替制によって使用する満16歳以上の男性には禁止が適用されません(労基法第61条第1項ただし書・許可は不要)。また交替制によって労働させる事業では行政官庁の許可を受けて午後10時30分まで労働させることができますが(労基法第61条第3項)、「午後11時まで」ではありません。午後11時は厚生労働大臣が地域・期間を限って時刻を変更する場合の規定です(同条第2項)。
- ウ(正): 労基法第56条第1項・第2項により、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで(中学校卒業前)の者は、原則として使用できません(行政官庁の許可を得た例外的な軽易業務・映画・演劇等を除く)。
- エ(正): 労基法第57条により、使用者は満18歳未満の者を使用する場合、その者の年齢を証明する書面(戸籍証明書)を事業場に備え付けなければなりません。
- オ(正): 労基法第62条により、使用者は満18歳未満の者を、運転中の機械の危険な部分の掃除・注油・検査・修繕、動力によるクレーンの運転その他厚生労働省令で定める危険な業務や、厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはなりません。
【理論的背景】
年少者保護規定(労基法第56条〜第63条)は、満18歳に満たない者や義務教育修了前の児童について、使用の可否・労働時間・深夜業・業務の内容に特別な制限を設けています。
年少者保護の基本構造:
1. 最低年齢(第56条): 児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで使用してはならない(行政官庁の許可による例外あり)
2. 年少者の証明書(第57条): 満18歳未満の者について、年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付ける
3. 労働時間及び休日(第60条): 変形労働時間制・36協定などの規定は満18歳未満の者に適用しない
4. 深夜業(第61条): 午後10時から午前5時までの間は原則として使用禁止
5. 危険有害業務の就業制限(第62条): 危険な業務・重量物を取り扱う業務・有害な業務への就業禁止
6. 坑内労働の禁止(第63条): 満18歳未満の者を坑内で労働させてはならない
【実務・条文構造】
深夜業(労基法第61条)の詳細:
【原則】(第1項本文):
- 使用者は満18歳未満の者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない
【例外① 交替制で使用する満16歳以上の男性】(第1項ただし書):
- 深夜業の禁止が適用されない(行政官庁の許可は不要)
【例外② 厚生労働大臣による時刻の変更】(第2項):
- 必要であると認める場合、地域又は期間を限って、時刻を午後11時及び午前6時とすることができる
【例外③ 交替制によって労働させる事業】(第3項):
- 行政官庁の許可を受けて、午後10時30分まで労働させ、又は(第2項の場合)午前5時30分から労働させることができる
【適用除外】(第4項):
- 第33条第1項(災害等による臨時の必要がある場合)により労働時間を延長し、若しくは休日に労働させる場合、別表第一第六号・第七号・第十三号に掲げる事業、電話交換の業務には、第1項〜第3項は適用されない
【第56条第2項の児童】(第5項):
- 第1項の時刻は午後8時及び午前5時、第2項の時刻は午後9時及び午前6時とする
選択肢イの「行政官庁の許可を受けた上で午後11時まで延長」は、第3項(許可を受けて午後10時30分まで)と第2項(厚生労働大臣が時刻を午後11時とする)を混同させた誤りです。
年少者の証明書(労基法第57条):
- 満18歳未満の者について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付ける(第1項)
- 第56条第2項により使用する児童については、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を備え付ける(第2項)
危険有害業務の就業制限(労基法第62条):
- 運転中の機械・動力伝導装置の危険な部分の掃除・注油・検査・修繕、ベルト・ロープの取付け・取りはずし、動力によるクレーンの運転、その他厚生労働省令で定める危険な業務
- 厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務
- 毒劇薬・毒劇物その他有害な原料・材料又は爆発性・発火性・引火性の原料・材料を取り扱う業務、著しくじんあい・粉末を飛散し、有害ガス・有害放射線を発散する場所、高温・高圧の場所における業務その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務(業務の範囲は厚生労働省令で定める)
【試験での位置づけ】
年少者保護問題では「深夜業禁止の時間帯(午後10時〜午前5時)と例外」「坑内労働は満18歳未満の者すべてに禁止」「最低年齢(満15歳に達した日以後の最初の3月31日まで)」「年齢を証明する戸籍証明書の備え付け」の4点が頻出です。深夜業の例外は「許可の要否」「対象者の範囲」「時刻(午後10時30分/午後11時)」を正確に区別しておくことが重要です。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 坑内労働の禁止(労基法第63条)は満18歳未満の者すべてが対象で、性別を問いません。女性の坑内業務の就業制限(第64条の2)と対比して整理すると理解が深まります。
- イ: 交替制の事業で行政官庁の許可を受けた場合は「午後10時30分まで」(第61条第3項)、午後11時は厚生労働大臣が地域又は期間を限って時刻を変更する場合(同条第2項)です。
- ウ: 別表第一第一号から第五号までに掲げる事業以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて満13歳以上の児童を修学時間外に使用できます。映画の製作又は演劇の事業では満13歳未満の児童も同様です(第56条第2項)。
- エ: 戸籍証明書の備え付け(第57条第1項)は事業場に備え付ける義務です。
- オ: 危険・重量物の業務(第62条第1項)と有害な業務(同条第2項)の具体的な範囲は厚生労働省令で定められます(同条第1項・第3項)。
【根拠法令】労働基準法 第56条(最低年齢)・第57条(年少者の証明書)・第61条(深夜業・例外)・第62条(危険有害業務の就業制限)・第63条(坑内労働の禁止)
【補足】交替制の事業で許可を受けた場合の延長は「午後10時30分まで」。「午後11時」は厚生労働大臣が地域・期間を限って時刻を変更する場合。坑内労働の禁止は満18歳未満の者すべて(性別問わず)。
- 労働基準法第61条・第56条・第63条・第64条の2・第57条・第62条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法(労基法)第56条(最低年齢)・第58条・第61条(深夜業禁止)・第62条(危険有害業務の就業制限)・第63条(坑内業務禁止)・第57条(年齢証明書)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

