行政書士試験の憲法で、法の下の平等(14条)の条文と、14条1項に違反するとされた最高裁の判断(尊属殺人・国籍法・非嫡出子の相続分・再婚禁止期間・旧優生保護法・議員定数)を、事件番号と裁判要旨つきで整理します。違反しないとされた判断との違いも表で比べます。
目次
結論:憲法14条は、1項で「法の下に平等」を定め、人種・信条・性別・社会的身分・門地による差別を、政治的・経済的・社会的関係において禁じています。2項は貴族制度の否認、3項は栄典に特権が伴わないことを定めます。試験では、どの規定について最高裁判所が14条1項違反とし、どの規定は違反しないとしたかを、事件名・年月日・結論の組み合わせで押さえます。違反とされた主なものは、刑法200条(昭和48年)、国籍法3条1項の準正要件(平成20年)、民法900条4号ただし書前段(平成25年)、民法733条1項の100日を超える部分(平成27年)、旧優生保護法の規定(令和6年)、衆議院の選挙区・議員定数の定め(昭和51年・昭和60年)です。
この記事の判例は、裁判所の裁判例検索の個別ページに載っている事件番号・裁判年月日・裁判要旨にもとづいています。裁判要旨は判決の本文ではなく、結論と要点を短くまとめた欄です。条文は e-Gov 法令検索の現行の条文を読んで書いています。憲法判例を分野をまたいで一覧にした表は行政書士の憲法判例にあり、この記事は14条に関わる判例に絞っています。違憲判決の制度や効力は違憲審査制の記事で扱います。
憲法14条の条文:1項・2項・3項を言葉で押さえる
14条は3つの項からできています。条文の言葉は次のとおりです(e-Gov法令検索の表記)。
| 項 | 条文の言葉 | 内容 |
|---|---|---|
| 1項 | 「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」 | 法の下の平等と、差別の禁止 |
| 2項 | 「華族その他の貴族の制度は、これを認めない。」 | 貴族制度の否認 |
| 3項 | 「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。」「栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。」 | 栄典に特権が伴わないこと、栄典の効力が一代に限られること |
1項の条文は、次のように分けて読めます。
- 主語は「国民」です
- 差別の理由として挙げられているのは、人種・信条・性別・社会的身分・門地の5つです。条文に「年齢」「学歴」といった語は書かれていません
- 差別が禁じられる場面は、政治的、経済的又は社会的関係の3つです
条文に書かれていない論点(平等の意味をどう考えるか、条文に挙げられた事由以外の区別をどう扱うか)は、判例・学説の考え方によります。ここでは、裁判要旨に書かれている結論と言葉に絞って整理します。
14条1項は私人どうしの関係にも直接適用されるか、という論点もあります。三菱樹脂事件(昭和48年12月12日・大法廷・判決、昭和43(オ)932)の裁判要旨は、「憲法一四条や一九条の規定は、直接私人相互間の関係に適用されるものではない」としています。詳しくは精神的自由の記事にまとめています。
14条1項に違反するとされた最高裁判所の判断
次の表は、裁判要旨に「憲法14条1項に違反する」と書かれている判断を並べたものです。要旨の言葉を短く引いています。
| 事件 | 裁判年月日・法廷・種別 | 事件番号 | 対象の規定 | 裁判要旨のひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 尊属殺人 | 昭和48年4月4日・大法廷・判決 | 昭和45(あ)1310 | 刑法200条 | 「刑法二〇〇条は、憲法一四条一項に違反する。」 |
| 退去強制令書発付処分取消等(国籍法) | 平成20年6月4日・大法廷・判決 | 平成18(行ツ)135 | 国籍法3条1項(準正要件) | 日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子について、認知されたにとどまる子と準正のあった子との間に生じさせている日本国籍の取得に関する区別は、遅くとも上告人が国籍取得届を提出した平成15年当時において、憲法14条1項に違反していた |
| 遺産分割審判に対する特別抗告(非嫡出子の相続分) | 平成25年9月4日・大法廷・決定 | 平成24(ク)984 | 民法900条4号ただし書前段 | 遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していた |
