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管理業務主任者の仕事はきつい?独占業務・責任・設置義務を条文で整理

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

管理業務主任者の仕事がきついと言われる点を、マンション管理適正化法の条文で整理。独占業務(重要事項説明・記名・管理事務の報告)、期限と形式、責任の所在、30管理組合に1名の設置義務、法律が決めていないことを解説します。

目次
  1. 管理業務主任者の仕事(法令上)の全体像
  2. 独占業務は4つ(重要事項説明・記名・管理事務の報告)
  3. 実際の仕事の流れ(法律が定める義務を順に)
  4. 責任が重いと言われる理由を法条で整理
  5. 設置義務(30管理組合に1名)
  6. 「きつい」を条文で測ると(法律が決めていること・いないこと)
  7. 需要(なぜ資格が必要とされるか)を法律で見ると
  8. 資格を取る前に確認できること(登録・主任者証・実務経験)
  9. まとめ
  10. 関連記事
結論:管理業務主任者の仕事は、条文で見ると、管理業者が管理組合に対して行う重要事項の説明・書面への記名・管理事務の報告を、管理業務主任者が担う役割です。残業の量や担当件数の上限は、法律が決めていません。法律が決めているのは、何を・いつまでに・どの形式で行うか(期限と形式)と、違反したときの結果(責任)です。「きつい」かどうかは、この内容を前提に、勤務先の担当件数や体制で決まります。
根拠にした条文:マンションの管理の適正化の推進に関する法律(適正化法)と同法施行規則は、e-Gov法令検索の令和8年4月1日施行の現行条文で確認。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 適正化法・同法施行規則。
団体非提携・独自作成:本サイトは公益財団法人 マンション管理センター、一般社団法人 マンション管理業協会とは関係ありません。掲載問題は試験問題の転載ではなく、出題範囲を参照した合格ナビ独自の自作問題です。

管理業務主任者の仕事(法令上)の全体像

管理業務主任者は、適正化法2条9号で「管理業務主任者証の交付を受けた者」と定められています。マンション管理業協会は、管理業務主任者を、マンション管理業者が管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務の報告などを行う際に必要な国家資格者、と説明しています(出典:マンション管理業協会 管理業務主任者とは)。

場面条文管理業務主任者が行うこと期限・形式
契約を結ぶ前(新規・条件を変える更新)適正化法72条1項説明会で重要事項を説明する説明会の日の一週間前までに、重要事項などを記載した書面を交付(業者の義務)。説明のときは主任者証を提示(4項)
同一条件での更新(管理者等がいる場合)72条3項書面を交付して重要事項を説明するあらかじめ。主任者証を提示(4項)
重要事項説明書の作成72条5項書面に記名する書面の作成時
契約が成立したあと73条2項契約成立時の書面に記名する書面は遅滞なく交付(1項)
契約期間中の定期的な報告77条1項・2項、施行規則88条・89条管理事務の報告をする管理組合の事業年度の終了後、遅滞なく
事務を行うとき63条関係者から請求があれば主任者証を提示する請求があったとき

条文の出典は、e-Gov法令検索(2026-10-04時点の現行条文)です。

独占業務は4つ(重要事項説明・記名・管理事務の報告)

管理業務主任者でなければできない事務は、条文で次の4つに整理できます。

  • 重要事項の説明:新規契約などでは説明会で(72条1項)、同一条件の更新で管理者等がいる場合は書面を交付して(72条3項)、管理業務主任者をして説明させる
  • 重要事項説明書への記名:書面を作成するときは、管理業務主任者をして記名させる(72条5項)
  • 契約成立時の書面への記名:管理業務主任者をして記名させる(73条2項)
  • 管理事務の報告:管理者等がいるときは管理者等に対し、いないときは説明会を開いて区分所有者等に対し、管理業務主任者をして報告させる(77条1項・2項)

国土交通省の中国地方整備局の資料(平成29年12月作成)も、同じ4つの業務を「管理業務主任者でなければ行うことができない業務」として挙げています(出典:国土交通省 中国地方整備局 マンション管理適正化法の概要(3)(PDF))。この資料は、記名について「記名押印」と書いていますが、現行の72条5項と73条2項の条文は「記名」です。

