危険物乙四

危険物取扱者 丙種とは取り扱える危険物・試験科目・受験資格と乙4との違い

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

危険物取扱者の丙種(へいしゅ)を、消防試験研究センターの案内と危険物の規制に関する規則の条文で整理します。取り扱える危険物(ガソリン・灯油・軽油など)、立会いと保安監督者になれない理由、試験科目と問題数(25問・1時間15分)、受験資格(誰でも受験できる)、手数料、消防団員の科目免除、乙4との違いを一覧にしました。

目次
  1. 丙種(へいしゅ)危険物取扱者とは:取扱いだけができる免状
  2. 丙種で取り扱える危険物:規則49条の6つ
  3. 丙種ができないこと:立会いと危険物保安監督者
  4. 丙種の試験科目と問題数・試験時間・手数料
  5. 丙種の受験資格と、科目免除(消防団員)
  6. 丙種と乙4の違いを一覧にする
  7. 丙種の学習で押さえる順番
  8. まとめ
結論:危険物取扱者の丙種は、危険物の規制に関する規則49条が定める「ガソリン、灯油、軽油、第三石油類(重油、潤滑油及び引火点百三十度以上のものに限る。)、第四石油類及び動植物油類」だけを自分で取り扱える免状です。免状のない人の取扱いへの立会い(消防法13条3項)は甲種・乙種の取扱者に限られ、危険物保安監督者(同条1項)は甲種・乙種の取扱者のうち6月以上の実務経験がある人から選ばれるので、丙種はどちらもできません。試験は、受験資格なし(誰でも受験できる)、法令10問・燃焼及び消火に関する基礎知識5問・性質並びに火災予防及び消火の方法10問の計25問、四肢択一、試験時間1時間15分、合格基準は科目ごとに60%以上です。

この記事は、試験を実施する一般財団法人 消防試験研究センター(以下「センター」)の危険物取扱者試験のページ・受験資格・試験科目及び問題数・試験の方法と、e-Gov法令検索の消防法・危険物の規制に関する規則の条文をもとに、丙種そのものを整理したものです。甲種・乙種を含めた免状の比較は甲種・乙種・丙種の違いと受験資格、免状ごとの「できること」の条文比較は危険物取扱者で何ができる?、合格率の推移は危険物乙4は難しくなった?合格率10年の推移と難易度で扱っています。本サイトはセンターとは関係がなく、試験日程・手数料は必ずセンターと受験する都道府県の支部で確認してください。

合格ナビの問題は乙4向けですが、法令の論点別問題150問(2026-10-02時点)のうち10問は、問題文か選択肢に「丙種」の語を含み、丙種と甲種・乙種の違いを確かめられます(合格ナビが作成した問題の数で、本試験の出題数ではありません)。

丙種(へいしゅ)危険物取扱者とは:取扱いだけができる免状

危険物取扱者免状の種類は、甲種・乙種・丙種の3つです(消防法13条の2第1項)。センターのページは、丙種を次のように説明しています。

  • 甲種・乙種は、取扱作業とその立ち会いができる
  • 丙種は、乙種第4類危険物のうち指定された危険物に限り、取扱作業をすることができる

つまり丙種は、第4類(引火性液体)の一部だけを、自分で取り扱う免状です。センターの受験案内では、免状の種類ごとの危険物が、次のように並んでいます。

免状取り扱える危険物(センターの表記)
甲種すべての種類の危険物
乙種第4類引火性液体(ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類等)
丙種引火性液体

「指定された危険物」の中身は、次の章の規則49条で決まっています。

丙種で取り扱える危険物:規則49条の6つ

規則49条は、丙種の範囲を次のように定めています(条文の言葉)。

「丙種危険物取扱者にあつてはガソリン、灯油、軽油、第三石油類(重油、潤滑油及び引火点百三十度以上のものに限る。)、第四石油類及び動植物油類とする。」

表にすると、次のとおりです。

第4類の品名丙種で取り扱える範囲(規則49条)
特殊引火物条文に挙がっていない
第一石油類ガソリン(条文に挙がっているのはガソリンだけ)
アルコール類条文に挙がっていない
第二石油類灯油・軽油(条文に挙がっているのはこの2つ)
第三石油類「重油、潤滑油及び引火点百三十度以上のものに限る」
第四石油類挙がっている
動植物油類挙がっている

