ITパスポートの用語・略語を、英語の正式名称に戻す→日本語1行にする→似た語と対で覚える、の3手順で整理します。IPAシラバス Ver.6.5 が示す正式名称と、令和3〜8年度の公開問題で略語が選択肢に並んだ実例を、年度・問番号つきで紹介します。
目次
結論:ITパスポートの用語・略語は、(1)英語の正式名称に戻す、(2)日本語で1行に言い換える、(3)似た語と対で覚える、の3手順で整理します。合格ナビの問題データ(令和3〜8年度の公開問題600問)には、4つの選択肢がすべて英字の略語の問題が27問ありました。
ITパスポートの用語・略語の覚え方は?3つの手順で整理する
用語・略語は、正式名称に戻す、1行にする、対にする、の3つの手順で覚えます。
手順1:英語の正式名称に戻す
略語は、長い名前のあだ名のようなものです。本名(正式名称)に戻すと、意味が見えてきます。
略語は、英単語の頭文字を並べたものがほとんどです。正式名称の単語を知ると、意味の見当がつきます。たとえば Key Performance Indicator(KPI)なら、Performance(業績)を測る Indicator(指標)です。
手順2:日本語で1行に言い換える
正式名称の直訳は長くなるので、自分の言葉で短くします。KPI なら「目標に向かう途中の達成度を測る指標」、KGI なら「最終的なゴールを数字で表した指標」のように、1行にします。
手順3:似た語と対で覚える
選択肢に並びやすい似た語は、1語ずつではなく対にして、違いを1行で書きます。
| 対 | 違いの1行 |
|---|---|
| KPI / KGI | KPI は途中経過を測る指標、KGI は最終ゴールの指標 |
| SoR / SoE | SoR は記録を確実に残す仕組み(Systems of Record)、SoE は顧客との関わりを作る仕組み(Systems of Engagement) |
| SaaS / PaaS / IaaS | 何までを提供者が用意するかの違い。ソフトウェア(Software)・開発や実行の基盤(Platform)・設備(Infrastructure) |
| M2M / IoT | M2M は機器どうしの通信(Machine to Machine)、IoT は機器がインターネットにつながること(Internet of Things) |
| DoS / DDoS | どちらもサービス妨害の攻撃。DDoS は多数の機器から同時に行う形(シラバスに DDoS 攻撃の語がある) |
| BLE / LPWA | どちらも IoT の無線通信。BLE は Bluetooth Low Energy、LPWA は Low Power Wide Area(省電力で広い範囲) |
参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)『ITパスポート試験 シラバス』(Ver.6.5)出題範囲・試験要綱
試験では、説明を読んで当てはまる略語を選ぶ
用語の問題の多くは、説明文を読んで、当てはまる語を4つの選択肢から選ぶ形です。選択肢が略語ばかりになる問題では、似た語が並びます。
たとえば、サービスの水準について提供者と利用者が交わす合意の文書、という説明があるとします。それは Service Level Agreement(サービスレベル合意書)の頭文字 SLA だと分かります(令和5年度 問44の選択肢にも SLA が並んでいます)。
次は、合格ナビの問題データに収録している公開問題の例です。正解は答え合わせ用に付記しています。
| 問題 | 選択肢の略語 | 正解の語 |
|---|---|---|
| 令和5年度 問19 | MOT / MRP / M2M / O2O | M2M |
| 令和3年度 問92 | BLE / LPWA / MDM / MVNO | LPWA |
| 令和8年度 問81 | BLE / LPWA / LTE / PLC | BLE |
| 令和5年度 問23 | BABOK / BPMN / BPO / BPR | BPMN |
| 令和5年度 問44 | BCP / NDA / SLA / SLM | SLA |
| 令和8年度 問22 | BPO / EUC / FA / RPA | RPA |
| 令和8年度 問33 | CRM / POS / SCM / SFA | SCM |
並んでいる略語は、頭文字の数や並びが似ています。BPMN、BPO、BPR は「Business Process…」で始まる語が混ざっています。LPWA と BLE は、両方とも IoT の通信に関わる語です。
丸暗記した略語だけを頼りにすると、似た語の間で迷います。説明文のキーワードと、正式名称の単語を対応させることが手がかりになります。
参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)『ITパスポート試験 公開問題』(令和3年度・令和5年度・令和8年度)公開問題のページ
分野別の略語表:シラバス Ver.6.5 の正式名称
正式名称は、IPAシラバス Ver.6.5 の用語例で、略語と併記されています。
次の表は、そのうち収録問題に登場する主な略語です。分野は大分類に従い、ストラテジ系が大分類1〜3、マネジメント系が大分類4〜6、テクノロジ系が大分類7〜9です。日本語は、シラバスに併記があるものはそれを、ないものは編集部の説明です。
ストラテジ系
| 略語 | 正式名称 | 日本語 |
|---|---|---|
| KPI | Key Performance Indicator | 重要業績評価指標 |
