問題
Aさん(78 歳,女性)は,一人暮らしである。家事や買物は,時間はかかるが,できるだけ自分で取り組んでいる。近くに頼れる親族がいないため,緊急時にすぐに通報できる公共サービスを利用している。Aさんは,定期的に市の窓口や地域包括支援センターに今後の生活支援について相談している。近所には,毎日散歩を一緒にしている友人グループがいて,散歩に来ない仲間がいると訪問して声をかけあっている。 次のうち,Aさんの生活を支える自助に該当するものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題15
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは1「Aさんが身辺のことを,時間をかけてもやること」です。
「自助」とは、自分自身の力でなんとかすること。時間がかかっても自分で家事や買い物をするAさんの取り組みは、まさに自助にあたります。
たとえるなら、誰かに頼らず、自分のペースで自分のことをやり続ける姿勢が「自助」です。
👉 覚え方:自助=「自分の力でやる」こと。
ほかの選択肢:2 緊急通報サービスの利用は行政・事業者によるサービス=「公助」または「共助」にあたる/3・4 市の窓口や地域包括支援センターの職員による相談対応は公的機関によるサポート=「公助」/5 散歩仲間による声かけ合いは近隣住民同士の支え合い=「互助」(共助)にあたる。
なぜこれが正解か
正解は1。「自助・互助・共助・公助」という地域包括ケアシステムの考え方において、自助とは本人自身が自分の力で生活課題に取り組むことを指す。時間がかかっても自分で家事・買い物をするAさんの取り組みは、この自助に該当する。
各選択肢の解説
- 2 緊急通報サービスは行政や事業者が提供する制度的な仕組みであり、公助(制度に基づく支援)に分類される。
- 3・4 市の窓口や地域包括支援センターの職員による相談対応は、公的な制度・専門職による支援であり、公助に分類される。
- 5 散歩仲間同士の声かけ合いは、地縁・友人関係に基づくインフォーマルな支え合いであり、互助(共助)に分類される。
覚え方・ひっかけ注意
「自助・互助・共助・公助」の4分類は、①自助=本人自身の力、②互助=家族・友人・近隣等の支え合い(費用負担を伴わない)、③共助=介護保険等の社会保険制度(費用負担を伴う)、④公助=生活保護等の税を財源とする制度、という整理で覚えると判別しやすい。
理論的背景
地域包括ケアシステムの構築において重視される「自助・互助・共助・公助」の考え方は、少子高齢化・財政制約の中で、公的な制度(共助・公助)だけに頼らず、本人の力(自助)や地域のつながり(互助)を組み合わせて生活を支えることの重要性を示す概念枠組みである。特に「互助」は、費用負担を制度的に強制されない自発的な支え合い(家族、友人、近隣、ボランティア、住民組織等)という点で、社会保険制度である「共助」と明確に区別される。
試験での位置づけ
自助・互助・共助・公助の4分類は社会の理解領域・介護の基本領域を通じて最頻出のテーマの一つ。具体的な事例(本問のような一人暮らし高齢者の生活を支える複数の要素)から、どの要素がどの分類に該当するかを判別させる出題が定番であり、繰り返し practice しておくべき論点。
選択肢の発展補足
地域包括ケア研究会の報告書では、少子高齢化の進行に伴い、今後は「互助」の重要性がより一層高まるとされている。地域住民主体の通いの場、見守りネットワーク、生活支援コーディネーターの配置などは、互助を育てるための政策的な取り組みとして位置づけられる。
概念の出どころと使い分け
自助・互助・共助・公助は、地域包括ケアシステムを説明するために、厚生労働省の資料や地域包括ケア研究会の報告書などで用いられてきた区分である。互助は費用の裏付けのない自発的な支え合い(家族・友人・近隣など)、共助は介護保険や医療保険のように負担が制度化された社会保険による支え合い、公助は税による公的な支援(生活保護や高齢者福祉事業など)である。「負担が制度化されているか」が共助と互助を分ける基準になる。
本問を当てはめると、身の回りのことを自分で行うこと(自助)、緊急通報サービスや市の窓口・地域包括支援センターでの相談(公的な事業・サービス=公助)、散歩仲間の声かけ(互助)になる。選択肢5は「地域のつながり」だが、制度に基づかない自発的な関係なので互助であり、自助ではない。
介護保険法も、国と地方公共団体が、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの推進に努めることを定めている。
上位資格・発展
社会福祉士試験・介護支援専門員試験では、地域包括ケアシステムの5要素(住まい・医療・介護・予防・生活支援)と自助・互助・共助・公助の関係性がより体系的に問われる。地域共生社会の実現に向けた政策動向(重層的支援体制整備事業等)ともあわせて理解を深めておくとよい。
- 介護保険法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題15です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

