危険物乙四

危険物乙4で覚えること3科目60%から逆算する優先順位と、独学・1ヶ月の進め方

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

危険物乙4で覚えることを、法令・物理化学・性質の3科目に分けて整理します。科目別60%の足切りから落としてよい問題数を出し、合格ナビの問題データ350問で論点の重さを見ます。暗記ノートの作り方、独学の進め方、1ヶ月(4週間)の計画も載せました。

目次
  1. 危険物乙4で覚えることは?3科目で中身が違い、足切りで落とせる数も決まる
  2. 優先順位は問題の多い論点から:合格ナビの問題データ350問の内訳
  3. 科目別に覚えること:法令は数字、性質は例外、物理化学は頻出4論点
  4. 覚えることが多すぎるときの絞り方と、暗記ノートの作り方
  5. 独学の進め方:テキスト1冊と問題演習を「読む→解く→戻る」で回す
  6. 1ヶ月(4週間)で仕上げる計画と、時間が足りないときの考え方
  7. 覚えることは表1枚から。いちばん弱い科目を60%に乗せよう
結論:乙4で覚えることは、法令の数字と手続(15問)、第4類の品名と性質(10問)、物理化学の頻出用語と計算(10問)の3つです。合格には3科目それぞれ60%以上が要り、科目の免除がなければ、落としてよいのは法令6問・物理化学4問・性質4問までです。まず数字と手続を表にします。

独学でも、1ヶ月で仕上げるときでも、先に決めるのは「どこまで落としてよいか」です。

危険物乙4で覚えることは?3科目で中身が違い、足切りで落とせる数も決まる

覚えることは3科目で種類が違い、法令は数字と手続、性質は品名と例外、物理化学は用語と単純な計算です。

科目出題数合格ライン落とせる問題数覚えることの中心
危険物に関する法令15問9問以上6問まで指定数量・届出と許可・保安距離・保安監督者
基礎的な物理学及び基礎的な化学10問6問以上4問まで燃焼・熱量の計算・静電気・酸と塩基
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法10問6問以上4問まで品名の区分・第4類の共通性状・消火の方法

出典:消防試験研究センター 試験科目及び問題数・試験の方法(2026-10-31 確認)。「落とせる問題数」は、科目の免除がない場合に、出題数から合格ラインを引いた計算です(15−9=6、10−6=4)。

乙種の合格基準:試験科目ごとの成績が、それぞれ60%以上であること(科目の免除を受けた人は、その科目を除く)。乙種は五肢択一式の筆記で、試験時間は2時間、実技はありません。最終確認日:2026-10-31。出典:消防試験研究センター 試験の方法、危険物の規制に関する規則 第55条の2。

合格は、3つの関所を全部通る旅のようなものです。1つでも通れないと、ほかの関所を楽に通っても先へ進めません。

たとえば法令14問・性質9問・物理化学5問なら、合計は28問でも不合格です。物理化学が6問に届かないためです。

だから、得意科目を伸ばしても合否は動きません。いちばん弱い科目を60%に乗せる1問が、合否を分けます。

裏返すと、各科目に取れなくてよい問題があります。難しい計算など、取らない論点を先に決めておけます。

優先順位は問題の多い論点から:合格ナビの問題データ350問の内訳

先に覚えるのは、出題数が最も多い法令の中で、問題の多い論点です。

合格ナビの危険物乙4の問題データは350問(法令150・物理化学100・性質100、2026-10-31集計)で、本試験の15・10・10問のそれぞれ10回分の量です。どれも自作の問題なので、本試験の出題割合ではなく、論点の重さを見る目安にします。

法令は、貯蔵・取扱の基準から指定数量までの6論点で115問(約77%)を占めます。

法令の論点(合格ナビの区分)問題数
貯蔵・取扱の基準23問
製造所等の区分20問
許可・承認・届出19問
保安監督者・取扱者制度18問
運搬・移送18問
指定数量17問
定期点検・予防規程12問
保安距離・保有空地10問
そのほか4区分(危険物の定義・分類、措置命令・許可取消、消火設備・警報設備、予防規程・自主保安)13問
法令150問で多い6論点(単位:問)
法令150問のうち問題が多い6論点は、貯蔵・取扱の基準23問、製造所等の区分20問、許可・承認・届出19問、保安監督者など18問、運搬・移送18問、指定数量17問