条文には、説明の相手方(区分所有者等・管理者等)も書かれています。72条1項は、管理組合を構成するマンションの区分所有者等と管理者等に対して説明することを求めています。72条3項のただし書は、認定管理者等から重要事項について説明を要しない旨の意思の表明があったときは、説明を書面の交付で代えられると定めています。

この論点の問題は、次のとおりです(科目ハブは適正化法・他法令)。

実際の仕事の流れ(法律が定める義務を順に)

管理業務主任者が関わる場面を、契約から更新までの順に並べると、次のようになります。

  • ①契約の前:管理業者は、説明会の日の一週間前までに、重要事項と説明会の日時・場所を記載した書面を、区分所有者等と管理者等の全員に交付します(72条1項後段)。説明会の日時・場所は、一週間前までに、見やすい場所へ掲示します(施行規則83条2項)。当日は、管理業務主任者が主任者証を提示して説明します
  • ②契約の成立:契約が成立したら、管理者等に対して遅滞なく書面を交付します(73条1項)。この書面には、管理業務主任者が記名します(73条2項)
  • ③契約期間中:管理組合から預かる修繕積立金などは、自己の財産や他の管理組合の財産と分別して管理します(76条)。毎月、収入と支出の状況の書面を翌月末日までに管理者等へ交付します(施行規則87条5項)。この2つは、条文の主語がマンション管理業者で、管理業務主任者の独占業務ではありません
  • ④事業年度の終了後:管理組合の事業年度の終了後、遅滞なく管理事務報告書を作成し、管理業務主任者が管理者等に交付して説明します(施行規則88条1項)。管理者等がいないときや管理業者自身が管理者等のときは、説明会を開いて区分所有者等に説明します(77条2項、施行規則89条)
  • ⑤主任者証の更新:主任者証の有効期間は5年で(60条3項)、更新には申請の日前6月以内に行われる講習の受講が必要です(61条2項で60条2項本文を準用)

④の「事業年度の終了後」は、管理組合ごとに事業年度が違います。時期が集中するかどうかは、担当する管理組合の事業年度次第で、条文は決めていません。

責任が重いと言われる理由を法条で整理

「責任が重い」と言われる点を、条文が定めていることに分けて整理します。

規定内容結果(条文)
設置義務(56条1項・3項)事務所ごとに専任の管理業務主任者を置く。不足したら2週間以内に措置56条3項の違反は業者への業務停止命令の対象(82条2号)で、罰金の定めもある(109条1項5号)
重要事項の説明・記名・報告(72条1〜3項・5項、73条、77条1項・2項)管理業務主任者をして説明・記名・報告させる違反は業者への業務停止命令の対象(82条2号)。73条の書面の不備には罰金の定め(109条1項6号・7号)
主任者証の提示(72条4項・77条3項・60条4項・5項)説明・報告のときの提示、返納・提出違反した者は過料(113条3号)
名義貸しなど(64条1項)他事務所の専任表示を許す、名義使用を許す、事務に関し不正又は著しく不当な行為国土交通大臣の指示。1年以内の事務の禁止(64条2項)。情状が特に重い場合や禁止処分に違反した場合は、登録の取消し(65条1項4号)
罰則の金額:適正化法109条1項は「三十万円以下の罰金」、113条は「十万円以下の過料」。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 適正化法。

この表から言えることは、2つです。

  • 説明・記名・報告の義務(72条1〜3項・5項、73条、77条1項・2項)の違反は、第一に、マンション管理業者が業務停止命令の対象になる形で定められています(82条2号)
  • 管理業務主任者個人が、条文上で直接問われるのは、名義貸しや不正・著しく不当な行為(64条)と、主任者証の提示などの義務違反(113条3号)です。「ミスをしたら即、資格を失う」という規定ではなく、64条・65条は、不正や著しく不当な行為、情状が特に重い場合などを要件にしています

