甲種危険物取扱者の受験資格(化学の学歴・15単位・乙種免状と実務2年・乙種4種類・修士博士)を消防法と消防試験研究センターの公表で整理。乙1・乙2・乙3・乙5・乙6で扱える危険物、甲種・乙種・丙種でできること、科目免除、令和7年度の合格率、乙4の次に何を受けるかまで1ページで比べます。
目次
結論:甲種危険物取扱者試験を受けられるのは、①大学等で化学に関する学科を卒業した人 ②化学に関する授業科目を15単位以上修得した人 ③乙種の免状を受けてから製造所等で2年以上の実務経験がある人 ④乙種の免状を「第1類か第6類」「第2類か第4類」「第3類」「第5類」の4種類以上持っている人 ⑤化学を専攻した修士・博士、のいずれかです(消防法第13条の3第4項、危険物の規制に関する規則第53条の3)。乙種と丙種は誰でも受けられます。乙4を持っていて実務経験がない人は、第1類(または第6類)・第3類・第5類の乙種を足して4種類にすれば甲種を受けられ、乙種の免状があれば他の類の試験は性質消火の10問(35分)だけです。
この記事は、危険物取扱者試験を実施する一般財団法人 消防試験研究センター(以下「センター」)の公表と、e-Gov 法令検索の現行条文(2026-10-02 時点)だけで書いています。合格ナビには甲種と、乙4以外の乙種(乙1・乙2・乙3・乙5・乙6)の問題はありません。当サイトの危険物乙4の問題350問(危険物に関する法令150問・基礎的な物理学及び基礎的な化学100問・危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法100問、2026-10-02 集計)はすべて当サイトが出題範囲をもとに作成した論点別問題で、そのうち第1・2・3・5・6類に触れる問題は16問(法令12問・物理化学3問・性質消火1問)、甲種に触れる問題は9問(すべて法令)です。この記事では、甲種・他の乙種と乙4で重なる論点の問題だけを案内します。甲種の勉強時間は、センターが目安を公表していないため、当サイトは「問題数×周回数×1問あたりの分」で自分で見積もる式を示します。勉強時間・勉強方法、薬剤師の免許との関係、偏差値の有無は、それぞれ後半の「甲種の勉強時間の目安」「甲種の勉強方法」「危険物取扱者と薬剤師」「甲種に偏差値はある?」の章で扱います。
| 項目 | 甲種 | 乙種(第1類〜第6類) | 丙種 |
|---|---|---|---|
| 受験資格 | 必要(下の5区分のいずれか) | 不要 | 不要 |
| 取り扱える危険物 | すべての類 | 免状に指定された類 | ガソリン・灯油・軽油・第三石油類(重油・潤滑油・引火点130度以上のもの)・第四石油類・動植物油類 |
| 無資格者の取扱いへの立会い | できる | 指定された類だけできる | できない |
| 危険物保安監督者 | なれる(実務6か月以上) | 指定された類でなれる(実務6か月以上) | なれない |
| 問題数(法令・物理化学・性質消火) | 15問・10問・20問 | 15問・10問・10問 | 10問・5問・10問 |
| 試験時間 | 2時間30分 | 2時間 | 1時間15分 |
| 科目免除 | なし | あり(乙種・火薬類の免状) | あり(消防団員の経歴) |
| 令和7年度の合格率 | 34.0% | 62.1〜67.6%(乙4は31.9%) | 48.0% |
出典:消防法第13条・第13条の3、危険物の規制に関する規則第49条・第55条(出典:e-Gov 法令検索)、センター受験資格・試験科目及び問題数・試験の方法・試験実施状況(令和7年度)
甲種危険物取扱者の受験資格(センターの5区分)
法律の定めは消防法第13条の3第4項です。「次の各号のいずれかに該当する者でなければ、甲種危険物取扱者試験を受けることができない。」とし、第1号で化学に関する学科・課程の卒業者(その他総務省令で定める者)、第2号で「乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後二年以上危険物取扱いの実務経験を有する者」を挙げています。第1号の「総務省令で定める者」が危険物の規制に関する規則第53条の3で、15単位以上の修得・修士博士・乙種4種類などが並びます。センターの受験資格のページは、これを次の5区分で案内しています。
| 区分 | 受験できる人 | 願書の略称 | 証明書類 |
|---|---|---|---|
