管理業務主任者の登録と主任者証の手続きを、マンション管理適正化法59条から62条・施行規則、国土交通省の手続き案内、協会のページで整理。登録の要件、登録実務講習、申請書類と手数料、主任者証の交付と有効期間、更新、変更の届出を解説します。
目次
結論:管理業務主任者として働くには、試験の合格後に、国土交通大臣の登録(実際の窓口は住所地を管轄する地方整備局長等)を受け、そのあと管理業務主任者証の交付を受ける、という2つの手続きが要ります。登録の要件は、管理事務に関する2年以上の実務経験、または、国土交通大臣の登録を受けた機関が行う登録実務講習の修了などです(マンション管理適正化法59条1項・施行規則68条・69条)。主任者証の有効期間は5年(同法60条3項)で、更新には、申請の日前6か月以内に行われる講習の修了が必要です(同法61条)。
この記事は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「適正化法」)と同法施行規則の現行条文、登録免許税法、国土交通省の管理業務主任者証の交付を受けるまでの手続きについて、マンション管理業協会(以下「協会」)の登録・主任者証の交付・更新・各種証明書のページ、国土交通省の通知国総動第145号だけをもとに、合格したあとの登録と主任者証の手続きを整理したものです。合格発表の日と合格証明書の受け取りは管理業務主任者の合格発表、合格基準点の考え方は管理業務主任者の合格点・合格ラインにあります。本サイトは協会・国土交通省とは関係がなく、手数料や日程は変わるため、申請の前に必ず公式のページで確認してください。
合格から主任者証までの流れ:登録、交付、更新
手続きは、次の順に進みます。それぞれの根拠と窓口を、先に1枚の表にまとめます。
| 段階 | 内容 | 根拠 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| ① 登録 | 試験の合格者で、実務経験などの要件を満たす人が、国土交通大臣の登録を受ける | 適正化法59条 | 住所地を管轄する地方整備局長等 |
| ② 主任者証の交付 | 登録を受けた人が、交付を申請する。合格から1年を超える場合は、交付講習の修了が必要 | 適正化法60条 | 同上 |
| ③ 更新 | 有効期間は5年。申請により更新し、申請の日前6か月以内の講習が必要 | 適正化法60条3項・61条 | 同上 |
| ④ 変更の届出 | 登録事項に変更があったとき、遅滞なく届け出る | 適正化法62条 | 同上 |
国土交通省と協会のページには、試験に合格しても、管理業務主任者として業務に従事する予定のない人は登録の必要がなく、「登録を受けなくても、合格の資格は無効にはなりません」と書かれています。登録は、管理業務主任者として働くために必要な手続きで、合格の効力を保つための手続きではありません。
登録の要件:適正化法59条と実務経験2年
適正化法59条1項は、試験に合格した者で、管理事務に関し国土交通省令で定める期間以上の実務の経験を有するもの、または国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものは、国土交通大臣の登録を受けることができるとしています。
管業 登録に必要な実務経験の期間:2年。施行規則68条が、適正化法59条1項の国土交通省令で定める期間を二年と定めている。最終確認日:2026-10-12。出典:e-Gov法令検索 マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則。
「同等以上の能力を有すると認めたもの」には、施行規則69条が次の3つを挙げています。
1. 登録実務講習(国土交通大臣の登録を受けた管理事務に関する実務の講習)を修了した者
2. 国、地方公共団体、またはこれらの出資により設立された法人で、管理事務に従事した期間が通算して2年以上の者
3. 国土交通大臣が1号・2号と同等以上の能力を有すると認めた者
ただし書で、次のような欠格事由に当たる人は登録を受けられません。破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない人、拘禁刑以上の刑に処せられて執行を終わってから2年を経過していない人、心身の故障により管理業務主任者の事務を適正に行うことができない人などです(適正化法59条1項1号から7号)。7号の詳しい内容は国土交通省令に委ねられており、実際の申請では、後述する書類で確認されます。
実務経験とは:基幹事務の経験と、数え方
実務経験の扱いは、国土交通省の通知(国総動第145号)が定めています。要点は次のとおりです。
