危険物乙4の本・テキスト・赤本を、書名ではなく選ぶ基準で整理します。本の種類(テキスト・一問一答・問題集・模擬試験)と何冊必要か、古い版・中古を使うときの法改正の確認、消防試験研究センターが無料で公開している問題PDFと、当サイトで使えるまとめ記事を解説します。
目次
結論:危険物乙4の本は、書名で選ぶより「3科目(法令15問・物理化学10問・性質消火10問)を章立てで全部カバーしているか」「発行年が新しいか」「解説が付いているか」の3点で選びます。消防試験研究センターは参考書の案内も出版も販売もしていないため(よくある質問 Q27)、公式に決まった1冊はありません。当サイトは特定の本を順位づけしません。法令が改正されると、施行日以降の試験は原則として改正後の内容で出題されます(Q29)。古い版や中古は、法令の数字を現行の条文で確かめて使います。
乙4の本の種類と選び方:4つのタイプの比較表
乙4の本は、中身の作りで大きく4つに分けられます。以下は当サイトによる整理で、特定の書名・出版社は挙げません。
| タイプ | 中身の作り | 確認するところ |
|---|---|---|
| テキスト型 | 法令・物理化学・性質を章立てで説明する | 3科目の章がそろっているか。性質の章が第4類の品名区分まで載っているか |
| 一問一答型 | 短い問いと答えを繰り返す | 解説が付いているか。法令の数字が現行か |
| 問題集型(通称「赤本」) | 過去の試験問題や本試験型の問題を集め、解説を付ける | 収録の年度・回数・解説の有無。問題が出題された時点の法令か |
| 模擬試験型 | 1回分(35問)の形式で解く | 3科目の配分が本試験と同じか(15・10・10) |
どのタイプでも、センターが示す乙種の試験は次の形式です(センター 試験科目及び問題数・試験の方法)。
乙種の試験形式と合格基準:法令15問・基礎的な物理学及び基礎的な化学10問・危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法10問(計35問)、五肢択一式・試験時間2時間。合格基準は「試験科目ごとの成績が、それぞれ60%以上」で、1科目でも届かなければ不合格です。最終確認日:2026-10-04。出典:消防試験研究センター 試験の方法。
| 試験科目 | 問題数 | 本で確認すべき内容 |
|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15問 | 消防法上の危険物の定義・製造所等の区分・許可と届出・保安距離・自衛消防組織・免状制度 |
| 基礎的な物理学及び基礎的な化学 | 10問 | 燃焼(引火点・発火点・燃焼範囲)・静電気・物質の三態・熱量計算 |
| 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 | 第4類の共通性状・品名区分・消火方法・ガソリン等の個別性状 |
出典:消防試験研究センター 試験科目及び問題数(2026-10-04 時点)。本を手に取ったら、目次がこの3科目をすべて扱っているかを確認してください。
何冊必要か:3科目60%と本の組み合わせ
合格基準が科目ごとの60%なので、10問の科目は6問、15問の科目は9問が最低ラインです。どれか1科目でも届かなければ、ほかが満点でも不合格です。したがって、冊数よりも「3科目に穴がないか」を見ます。
- ① 1冊目(理解の本):テキスト型で、3科目の章立てがそろっているもの
- ② 2冊目(演習の本):問題集型または一問一答型で、解説が付いているもの
- ③ 仕上げ:本試験の形式(35問・2時間)で通して解く。センター公開の問題PDFでも足ります(後の章)
本を何冊買うかについて公式の基準はありません。センターは参考書の作成・販売に一切関与していないとして、本の内容は出版社に直接問い合わせるよう案内しています(よくある質問 Q28)。独学の進め方と科目別の勉強の優先順位は、危険物乙4で覚えること(独学・1ヶ月の進め方)で解説しています。
本の内容に疑問があるとき
センターは試験問題の内容についてのお問い合わせにお答えしていません(Q30)。参考書の記述に疑問があるときは、出版社への問い合わせか、条文(消防法・危険物の規制に関する政令・規則)で確かめることになります。
「赤本」とは何か:通称であり、公式の名称ではない
「赤本」は、検索では「乙4 赤本」のように使われる通称で、過去の試験問題を集めた問題集のことを指して使われます。次の点を知っておくと、選ぶときに迷いません。
- 公式の名称ではない:消防試験研究センターのページに「赤本」という語は出てきません。センターは問題集の出版・販売を行っていません(Q27)
- センターが公開する乙4の問題は35問:乙種第4類の問題PDFは35問・19ページで、解答は最終ページにあります。センターはこれを「過去の問題の一部を公開するもの」と説明しています
- 問題は出題された時点の法令で作られている:センターのページには「この問題は令和7年度以前に出題したものです。(令和8年6月更新)」と書かれています。改正前に出題された問題は、現行の法令と答えが変わる場合があります
センターの公開問題:乙種第4類のPDFは35問、解答は最終ページ、解説なし。掲載の問題は令和7年度以前に出題されたもの(令和8年6月更新)。最終確認日:2026-10-04。出典:消防試験研究センター 過去に出題された問題。
なお、当サイトの問題は、過去の試験問題ではなく、出題範囲をもとに当サイトが作成した論点別の問題です(乙4は350問)。本試験の問題の転載や再掲ではありません。
古い版・中古・ネット通販で買う前に:法改正を確認する
「危険物乙4 赤本 中古」のように、中古の本を探す人もいます。中古でも使えるかどうかは、本の値段や状態ではなく、書かれている法令が現行かどうかで決まります。