| 〔1〕大学等卒 | 大学・短期大学・高等専門学校・専修学校、高等学校や中等教育学校の専攻科などで、化学に関する学科・課程を修めて卒業した人 | 大学等卒 | 卒業証明書・卒業証書・学位記(学科等の名称が明記されたもの) |
| 〔2〕15単位 | 大学・短期大学・高等専門学校(専門科目に限る)・大学院・専修学校などで、化学に関する授業科目を15単位以上修得した人 | 15単位 | 単位修得証明書または成績証明書(修得単位が明記されたもの) |
| 〔3-1〕実務2年 | 乙種の免状の交付を受けた後、製造所等での危険物取扱いの実務経験が2年以上の人 | 実務2年 | 乙種危険物取扱者免状と乙種危険物取扱実務経験証明書 |
| 〔3-2〕4種類 | 乙種の免状を「第1類または第6類」「第2類または第4類」「第3類」「第5類」の4種類以上持っている人 | 4種類 | 乙種危険物取扱者免状 |
| 〔4〕学位 | 修士・博士の学位を受け、化学に関する事項を専攻した人(外国の同学位を含む) | 学位 | 学位記等(専攻等の名称が明記されたもの) |
センターの備考では、専攻科は修業年限2年以上のもの、専修学校は修業年限2年以上・総授業時数1700時間以上の専門課程に限るとされています。〔2〕の単位は、卒業・在学中・中途退学・通信教育にかかわらず数えられます。自分の学科や授業科目が「化学に関する」ものに当たるかは、センターの受験資格のページにある例で確かめ、迷う場合は受験する都道府県のセンター支部に問い合わせるよう案内されています(よくある質問)。
実務経験2年のルート(乙4の免状がある人)
実務経験は「製造所等における実務経験に限るものとする」と危険物の規制に関する規則第48条の2が定めています。センターのよくある質問では、乙種の免状の交付を受けた後にガソリンスタンドなどの製造所等で2年以上危険物を取り扱った人は受験資格がある、複数の製造所等の期間はそれぞれ証明が取れれば合算できる、と案内されています。数え始めは乙種の試験の合格日ではなく、免状の交付を受けた後です。証明書は事業主等が書く「乙種危険物取扱実務経験証明書」です。
乙種4種類のルート(乙4を持っている人は、あと3種類)
4種類は、4つの組からそれぞれ1種類ずつ必要です(規則第53条の3第5号)。乙4は「第2類または第4類」の組を満たすので、残りの3つの組を足します。
| 必要な組 | 乙4を持っている人が足すもの |
|---|---|
| 第1類または第6類 | 乙1か乙6のどちらか1つ |
| 第2類または第4類 | 乙4で満たしている |
| 第3類 | 乙3 |
| 第5類 | 乙5 |
乙種の免状を1種類でも持っていれば、他の類の乙種は「危険物に関する法令」と「基礎的な物理学及び基礎的な化学」が免除され、性質消火10問だけを35分で受けます(規則第55条第6項、センター試験科目及び問題数)。複数の類を同じ日に受けられるかは支部によって違うとセンターは案内しています。また、免除を受けるには、次の試験の願書を出すときまでに免状の交付を受けている必要があります(センターよくある質問)。
乙種第1類〜第6類の違い(扱える危険物の一覧)
危険物は消防法第2条第7項で「別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するもの」と定められ、別表第一が第1類から第6類までを分けています。乙種の免状は、このうち指定された類だけを取り扱えます。
| 類 | 免状の通称 | 性質(別表第一) | 別表第一の主な品名 |
|---|---|---|---|
| 第1類 | 乙1 | 酸化性固体 | 塩素酸塩類・過塩素酸塩類・無機過酸化物・亜塩素酸塩類・臭素酸塩類・硝酸塩類・よう素酸塩類・過マンガン酸塩類・重クロム酸塩類 |
| 第2類 | 乙2 | 可燃性固体 | 硫化りん・赤りん・硫黄・鉄粉・金属粉・マグネシウム・引火性固体 |
| 第3類 | 乙3 | 自然発火性物質及び禁水性物質 | カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・アルキルリチウム・黄りん・有機金属化合物・金属の水素化物 |
| 第4類 | 乙4 | 引火性液体 | 特殊引火物・第一石油類・アルコール類・第二石油類・第三石油類・第四石油類・動植物油類 |