- 実務経験として認められるのは、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定、出納、マンション(専有部分を除く)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整)のうち、いずれかに関する事務
- 管理組合や区分所有者等と直接の接触がある部門に所属した期間を算入し、補助的な事務だけの期間は含めない。清掃業務のように、基幹事務以外の事務にだけ従事していた経験は、実務経験として認められない
- 期間の計算は月単位で、1か月に満たない日数は30日を1か月として計算する
- 試験の合格の前後は問わない
- 証明は、施行規則の別記様式第18号の実務経験証明書で行い、勤務先(法人の場合は代表者)が証明する。勤務先が廃業している場合など、やむを得ない事由があるときの扱いも通知に書かれている
- 虚偽の証明書を添えるなど不正の手段で登録を受けた人は、あとで判明した時点で登録が取り消される
実務経験が足りない人は登録実務講習
実務経験が2年に満たない人は、登録実務講習を修了すると、同等以上の能力があると認められます(施行規則69条1号)。実施できるのは、国土交通大臣の登録を受けた機関で、施行規則69条の6が、対象・科目・時間の標準を決めています。
管業 登録実務講習の科目と標準時間:施行規則69条の6第4号の表が、法その他の関係法令に関する科目を7時間、管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関する科目を3時間、マンションの建物及び付属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関する科目を5時間と、それぞれおおむね標準としている(合計15時間)。最終確認日:2026-10-12。出典:e-Gov法令検索 マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則。
同条は、登録実務講習を、毎年1回以上、講義と登録実務講習修了試験で行うことも定めています。修了者には、別記様式第16号の3の修了証が交付されます。登録申請のときは、この修了証を実務経験証明書の代わりに添えます。
実施機関には複数あり、受講料・日程・申込みの方法は機関ごとに違います。この記事では受講料を載せず、国土交通省の手続きのページに載っている、国土交通大臣の登録を受けた実施機関の一覧から、各機関の案内を確認します。試験を実施する協会も実施機関の一つで、協会の登録のページに、令和8年度の登録実務講習の講習案内が載っています。
管業 令和8年度の登録実務講習の申込期間:令和8年12月1日(火)から令和9年6月9日17時まで(協会の登録のページ)。最終確認日:2026-10-12。出典:マンション管理業協会 管理業務主任者 登録。
申込みの締切は、申込みの前に、協会の講習案内で確認します。
実務経験が2年に満たない人が、登録実務講習を受けるかどうかは任意です。協会のページに書かれているとおり、業務に従事する予定がなければ、登録そのものが不要です。
登録の申請:書類と手数料、登録免許税
登録の申請は、国土交通省のページによると、郵送で行います。提出書類は、施行規則70条にもとづき、次のとおり案内されています。
管業 登録申請の提出書類:登録申請書(様式第十七号。顔写真を貼付)、住民票(発行日から3か月以内)、試験合格証明書の原本、実務経験証明書(様式第十八号)または登録実務講習修了証(様式第十六号の三)、身分証明書(破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨。本籍地の市区町村が発行、発行日から3か月以内。外国籍の人は不要)、誓約書(様式第十九号)、そして、後見等登記事項証明書と身分証明書、または医師の診断書のいずれか。最終確認日:2026-10-12。出典:国土交通省 管理業務主任者証の交付を受けるまでの手続きについて。
国、地方公共団体などで2年以上の経験がある人は、実務経験の証明書として、各団体の証明書を用意します。合格証明書をなくした場合は、協会の各種証明書のページに再発行の手順があり、登録実務講習の修了証の再発行も同じページにあります。
管業 登録の手数料:登録申請書の第二面に、登録手数料として4,250円分の収入印紙を貼付する。最終確認日:2026-10-12。出典:国土交通省 管理業務主任者証の交付を受けるまでの手続きについて。
手数料の根拠は適正化法68条で、実費を勘案して政令で定める額を国に納付するとしています。納付の方法は施行規則79条1項が、申請書などに収入印紙を貼ることと定め、2項は、納付された手数料は返還しないとしています。