出典:合格ナビの問題データ(危険物乙4・集計日 2026-10-31)

性質の100問は、個別の品名と、品名の分類が多くを占めます。

性質の論点(合格ナビの区分)問題数
個別品名(ガソリン・灯油・軽油・重油など)24問
品名分類17問
消火方法14問
火災予防13問
第4類の共通性状10問
特殊引火物9問
動植物油類7問
アルコール類6問

物理化学の100問は、燃焼22問・熱量など15問・酸と塩基など15問・物質の三態13問の4論点で65問です。

出典:合格ナビの問題データ(危険物乙4の法令150問・性質100問・物理化学100問、集計日 2026-10-31)。論点の区分は合格ナビの分け方で、近い区分は合算しています。問題の多い論点から先に表にしましょう。

科目別に覚えること:法令は数字、性質は例外、物理化学は頻出4論点

科目ごとに、先に押さえる中身を絞ります。

法令で覚えること:数字と手続

法令は、条文の数字と、届出か許可かといった手続を覚えます。条文は e-Gov 法令検索の現行条文で確かめました。

論点覚えること根拠
品名・数量・指定数量の倍数の変更変更しようとする日の10日前までに市町村長等へ届出消防法第11条の4第1項
位置・構造・設備の変更届出ではなく許可が必要消防法第11条第1項
保安距離(製造所)住居10m以上(同じ敷地内の住居を除く)・学校や病院など30m以上・重要文化財など50m以上。この3つは、不燃材料で造った防火上有効な塀などで市町村長等が安全と認めれば、市町村長等が定めた距離にできる政令第9条第1項第1号
保安距離(高圧ガスの施設・電線)高圧ガスの施設は20m以上(耐火構造の塀などの措置で、告示の要件を満たす距離にできる)。特別高圧架空電線は水平距離で、7,000Vを超え35,000V以下なら3m以上、35,000Vを超えれば5m以上規則第12条第2項・政令第9条第1項第1号ホ・ヘ
保有空地(製造所)指定数量の倍数が10以下なら3m以上、10を超えれば5m以上。総務省令で定める措置(隔壁の設置など)を講じたときは、幅を減らしたり、空地をなくしたりできる政令第9条第1項第2号
危険物保安監督者甲種または乙種の免状を持ち、6月以上の実務経験がある人から選ぶ。政令で定める製造所等だけが対象で、移動タンク貯蔵所などは含まれない消防法第13条第1項・政令第31条の2
法令の施行日:消防法は2025-06-01施行、危険物の規制に関する政令は2026-04-04施行(令和8年政令第115号)、危険物の規制に関する規則は2026-06-30施行の版を確認。保有空地の幅(3m・5m)は変わらず、2026-04-04の改正で変わったのはただし書です。「防火上有効な隔壁を設けたときは、この限りでない」が、「隔壁の設置その他の防火上有効な措置として総務省令で定める措置を講じたときは」空地の幅を減らすか、空地を持たないことができる、という書き方になりました。最終確認日:2026-10-31。出典:e-Gov 法令検索 消防法、同 政令、同 規則。

家にたとえると、保安距離は隣の家や学校までのへだたり、保有空地は自分の家のまわりの庭の幅です。数字を見たら、どちらの話かを先に確かめます。

混乱しやすいのは、距離を短くできるただし書と、高圧ガスの20mが政令でなく規則(省令)にある点です。

指定数量の表と倍数計算は指定数量の覚え方と倍数の計算、保安距離・許認可・点検の数字は法令の数字の覚え方、保安監督者の要件は保安監督者の記事にあります。

性質で覚えること:品名の区分と、例外の物質

性質は、品名を分ける引火点の境界と、第4類に共通する性状、その例外を覚えます。

品名の境界は1気圧での引火点で、第一石油類が21℃未満、第二石油類が21℃以上70℃未満、第三石油類が70℃以上200℃未満、第四石油類が200℃以上250℃未満です(消防法 別表第一の備考)。境界の表と覚え方は引火点とは?、全物質の一覧は第4類危険物の性質一覧表にあります。