| KGI | Key Goal Indicator | 重要目標達成指標 |
| CRM | Customer Relationship Management | 顧客関係管理 |
| SCM | Supply Chain Management | 供給連鎖管理 |
| ERP | Enterprise Resource Planning | 企業資源計画 |
| BPR | Business Process Reengineering | 業務プロセスを根本から見直すこと |
| RPA | Robotic Process Automation | 定型作業をソフトウェアのロボットで自動化すること |
| M2M | Machine to Machine | 機器どうしの通信 |
| SoR / SoE | Systems of Record / Systems of Engagement | 記録の仕組み/関わりの仕組み |
| PoC | Proof of Concept | 概念実証 |
| SaaS / PaaS / IaaS | Software / Platform / Infrastructure as a Service | クラウドの提供形態 |
| CEO | Chief Executive Officer | 最高経営責任者 |
| CIO | Chief Information Officer | 最高情報責任者 |
| SWOT | (シラバスは「SWOT 分析」と略語で記載) | 経営環境を分析する手法 |
| PPM | Product Portfolio Management | 経営情報分析手法の用語例 |
| M&A | Mergers and Acquisitions | 企業の合併・買収 |
| OEM | Original Equipment Manufacturer | 相手先ブランド製造 |
| TOB | Take Over Bid | 公開買付け |
| CSR | Corporate Social Responsibility | 社会的責任 |
| BCP | Business Continuity Plan | 事業継続計画 |
マネジメント系
| 略語 | 正式名称 | 日本語 |
|---|---|---|
| WBS | Work Breakdown Structure | 作業を細かく分解した構造 |
| ITIL | Information Technology Infrastructure Library | サービスマネジメントのフレームワーク |
| SLA | Service Level Agreement | サービスレベル合意書 |
テクノロジ系
| 略語 | 正式名称 | 日本語 |
|---|---|---|
| ISMS | Information Security Management System | 情報セキュリティマネジメントシステム |
| DoS | Denial of Service | サービス妨害 |
| LPWA | Low Power Wide Area | 省電力で広い範囲の無線通信 |
| BLE | Bluetooth Low Energy | 省電力の Bluetooth |
| PKI | Public Key Infrastructure | 公開鍵基盤 |
| VPN | Virtual Private Network | 仮想の専用ネットワーク |
| WAF | Web Application Firewall | Webアプリケーションを守るファイアウォール |
シラバスの版:表の正式名称は、IPA ITパスポート試験 シラバス Ver.6.5(2026年1月8日掲載)の用語例によります。次の版で記載が変わることがあります。最終確認日:2026-10-28。出典:IPA ITパスポート試験 出題範囲・試験要綱。
ストラテジ系の CEO から BCP までの9語は、経営に関する略語です。シラバスの用語例にある語で、収録問題には1〜2問ずつ現れました(2026-10-28集計)。CFO という略語は問題に1問ありましたが、シラバス Ver.6.5 の本文には見つからなかったため、表に入れていません。
SLO・SLI のように、略語だけが用語例に載っているものもあります(シラバス項番28)。表は、収録問題に登場する主な略語を抜き出した一部で、シラバスの略語を網羅したものではありません。
参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)『ITパスポート試験 シラバス』(Ver.6.5)出題範囲・試験要綱
収録問題での登場数:英字の略語の上位は PC・IT・IoT・AI
英字の略語を全部数えると、現れる問題数が多い順に PC が52問、IT が45問、IoT が31問、AI が29問です。次の表は、合格ナビの問題データ(令和3〜8年度・600問・2026-10-28集計)で、現れる問題数が5問以上の24語です。
数え方は次のとおりです。
- 問題文と選択肢の英字を機械で拾い、AI・PC のような大文字だけの語と、IoT・DDoS・WPA2 のような大文字・小文字・数字が混ざる語を数えました
- 同じ語が現れた問題の数を数えました。語の現れ方は問いません
- 前後が英数字の場合は別の語です(IPv4 は IP に数えません)
- XX のような仮の文字は除きました
20位の前後には、5問の語が6つ(19位タイ)並びます。そのため、上位20語ではなく、5問以上の24語を載せました。
| 順位 | 略語 | 現れる問題数 | シラバス Ver.6.5 の正式名称 |
|---|---|---|---|
