問題
個人情報保護法(2022年改正・現行規律)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
アが正しいです。2022年(令和4年)4月1日に全面施行された個人情報保護法改正により、旧「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」(行政機関個人情報保護法)と旧「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律」(独立行政法人等個人情報保護法)は廃止され、民間部門・行政機関・独立行政法人等のいずれも個人情報保護法に一元化されました。イは「行政機関への関与は行わない」としており誤りです(2022年改正により行政機関の個人情報取扱いも個人情報保護委員会の所管となった)。ウは「地方公共団体に適用されない」としており誤りです(2022年改正により地方公共団体も個人情報保護法が適用される)。
2022年改正による官民一元化(アが正しい根拠): 2022年(令和4年・令和3年改正法の施行)以前は個人情報保護制度が三本立てで存在していました。①個人情報保護法(民間対象)、②行政機関個人情報保護法(国の行政機関対象)、③独立行政法人等個人情報保護法(独立行政法人等対象)。2022年4月1日の全面施行により、②③は廃止され、すべての規律が個人情報保護法に一元化されました(第5章以降に行政機関等の特則が設けられた)。
個人情報保護委員会の権限範囲(イが誤りの根拠): 2022年改正により、個人情報保護委員会は民間の個人情報取扱事業者だけでなく、行政機関等の個人情報の取扱いについても監督・指導を行う権限を持つ機関となりました。行政機関への関与も行う点がイの誤りです。
地方公共団体への適用(ウが誤りの根拠): 2022年改正以前は地方公共団体については各自の個人情報保護条例が主に適用されていましたが、2022年改正後は地方公共団体の個人情報取扱いについても個人情報保護法(第5章の行政機関等の特則)が適用されます(一元化)。なお地方公共団体は法の範囲内で必要な事項を「個人情報保護法施行条例」で定めることができますが、保護の根幹は個人情報保護法が一律に規律します。
個人情報の定義・生存者限定(エが誤りの根拠): 個人情報保護法第2条第1項は「生存する個人に関する情報」を個人情報と定めており、死者に関する情報は個人情報には該当しません。「死者に関する情報も個人情報に該当する」とするエは誤りです。
個人情報取扱事業者(オが誤りの根拠): 2017年改正以降、小規模取扱い事業者の適用除外(5,000件以下の除外)が廃止され、規模・件数を問わず個人情報データベース等を事業活動に用いる者は個人情報取扱事業者となります。しかし定義は「個人情報データベース等を事業の用に供している者」であり、国の機関・地方公共団体・独立行政法人等・地方独立行政法人は除かれます(第16条第2項)。「個人情報を取り扱うすべての事業者」とするオは誤りです。
【理論的背景】
2022年(令和4年)4月1日施行の個人情報保護法改正(令和3年改正)は、日本の個人情報保護制度の最大の再編です。改正前は「2,000個問題」と呼ばれる問題(地方公共団体ごとに条例が2,000以上存在し規律がバラバラ)があり、デジタル化・国際的な個人情報の越境移転が進む中で、規律の統一が急務とされていました。改正の柱は①行政機関等への個人情報保護法の適用一元化(行政機関法・独法法の廃止)、②地方公共団体への適用、③個人情報保護委員会への一元的な監督権限の付与の3点です。
【実務・条文構造】
2022年改正後の個人情報保護法の構造:
- 第1章〜第4章: 従来の民間部門向け規定(個人情報の定義・取扱い・開示等・保護委員会等)
- 第5章: 行政機関等(国の行政機関・地方公共団体・独立行政法人等)に関する特則
- 行政機関等による個人情報の取扱い
- 保有個人情報の開示・訂正・利用停止請求
- 個人情報ファイル
個人情報の定義(法2条1項・エの根拠):
「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は個人識別符号が含まれるもの」
→「生存する」が条文上明記(死者は原則対象外)。
個人情報取扱事業者(法16条・オの根拠):
「個人情報データベース等を事業の用に供している者」(国の機関・地方公共団体・独立行政法人等・地方独立行政法人を除く)
→2017年改正で5,000件基準の適用除外廃止→規模問わず対象。
個人情報保護委員会の権限(法第6章・イの誤りの根拠):
- 民間の個人情報取扱事業者への立入検査・報告徴収・勧告・命令
- 行政機関等(行政機関・地方公共団体等)の個人情報取扱いへの意見・勧告等(2022年改正で新設)
【試験での位置づけ】
行政書士試験では2022年改正後の現行規律が出題されます。旧法(行政機関個人情報保護法)の規律は廃止されているため、「旧行政機関個人情報保護法の内容」を正答とする問題は出題されません。改正の核心(官民一元化・地方公共団体への適用・個人情報保護委員会の権限拡大)を理解することが重要です。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 正しい(正答)。2022年4月全面施行により旧行政機関個人情報保護法・旧独法個人情報保護法を廃止し、個人情報保護法に一元化されたという核心を正確に表現。
- イ: 誤り。2022年改正により個人情報保護委員会は行政機関等の個人情報取扱いへの監督・指導権限も有することになった。「行政機関への関与なし」は旧制度の説明。
- ウ: 誤り。2022年改正により地方公共団体の個人情報取扱いにも個人情報保護法が適用される(第5章の行政機関等の特則が地方公共団体にも適用)。「地方公共団体には適用されない」は旧制度の説明。
- エ: 誤り。法2条1項は個人情報を「生存する個人に関する情報」と定めており、死者に関する情報は個人情報に該当しない。「死者に関する情報も個人情報に該当する」は誤り。
- オ: 誤り。2017年改正以降、規模・件数問わず個人情報データベース等を事業に用いれば個人情報取扱事業者となるが、「個人情報を取り扱うすべての事業者」ではなく、国の機関・地方公共団体・独立行政法人等・地方独立行政法人は定義から除かれる(法16条2項。それらは行政機関等として5章が適用)。
【根拠条文】
個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)第2条第1項(個人情報の定義:生存する個人に関する情報)
同法 第16条第2項(個人情報取扱事業者の定義。国の機関・地方公共団体・独立行政法人等を除く)
同法 第5章(第60条以下・行政機関等における個人情報等の取扱い:2022年改正で旧行政機関個人情報保護法・旧独法個人情報保護法を統合・一元化)
【補足】
2022年改正の3本柱:①旧行政機関法・旧独法法廃止し個人情報保護法に一元化②地方公共団体も適用③個人情報保護委員会が行政機関への監督権限も取得。「旧法の規律が現行」という前提は完全に誤り。
- 個人情報の保護に関する法律第2条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)(2022年全面施行・令和3年改正)第1条・第2条・個人情報保護委員会の設置根拠 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

