介護福祉士養成施設の卒業者が、国家試験に合格しなくても5年間は介護福祉士として登録できる経過措置を、センターの資格登録のページで整理。対象が令和14年3月31日の卒業までに延長された点、有効期限の解除(試験合格または5年間の従事)、令和9年4月以降の卒業者の違い、失効の扱いまで。
目次
結論:介護福祉士養成施設を卒業した人は、国家試験に合格しなくても、卒業した年度の翌年度の4月1日から5年間は介護福祉士として登録できます(経過措置登録)。この経過措置は、法改正により、令和9年3月31日までの卒業から、令和14年3月31日までの卒業へ延長されました。ただし、有効期限を解除して5年後も登録を続ける方法は、令和9年3月31日までに卒業する人と、令和9年4月1日以降に卒業する人で違います。後者は、国家試験に合格する必要があります。
この記事は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センター(以下「センター」)の経過措置登録のページと、資格登録のよくあるご質問と、e-Gov法令検索の社会福祉士及び介護福祉士法(附則を含む)をもとに、養成施設の卒業者の経過措置を整理したものです。国家試験の合格者の登録は介護福祉士の登録手続き、受験資格の全ルートは介護福祉士の受験資格にまとめています。本サイトはセンターとは関係がなく、制度はこれからも変わる可能性があります。個別の有効期限や手続きは、登録証と一緒に届く通知書とセンターのページで確認してください。
介護福祉士の経過措置登録とは
介護福祉士になるには、もともと、養成施設を卒業すれば足りる時代がありました。社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律(平成19年法律第125号、以下「新法」)の施行により、平成29年4月1日から、養成施設の卒業者も、介護福祉士になるには国家試験に合格しなければならなくなりました(新法 第39条)。
そのうえで、新法の施行から一定の日までに養成施設を卒業した人については、国家試験に不合格だった人や受験しなかった人でも、卒業した年度の翌年度の4月1日から5年間は、介護福祉士となる資格を有する者とする経過措置が設けられています。これが「経過措置登録」です(センター 経過措置登録のページ)。
たとえば、令和8年3月に養成施設を卒業した人なら、翌年度(令和8年度)の4月1日から5年間で、令和13年3月31日までが目安になります(本記事での計算です。個別の期限は、登録証と一緒に届く「資格登録有効期限(変更)通知書」で確認します)。
令和14年3月31日まで延長された:経過措置の対象期間
経過措置の対象となる卒業時期:平成29年4月1日から令和14年3月31日までに介護福祉士養成施設を卒業した人。法改正により、令和9年3月31日までの卒業とされていたものが、令和14年3月31日までに延長された。最終確認日:2026-10-07。出典:社会福祉振興・試験センター 経過措置登録のページ。
センターのページには、法改正により、令和9年3月31日までの養成施設の卒業とされていたものが、令和14年3月31日までに延長されたと書かれています。
法令では、新法の附則第6条の2が、新法の施行の日から令和14年3月31日までに養成施設の卒業などの要件に当てはまった人について、要件に当てはまった年度の翌年度の4月1日から5年間、介護福祉士となる資格を有すると定めています。5年間の継続した従事で資格を持ち続けられるとする附則第6条の3は、令和9年3月31日までに要件に当てはまった人が対象です(2026年10月7日にe-Gov法令検索で確認)。
資格登録有効期限と、解除の2つの方法
経過措置で登録した人には、「資格登録有効期限」があります。センターは、有効期限が切れると介護福祉士の資格の効力を失う(資格取り消しとなる)と案内しています。
有効期限の翌日以後も介護福祉士として登録を続けるには、次の㋐または㋑のいずれかの要件を満たして、資格登録有効期限を解除します。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| ㋐ 国家試験に合格 | 資格登録有効期限までの介護福祉士国家試験に合格する |
| ㋑ 5年間の継続した従事 | 養成施設を卒業した年度の翌年度の4月1日から資格登録有効期限まで、継続して介護等の業務に従事する |