| 損害賠償請求(再婚禁止期間) | 平成27年12月16日・大法廷・判決 | 平成25(オ)1079 | 民法733条1項のうち100日を超える部分 | 平成20年当時において、憲法14条1項・24条2項に違反するに至っていた |
| 国家賠償請求(旧優生保護法) | 令和6年7月3日・大法廷・判決 | 令和5(受)1319 | 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条、13条2項 | 憲法13条及び14条1項に違反する |
| 選挙無効請求(衆議院の定数配分) | 昭和51年4月14日・大法廷・判決 | 昭和49(行ツ)75 | 公職選挙法13条、同法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)別表第1及び附則7項ないし9項による選挙区及び議員定数の定め | 昭和47年12月10日の衆議院議員選挙当時、全体として憲法14条1項、15条1項・3項、44条ただし書に違反していた |
| 選挙無効(衆議院の定数配分) | 昭和60年7月17日・大法廷・判決 | 昭和59(行ツ)339 | 公職選挙法13条1項、同法別表第1、同法附則7項ないし9項の衆議院議員の議員定数配分規定 | 昭和58年12月18日施行の衆議院議員選挙当時、全体として憲法14条1項に違反していた |
要旨の言葉で押さえる注意点
- 尊属殺人(昭和48年):要旨は条文番号と結論だけです。「刑法200条は14条1項に違反する」と、規定と条文をセットで覚えます。結果欄は「破棄自判」です
- 国籍法(平成20年):違憲とされたのは、国籍法3条1項が準正のあった場合に限って届出による日本国籍の取得を認めていることによる区別です。要旨2は、違憲の区別を生じさせている準正要件を除いた要件が満たされるときは、国籍法3条1項に基づいて日本国籍を取得する、としています
- 非嫡出子の相続分(平成25年):「遅くとも平成13年7月当時において」と、違憲になった時点が示されています。要旨2は、この判断は、平成13年7月から判断時までの間に開始された他の相続について、ただし書前段を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判、遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではない、としています
- 再婚禁止期間(平成27年):100日の部分と、100日を超える部分とで結論が分かれています。100日を超える部分についても、違反するに至っていたのは「平成20年当時」です
- 旧優生保護法(令和6年):要旨は、条項ごとに施行されていた期間を特定したうえで、13条と14条1項の両方に違反するとしています。同じ判決の要旨には、国会議員の立法行為が国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けること(要旨2)も書かれています
- 議員定数(昭和51年):要旨一は、憲法14条1項・15条1項・3項・44条ただし書が、国会両議院の議員の選挙における各選挙人の投票の価値が平等であることを要求する、としています。ただし、選挙を無効とする判決はせず、請求を棄却して選挙が違法であることを主文で宣言すべきだとしました(要旨三)。昭和60年の判決(要旨二)も、選挙無効の請求を棄却するとともに、主文で選挙が違法である旨を宣言すべきだとしています
14条1項に違反しないとされた最高裁判所の判断
違反とされた判断と並べて、違反しないとされた判断も区別して覚えます。
| 事件 | 裁判年月日・法廷・種別 | 事件番号 | 対象 | 裁判要旨のひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 待命処分無効確認等 | 昭和39年5月27日・大法廷・判決 | 昭和37(オ)1472 | 町長が町条例に基づき、過員整理の目的で行った町職員に対する待命処分 | 55歳以上の高齢者であることを一応の基準としたうえ、その該当者につきさらに勤務成績等を考慮してなされたものであるときは、憲法14条1項及び地方公務員法13条に違反しない |
| 遺産分割審判に対する特別抗告(非嫡出子の相続分) | 平成7年7月5日・大法廷・決定 | 平成3(ク)143 | 民法900条4号ただし書前段 | 憲法14条1項に違反しない |
| 損害賠償請求(再婚禁止期間) | 平成27年12月16日・大法廷・判決 | 平成25(オ)1079 | 民法733条1項のうち100日の再婚禁止期間を設ける部分 | 憲法14条1項・24条2項に違反しない |