ただし、これは条文上の整理で、勤務先の内部の責任の取り方や、民事上の責任(損害賠償など)は、この記事の対象外です。

この論点の問題は、次のとおりです。

設置義務(30管理組合に1名)

管理業者は、事務所ごとに、事務所の規模を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければなりません(56条1項)。省令で定める数は、施行規則61条が次のように定めています。

設置数の算式:管理事務の委託を受けた管理組合の数を30で除したもの(1未満の端数は切り上げる)以上。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 適正化法施行規則61条。
事務所が委託を受けた管理組合の数必要な専任の管理業務主任者の数(最低)
1〜301人
31〜602人
61〜903人
1004人(100÷30=3.33…を切り上げ)

検算:31÷30=1.03…で切り上げて2人、61÷30=2.03…で切り上げて3人です。

ポイントは次のとおりです。

  • 数えるのは「管理組合の数」で、マンションの戸数や棟数ではありません
  • 人数は、事務所ごとに数えます。56条2項は、管理業者(法人の場合は役員)が管理業務主任者で、自ら主として業務に従事する事務所については、その者が専任の管理業務主任者とみなされると定めています
  • 56条1項ただし書と施行規則62条は、人の居住の用に供する独立部分が6以上のマンションの区分所有者を構成員に含む管理組合から委託を受けて行う管理事務を、業務としない事務所は、設置義務の対象から外しています
  • 「専任」は、国土交通省の中国地方整備局の資料(平成29年12月)で、原則として、マンション管理業を営む事務所に常勤して、専らマンション管理業に従事している状態と説明されています。この資料は、専任の管理業務主任者は、宅建業法31条の3第1項の「専任の取引士」を兼務できない、とも説明しています

この算式は、事務所に置く最低人数を決めるもので、1人ずつの担当件数の上限を定めたものではありません。ただし、算式から、事務所の管理組合数を専任の主任者の人数で割った数は、30以下でなければならないことが言えます(人数がN÷30以上でなければならないため)。

この論点の問題は、次のとおりです。

「きつい」を条文で測ると(法律が決めていること・いないこと)

体験談ではなく、条文に当てて整理します。

条文が決めていること条文が決めていないこと
説明会の一週間前までに書面を交付・掲示する(72条1項・施行規則83条2項)1日・1週間あたりの労働時間、残業の量
管理事務の報告は事業年度の終了後、遅滞なく行う(施行規則88条1項)報告の時期が重なったときの人員の配置
専任の主任者の最低人数は、管理組合数÷30(切り上げ)(施行規則61条)1人ずつの担当件数の上限
不足したら2週間以内に措置する(56条3項)欠員が出たときの社内の分担
主任者証の有効期間は5年、更新に講習(60条・61条)勤務先が負担する費用や休みの扱い
不正や名義貸しなどは指示・事務禁止・登録取消し(64条・65条)苦情対応の量や、住民との関係の難しさ

右の列は、法律が決めていないため、この記事では「きつい」とも「きつくない」とも言えません。ストレスの度合いも、同じ理由で条文からは測れません。測れるのは、左の列の「期限・形式・責任」です。

仕事が自分に合うかを確かめるときは、勤務先に確かめられる事実で見ます。

  • 事務所が委託を受けている管理組合の数と、専任の管理業務主任者の人数(施行規則61条の算式で、人数が足りているかを計算できる)
  • 説明会や報告の予定が、事業年度の終了後などの時期に集中していないか
  • 主任者証の更新や講習の費用の扱い

需要(なぜ資格が必要とされるか)を法律で見ると

管理業務主任者の需要を、求人の数で語ることはできません。この記事では、法律が置いている資格の位置づけだけを示します。

  • マンション管理業者は、事務所ごとに専任の管理業務主任者を置かなければなりません(56条1項)
  • 重要事項の説明、書面への記名、管理事務の報告は、管理業務主任者をして行わせなければなりません(72条・73条・77条)

資格の必要性の根拠は、この2点です。求人の数や待遇は、法律の対象ではなく、この記事では扱いません。

資格を取る前に確認できること(登録・主任者証・実務経験)