登録免許税は、この登録には関係しません。登録免許税法の別表第一(2026-10-01 施行の現行条文)には、マンション管理士の登録、マンション管理業者の登録、登録講習機関の登録などは載っていますが、管理業務主任者の登録は載っていません(2026-10-12 時点)。適正化法も、マンション管理士の登録については35条1項で登録免許税の納付を定めていますが、管理業務主任者の登録については68条で手数料を定めているだけです。申請の際に納めるのは、収入印紙による手数料です。
登録までの目安は約30日で、登録されると申請者本人あてに、申請書に書いた住所へ登録通知書(はがき)が届きます。
管理業務主任者証の交付:講習と有効期間5年
登録を受けた人は、管理業務主任者証の交付を申請できます(適正化法60条1項)。交付を受けようとする人は、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習で、交付の申請の日前6か月以内に行われるものを受けなければなりません(同条2項)。ただし、試験に合格した日から1年以内に交付を受けようとする人は、この講習が不要です。
管業 主任者証の有効期間:5年。適正化法60条3項が「管理業務主任者証の有効期間は、五年とする。」と定めている。最終確認日:2026-10-12。出典:e-Gov法令検索 マンションの管理の適正化の推進に関する法律。
管業 主任者証の交付の手数料と手続き:交付申請書に、交付手数料として2,300円分の収入印紙を貼付する。交付申請は郵送で、交付まで約30日。合格から1年を経過している人は、交付講習の修了証明書の原本を添える。最終確認日:2026-10-12。出典:国土交通省 管理業務主任者証の交付を受けるまでの手続きについて。
交付申請の提出書類は、国土交通省のページでは、交付申請書(様式第二十一号)、交付講習の修了証明書の原本(合格から1年以内の申請は不要)、管理業務主任者証用の写真、登録通知書、主任者証の発送用封筒とされています。写真は、縦3cm・横2.4cm・撮影から6か月以内などの条件があります(施行規則73条1項は、交付の申請前6か月以内に撮影した写真を求めています)。
交付講習は、国土交通大臣の登録を受けた複数の機関が実施しています。受講料や日程は機関ごとに違うため、国土交通省のページにある実施機関の一覧から、各機関の案内で確認します。
更新:満了前の申請と、講習
主任者証の有効期間は、申請により更新します(適正化法61条1項)。更新を受けようとする人にも、60条2項本文の講習が必要です(同条2項)。国土交通省のページは、更新の手続きを次のとおり案内しています。
管業 主任者証の更新の申請時期と講習:有効期間が満了する前に、住所地を管轄する地方整備局等へ更新申請を行う。満了前に新しい主任者証の交付を受けたい場合は、満了の1か月前までに申請する。交付申請書には、現在の主任者証の有効期間の満了日以前6か月以内に行われた交付講習の修了証明書を添付する。手数料は交付と同じ2,300円分の収入印紙。最終確認日:2026-10-12。出典:国土交通省 管理業務主任者証の交付を受けるまでの手続きについて。
協会の主任者証の交付・更新のページには、更新のお知らせなどの通知は、主任者証を発行している国土交通省の各地方整備局等からは通知されないと書かれています。手元の主任者証の満了日を自分で控えて、満了日から逆算して講習の受講と申請の時期を決めます。条文(61条2項で準用する60条2項本文)は講習を更新の申請の日前6か月以内に行われるものとし、国土交通省のページは満了日以前6か月以内に行われた講習の修了証明書を求めています。満了日前6か月以内に講習を受け、満了日より前に申請すれば、両方を満たすと読めます。講習は、現在の主任者証の有効期限の6か月前より前には受けないよう、協会のページに注意があります。
変更の届出・再交付・登録消除の届出
登録後に起きる手続きも、同じ国土交通省のページにまとまっています。
| 手続き | 根拠 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 登録事項の変更の届出 | 適正化法62条・施行規則76条 | 遅滞なく届け出る。住所の変更は住民票、氏名または本籍の変更は戸籍抄本(いずれも発行日から3か月以内) |
| 主任者証の訂正 | 適正化法62条2項 | 主任者証の記載事項が変わるときは、届出に主任者証を添えて訂正を受ける。訂正手数料は新規と同額の2,300円分の収入印紙。訂正後の主任者証の交付まで約30日 |
| 主任者証の再交付 | 施行規則77条 | 亡失・滅失・汚損・破損のとき申請できる。再交付手数料は2,300円分の収入印紙。亡失後に再交付を受けて、亡失した主任者証が見つかったら、速やかに返納する |
| 登録消除の届出 | 国土交通省のページ | 死亡・失踪の宣告、欠格要件に当たるに至ったとき、認知・判断が適切にできなくなったときなど |
管業 変更の届出の期限:登録事項に変更があったときは、遅滞なく届け出る(適正化法62条1項)。最終確認日:2026-10-12。出典:e-Gov法令検索 マンションの管理の適正化の推進に関する法律。