| 損害賠償請求(夫婦同氏) | 平成27年12月16日・大法廷・判決 | 平成26(オ)1023 | 民法750条 | 憲法13条・14条1項・24条のいずれにも違反しない |
| 選挙無効請求(衆議院小選挙区の区割り) | 平成23年3月23日・大法廷・判決 | 平成22(行ツ)207 | 衆議院議員選挙区画定審議会設置法3条、公職選挙法13条1項、別表第1 | 平成21年8月30日施行の総選挙当時において、区割り基準のうちいわゆる1人別枠方式に係る部分と選挙区割りは、投票価値の平等の要求に反する状態に至っていたが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、憲法14条1項等に違反するものということはできない |
| 選挙無効請求(衆議院小選挙区の区割り) | 平成25年11月20日・大法廷・判決 | 平成25(行ツ)209 | 公職選挙法13条1項、別表第1(平成24年法律第95号による改正前のもの) | 平成24年12月16日施行の総選挙当時において、選挙区割りは投票価値の平等の要求に反する状態にあったが、合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、憲法14条1項等に違反するものということはできない |
| 選挙無効請求(衆議院小選挙区の区割り) | 令和5年1月25日・大法廷・判決 | 令和4(行ツ)103 | 公職選挙法13条1項、別表第1(令和4年法律第89号による改正前のもの) | 判示事項は、令和3年10月31日施行の総選挙当時、区割りが投票価値の平等の要求に反する状態にあったということはできず、憲法14条1項等に違反するものということはできない、としています |
夫婦同氏については、令和3年6月23日の大法廷決定(令和2(ク)102)が、民法750条及び戸籍法74条1号は憲法24条に違反しないとしています。この決定の裁判要旨に書かれている条文は24条です。
定数・区割りの判断の要旨には、「憲法の投票価値の平等の要求に反する状態」という言い方と、「憲法14条1項等に違反するものということはできない」という結論が、同じ要旨の中に並んでいます(平成23年・平成25年)。「違反する状態に至っていた」ことと、「違反する」と結論することは、要旨の上では別の言葉です。「合理的期間内における是正がされなかったとはいえず」という理由が、結論の分かれ目として書かれています。参議院の定数配分や令和7年の衆議院の判決、衆議院と参議院の判断の枠組みの違いは、一票の格差の記事で整理しています。
堀木訴訟(昭和57年7月7日・大法廷・判決、昭和51(行ツ)30)は、児童扶養手当法(改正前)4条3項3号が憲法25条・14条・13条に違反しないとした判断です。憲法判例の表にも載せています。
同じ規定の「前」と「後」:非嫡出子の相続分と再婚禁止期間
取り違えやすいのは、同じ規定について、時期によって判断が違う場面です。次の表で、時点を並べておきます。
| 規定 | 先の判断 | 後の判断 | 現行の条文(e-Gov) |
|---|---|---|---|
| 民法900条4号ただし書前段 | 平成7年7月5日・大法廷決定・憲法14条1項に違反しない | 平成25年9月4日・大法廷決定・遅くとも平成13年7月当時において憲法14条1項に違反していた | 4号のただし書は、「父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹」についての定めだけが書かれている |
| 民法733条1項 | 憲法適合性そのものの先の大法廷判断ではないが、平成27年判決の要旨4は、平成7年に最高裁判所第三小法廷が、国会が同条を改廃しなかったことについて、立法不作為が違法となる例外的な場合に当たると解する余地のないことは明らかであるとの判断を示したことを挙げている | 平成27年12月16日・大法廷判決・100日の部分は違反しない、100日を超える部分は平成20年当時に違反するに至っていた | 733条は「削除」 |
刑法200条(昭和48年)と国籍法3条1項(平成20年)の現行の条文は、次の見出しで確かめます。
非嫡出子の相続分:民法900条4号の現行の条文は、「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」と書かれています(e-Gov法令検索)。
判断の時点(いつの判断か)と結論(違反か違反しないか)を入れ替えた記述には注意が必要です。「平成7年の決定」と「平成25年の決定」は、同じ規定について結論が逆なので、年月日とセットで覚えます。
