介護福祉士国家試験のパート合格(合格パートの受験免除)の仕組みを、A・B・Cの3パートの区分、判定の流れ、翌年・翌々年までの有効期限、次回の受け方、不合格だった人が結果通知を見たあとにすることまで、センターと厚生労働省の資料で整理します。
目次
結論:パート合格(合格パートの受験免除)は、介護福祉士国家試験の全11科目群を、A(60点)・B(45点)・C(20点)の3つのパートに分け、パートごとの基準を満たしたパートを、合格した最終年から翌年・翌々年まで受けなくてよくする仕組みです。第38回試験から導入されました。第39回からは、2回目以降の人が、全パートを受けるか、不合格のパートだけを受けるかを選べます。パート合格をしても、介護福祉士となる資格を得たことにはなりません。
この記事は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センター(以下「センター」)の「パート合格(合格パートの受験免除)のお知らせ」、第39回の案内、第38回の合格基準・合格発表の資料、厚生労働省のQ&Aだけをもとに、仕組み全体と次の受け方を整理したものです。パートごとの基準点の計算と第35〜38回の合格基準点は介護福祉士の合格点、結果通知で分かることは介護福祉士の合格発表、申込の手順は介護福祉士国家試験の申し込み方法にあります。当サイトはセンターとは関係のない民間の学習サイトです。
パート合格とは:3つのパートの区分と配点
パートの区分は、センターの受験の手引(合格基準のパート別内訳表)で決まっています。
| パート | 試験科目群 | 配点 |
|---|---|---|
| A | ①人間の尊厳と自立、介護の基本/②社会の理解/③人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術/④生活支援技術 | 60点 |
| B | ⑤こころとからだのしくみ/⑥発達と老化の理解/⑦認知症の理解/⑧障害の理解/⑨医療的ケア | 45点 |
| C | ⑩介護過程/⑪総合問題 | 20点 |
パートの配点:1問1点で、Aパートは60点、Bパートは45点、Cパートは20点、合計125点満点。最終確認日:2026-10-07。出典:センター 第39回 受験の手引(一部抜粋版)(合格基準)。
試験時間の割り振りも、パートに対応しています。全パートを受ける場合、午前がAパート、午後がBパートとCパートです。
合否の判定のしかた
センターのお知らせでは、判定は受け方で次のように分かれます。
| 受け方 | 判定 |
|---|---|
| 全パートを受けた | まず全体の総得点で判定する。総得点で不合格だった場合に、次に各パートの得点でパートごとに判定する |
| 不合格パートのみを受けた | 受けたパートごとの得点で判定する |
全体の合格の条件(総得点が合格基準点以上で、11の科目群すべてに得点があること)は、これまでと同じです。そのうえで、パートごとの基準は次のように決まります。
- 全体の合格基準点を、すべてのパートを受けた全受験者の、各パートの平均得点の比率で按分した点数を、各パートの基準点とします
- パートの基準点以上を取り、かつ、そのパートを構成する科目群すべてに得点があると、そのパートが合格になります
- 総得点が合格基準点を超えていても、一部の科目群が無得点だと、全体としては不合格です。その場合でも、パート合格の判定は行われます(センターのよくある質問)
受験の手引には、一部のパートのみ受験した人は受験したパートごとに判定し、すべてのパートごとの合格基準を満たした人(「パート合格の有効期限内の者に限る」)を合格者とする、と書かれています。有効期限内のパート合格と、今回受けたパートの合格で、全パートの基準がそろえば合格者になる、という読み方になります。
第38回のパート別の基準点:Aパート32.23点、Bパート20.43点、Cパート11.33点(小数点以下第2位まで)。全体の合格基準点は64点。最終確認日:2026-10-07。出典:センター 第38回 合格基準及び正答について。
パートの基準点は、全体の基準点と同じように、回ごとに決まります。次の回の値を前もって書くことはしません。
第38回のパート合格者の数
第38回のパート別合格者数:Aパート3,935人、Bパート1,509人、Cパート6,181人(一部重複)。第38回の全体の受験者78,469人、合格者54,987人、合格率70.1%。最終確認日:2026-10-07。出典:センター 第38回介護福祉士国家試験の合格発表について。