まとめ:合格後にやること
- 業務に従事する予定があるなら、合格後に登録を受ける。予定がなければ登録は不要で、合格の資格は無効にならない
- 登録には、管理事務の実務経験が2年以上、または登録実務講習の修了などが要る(適正化法59条・施行規則68条・69条)。実務経験は基幹事務で、合格の前後を問わない
- 登録の申請は郵送で、手数料は収入印紙。登録免許税の別表第一に、管理業務主任者の登録は載っていない
- 登録と主任者証の交付は同時に申請できない。合格から1年を超えて交付を受けるときは、申請の日前6か月以内の交付講習が必要
- 主任者証の有効期間は5年。更新にも講習が必要で、満了の1か月前までの申請が目安とされている。通知は来ないため、満了日は自分で控える
- 登録事項が変わったら、遅滞なく届け出る
合格発表と合格証明書は管理業務主任者の合格発表、合格から登録までの全体像は管理業務主任者(管業)の完全合格ガイドに載っています。主任者証が実務でどう使われるかは、管業の仕事はきつい?で条文にもとづいて整理しています。
本サイトは一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省とは関係ありません。掲載している問題は、出題範囲をもとに合格ナビが作成した論点別問題で、公式の試験問題ではありません。登録・主任者証の要件、手数料、日程は、必ず国土交通省・協会の公式発表で確認してください。
よくある質問
Q管理業務主任者の実務経験は、試験に合格する前の期間も数えられますか?
数えられます。国土交通省が平成13年に出した通知(国総動第145号)は、実務経験の期間について、管理業務主任者試験の合格の前後を問わないと書いています。期間は月単位で計算し、1か月に満たない日数は30日を1か月として数えます。ただし、実務経験として認められるのは、管理組合の会計の収入及び支出の調定、出納、マンション(専有部分を除く)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整という基幹事務に関するもので、単に清掃業務を行っていただけの経験は認められないとされています。
Q管理業務主任者の登録と、主任者証の交付は、同時に申請できますか?
同時には申請できません。国土交通省の手続きのページは、登録が済んで登録通知が届いたあとに、主任者証の交付申請を別に行うよう案内し、「登録と交付の申請を同時にはできませんのでご注意ください。」と書いています。登録の申請から登録までは約30日、交付の申請から主任者証が届くまでも約30日が目安とされているため、主任者証が必要になる時期から逆算して、早めに登録の申請を始めます。
Q合格してから1年以上たって主任者証の交付を受けるときは、何が必要ですか?
マンション管理適正化法60条2項は、主任者証の交付を受けようとする者は、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習で、交付の申請の日前6か月以内に行われるものを受けなければならないとしています。ただし書で、試験に合格した日から1年以内に交付を受けようとする者は、この講習が不要とされています。国土交通省のページも、合格から1年を経過している人は、申請の日前6か月以内に行われた交付講習の修了証明書の原本を添えるよう案内しています。
Q主任者証の有効期限が切れてしまったら、どうなりますか?
国土交通省の更新のページは、有効期限切れの主任者証は、管轄の地方整備局等へ返還することが義務付けられていると書いています。協会の主任者証の交付・更新のページは、有効期限後であっても、所定の講習を受講することで、新たな主任者証の交付申請が可能だと案内しています。同じページには、有効期間満了などの通知は、主任者証を発行している国土交通省の各地方整備局等からは通知されないとも書かれているため、満了日は自分で控えておきます。
Q引っ越しや結婚で住所・氏名が変わったら、届出は必要ですか?
必要です。マンション管理適正化法62条1項は、登録を受けた事項に変更があったときは、遅滞なくその旨を届け出なければならないと定めています。同条2項は、主任者証の記載事項に変更があるときは、届出に主任者証を添えて提出し、訂正を受けるよう求めています。国土交通省のページには、住所の変更には住民票、氏名や本籍の変更には戸籍抄本(いずれも発行日から3か月以内)を添える、主任者証の訂正には訂正手数料の収入印紙が必要、といった提出書類が書かれています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月12日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。