有効期限の解除の方法:令和9年3月31日までに養成施設を卒業した人は、㋐国家試験に合格、または㋑5年間継続して介護等の業務に従事のいずれかで解除できる。令和9年4月1日から令和14年3月31日までに卒業する人は、㋐国家試験に合格する必要があり、㋑では解除できない。最終確認日:2026-10-07。出典:社会福祉振興・試験センター 経過措置登録のページ。
整理すると、卒業の時期によって、解除の方法は次のように分かれます。
| 養成施設を卒業する時期 | 国家試験に合格(㋐) | 5年間の継続した従事(㋑) |
|---|---|---|
| 令和9年3月31日まで | 解除できる | 解除できる |
| 令和9年4月1日から令和14年3月31日まで | 解除できる | 解除できない |
国家試験に合格したとき
国家試験に合格した場合は、合格通知書と一緒に「資格登録有効期限解除通知書」がセンターから郵送されます。特別な手続きは不要です。経過措置で登録した人が合格しても、登録証の記載は変更されません(センター よくある質問)。
5年間の従事で解除するとき
資格登録有効期限まで継続して介護等の業務に従事した場合は、資格登録有効期限から14日以内に、届出書類をセンターに出す必要があります。届出書類の様式は、登録証と一緒に郵送される「変更登録の手引」<経過措置登録者に係る届出用>に載っています。センターのページにも、様式が公開されています。
5年間の従事で解除するときの届出期限:資格登録有効期限から14日以内に、届出書類をセンターへ提出。最終確認日:2026-10-07。出典:社会福祉振興・試験センター 経過措置登録のページ。
センターのページには、「5年間の介護等業務従事届」「介護等業務従事証明書」「従事日数内訳証明書」などの様式が挙がっています。休業に関する届出の様式(「資格登録有効期限変更届兼休業取得証明書」など)も公開されています。どの様式が自分に必要か、どう書くかは、センターのページと変更登録の手引で確認してください。
数え方について、センターのよくある質問には次の説明があります(令和9年3月31日までの卒業者の5年間の業務について)。
- 法律にある「従事」は、実際に介護等の業務に就いた日ではなく、入職日・採用日のことです
- 退職した場合は、退職日の翌日から新たな介護等の業務に従事していれば、合算できます。退職から次の業務までの間が1日でも空くと、合算できません
- 退職しても、5年の間(資格登録有効期限内)は、介護福祉士のままです
国家試験に合格せず、5年も従事しなかったとき
㋐㋑のいずれにも当てはまらない場合は、資格登録有効期限をもって、資格取り消しとなります。センターのよくある質問では、登録の効力が失われるため、「資格登録失効届」を試験センターに出し、登録証を返納するよう案内されています。
失効したのに介護福祉士の名称を使い続けた場合は、罰則の適用を受けることになります。センターは、社会福祉士及び介護福祉士法第53条第3号を挙げています。条文では、第48条第2項(介護福祉士でない者が介護福祉士という名称を使うこと)に違反した者に、30万円以下の罰金を科すと定められています(2026年10月7日にe-Gov法令検索で確認)。
失効したあとでも、国家試験を受験して合格すれば、国家試験の合格者として登録申請をすることで、介護福祉士の登録ができます(センター よくある質問)。試験の申込と受験の流れは、介護福祉士国家試験の申し込み方法と介護福祉士のパート合格で確認できます。
勤務先に「登録が有効であること」を示す方法
センターは、事業者の方向けに、経過措置で登録した人の登録証の確認について案内しています。国家試験に合格していない人で介護福祉士の登録を受けている人については、令和5年4月1日以降、その登録が有効かどうかを確認する必要があるとされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる人 | 登録番号がアルファベットの「E」で始まる人(例:第 E-00000 号) |
| 確認する書類 | 「資格登録有効期限(変更)通知書」または「資格登録有効期限解除通知書」 |
| 通知書の場合の見方 | 通知書中段の「資格登録有効期限」に書かれた期日まで登録が有効 |
| 解除通知書の場合の見方 | 解除通知書があれば、欠格事由に当たることによる取り消し、死亡・失踪宣告がない限り、登録は有効 |
経過措置の人が国家試験合格や5年間の従事を勤務先に示すときは、国家試験合格または「5年間の介護等業務従事届」と「介護等業務従事証明書」を出したときにセンターから送られる「資格登録有効期限解除通知書」と、手元の登録証で証明するよう、センターが案内しています。
准介護福祉士は廃止される
