問題
次の記述のうち,介護老人福祉施設におけるリスクマネジメントとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題10
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは1「安全対策担当者を置き,事故発生予防のための委員会を定期的に開催する」です。
事故を防ぐためには、専門の担当者を決めて、施設全体で定期的に話し合う場(委員会)を持つことが大切です。
たとえるなら、事故を未然に防ぐための「見張り役」と「作戦会議」を、組織としてきちんと用意しておくイメージです。
👉 覚え方:リスクマネジメント=安全対策担当者+事故予防委員会の定期開催。
ほかの選択肢:2家族からの苦情は介護福祉職個人がその場で解決するのではなく組織的に対応すべき/3利用者の私物を壊したときの弁償は介護福祉職の自己判断ではなく施設のルールに従って対応する/4インシデントの報告は口頭だけでなく文書での記録・共有が必要/5事故防止を理由に地域行事への参加を一律に控えるのは過度な制限で望ましくない。
なぜこれが正解か
正解は1。介護老人福祉施設におけるリスクマネジメントの基本は、安全対策担当者(事故防止・安全対策委員会の責任者)を配置し、事故発生予防のための委員会を定期的に開催して、施設全体で事故情報の共有・分析・対策の検討を組織的に行う体制を構築することにある。
各選択肢の解説
- 2 家族からの苦情は、介護福祉職個人がその場限りで判断・対応するのではなく、施設の苦情解決の仕組み(苦情解決責任者、第三者委員等)を通じて組織的に対応することが求められる。
- 3 利用者の私物を破損した場合の弁償対応は、介護福祉職個人の自己判断で決めるべきものではなく、施設としての賠償責任保険の活用等を含めた組織的な対応が必要である。
- 4 入浴介助時のインシデント(ヒヤリハット)の報告を口頭のみに統一することは不適切であり、文書(インシデント・アクシデントレポート)による記録と関係者間での共有・分析が、再発防止のために不可欠である。
- 5 事故防止を理由に地域のお祭り等への参加を一律に控えることは、過度なリスク回避であり、利用者の社会参加・生活の質を損なう対応として不適切である(リスクを完全に排除するのではなく、適切に管理しながら活動を継続する視点が重要)。
覚え方・ひっかけ注意
リスクマネジメントの基本原則は「組織的な体制整備(委員会の設置、定期開催)」「文書化による情報共有」「過度な活動制限をしない」という3点。個人の自己判断・口頭のみの対応・活動の一律制限は、いずれも組織的なリスクマネジメントの理念に反する誤答パターン。
理論的背景
介護保険施設の運営基準では、事故発生の防止及び発生時の対応のための指針の整備、事故発生の防止のための委員会(安全対策委員会等)の定期的な開催、従業者に対する研修の実施等が義務づけられている。リスクマネジメントの実践においては、①事故・ヒヤリハット事例の収集(インシデント・アクシデントレポートの作成)、②事例の分析(ハインリッヒの法則:1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故と300件のヒヤリハットがあるとされる)、③再発防止策の検討・実施、④効果の検証、というPDCAサイクルを組織的に回すことが重要とされる。安全対策担当者・委員会の設置は、こうした一連のプロセスを組織的・継続的に機能させるための基盤となる。
試験での位置づけ
介護施設のリスクマネジメント体制は、介護の基本領域の頻出テーマ。第36回 問66(個人情報保護の研修体制)と同様に「組織的・継続的な取り組み」という共通の視点を軸に、事故防止、苦情対応、感染対策、防災対策(BCP、第37回 問72)等、様々な領域のリスクマネジメントに共通する考え方を理解しておくことが応用力につながる。
選択肢の発展補足
ヒヤリハット事例(事故には至らなかったが、危険を感じた事例)の積極的な報告・共有は、重大事故の未然防止において極めて重要とされ、報告した職員を責めない「非懲罰的な報告文化」の醸成が、実効性のあるリスクマネジメント体制の構築に不可欠とされる。
上位資格・発展
医療安全管理の分野では、SHEL分析やRCA(根本原因分析)といった、より体系的な事故分析手法が用いられる。介護施設の安全対策担当者・管理者は、こうした手法を参考にしながら、施設独自の事故防止体制を構築していくことが求められる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題10です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