現行の条文で確かめる:国籍法3条1項と民法733条
判例の結論を覚えるときは、いまの条文がどうなっているかもあわせて確かめます。e-Gov法令検索の現行の条文は次のとおりです。
| 条文 | 現行の条文の言葉 |
|---|---|
| 国籍法3条1項 | 「父又は母が認知した子で十八歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。」 |
| 民法733条 | 「削除」 |
| 刑法200条 | 「削除」 |
| 民法750条 | 「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」 |
現行の国籍法3条1項の条文に、父母の婚姻(準正)を要件とする言葉は書かれていません。
試験での問われ方:内容の型
実際の問題文は掲載しませんが、法の下の平等には次のような型があります。
- 規定と結論の組み合わせ:「刑法200条は14条1項に違反する」「民法733条1項の100日の部分は違反しない」など、規定・条文・結論のどれかを入れ替える形
- 判断の時点の入れ替え:非嫡出子の相続分の平成7年と平成25年、再婚禁止期間の平成20年当時など
- 部分的な結論の見落とし:再婚禁止期間は「100日の部分」と「100日を超える部分」で結論が違う
- 選挙の効力:議員定数の不均衡が違憲とされても、選挙が無効になるとは限らない(昭和51年)
- 条文の言葉:14条1項に挙げられた差別事由(人種・信条・性別・社会的身分・門地)と、差別が禁じられる場面(政治的・経済的・社会的関係)の取り違え
- 他の条文との組み合わせ:再婚禁止期間は14条1項と24条2項、旧優生保護法は13条と14条1項、夫婦同氏は13条・14条1項・24条(平成27年)
間違えやすいポイント
| 誤りやすい記述 | 判例・条文に照らすと |
|---|---|
| 14条1項の差別事由に「年齢」が含まれている | 条文の言葉は「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」。待命処分の判例(昭和39年)は、55歳以上の高齢者であることを一応の基準としたうえ、該当者につきさらに勤務成績等を考慮してなされた待命処分は、14条1項に違反しないとした |
| 非嫡出子の相続分の規定について、最高裁判所は一貫して合憲としている | 平成7年の決定は違反しない、平成25年の決定は遅くとも平成13年7月当時において違反していた |
| 再婚禁止期間は、100日も含めて全部が14条1項に違反するとされた | 100日の部分は違反しない。100日を超える部分が、平成20年当時において違反するに至っていた |
| 平成25年の違憲判断により、過去の相続で確定した遺産分割はすべてやり直しになる | 要旨2は、平成13年7月から判断時までの間に開始された他の相続について、確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼさないとしている |
| 議員定数が違憲とされたときは、選挙は必ず無効になる | 昭和51年の判決は、請求を棄却して選挙が違法であることを主文で宣言した |
| 国籍法の違憲判決は、国籍の取得を認めなかった | 準正要件を除いた要件が満たされるときは、国籍法3条1項に基づいて日本国籍を取得するとした |
| 夫婦同氏の規定は、14条1項に違反するとされた | 平成27年の判決は、民法750条は13条・14条1項・24条のいずれにも違反しないとした |
| 14条は、会社などの私人にも直接適用される | 三菱樹脂事件の要旨は、14条や19条は直接私人相互間の関係に適用されるものではないとしている |
まとめ
- 14条は、1項が法の下の平等と、人種・信条・性別・社会的身分・門地による差別の禁止(政治的・経済的・社会的関係において)、2項が貴族制度の否認、3項が栄典に特権が伴わないこと
- 14条1項に違反とされた規定は、刑法200条(昭和48年)、国籍法3条1項の準正要件(平成20年)、民法900条4号ただし書前段(平成25年)、民法733条1項の100日を超える部分(平成27年)、旧優生保護法の規定(令和6年)、衆議院の選挙区・議員定数の定め(昭和51年・昭和60年)
- 同じ規定でも、判断の時点で結論が違う(非嫡出子の相続分は平成7年と平成25年、再婚禁止期間は100日の部分と100日を超える部分)
- 議員定数の不均衡は、違憲と判断されても選挙が無効になるとは限らない。平成23年・平成25年の判断のように、「投票価値の平等の要求に反する状態」と「14条1項に違反するとはいえない」が同じ要旨に並ぶ場合がある