第4類は、一般に蒸気が空気より重く、低い所にたまりやすい液体です。多くは水より軽く、水に溶けにくいという共通点もあります。

共通点には例外があるので、例外の物質を1つずつ押さえます。二硫化炭素は特殊引火物で、比重は1.2632(20℃/4℃)と水より重く、蒸気密度は2.67(空気=1)です(厚生労働省 職場のあんぜんサイト モデルSDS、2026-10-31確認)。

消火は、政令の別表第五(消火設備の適応)で、第4類に泡・二酸化炭素・ハロゲン化物・霧状の強化液・消火粉末(りん酸塩類等・炭酸水素塩類等)の消火器が適応しています。棒状の水・霧状の水・棒状の強化液を放射する消火器は、第4類の適応に入っていません。設備ごとの違いは消火設備の記事にあります。

物理化学で覚えること:頻出の4論点

物理化学は全範囲をやらず、合格ナビの問題が多い4論点から取ります。

  • 燃焼(22問):引火点・発火点・燃焼点の違い、燃焼の三要素、燃焼範囲です。定義と物質ごとの値は引火点とは?にあります
  • 熱量など(15問):Q=m×c×Δt のような、式に1回入れる計算です。型と例題は物理化学の計算の5つの型にまとめました
  • 酸と塩基など(15問):用語の定義です
  • 物質の三態(13問):融点・沸点などの状態変化です

静電気(8問)は、たまる条件と防ぐ方法を、4論点のあとで足します。

覚えることが多すぎるときの絞り方と、暗記ノートの作り方

多すぎると感じたら、数字と手続だけを表にし、性質は例外だけを書き、間違えた論点を足していきます。

  • ①数字と手続だけを1枚の表にする:10日前・10m/30m/50m・20m・3m/5m・6月と、品名の境界温度(21・70・200・250)だけを書きます。文章の解説は入れません
  • ②性質は例外だけを書き出す:共通性状は理屈で覚え、水より重い二硫化炭素のような例外の物質だけを覚えます
  • ③間違えた論点だけを足す:問題を解いて間違えた論点を、表に1行ずつ足します。最初から全部は書き込みません

落としてよい問題数があるので、最初の1周で全部を覚える必要はありません。

暗記シートは、市販を買わなくても自分で作れます。

  • 科目ごとにA4を1枚にします。法令・性質・物理化学の3枚です
  • 左に問い、右に答えを書き、右側を赤シートや紙で隠して確かめます
  • 答えには、数字・単位・条文の根拠まで書きます
  • 余白に、間違えた日付と問題番号を書きます

間違いノートは、次の3列で足ります。

間違えた問題自分が選んだもの正しい考え方(1行)
製造所等の届出(法令 問56)位置・構造・設備の変更も、10日前までの届出でよい品名・数量・倍数の変更は10日前までの届出、位置・構造・設備の変更は許可(消防法第11条・第11条の4)
引火点と発火点(物理化学 問1)同じ液体なら、引火点のほうが高い発火点は火を近づけなくても燃え出す温度で、一般に同じ液体では引火点より高い

この表の行は書き方の例です。実際には、自分が間違えた問題だけを書きます。

独学の進め方:テキスト1冊と問題演習を「読む→解く→戻る」で回す

独学なら、テキスト1冊と問題演習に絞り、分野ごとに「読む→解く→戻る」を回します。

乙種は誰でも受験でき、試験は筆記だけで実技はありません(消防試験研究センター 受験資格・試験の方法、2026-10-31確認)。教材は増やすほど良いわけではありません。

  • テキストは1冊:図表が多く、第4類の性質と指定数量が表で整理されているものを選び、1冊を繰り返します。選び方は本・テキストの選び方にあります
  • 問題演習は、根拠まで書いてあるもの:答えだけでなく、なぜ正しい、なぜ誤りかを、条文や物性値まで説明しているものを選びます

進め方は、次の4つの繰り返しです。

1. テキストを1分野(例:指定数量)読む

2. その分野の問題をすぐ解く

3. 間違えた論点だけテキストに戻る

4. 次の分野に進む

最初に全部を通読すると、最初に読んだ分野を解くまでに間が空きます。1分野読んだら、すぐ解きます。

問題演習は、答えの番号を覚えるだけでは足切りに引っかかります。指定数量や引火点は数値が問われるので、選択肢を入れ替えられても答えられるよう、理由まで確かめます。

つまずきやすいのは物理化学です。頻出の4論点に絞り、計算は式に入れて検算する形で書きます。教えてくれる人がいない分、解説が丁寧な問題で理由を補います。

センターは、過去に出題された乙種第4類の問題の一部をホームページで公開しています(過去に出題された問題)。公式の問題の言い回しに慣れるため、一度は解いておく方法があります。利用の条件は、同じページの著作権の記載に従ってください。