試験に合格しただけでは、管理業務主任者として業務はできません。

  • ①試験に合格する
  • ②登録を受ける:試験合格者で、管理事務に関し2年以上の実務の経験を有するもの、または国土交通大臣が同等以上の能力を有すると認めたものが、国土交通大臣の登録を受けられます(59条1項、施行規則68条)。同等以上の能力には、登録実務講習の修了者などが挙げられています(施行規則69条1号)
  • ③主任者証の交付を受ける:交付の申請者は、申請の日前6月以内に行われる講習を受けます。ただし、試験に合格した日から1年以内に交付を受けようとする者は、講習の受講が不要です(60条2項)
  • ④有効期間は5年(60条3項)で、更新が必要です(61条)

マンション管理業協会は、業務に従事することのない人は、必ずしも登録する必要はないと案内しています(出典:マンション管理業協会 登録実務講習のよくある質問)。

令和8年度 管理業務主任者試験:試験期日は令和8年12月6日(日)13:00〜15:00、受験手数料は8,900円(非課税)。最終確認日:2026-10-04。出典:マンション管理業協会 令和8年度 管理業務主任者試験 実施要領(PDF)。

同じ不動産分野の資格との違いは、マンション管理士と管理業務主任者の違いで整理しています。試験のための適正化法の学習は、マンション管理適正化法の解説にあります。

まとめ

  • 管理業務主任者の独占業務は、条文から整理すると、重要事項の説明、重要事項説明書への記名、契約成立時の書面への記名、管理事務の報告の4つ
  • 法律が決めているのは、期限・形式・責任。労働時間、担当件数の上限、待遇は決めていない
  • 事務所ごとに、管理組合数÷30(切り上げ)以上の専任の管理業務主任者を置く義務がある
  • 条文上、個人が直接問われる責任は、名義貸しや不正・著しく不当な行為、提示義務の違反などで、説明・記名・報告の義務の違反は、第一に業者への業務停止命令の対象
  • 「きつい」かどうかは、勤務先の管理組合数と専任の人数、事業年度の時期の集中など、事実で確かめる

※ 協議会・団体非提携、独自作成。本記事は、e-Gov法令検索の条文(2026-10-04時点の現行条文)、マンション管理業協会と国土交通省の公表資料をもとに合格ナビが独自に作成しています。個別の労務・法律の相談には答えられません。出典:適正化法・同法施行規則・マンション管理業協会 管理業務主任者とは。最終確認日:2026-10-04。

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よくある質問

Q管理業務主任者の仕事は、法律上どこまでが「管理業務主任者にしかできない」仕事ですか?

条文から整理すると、重要事項の説明(適正化法72条1項・3項)、重要事項説明書への記名(72条5項)、契約成立時の書面への記名(73条2項)、管理事務の報告(77条1項・2項)の4つです。管理費等の分別管理(76条)や毎月の収支の書面の交付(施行規則87条5項)は、条文の主語がマンション管理業者で、管理業務主任者の独占業務ではありません。

Q管理業務主任者は1人で何管理組合まで担当できますか?

1人ずつの担当件数を直接定めた規定は、マンション管理適正化法・同施行規則にはありません。施行規則61条が定めているのは、事務所ごとに置く専任の管理業務主任者の最低人数(委託を受けた管理組合の数を30で除して、1未満の端数を切り上げた数以上)です。結果として、事務所の管理組合数を専任の主任者の人数で割った数は、30以下でなければなりません。

Q重要事項の説明で、管理業務主任者証の提示を求められなくても出す必要がありますか?

出す必要があります。適正化法72条4項は、管理業務主任者が重要事項の説明をするときは、説明の相手方に管理業務主任者証を提示しなければならないと定めていて、請求は要件になっていません。このほか63条は、事務を行うに際して関係者から請求があったときの提示を定めています。

Q管理業務主任者の仕事の需要や求人の状況は、この記事で分かりますか?

分かりません。この記事が扱うのは、条文が定める義務・期限・責任までです。条文からは、マンション管理業者が事務所ごとに専任の管理業務主任者を置く義務があること(56条1項)が言えますが、求人の数や待遇は法律の対象ではないため、書いていません。

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