センターのページには、准介護福祉士について、次のような説明があります。准介護福祉士は、介護福祉士養成施設を卒業した人で介護福祉士でない人が、当分の間、登録できる資格です。
准介護福祉士の廃止:令和8年6月25日に公布された「社会福祉法等の一部を改正する法律」により、令和9年4月1日から准介護福祉士の資格は廃止される。最終確認日:2026-10-07。出典:社会福祉振興・試験センター 経過措置登録のページ。
センターのページでは、この廃止は、経過措置登録のページの中の「准介護福祉士の登録について」の項目として案内されています。
経過措置の対象の人が、いまできること
経過措置の期間があっても、国家試験に合格して登録すれば、有効期限を解除する必要がなくなります。令和9年4月以降に卒業する人は、有効期限を解除する方法が国家試験の合格だけです。センターの受験資格のページには延長前の書き方が残っている箇所があるため、手続きの前にセンターの資格登録のページで最新の扱いを確認してください。
試験の形は、センターが公表した過去の試験問題で確認できます。出題の内訳は出題内訳・合格基準のページ、勉強の進め方は介護福祉士 勉強方法にまとめています。
この論点の問題を解く
まとめ
- 経過措置登録は、養成施設の卒業者が、国家試験に合格しなくても、卒業した年度の翌年度の4月1日から5年間は介護福祉士として登録できる制度
- 対象は、法改正により、令和9年3月31日までの卒業から、令和14年3月31日までの卒業へ延長された(新法 附則第6条の2)
- 5年後も登録を続けるには、資格登録有効期限を解除する。方法は、㋐国家試験に合格、㋑5年間継続して介護等の業務に従事
- 令和9年4月1日以降に卒業する人は㋑では解除できず、国家試験に合格する必要がある
- ㋑で解除するときは、有効期限から14日以内に届出書類を提出する
- 解除できなければ登録は失効し、資格登録失効届と登録証の返納が必要。名称を使い続けると罰則がある
- 准介護福祉士は令和9年4月1日から廃止される(センターのページの記載)
本サイトは公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは関係ありません。掲載している問題は、センターが公表した問題を掲載し、合格ナビが解説をつけたものです。経過措置と登録の扱いは、必ずセンターの発表と登録証に添付される通知書で確認してください。
よくある質問
Q経過措置で登録した介護福祉士と、試験に合格して登録した介護福祉士は、何か違いますか?
センターのよくある質問では、5年の間(資格登録有効期限内)は、介護福祉士であることに変わりはないとされています。登録証の記載も、登録番号の下にある「登録資格要件に該当した年月」の欄が違うだけで、それ以外の記載は同じです。
Q経過措置で登録したあとに国家試験に合格すると、登録証は新しくなりますか?
なりません。センターは、国家試験に合格しても登録証の記載は変更されないとしています。合格すると、合格通知書と一緒に「資格登録有効期限解除通知書」が郵送されるため、解除のために特別な手続きをする必要はありません。
Q5年の間に転職した場合、勤務期間は合算できますか?
センターのよくある質問では、退職日の翌日から新たに介護等の業務に従事していれば合算できます。退職してから次の業務に従事するまでの間が1日でも空いていると、合算できません。また、法律にある「従事」は、実際に働いた日ではなく、入職日・採用日のことを指します。この扱いは、令和9年3月31日までに養成施設を卒業した人の5年間の従事についてのものです。
Q5年間の有効期限が切れたのに、そのまま介護福祉士と名乗り続けたらどうなりますか?
登録の効力が失われるため、センターは、資格登録失効届を出して登録証を返納するよう案内しています。失効したのに介護福祉士の名称を使い続けた場合は、罰則の適用を受けると説明されており、センターは社会福祉士及び介護福祉士法第53条第3号を挙げています。同号は、第48条第2項に違反した者を30万円以下の罰金とするものです(e-Gov法令検索で確認)。
Q令和9年4月以降に卒業する場合も、5年間働けば有効期限を解除できますか?
できません。センターの資格登録のページには、令和9年4月1日から令和14年3月31日までに養成施設を卒業する人が有効期限を解除するには、介護福祉士国家試験に合格する必要があり、5年間の継続した従事では解除できないと書かれています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