センターの資料によると、このパート別の人数は、全パートの総得点の基準を満たさなかった人のうち、パートの基準を満たした人の数で、一部は重複しています。3つのパートの中では、Bパートが最も少なく、Cパートが最も多い数字でした。なぜ差が出たかは、資料に書かれていないため、ここでは書きません。
パート合格の有効期限:翌年・翌々年まで
パート合格の有効期限:パートごとに、パート合格した最終年から翌年・翌々年まで有効。最終確認日:2026-10-07。出典:センター パート合格(合格パートの受験免除)のお知らせ、第39回 受験の手引(一部抜粋版)。
有効期限は、パートごとに数えます。センターの図の例で見ると、次のようになります。
- n年にAパートで合格すると、Aパートはn+2年まで有効です
- そのAパートに、n+1年にもう一度合格すると、最終に合格した年がn+1年になるため、n+3年まで有効になります
- n+1年にBパートで初めて合格した場合、Bパートはn+3年まで有効です
つまり、同じパートに再び合格すると、有効期限が延びます。厚生労働省のQ&Aも、合格したパートを再度受験して合格すれば、そのパートの有効期限が延長されると説明しています。
なお、第39回試験で合格済みのパートが不合格になった場合も、有効期限は変わりません。第38回で合格したパートなら、第40回試験まで有効です。
翌年の受け方:全パートか、不合格パートだけか
パート合格のある人は、2回目以降の申込で、次のどちらかを選びます。
| 受け方 | 内容 |
|---|---|
| 全パート受験 | すでに合格したパートを含めて、A・B・Cすべてを受ける |
| 不合格パートのみ受験 | 不合格だったパートを、全部受ける |
選ぶときの決まりは、センターの案内で次のとおりです。
- 不合格パートの一部だけを受けることはできません
- 申込のあとで、選んだ受け方は変更できません
- 受験手数料は、どちらの受け方でも同額です
- 選べるのは、第38回試験でパート合格に該当した人だけです。初めて受験する人、第38回で合格したパートがなかった人、前回の受験が第37回以前の人は、全パートの受験になります
第39回の試験時間:パートを分けて受ける場合:Aのみは午前の10時00分〜11時45分、Bのみは午後の13時40分〜14時55分、Cのみは午後の13時40分〜14時20分、BとCは午後の13時40分〜15時35分。AとB、またはAとCの場合は、午前にA、午後にBまたはC。受験手数料は20,510円で全パートも不合格パートのみも同額。最終確認日:2026-10-07。出典:センター 令和8年度 第39回介護福祉士国家試験、第39回 受験の手引(一部抜粋版)。
センターの図の例では、1回目の受験(全パート)でAのみ合格した人が、2回目に全パートを受けるか、不合格のBとCのみを受けるかを選びます。2回目の結果でAが不合格になっても、Aの有効期限はn+2年まで残ります。3回目も、再び全パートか、その時点の不合格パートのみかを選びます。
全パートを選ぶ意味と、全パートが必要な人
厚生労働省のQ&Aは、すでに合格したパートも再度受験できるようにしている理由を、次のように説明しています。
- 合格したパートに再び合格すると、そのパートの有効期限が延びる
- 一人ひとりの状況に応じて、得意なパートを生かした受験ができる
一方、申込の時点で全パート受験を選ぶ必要がある人もいます(センターのよくある質問)。
- 特定技能1号で就労している人が、通算在留期間(5年)の延長の措置を受けるとき:通算在留期間が経過する直前の試験で、全パートを受験し、1パート以上合格し、総得点に対する合格基準点の8割以上の得点があることが求められます。詳しくは厚生労働省のページで確認します
- EPA介護福祉士候補者が、特定技能1号へ移行するとき:直近の結果通知で、合格基準点の5割以上かつすべての試験科目で得点があることが必要です
パート合格は、介護福祉士の資格ではない
厚生労働省のQ&Aでは、パート合格者は一部のパートの合格基準に達して受験を免除された人で、国家試験合格者(全パート合格者)と違い、介護福祉士となる資格を有する者ではないとされています。そのため、介護福祉士としての配置基準や報酬の算定には含まれません。
介護福祉士と名乗るには、国家試験に合格したうえで、登録を受ける必要があります。登録の手続きは介護福祉士国家試験 第39回の日程・申込・合格発表にまとめています。
介護福祉士に落ちたとき:結果通知を見て、次の申込を決める
合格発表のあとに届く結果通知には、総得点、各科目群の得点、無得点科目群、パートごとの試験結果、受験免除の有効期限などが書かれています。不合格だったときは、次の順に見ます。