| 第5類 | 乙5 | 自己反応性物質 | 有機過酸化物・硝酸エステル類・ニトロ化合物・ニトロソ化合物・アゾ化合物・ジアゾ化合物・ヒドラジンの誘導体 |
| 第6類 | 乙6 | 酸化性液体 | 過塩素酸・過酸化水素・硝酸 |
出典:消防法 別表第一(第4類以外の各類には「その他のもので政令で定めるもの」「前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの」も含まれます)。センターの危険物取扱者試験のページにも、類ごとの代表例が載っています。
各類の性質が備考でどう定義されているかは、危険物の種類(第1類〜第6類の分類と性質)で扱っています。
乙4の試験でも、他の類が出てくる論点があります。危険物を運搬するために積載するときの混載の制限です。危険物の規制に関する規則第46条と別表第四では、第4類は第2類・第3類・第5類とは混載でき、第1類・第6類(酸化性の類)とは混載できません。この表は指定数量の10分の1以下の危険物には適用されません。
甲種・乙種・丙種で「できること」の違い
取り扱える危険物の範囲は、危険物の規制に関する規則第49条が定めています。
「甲種危険物取扱者にあつてはすべての種類の危険物とし、乙種危険物取扱者にあつては当該乙種危険物取扱者免状に指定する種類の危険物とし、丙種危険物取扱者にあつてはガソリン、灯油、軽油、第三石油類(重油、潤滑油及び引火点百三十度以上のものに限る。)、第四石油類及び動植物油類とする。」
立会いと保安監督者は消防法第13条にあります。
| できること | 甲種 | 乙種 | 丙種 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 自分で取り扱う | すべての類 | 指定された類 | 危険物の規制に関する規則第49条に挙げられた品目だけ | 規則第49条 |
| 免状のない人の取扱いに立ち会う | できる | 指定された類だけ | できない | 法第13条第3項・規則第49条 |
| 危険物保安監督者になる | 6か月以上の実務経験で、なれる | 6か月以上の実務経験で、指定された類について、なれる | なれない | 法第13条第1項 |
乙種を全類そろえた場合について、センターのよくある質問は「乙種全類の免状取得者は、甲種免状取得者と同様に、すべての危険物を取り扱うことができますが、危険物保安監督者の資格要件に違いがあります。したがって、乙種の全類を取得しても甲種に切り替わることはなく、甲種は別に受験しないと免状取得できません。」と答えています。
試験の違い:問題数・科目の中身・科目免除・合格率
甲種と乙種は、科目名も中身も少し違います。危険物の規制に関する規則第55条では、甲種の科目は「物理学及び化学」で、性質消火は「すべての種類の危険物の性質に関する概論」「危険物の類ごとに共通する特性」などを問います。乙種の科目は「基礎的な物理学及び基礎的な化学」で、性質消火は「第一類から第六類までのうち受験に係る類の危険物に共通する特性」など、受ける類に絞られます。法令はどちらも「危険物に関する法令」で、問題数は15問です。
| 種類 | 法令 | 物理化学 | 性質消火 | 試験時間 | 科目免除 |
|---|---|---|---|---|---|
| 甲種 | 15問 | 10問(物理学及び化学) | 20問(全類) | 2時間30分 | なし |
| 乙種(免除なし) | 15問 | 10問(基礎的な物理学及び基礎的な化学) | 10問(受ける類) | 2時間 | — |
| 乙種(乙種の免状あり) | 免除 | 免除 | 10問 | 35分 | 法令・物理化学が全部免除 |
| 乙種第1類・第5類(火薬類の免状あり) | 15問 | 4問 | 5問 | 1時間30分 | 物理化学・性質消火の一部免除 |
出典:センター試験科目及び問題数・試験の方法。合格基準は甲種・乙種・丙種とも、科目ごとに60%以上です(免除を受けた科目は除く)。
危険物取扱者 試験手数料:甲種7,200円・乙種5,300円・丙種4,200円(非課税)。最終確認日:2026-10-02。出典:消防試験研究センター 試験の方法。
甲種と乙種各類の合格率(令和7年度・全国)
| 種類 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 甲種 | 20,296人 | 6,900人 | 34.0% |
| 乙種第1類 | 7,931人 | 5,213人 | 65.7% |