アプリ・問題集サイト・通信講座の比べ方は、勉強法の選び方にまとめています。

1ヶ月(4週間)で仕上げる計画と、時間が足りないときの考え方

1ヶ月なら、1週目に法令、2週目に性質、3週目に物理化学、4週目に通し演習で弱い科目を補強します。

週目標やること
1週目法令の土台テキストで法令を読み、指定数量・保安距離・許認可の表を作る。読んだ分野の問題をすぐ解く
2週目法令を固め、性質へ法令を問題で9問のラインまで固める。品名の区分と第4類の共通性状を表で覚える
3週目物理化学は頻出だけ燃焼・熱量・酸と塩基・物質の三態に絞る。性質の問題も並行する
4週目通し演習と弱点補強3科目を通しで解き、60%を切る科目に集中する。数字を最終確認する

新しい範囲には手を広げず、間違えた論点の復習に絞ります。社会人は、時間帯で役割を分けると回しやすくなります。

時間帯やること
通勤・昼休み暗記中心(指定数量・品名・語呂合わせ)。スマホで問題を解く
平日夜(30〜60分)テキストの1分野を読み、その分野の問題を解く
休日物理化学・通し演習・弱点補強

本番は試験時間2時間で、35問なので1問あたり約3分です(120分÷35問)。確実に取れる法令と性質を先に解き、物理化学に時間を残します。見直しは、あと1問で60%に届きそうな科目から始めます。

時間が極端に短いとき:当てずっぽうでは届かない

試験は五肢択一なので、全問を当てずっぽうで答えると、法令9問以上は約0.08%、物理化学と性質の6問以上は各約0.64%です。3科目すべてに届く確率は、約3,140万分の1になります(五肢択一を無作為に選ぶと仮定した、合格ナビの計算)。

次の表は、確実に分かる問題が何問あるとき、残りを当てずっぽうで答えてラインに届く確率です。

確実に分かる問題法令(9問が必要)物理化学・性質(各6問が必要)
0問0.08%0.64%
3問1.94%14.80%
5問12.09%67.23%
6問26.18%100%
7問49.67%-
8問79.03%-

たとえば、法令7問・物理化学5問・性質5問が確実に分かるなら、3科目すべてに届く確率は約22%です(0.4967×0.6723×0.6723)。法令6問・物理化学4問・性質4問なら約3%です。

実際は選択肢を絞れるので確率は上がりますが、この表は合格の見込みや必要な勉強量を示すものではありません。時間が極端に短いときは、範囲を広げず、各科目のラインに近づく論点から取ります。

覚えることは表1枚から。いちばん弱い科目を60%に乗せよう

覚えることは、法令の数字と手続、性質の品名と例外、物理化学の頻出4論点の3つです。まず数字と手続を1枚の表にして、問題で間違えた論点だけを足しましょう。

独学なら読んだ分野をすぐ解き、1ヶ月なら4週目に3科目を通しで解きます。いちばん弱い科目が6割に乗れば、足切りは通れます。

よくある質問

Qアプリだけで乙4に合格した人の割合は分かりますか?

分かりません。消防試験研究センターが公表しているのは、甲種・乙種各類・丙種ごとの申請者・受験者・合格者・合格率で、学習方法別の数字はありません。アプリや問題集サイトだけで進めるかは、解説が条文や物性値の根拠まで書かれているか、3科目の正答率が別々に見えるか、通しの35問で3科目すべてがラインを超えるか、の3点で決められます。

Qスクールや通信講座は使わないほうがよいですか?

乙種は受験資格がなく、試験範囲も公表されているので、独学で進める人もいます。計画を立てて続けるのが苦手な人や、物理化学を人に説明してほしい人は、講座や解説つきの教材を補助に使う分け方があります。値段は商品ごとに違うため、買う前に各社の公式ページで確かめてください。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月31日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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