条文に挙がっていない品名や物品は、丙種では取り扱えません。条文と照らして読むと、次のような言い換えは誤りです(当サイトの整理)。

  • 「第一石油類は丙種で取り扱える」(ガソリンだけ)
  • 「第三石油類はすべて丙種で取り扱える」(括弧内の限定がある)
  • 「アルコール類も丙種で取り扱える」(挙がっていない)

乙種第4類との違いを一言で言うと、乙4は第4類の危険物全体、丙種は上の6つの品目だけ、です。

丙種ができないこと:立会いと危険物保安監督者

丙種の「できない」ことは、2つあります。詳しい条文の比較は危険物取扱者で何ができる?に載せているので、ここでは試験で押さえる点だけを整理します。

できないこと条文の根拠丙種
免状のない人の危険物の取扱いに立ち会う消防法13条3項:危険物取扱者以外の者は、甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者が立ち会わなければ危険物を取り扱ってはならない立会いができる者に入っていない
危険物保安監督者になる消防法13条1項:甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者で、6月以上危険物取扱いの実務経験を有するもののうちから定める選べる者に入っていない

規則49条の見出しは「取扱い等をすることができる危険物の種類」で、条文は「危険物取扱者が取り扱うことができる危険物」と「甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者がその取扱作業に関して立ち会うことができる危険物」を一緒に定めています。立ち会える危険物の種類は、甲種はすべて、乙種は免状に指定する種類です。丙種は、取扱いの範囲だけが決まっています。

覚え方は、「立会いと保安監督者は、甲種・乙種の2つだけ」と先に頭に置き、丙種を引いて考える順番です。

丙種の試験科目と問題数・試験時間・手数料

センターの案内に載っている丙種の試験の形は、次のとおりです。

丙種危険物取扱者試験の科目と問題数:危険物に関する法令10問、燃焼及び消火に関する基礎知識5問、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法10問(計25問)。最終確認日:2026-10-07。出典:消防試験研究センター 試験科目及び問題数。
丙種危険物取扱者試験の方法・手数料:マーク・カードを使う筆記試験、四肢択一式、実技試験なし。試験時間は1時間15分。試験手数料は4,200円(非課税、一旦納入された手数料は返らない)。最終確認日:2026-10-07。出典:消防試験研究センター 試験の方法。
試験科目丙種60%の目安(当サイトの計算)
危険物に関する法令10問6問(10×0.6)
燃焼及び消火に関する基礎知識5問3問(5×0.6)
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法10問6問(10×0.6)

合格基準は、センターの試験の方法に「試験科目ごとの成績が、それぞれ60%以上の方を合格とします。」と書かれています。3科目の合計ではなく、科目ごとの判定です。右の列は問題数に0.6を掛けた当サイトの計算で、逆算すると6÷10=0.6、3÷5=0.6で、いずれも60%ちょうどです。センターが示しているのは「60%以上」という割合なので、この列は目安です。

試験科目の中身は、規則55条3項が次のように定めています。

  • 一 燃焼及び消火に関する基礎知識
  • 二 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(イ 丙種危険物取扱者の取り扱うことができる危険物の性質に関する基礎知識、ロ 丙種危険物取扱者の取り扱うことができる危険物の火災予防及び消火の方法)
  • 三 危険物に関する法令

性質と消火の科目は、丙種で取り扱える危険物に絞った範囲で出題される定めです。乙種の「基礎的な物理学及び基礎的な化学」(10問)に代わって、丙種は「燃焼及び消火に関する基礎知識」(5問)になります。

丙種の受験資格と、科目免除(消防団員)

丙種危険物取扱者試験の受験資格:乙種・丙種は受験資格は必要なく、どなたでも受験できる(甲種は一定の資格が必要)。最終確認日:2026-10-07。出典:消防試験研究センター 受験資格。

受験資格がないので、年齢・学歴・実務経験は問われません。申込は電子申請と書面申請があり、希望する都道府県で受験できます(センターの受験の申請のページ)。申込の手順と受験票は危険物乙4 申込み、試験日の探し方は危険物乙4の試験日はいつ?で扱っています。