| 乙種第2類 | 8,840人 | 5,830人 | 66.0% |
| 乙種第3類 | 10,275人 | 6,694人 | 65.1% |
| 乙種第4類 | 222,545人 | 71,059人 | 31.9% |
| 乙種第5類 | 10,972人 | 6,815人 | 62.1% |
| 乙種第6類 | 10,402人 | 7,032人 | 67.6% |
| 丙種 | 19,969人 | 9,593人 | 48.0% |
出典:消防試験研究センター 試験実施状況(令和7年度)(令和7年4月〜令和8年3月の合計)
甲種危険物取扱者 令和7年度の全国合格率:34.0%(受験者20,296人・合格者6,900人。令和6年度は35.2%)。最終確認日:2026-10-02。出典:消防試験研究センター 試験実施状況(令和7年度)。
乙1・乙2・乙3・乙5・乙6の合格率は62.1〜67.6%で、乙4(31.9%)の約2倍です。ただし、乙種の免状を持つ人が受けると法令と物理化学が免除されますが、センターは免除の有無別の合格率を公表していないため、差の理由は数字では切り分けられません。合格率の10年の推移や、乙4の難易度の詳しい読み方は危険物の難易度・合格率の解説で扱っています。
甲種の免状を持つ人は何人いるか
免状を持つ人の総数ではありませんが、目安になる公式の数字があります。製造所等で危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者は保安講習を受けなければならず(消防法第13条の23)、消防白書(令和7年版)資料1-2-13によると、令和6年度の受講者184,998人のうち、甲種の免状を持つ人は16,182人でした(免状の種類別の欄の合計は267,231で受講者数より多く、複数の免状を持つ人はそれぞれの欄に数えられています)。
甲種の勉強時間の目安(当サイトの算出)
甲種の勉強時間について、センターは目安を公表していません。受験資格・試験科目及び問題数・試験の方法・よくある質問・試験実施状況の各ページに、勉強時間の記載はありません(よくある質問には、学習方法や参考図書の案内・受験準備講習などは行っていないとあります)。
そのため、当サイトは「何時間で受かる」という数字は出しません。代わりに、自分の範囲と周回数から、自分で見積もる式を示します。
- 問題演習の時間 = 問題数 × 周回数 × 1問あたりの分 ÷ 60
- 本番の持ち時間は45問で150分、つまり1問あたり約3.3分です(150÷45)。解く時間はこれを基準にし、見直しの時間を足します
次の表は、「100問を1周する時間」を、1問あたりの時間の仮定別に計算したものです。仮定は当サイトのもので、公式の数字ではありません。
| 1問あたり(解く+見直し) | 100問を1周 | 100問を3周 |
|---|---|---|
| 6分(解く3分+見直し3分) | 10時間 | 30時間 |
| 10分(解く3.3分+見直し6.7分) | 約16.7時間 | 50時間 |
| 15分(解く5分+見直し10分) | 25時間 | 75時間 |
計算は、100×6÷60=10、100×10÷60≒16.7、100×15÷60=25です。3周は、その3倍です。
この式に、次の2つを足します。
- 範囲を一通り読む時間:使うテキストの量で変わるため、自分のテキストのページ数に1ページあたりの時間を掛けて決めます
- 公開されている甲種の問題を、本番どおりに解く時間:センターは甲種の問題をPDFで公開しており(45問・解答つき・24ページ)、150分を計って解くと2.5時間です。見直しを解く時間の2倍とすると5時間で、合わせて7.5時間になります
甲種の試験時間と問題数:45問(法令15問・物理学及び化学10問・性質消火20問)・試験時間2時間30分・五肢択一式。最終確認日:2026-10-03。出典:消防試験研究センター 試験科目及び問題数・試験の方法。
見積もりで時間を左右するのは、どこまでが「すでに学んだ範囲」かです。次の勉強方法の表で、乙種との違いを確認してください。
甲種の勉強方法(乙種との違いから組み立てる)
甲種と乙種では、試験科目の範囲が危険物の規制に関する規則第55条で次のように定められています(出典:e-Gov 法令検索)。
| 科目 | 乙種(第55条第2項) | 甲種(第55条第1項) | 勉強の組み立て |
|---|---|---|---|
