問題
行政書士法に定める行政書士の業務に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイです。行政書士法1条の3第1項は、行政書士の業務として官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類の作成を定めており、定款・議事録・各種規程等はこれに含まれます。ア(誤):1条の4第1項1号により、作成した書類を官公署に提出する手続の代理や、聴聞・弁明の機会の付与の手続等の代理も業務です。これは特定行政書士でなくても行えます。ウ(誤):1条の3第1項は電磁的記録を作成する場合も業務に含めています。エ(誤):相談業務は、行政書士が作成できる書類の作成についての相談に限られます(1条の4第1項4号)。オ(誤):審査請求等の不服申立て手続の代理は、特定行政書士に限り行えます(1条の4第1項2号・第2項)。
イが正答です(行政書士法1条の3第1項)。同項は「行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(…電磁的記録…を含む。…)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする」と定めます。定款・議事録・各種規程・契約書・示談書等は権利義務又は事実証明に関する書類として業務に含まれます。ア(誤):1条の4第1項1号は、作成できる官公署提出書類を官公署に提出する手続と、その許認可等に関する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において官公署に対してする行為(弁護士法72条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く)について代理することを業務としています。これは全ての行政書士が行えます。ウ(誤):1条の3第1項の括弧書が、書類の作成に代えて電磁的記録を作成する場合を含めています。エ(誤):1条の4第1項4号の相談業務は「前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること」であり、法律相談一般ではありません。同項ただし書は、他の法律において業務を行うことが制限されている事項を除外しています。オ(誤):許認可等に関する審査請求・再調査の請求・再審査請求等の不服申立ての手続の代理(1条の4第1項2号)は、日本行政書士会連合会の研修の課程を修了した特定行政書士に限り行えます(同条2項)。
【行政書士法の制度趣旨と業務体系】
行政書士法(1951年制定)の現行1条は「行政書士の使命」として、行政書士は「その業務を通じて、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もつて国民の権利利益の実現に資することを使命とする」と定めています。1条の2は「職責」として、品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して公正かつ誠実に業務を行う義務(1項)と、デジタル社会の進展を踏まえ情報通信技術の活用その他の取組を通じて国民の利便の向上及び業務の改善進歩を図る努力義務(2項)を定めます。業務の規定はその次に置かれ、1条の3が書類の作成、1条の4がその周辺業務(提出手続・聴聞等の代理、不服申立て代理、契約書類の代理人作成、相談)を定めるという構成です。行政書士は国民と行政の間の「パイプ役」として、複雑な行政手続の補助を担います。
【官公署提出書類・権利義務書類・事実証明書類の区分】
行政書士法1条の3第1項が挙げる書類の区分を整理します。①官公署に提出する書類:各種許認可申請書(建設業許可・飲食店営業許可・車庫証明・外国人の在留資格関係等)。行政書士の業務の中核です。②権利義務に関する書類:契約書・遺言書の作成補助・示談書・念書・内容証明郵便・定款(法人設立時)・議事録・各種規程(イの正答根拠)。③事実証明に関する書類:調査報告書・実地調査に基づく図面類など。いずれも、書類の作成に代えて電磁的記録を作成する場合を含みます(同項括弧書、ウの誤りの根拠)。ただし、これらの書類の作成であっても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができません(1条の3第2項)。
【申請代理と特定行政書士】
行政書士法1条の4第1項は、1条の3の業務のほか、次の事務を業とすることができると定めます。1号:作成できる官公署提出書類を官公署に提出する手続と、その許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において官公署に対してする行為の代理(弁護士法72条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く)。これにより、行政書士は書類を作成するだけでなく、顧客に代わって許認可申請を提出し、聴聞・弁明の場面でも代理できます(アの誤りの根拠)。2号:許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続の代理と、その手続で官公署に提出する書類の作成。3号:契約その他に関する書類を代理人として作成すること。4号:作成できる書類の作成についての相談(エの誤りの根拠)。このうち2号の業務だけは、日本行政書士会連合会が会則で定めるところにより実施する研修の課程を修了した行政書士(特定行政書士)に限り行うことができます(同条2項、オの誤りの根拠)。聴聞・弁明の代理(1号)は全ての行政書士の業務であり、特定行政書士に固有なのは不服申立ての代理(2号)である、という区別が試験の頻出ポイントです。
【他士業との業務分担】
行政書士と他士業の業務分担の主要な境界線は以下の通りです。弁護士との境界:訴訟代理・刑事弁護・法律事件に関する法律事務(1条の4第1項1号も弁護士法72条の法律事件に関する法律事務を代理の対象から除いています)、司法書士との境界:登記申請・裁判所提出書類、社会保険労務士との境界:労働・社会保険に関する申請書類の作成・提出代行、税理士との境界:税務申告書の作成・税務代理。行政書士法は、他の法律で制限されている業務を行政書士の業務から除外し(1条の3第2項・1条の4第1項ただし書)、逆に行政書士又は行政書士法人でない者が報酬を得て業として1条の3の業務を行うことを禁じています(19条1項)。境界の理解は、この二方向の規定の組合せで整理するのが確実です。
【根拠条文】
行政書士法 第1条(使命)、第1条の2(職責)、第1条の3(業務:書類作成・電磁的記録を含む・他法による制限)、第1条の4(業務:提出手続・聴聞等の代理〔1項1号〕、不服申立て代理〔1項2号・特定行政書士に限る:2項〕、契約書類の代理人作成〔1項3号〕、書類作成の相談〔1項4号〕)、第19条(業務の制限)
【補足】
行政書士の業務は書類作成(1条の3)+提出手続等の代理・相談等(1条の4)であり、提出手続の代理も含む(ア誤り)。電磁的記録も業務範囲(ウ誤り)。相談は書類作成についての相談に限られる(エ誤り)。不服申立て代理は特定行政書士に限る(オ誤り)。定款・議事録・各種規程は権利義務又は事実証明に関する書類として業務範囲内(イ正答)。
- 行政書士法第1条の3・第1条の4・第1条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政書士法 第1条の3・第1条の4 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