| 1 | PC | 52 | — |
| 2 | IT | 45 | — |
| 3 | IoT | 31 | Internet of Things |
| 4 | AI | 29 | Artificial Intelligence |
| 5 | ISMS | 18 | Information Security Management System |
| 6 | IP | 16 | — |
| 7 | LAN | 15 | — |
| 8 | ID | 13 | — |
| 9 | HDD | 11 | — |
| 9 | OS | 11 | Operating System |
| 9 | SLA | 11 | Service Level Agreement |
| 12 | OSS | 9 | Open Source Software |
| 13 | RPA | 8 | Robotic Process Automation |
| 14 | DDoS | 7 | — |
| 14 | DNS | 7 | — |
| 14 | SNS | 7 | Social Networking Service |
| 14 | WPA2 | 7 | — |
| 18 | MAC | 6 | — |
| 19 | BLE | 5 | Bluetooth Low Energy |
| 19 | CPU | 5 | — |
| 19 | DBMS | 5 | Database Management System |
| 19 | FAQ | 5 | — |
| 19 | SCM | 5 | Supply Chain Management |
| 19 | SSD | 5 | — |
「—」は、この記事でシラバスの正式名称を確認していない語です。PC・IT・ID・IP は、一般の言葉に近く、略語以外の使い方も含みます。
下の表は、上の24語とは別に、編集部が選んだ50語を数えた結果です。
| 略語 | 現れる問題数 |
|---|---|
| IoT | 31 |
| ISMS | 18 |
| SLA | 11 |
| RPA | 8 |
| DDoS | 7 |
| SCM | 5 |
| BLE | 5 |
| KPI | 3 |

出典:IPA「ITパスポート試験 公開問題」を合格ナビが集計(2026-10-28)
選択肢がすべて略語の問題は27問です。4つの選択肢がすべて英字の略語で、正式名称を併記していないものを数えました。IPv4・ISO 14001・DVD-R のように番号や記号が付くものは含みます。問題は次のとおりです。
- 令和3年度:問61・71・80・84・92
- 令和4年度:問35・73・84・87
- 令和5年度:問19・23・28・44・68・83・88
- 令和6年度:問6・15
- 令和7年度:問2・7・13・56・67・81
- 令和8年度:問22・33・81
P・D・C・A や B・C・D・E のような記号だけの選択肢、Android・iOS のような製品名、正式名称を併記した選択肢は数えていません。
この数は、語が文中や選択肢に現れた問題の数です。その語が答えになる問題の数ではありません。たとえば IoT は、ほかの語の問題文で状況説明として使われる場合も含みます。また、集計したのは編集部が選んだ50語で、そのいずれかが現れた問題は600問中123問でした。
用語集と問題で、1語ずつ確かめる
略語の意味は、用語集で1語ずつ確認できます。この記事に出てくる語のうち、用語集のページがあるものは次のとおりです。
略語が選択肢に並ぶ問題から、分野ごとに選びました。説明文のキーワードを正式名称と対応させて解いてみてください。
- SoR・SoE を含む4択(令和4年度 問35)
- M2M を含む4択(令和5年度 問19)
- LPWA を含む4択(令和3年度 問92)
- BLE を含む4択(令和8年度 問81)
- BPMN を含む4択(令和5年度 問23)
- SLA を含む4択(令和5年度 問44)
- RPA を含む4択(令和8年度 問22)
略語は、正式名称に戻して、対で覚えよう
略語は、正式名称に戻して、日本語1行にして、似た語と対で覚えましょう。選択肢に似た略語が並んだら、説明文のキーワードと正式名称の単語を対応させて、1つずつ絞り込みます。表は主な語の一部なので、用語集で1語ずつ確かめ、問題を解いて使い方にも慣れ、受験する年度に合わせて最新のシラバスを確認してください。
よくある質問
Q略語は、英語の正式名称まで全部覚える必要がありますか?
IPAのシラバス Ver.6.5 は、KPI、KGI、CRM、SCM、ERP、M2M、SoR、SoE などの用語例に正式名称を併記しています。一方で、SLO・SLI のように略語だけを示している用語例もあります。正式名称は「意味を思い出す手がかり」として使い、日本語の1行説明とセットで覚えるのが実用的です。試験は四肢択一なので、つづりを書く形の解答は求められません。
Qシラバスに載っていない略語が出題されることはありますか?
この記事では、シラバスに載っていない略語が出題されるかどうかは確認していないため、答えられません。出題の範囲は、IPAの試験区分ページ(出題範囲・シラバス)で最新版を確認してください。受験する年度が2027年度(予定)以降の場合は、新試験制度のシラバス案 Ver.0.1 が公開されていますが、案の段階です。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月28日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