| 物理学及び化学 | 基礎的な物理学・基礎的な化学・燃焼及び消火に関する基礎的な理論 | 物理学・化学・燃焼及び消火に関する理論(「基礎的な」が付かない) | 乙4の物理化学を土台にして、深さは公開の45問で確かめる |
| 性質・火災予防・消火 | すべての類の性質の「基礎的な」概論と、受験に係る類の危険物の特性・火災予防及び消火の方法・品名ごとの一般性質 | すべての類の危険物について、類ごとの共通特性・火災予防及び消火の方法・品名ごとの一般性質 | 第1〜第6類の分を類ごとの表にする。乙4で学んだ第4類は既習 |
| 危険物に関する法令 | 危険物に関する法令 | 危険物に関する法令 | 乙4の法令が土台。問題数は乙種と同じ15問 |
この表から、甲種の勉強は次の順で組み立てられます。
- ①受験資格のルートを決める:自分がどの区分で受けるかを、前の章で確かめます
- ②公開の45問を、時間を計って1回解く:範囲の広さと、1問あたりの時間感覚をつかみます
- ③全類の品名と性質を、類ごとの表にする:甲種の性質消火は20問で、全類が範囲です
- ④乙4の法令・物理化学は、問題で維持する:乙4で覚えた数字や用語は、甲種の土台になります
- ⑤科目ごとの足切りから逆算する:甲種も科目ごとに60%以上で、法令は15問中9問、物理学及び化学は10問中6問、性質消火は20問中12問です
| 科目 | 出題数 | 必要な正解数 | 落としてよい問題数 |
|---|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15問 | 9問 | 6問 |
| 物理学及び化学 | 10問 | 6問 | 4問 |
| 性質・火災予防・消火 | 20問 | 12問 | 8問 |
「落としてよい問題数」は出題数から引いた当サイトの計算です(15−9=6、10−6=4、20−12=8)。
乙4の勉強法と科目別の足切りは、危険物乙4で覚えることでまとめています。
危険物取扱者と薬剤師|薬学科は「化学に関する学科」に載っている
結論から言うと、センターの受験資格のページに、薬剤師免許を条件とする区分は見当たりません。法令側の危険物の規制に関する規則第53条の3にも、薬剤師免許は挙がっていません。一方、薬学系の学科は「化学に関する学科又は課程」の表に載っており、そうした学科を修めて卒業した人は、大学等卒の区分で甲種を受けられます。
- 乙種と丙種は、誰でも受験できます(薬剤師でなくても受けられます)
- 甲種の〔1〕大学等卒:センターの化学に関する学科又は課程の表に、薬学科・薬科学科・薬剤学科・薬品科学科・製薬学科・医療薬学科・衛生薬学科などが挙がっています- 甲種の〔2〕15単位:センターの化学の授業科目例に、衛生薬学・医薬品安全性学などが挙がっています。授業科目で15単位以上を修得した人は、学科名に関係なく〔2〕で受けられます
表にない学科名や授業科目が、化学に関するものに当たるかどうかは、センターの案内どおり、受験する都道府県の支部に確認します。センターの表にある学科名は、卒業証明書などに学科等の名称が明記されていることが証明書類の条件です(受験資格)。
甲種に偏差値はある?合格率の4年推移で難しさを見る
センターが公表しているのは、受験者数・合格者数・合格率で、偏差値は示されていません(試験実施状況・受験資格・試験の方法のページに記載がありません)。偏差値は受験者の得点分布が前提になりますが、各ページに得点分布の記載はありません。難しさを比べるときは、公表されている合格率を使います。
| 年度 | 甲種の受験者 | 甲種の合格者 | 甲種の合格率 | 乙種第4類の合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 22,278人 | 8,196人 | 36.8% | 31.5% |
| 令和5年度 | 20,963人 | 6,652人 | 31.7% | 32.0% |
| 令和6年度 | 21,257人 | 7,484人 | 35.2% | 31.7% |
| 令和7年度 | 20,296人 | 6,900人 | 34.0% | 31.9% |
出典:消防試験研究センター 試験実施状況(令和4年度・令和5年度・令和6年度・令和7年度)。合格率は、合格者数÷受験者数で計算した値で、センターの表の値と一致します(各年度の4月〜翌年3月の合計)。