- 現行の民法733条と刑法200条は「削除」、国籍法3条1項は準正を要件としない条文になっている
科目ごとの配点と学習の優先順位は行政書士の点数配分、試験センターが公開している試験問題の入手先は試験問題の公開ページの記事で整理しています。
参照した一次ソース
- e-Gov法令検索 日本国憲法(14条)/刑法(200条)/民法(733条・750条・900条)/国籍法(3条)
- 裁判所 裁判例検索(最高裁判所判例集)の個別ページ:尊属殺人(昭和45(あ)1310)・国籍法(平成18(行ツ)135)・非嫡出子の相続分(平成24(ク)984)・同(平成3(ク)143)・再婚禁止期間(平成25(オ)1079)・夫婦同氏(平成26(オ)1023)・夫婦同氏(令和2(ク)102)・旧優生保護法(令和5(受)1319)・待命処分(昭和37(オ)1472)・定数配分(昭和49(行ツ)75)・定数配分(昭和59(行ツ)339)・区割り(平成22(行ツ)207)・区割り(平成25(行ツ)209)・区割り(令和4(行ツ)103)・三菱樹脂(昭和43(オ)932)
よくある質問
Q尊属殺重罰規定の違憲判決は、いつ、どの条文について出ましたか?
昭和48年4月4日の最高裁判所大法廷判決(昭和45(あ)1310、事件名は尊属殺人)の裁判要旨は、「刑法二〇〇条は、憲法一四条一項に違反する。」というものです。結果は破棄自判で、原審は東京高等裁判所でした。要旨に書かれているのは条文番号(刑法200条と憲法14条1項)と結論だけなので、判決の理由づけまで押さえたいときは、裁判所の個別ページから判決全文を確認します。現行の刑法200条は、e-Gov法令検索では「削除」となっています。
Q民法の非嫡出子の相続分の規定は、最高裁判所の判断を経て、いまどうなっていますか?
平成7年7月5日の大法廷決定(平成3(ク)143)は、民法900条4号ただし書前段は憲法14条1項に違反しないとしました。その後、平成25年9月4日の大法廷決定(平成24(ク)984)は、同じ規定について「遅くとも平成一三年七月当時において、憲法一四条一項に違反していた」としています。現行の民法900条4号のただし書には、「父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹」の相続分についての定めだけが書かれています。
Q再婚禁止期間の100日は、憲法14条1項に違反しますか?
平成27年12月16日の大法廷判決(平成25(オ)1079)の裁判要旨は、民法733条1項のうち100日の再婚禁止期間を設ける部分は憲法14条1項・24条2項に違反しない、100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分は平成20年当時において憲法14条1項・24条2項に違反するに至っていた、と分けて述べています。現行の民法733条は、e-Gov法令検索では「削除」となっています。
Q国籍法3条1項の違憲判決で、子は日本国籍を取得できましたか?
平成20年6月4日の大法廷判決(平成18(行ツ)135)の裁判要旨は、日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子は、準正(父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得すること)の要件を除いた要件が満たされるときは、国籍法3条1項に基づいて日本国籍を取得する、としています。違憲とされた部分を除いた要件で国籍取得を認めた点が、判断の特徴です。現行の国籍法3条1項は、認知された18歳未満の子について、父又は母が子の出生の時に日本国民であったことなどの条件のもとで、法務大臣に届け出ることによる国籍取得を定めています。
Q議員定数の不均衡が14条1項などに違反するとされた場合、選挙は無効になりますか?
昭和51年4月14日の大法廷判決(昭和49(行ツ)75)は、昭和47年12月10日の衆議院議員選挙当時の選挙区・議員定数の定めを全体として憲法14条1項などに違反するとしたうえで、選挙を無効とする請求は棄却し、当該選挙が違法であることを主文で宣言すべきだとしました(要旨三)。選挙を無効にすると直ちに違憲状態が是正されるわけではないことなどが理由として挙げられています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月8日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