丙種の試験科目の免除は、1つだけ案内されています。

丙種危険物取扱者試験の科目免除:5年以上消防団員として勤務し、かつ消防学校の教育訓練のうち基礎教育又は専科教育の警防科を修了した者は、燃焼及び消火に関する基礎知識が全部免除。免除を受けると20問・1時間。願書には、勤務の証明書類と修了の証明書類の両方が必要。最終確認日:2026-10-07。出典:消防試験研究センター 試験科目及び問題数、危険物の規制に関する規則55条7項。

免除を受けると、問題数は法令10問と性質消火10問の計20問で、試験時間は1時間になります(センターの表)。センターは、試験科目の一部が免除される人の試験時間は、免除される問題の数に応じて短縮されると案内しています。

丙種と乙4の違いを一覧にする

丙種と乙種第4類を、センターの案内と条文の事実だけで並べると、次のとおりです。

乙種危険物取扱者試験の問題数・方法・手数料:危険物に関する法令15問、基礎的な物理学及び基礎的な化学10問、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法10問(計35問)。五肢択一式、試験時間2時間、試験手数料5,300円。最終確認日:2026-10-07。出典:消防試験研究センター 試験科目及び問題数、試験の方法。
項目丙種乙種(第4類)
取り扱える範囲規則49条の6つ(ガソリン・灯油・軽油・第三石油類の一部・第四石油類・動植物油類)免状に指定する類(第4類)の危険物
立会いできないできる(その免状の類)
危険物保安監督者なれない実務経験6月以上でなれる(消防法13条1項)
受験資格不要不要
問題数25問(法令10・燃焼消火5・性質消火10)35問(法令15・物理化学10・性質消火10)
試験形式・時間四肢択一式・1時間15分五肢択一式・2時間
手数料4,200円5,300円
合格基準科目ごとに60%以上科目ごとに60%以上

乙種の問題数・形式・時間・手数料は、危険物乙4は難しくなった?合格率10年の推移と難易度にも載せています。

丙種と乙種第4類の合格率:令和7年度の丙種は、受験者19,969人・合格者9,593人・合格率48.0%(令和6年度は受験者20,687人・合格者10,199人・合格率49.3%)。乙種第4類は令和7年度の受験者222,545人・合格者71,059人・合格率31.9%。最終確認日:2026-10-07。出典:消防試験研究センター 試験実施状況(令和7年4月〜令和8年3月)。

丙種の合格率は、令和7年度が48.0%、令和6年度が49.3%で、乙種第4類の令和7年度(31.9%)より高い数字です。ただし、合格率の差だけでは、難しさの差とは言い切れません。免状の範囲も試験の形も違うので、数字は参考にとどめます。

どちらを選ぶかは、取り扱う危険物の品名から決める

当サイトの整理では、選び方は次の順です。

1. 自分が取り扱う危険物が、規則49条の6つにすべて入っているかを、品名で確かめる(第三石油類は引火点130度以上などの限定を確認)

2. 免状のない人の取扱いへの立会いや、保安監督者に就く必要があるかを確かめる(あれば甲種か乙種)

3. 取り扱う危険物が第4類のほかの品名や、第4類以外の類に及ぶなら、乙種の対応する類か甲種を検討する

丙種は取扱いの範囲が狭い分、試験範囲も狭くなっています。乙4に進む場合の勉強は危険物乙4の勉強法を参照してください。

丙種の学習で押さえる順番

試験の中身が規則55条3項で決まっているので、勉強の順番は次の3つに分けられます。

科目(問題数)中身進め方の目安(当サイトの整理)
法令(10問)規則55条3項は「危険物に関する法令」と定めている本記事の規則49条・消防法13条の内容(取扱い範囲・立会い・保安監督者)を、表で確実に押さえる
燃焼及び消火に関する基礎知識(5問)規則55条3項1号5問のうち3問以上が必要。1問が科目の20%にあたる
性質並びに火災予防及び消火の方法(10問)丙種で取り扱える危険物の性質・火災予防・消火規則49条の品目ごとに、性質と消火方法を整理する