4年間の甲種の合格率は31.7〜36.8%、乙種第4類は31.5〜32.0%です。甲種と乙4は、合格率の水準は近い一方で、受験者の数が約11倍違います(令和7年度は甲種20,296人、乙種第4類222,545人)。受験者の層が同じとは限らないため、合格率の高低だけで「どちらが難しい」とは言えません。
甲種・他の乙種のセンター公開の過去問と、当サイトで練習できる範囲
センターは過去に出題された問題のページで、「甲種試験」「乙種第4類試験」「乙種第1,2,3,5,6類試験」「丙種試験」の問題の一部を PDF で公開しています(令和7年度以前に出題したもの、令和8年6月更新)。ページには「試験問題の著作権は、一般財団法人消防試験研究センターが保有します。」とあり、教育目的(非営利)以外の複製・転用は禁止されています。甲種の過去問は、まずこの公式ページで確認してください。なお、センターは参考書・問題集の出版や受験準備講習を行っていません(よくある質問)。
合格ナビにあるのは乙4の論点別問題だけです。甲種・他の乙種の勉強にどこまで使えるかを、科目ごとに整理すると次のとおりです。
| 科目 | 甲種・他の乙種で問われる範囲(規則第55条) | 合格ナビの乙4の問題で練習できること |
|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 甲種・乙種とも「危険物に関する法令」15問 | 法令150問。免状・立会い・保安監督者・製造所等の区分・混載など。乙種の免状を持って他の類を受ける人は、この科目は免除 |
| 物理学及び化学 | 甲種は「物理学及び化学」、乙種は「基礎的な」物理学・化学 | 物理化学100問は乙種の「基礎的な」範囲。甲種の科目にも「燃焼及び消火に関する理論」が含まれる(規則第55条第1項第1号ハ) |
| 性質・火災予防・消火 | 甲種は全類、乙種は受ける類だけ | 性質消火100問は第4類だけ。第1・2・3・5・6類の物質ごとの性質は練習できない |
乙4の次はどれを受けるか(目的別の選び方)
どの免状が要るかは、職場で扱う危険物と、目指す立場で決まります。次の表は法令とセンターの案内から言えることだけをまとめたものです。
| 目的 | 受けるもの | 根拠 |
|---|---|---|
| 職場で第4類以外の危険物も扱う | その類の乙種(乙種の免状があれば性質消火10問・35分) | 規則第49条・第55条第6項 |
| 実務経験なしで甲種を受けたい(化学の学歴なし) | 乙1か乙6・乙3・乙5を足して4種類にしてから甲種 | 規則第53条の3第5号 |
| 乙4の免状の交付後、製造所等で危険物の取扱いを2年以上している | 実務2年の区分で甲種 | 消防法第13条の3第4項第2号 |
| 化学の学科卒・15単位・化学専攻の修士博士 | 乙種を経ずに甲種 | 消防法第13条の3第4項第1号・規則第53条の3 |
甲種は性質消火が全類20問になり、科目免除もありません。4種類のルートで乙1(または乙6)・乙3・乙5を受けると、甲種の性質消火で問われる他の類の物質のうち、受けた類の分は先に学ぶことにもなります。乙4そのものの役割や、仕事で乙4が求められる場面は危険物乙4とはと乙4は食いっぱぐれないか(消防法で見る乙4が要る場面)で扱っています。
まとめ
- 甲種の受験資格は、化学の学科卒・化学の15単位・乙種免状+製造所等で実務2年・乙種4種類・化学専攻の修士博士の5区分(消防法第13条の3第4項、規則第53条の3)
- 乙4を持っていて実務経験がない人は、乙1か乙6・乙3・乙5を足して4種類にすれば甲種を受けられる。乙種の免状があれば他の類は性質消火10問・35分
- 乙種の各類は消防法別表第一の第1類〜第6類に対応し、取り扱えるのは指定された類だけ。丙種は立会いと保安監督者ができない
- 甲種は45問・2時間30分・科目免除なしで、令和7年度の合格率は34.0%
- 合格ナビには甲種・他の乙種の問題はない。法令は乙4の問題で共通の論点を練習できる
関連記事:危険物の難易度・合格率/危険物乙4とは/乙4は食いっぱぐれないか
本サイトは一般財団法人 消防試験研究センターとは関係ありません。掲載している問題は、合格ナビが出題範囲をもとに作成した危険物乙4の論点別問題です。受験資格・試験手数料・試験日は、申し込む前にセンターの公式発表で確認してください。
よくある質問
Q乙種を第1類から第6類まで全部持っていれば、甲種と同じですか?
