介護福祉士

介護福祉士 第38回 問題17社会の理解

問題

介護福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年1月25日(日)実施・社会の理解

次の記述のうち,障害者福祉の歴史的展開として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 (注) 「精神薄弱者福祉法」とは,現在の知的障害者福祉法のことである。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題17

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは1「国際連合の障害者の権利に関する条約の影響を受け,障害者基本法に『社会的障壁の除去』が規定された」です。

2006年に国連で採択された「障害者権利条約」の考え方を受けて、日本の障害者基本法にも「社会的な障壁(バリア)を取り除く」という考え方が明記されるようになりました。

たとえるなら、世界共通のルールブック(条約)ができたことで、日本の法律にもその考え方が反映されたイメージです。

👉 覚え方:障害者権利条約の影響=障害者基本法に「社会的障壁の除去」が明記。

ほかの選択肢:2 優生保護法の廃止は第二次世界大戦後5年以内ではなく1996年(戦後約50年後)/3 「精神薄弱者福祉法」制定当初は施設入所を中心とする施策が主で、地域移行が積極的に推進されたのはその後の時代の政策転換/4 障害者福祉の利用契約制度化は高齢者福祉(介護保険)より後に実現した経緯/5 福祉に関する法律の制定が最も早かったのは知的障害ではなく身体障害(身体障害者福祉法が先行)。

なぜこれが正解か

正解は1。2006年に国連総会で採択された障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)は、障害を個人の心身機能の問題ではなく社会側の障壁(社会的障壁)との相互作用によって生じるものと捉える「社会モデル」の考え方を打ち出した。この影響を受け、日本の障害者基本法(2011年改正)にも「社会的障壁の除去」という考え方が明確に規定された。

各選択肢の解説

  • 2 優生保護法(旧優生保護法)が廃止され母体保護法へと改正されたのは1996年であり、「第二次世界大戦後5年以内」という記述は史実と大きく異なる。
  • 3 「精神薄弱者福祉法」(現:知的障害者福祉法)の制定(1960年)当初は、施設整備を中心とした保護的な施策が主流であり、地域移行が積極的に推進されたのは、ノーマライゼーションの理念が浸透した後年の政策展開である。
  • 4 社会福祉基礎構造改革による利用契約制度化は、高齢者福祉(介護保険法・2000年施行)が先行し、障害者福祉(支援費制度・2003年施行)はその後に実現した経緯があり、選択肢の順序は逆である。
  • 5 身体障害・知的障害・精神障害のうち、福祉に関する法律の制定が最も早かったのは身体障害者福祉法(1949年)であり、知的障害(精神薄弱者福祉法・1960年)ではない。

覚え方・ひっかけ注意

障害者福祉の歴史は「身体障害→知的障害→精神障害」という法制度整備の順序、「措置→契約は高齢者福祉が先行」という順序、そして「障害者権利条約→障害者基本法改正」という近年の展開を年表的に整理して覚える。

理論的背景

障害者権利条約が提示した「社会モデル」は、それまで主流だった「医学モデル」(障害を個人の心身機能の問題として捉える)を転換し、障害は心身の機能障害と社会的障壁(制度、慣行、観念等を含む)との相互作用によって生じるとする考え方である。日本はこの条約を2014年に批准したが、その前提として国内法整備(障害者基本法の改正、障害者差別解消法の制定、障害者雇用促進法の改正等)を段階的に進めた点が特徴的で、この一連の流れは「障害者制度改革」と呼ばれる。

試験での位置づけ

障害者福祉の歴史的展開(身体障害者福祉法制定→精神薄弱者福祉法制定→国際障害者年→ノーマライゼーションの浸透→支援費制度→障害者自立支援法→障害者権利条約批准に向けた国内法整備→障害者総合支援法)は、社会の理解領域・障害の理解領域を通じて頻出の年表テーマ。各時代の政策の特徴(保護から自立へ、医学モデルから社会モデルへ)を軸に整理すると、年号の暗記に頼らず解ける問題が増える。

選択肢の発展補足

社会モデルの考え方は、合理的配慮の提供義務(障害者差別解消法)の理論的基盤ともなっている。「障害は個人の中にあるのではなく、社会と個人の相互作用の中にある」という視点の転換は、バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進とも密接に関連する。

上位資格・発展

障害者権利条約の批准プロセス(障がい者制度改革推進会議の設置、関連法の一体的整備)は、社会福祉士試験・行政書士試験等でも国際人権法と国内法の関係を学ぶ上での重要な事例として扱われる。日本が条約批准に約8年(2006年採択・2014年批准)を要した背景には、批准に先立って国内法をまず整備するという「先取り型」のアプローチが選択されたことがあり、この経緯自体も出題対象になりうる。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題17です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。