燃焼消火は5問しかなく、3問以上正解という基準に対して、3問間違えると割ります。科目ごとの判定なので、他の科目の高得点でカバーすることはできません(センターの合格基準)。

まとめ

  • 丙種は、規則49条のガソリン、灯油、軽油、第三石油類(重油、潤滑油及び引火点130度以上のものに限る)、第四石油類、動植物油類を自分で取り扱える免状
  • 免状のない人の取扱いへの立会い(消防法13条3項)は甲種・乙種に限られ、保安監督者(同条1項)は甲種・乙種で実務経験6月以上の人から選ばれる。丙種はどちらもできない
  • 受験資格は不要。試験は法令10問・燃焼及び消火に関する基礎知識5問・性質消火10問の計25問、四肢択一、1時間15分、手数料4,200円
  • 合格基準は科目ごとに60%以上。消防団員5年以上と警防科の修了があると、燃焼消火が免除になる
  • 丙種免状は、乙種試験の科目免除の対象に載っていない。乙4に進むときは3科目を通常どおり準備する
本サイトは一般財団法人 消防試験研究センターとは関係ありません。掲載している問題は、過去の出題論点をもとに合格ナビが作成した論点別問題で、試験団体が出題した問題ではありません。試験日程・手数料・手続は、必ずセンターと受験する都道府県の支部の発表で確認してください。

よくある質問

Q丙種危険物取扱者の試験に、受験資格はありますか?

ありません。消防試験研究センターの受験資格のページには、「乙種・丙種」は「誰でも受験できます。」と書かれています。受験資格が必要なのは甲種だけです。なお、危険物取扱者試験は、居住地にかかわらず希望する都道府県で受験できます(センターの受験の申請のページ)。

Q丙種に合格したあと、乙4を受けるときに科目免除はありますか?

センターの試験科目及び問題数のページにある乙種の免除の表の対象は、乙種危険物取扱者免状を持つ人、火薬類免状を持つ人、その両方を持つ人の3つです。丙種免状はその表に載っていません。規則55条も、乙種試験の科目免除を、火薬類の免状を持つ人が第一類・第五類を受ける場合(5項)と、「一種類以上の乙種危険物取扱者免状の交付を受けている者」が他の種類の乙種試験を受ける場合(6項)に定めていて、丙種免状による免除の定めはありません。丙種免状だけを持っている場合、乙4は法令15問・物理化学10問・性質消火10問の3科目を、そのまま受ける前提で準備します。

Q丙種の試験で、消防団員の科目免除を受けるには何が必要ですか?

規則55条7項とセンターの案内によると、5年以上消防団員として勤務し、かつ消防学校の教育訓練のうち基礎教育または専科教育の警防科を修了した人は、「燃焼及び消火に関する基礎知識」の科目が免除されます。願書には、「5年以上消防団員として勤務したことを証明する書類」と「消防学校での基礎教育又は専科教育の警防科を修了したことを証明する書類」の両方を添えます。免除を受けると、問題数は20問、試験時間は1時間になります。

Q丙種の第三石油類は、全部取り扱えるのですか?

全部ではありません。規則49条は、丙種が取り扱える危険物を「ガソリン、灯油、軽油、第三石油類(重油、潤滑油及び引火点百三十度以上のものに限る。)、第四石油類及び動植物油類」と定めています。第三石油類は、括弧の中に挙がっている重油、潤滑油、引火点130度以上のものが対象です。「第三石油類=丙種で取扱い可」と丸ごと覚えるのは誤りになります。

Q丙種と乙4を、同じ日に受けることはできますか?

センターの案内には、「同一試験日に違う種類の試験を受験することはできません(「複数受験」で認められているものを除く)。」と書かれています。丙種と乙種第4類は別の試験なので、同じ日に申し込めるかどうかは、この案内と、受験する都道府県の支部(東京都は中央試験センター)の試験案内で確認してください。なお、試験開始時間の希望もできません。

この資格の問題を解く危険物乙四 科目別問題集
解いてみる

法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

合格ナビ 編集長・運営者

危険物乙四の出題範囲・法令・公式の統計を参照して書いています。プロフィール・編集方針