取り扱える危険物の範囲は同じになりますが、甲種には切り替わりません。消防試験研究センターのよくある質問では、乙種全類の免状を持つ人は甲種と同様にすべての危険物を取り扱えるものの、危険物保安監督者の資格要件に違いがあり、甲種は別に受験しないと免状を取得できないと案内されています。
Qガソリンスタンドで働いた期間は、甲種の受験資格の実務経験になりますか?
乙種の免状の交付を受けた後に、ガソリンスタンドなどの製造所等で危険物を取り扱った経験が2年以上あれば、甲種の受験資格になります(消防試験研究センターのよくある質問)。実務経験は製造所等での経験に限られ(危険物の規制に関する規則第48条の2)、事業主等が証明する乙種危険物取扱実務経験証明書を出します。複数の製造所等の期間は、それぞれ証明が取れれば合算できます。
Q乙4に合格したばかりですが、すぐに他の類の科目免除を受けられますか?
免状の交付を受けていることが条件です。センターのよくある質問では、試験に合格しても、次の試験の願書を出すときまでに免状の交付を受けていなければ科目免除は受けられないと案内されています。乙4の合格後は、先に免状の交付申請を済ませてから次の類に申し込んでください。
Q甲種の試験に科目免除はありますか?
ありません(消防試験研究センターのよくある質問)。乙種の免状を何種類持っていても、甲種は法令15問・物理学及び化学10問・性質消火20問の45問を2時間30分で受け、3科目それぞれ60%以上が必要です。
Q甲種を受け直すたびに卒業証明書などを出す必要がありますか?
センターの受験資格のページでは、過去に甲種の受験申請をしたことがある人は、そのときの受験票または試験結果通知書を出すことで受験資格の証明書に代えられると案内されています。
Q甲種危険物取扱者の勉強時間は、何時間と考えればよいですか?
消防試験研究センターは勉強時間の目安を公表していません(受験資格・試験科目・試験の方法・よくある質問・試験実施状況の各ページに記載がありません)。当サイトでは「100問を1周する時間(1問10分と仮定すると約16.7時間)×周回数」のように、自分の範囲と周回数から見積もる方法を示しています。計算の仮定は記事内の表にあります。
Q薬剤師の免許があれば、甲種危険物取扱者を受験できますか?
センターの受験資格のページに、薬剤師免許を条件とする区分はありません。ただし、薬学科・薬科学科などの学科名が、化学に関する学科又は課程の表に載っています。そうした学科を修めて卒業した人は、〔1〕の大学等卒の区分で受験できます。学科名が表にない場合は、受験する都道府県のセンター支部に確認してください。
Q乙種の第1類から第6類まで、どの類が難しいですか?
消防試験研究センターが公表する合格率では、令和7年度は乙1が65.7%、乙2が66.0%、乙3が65.1%、乙4が31.9%、乙5が62.1%、乙6が67.6%でした。令和6年度も乙4が31.7%で、ほかの類は63.8〜67.2%です。ただし、合格率だけで類ごとの難しさは決められません。センターは、乙種の免状を持つ人の免除(法令・物理化学が全部免除)の有無別に合格率を公表していないため、数字の差が問題の難しさによるのか、受験する人の構成によるのかは切り分けられません。
Q乙種は第1類から第6類のどれから受けてもよいですか?
乙種は「誰でも受験できます」と案内されており(消防試験研究センター 受験資格のページ)、どの類から受けるかを制限する案内はありません。複数の類を同時に受験することも可能ですが、支部により異なるため、受験する支部への確認が必要です(センター よくある質問)。2つ目以降の類は、すでに持っている乙種の免状があれば、法令と物理化学が免除されて性質消火の10問(35分)だけになります(センター 試験科目及び問題数のページ)。免除を受けるには、願書を出すときまでに免状の交付を受けている必要があります。なお、合格ナビに問題があるのは乙4だけで、乙1・乙2・乙3・乙5・乙6の問題はありません。
Q危険物取扱者に偏差値はありますか?
センターが公表しているのは受験者数・合格者数・合格率で、偏差値は示されていません。令和7年度の合格率は、甲種34.0%、乙種第4類31.9%です。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月8日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。