- 総得点:合格基準点に届いたか。基準点は、合格発表の日にセンターが公表します
- 無得点科目群:総得点が基準点以上でも、11の科目群の1つでも無得点だと不合格です
- パートごとの結果:合格したパートがあれば、その有効期限を確かめます
そのうえで、次の受験の組み立ては、パート合格の有無で変わります。
- パート合格がある人:翌年の申込で、全パートか不合格パートのみかを選びます
- パート合格がない人:次回も全パートの受験になります
- 次の回へ申し込むときは、新たな申込と受験手数料が必要です。欠席した場合も、次回受験するときは新たに申込手続きが必要です
受験資格については、第10回以降の試験で受験票を受け取り、受験資格が確定している人は、改めて証明書を出す必要がありません。ただし、申込の手続きの中で、過去の試験で交付された受験票(結果通知)の試験回と受験番号が必要です。センターのよくある質問では、実務経験3年以上で実務者研修を修了している人は、受験できる回数に制限はないとされています。
介護福祉士養成施設のルートでは、令和14年3月31日までに卒業する人は、卒業後5年の間は、国家試験を受験しなくても、または合格しなくても、介護福祉士に登録できます(法改正で令和9年3月31日までの卒業から延長)。5年が過ぎても登録を続けるには、令和9年3月31日までに卒業した人は、国家試験に合格するか、卒業後5年間続けて介護等の業務に従事します。令和9年4月1日以降に卒業する人は、国家試験に合格する必要があります。詳しくは介護福祉士の経過措置登録で整理しています。
科目群ごとの勉強の進め方は介護福祉士 勉強方法、第1回からの合格率の推移は介護福祉士 合格率の推移で確認できます。次の回の合格点や合否は、予想しません。
まとめ
- パート合格は、全11科目群を A(60点)・B(45点)・C(20点)に分け、基準を満たしたパートを翌年・翌々年まで受験免除にする仕組み。第38回から導入された
- 全パートを受けた人は、まず総得点で判定され、不合格でも、パートごとの得点で判定される
- 有効期限はパートごとに数え、同じパートに再び合格すると延びる
- 第39回から、パート合格のある人は、全パートか不合格パートのみかを選べる。不合格パートの一部だけは受けられない。申込後の変更はできない
- パート合格は、介護福祉士となる資格ではない。介護福祉士になるには、全パートの合格と登録が必要
- 落ちたときは、結果通知の総得点・無得点科目群・パートごとの結果を見て、次の申込を決める
本サイトは公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは関係ありません。制度・日程・手続は、必ずセンターと厚生労働省の発表で確認してください。
よくある質問
Q不合格だったパートのうち、一部だけを受けることはできますか?
できません。センターは、不合格パートの一部パートのみを受験することはできないと案内しています。たとえば、Aパートが合格でB・Cパートが不合格のとき、翌年の試験でBパートだけ、またはCパートだけを受けることはできません。受けるときは、不合格だったBとCの両方を受けるか、すべてのパートを受けるかを選びます。
Q全パートを受けて、前の回に合格したパートが不合格になったら、前の合格は消えますか?
消えません。センターのよくある質問では、パート合格の有効期限は翌年・翌々年までなので、第39回試験で不合格になっても、第38回で合格したパートは第40回試験まで有効とされています。
Qパート合格かどうかは、どこで分かりますか?
結果通知で分かります。センターの案内では、結果通知に、パートごとの試験結果と受験免除の有効期限などが書かれます。合格したパートや不合格のパートが分からない人は、センターの試験室(電話03-3486-7521、平日9時30分から17時)に問い合わせるよう案内されています。
Qパート合格をした人は、合格率の数字に入りますか?
入りません。厚生労働省のQ&Aでは、パートごとの合格率は公表せず、これまでどおり、全パートの合格者(国家試験合格者)だけを対象とした合格率を公表するとされています。第38回の合格率70.1%も、全パートの合格者の数字です。
Q第37回以前に受験した人は、パート合格を使えますか?
使えません。センターは、第37回以前の試験結果では、パートでの受験はできないとしています。前回の受験が第37回以前の人は、全パートの受験になります。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