センターのよくある質問(Q29)は、法令が改正された場合、施行日以降に実施される試験は、原則として改正された内容で出題されると答えています。法令の改正は、e-Gov 法令検索で現行条文の施行日を確認できます。
法令の現行条文の施行日:消防法は令和7年6月1日施行の改正後(刑罰の名称を拘禁刑とする改正を含む)、危険物の規制に関する政令は令和8年4月4日施行(令和8年政令第115号)、危険物の規制に関する規則は令和8年6月30日施行(令和8年総務省令第83号)が現行です。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 消防法・危険物の規制に関する政令・危険物の規制に関する規則。
この施行日より前に出た本は、法令科目の一部が改正前の内容の可能性があります。古い版・中古を使うときの確認の手順は、次のとおりです。
- ① 本の奥付で発行年(版)を確認する
- ② 指定数量・保安距離・手続の期限など、法令の数字を扱う箇所を、e-Gov 法令検索の現行条文と照らす
- ③ 一問一答や問題集の答えが改正前の内容のままの可能性があるので、法令科目は特に確認する
- ④ 第4類の品名区分は、消防法の別表第一で現行の定めを確かめる。法令科目の確認を先に済ませ、残りの科目は本の内容を問題で確かめる
法令科目の数字を確認するためのまとめは、危険物乙4 法令の数値まとめと指定数量の覚え方・倍数計算にあります。
センターのページからリンクされている動画教材にも、現行法令と合わない箇所がある
センターの「過去に出題された問題」のページからは、危険物の保安に関わる別の団体の動画教材のページにリンクされています。このページには、給油取扱所の基準①の動画の2か所(0:30〜0:58の固定給油設備の定義に関する説明、5:36〜6:09の給油取扱所内に設置できる建築物の用途のうち③〜⑥の用途)が、動画制作後の法令改正により現行法令の定めと一致していないという注意書きがあります(2026-10-04 時点。出典:動画教材のページ)。団体が作った教材でも、法令の改正で内容が現行と合わなくなることがある例です。
無料で使える公式教材
本を買う前に、センターが無料公開している問題で、出題の形式を確かめられます。
- 乙種第4類の問題PDF(35問・19ページ。解答は最終ページ。解説なし)
- 乙種第1類・第2類・第3類・第5類・第6類の問題PDF(46ページ。乙1・2・3・5・6を受ける人向け)
センターは、これらの問題を「危険物取扱者として習得すべき知識・技能の目安を受験者にお示しし、受験の参考としていただくため、過去の問題の一部を公開するもの」と説明しています。著作権はセンターが保有し、学校での配布や自分の学習のためのプリントアウトなどの教育目的(非営利)の場合を除き、許可なく複製・転載することはできません。毎回の試験問題をすべて公開しているわけではない点にも注意してください。
テキストはいらない?公式の問題PDFだけで足りるか
公式の問題PDFは35問(本試験の問題数と同じ)で、解答はありますが解説がありません。解説がないため、なぜその答えになるのかは、本か、解説付きの問題演習で補う必要があります。35問だけでは、3科目の論点を網羅することもできません。
当サイトにPDFはない:自作のまとめ記事と問題で補う
当サイトに、テキストやまとめ表のPDFを配布するページはありません。「乙4 まとめ pdf」を探している場合は、次の自作のまとめ記事を、そのままページで読めます。
| 知りたいこと | 記事 |
|---|---|
| 指定数量と倍数計算 | 指定数量の覚え方・倍数計算 完全ガイド |
| 第4類の性質の比較 | 第4類危険物の性質一覧表 |
| 法令の数値 | 法令の数値まとめ |
| 引火点・発火点・品名区分 | 引火点とは?発火点・燃焼点との違いと第4類の品名区分 |
| 物理化学の計算 | 物理化学の計算の5つの型 |
| 暗記の補助 | 語呂合わせ集 |
自分用のまとめ表を作るなら
まとめ表は、出題の多い数字から作ります。法令の数字(保安距離・指定数量・点検の周期など)、第4類の品名ごとの引火点・水溶性の有無、物理化学の公式の3種類です。数字を書き写すときは、本ではなく、指定数量・品名の区分なら e-Gov 法令検索の別表、法令の数字なら現行条文を出典にします。
科目別に、問題で論点を確認する
当サイトの乙4の問題は、法令150問・物理化学100問・性質消火100問の合計350問です(2026-10-04 時点の公開数。当サイトが出題範囲をもとに作成した論点別問題で、本試験の問題ではありません)。本で読んだ論点を、その場で問題に切り替えられます。
法令(15問)の論点
物理学・化学(10問)の論点
危険物の性質(10問)の論点
本を選ぶときのチェックリスト
- ① 3科目の章(または問題)がそろっているか:3科目それぞれで60%以上が必要なので、どれかが薄い本は避ける
- ② 発行年(版)が新しいか:法令科目は改正後の内容で出題される(Q29)。奥付の発行年と、上の法令の施行日を見比べる
- ③ 解説が付いているか:公式の問題PDFには解説がない。理由まで書いてある本か、解説付きの問題演習を足す
- ④ 本試験の形式に近いか:5つの選択肢から選ぶ五肢択一で、法令15・物理化学10・性質消火10の配分か
- ⑤ 中古・古い版なら、法令科目だけ現行の条文で確かめる:e-Gov 法令検索で施行日と本文を確認する
まとめ
- 乙4の本は、書名より「3科目の網羅」「発行年」「解説の有無」で選ぶ。センターは参考書の案内も出版も販売もしておらず、公式に決まった1冊はない
- 「赤本」は過去の試験問題を集めた問題集の通称で、公式の名称ではない。問題は出題された時点の法令で作られている
- 古い版・中古は、法令の数字を現行条文(消防法は令和7年6月1日施行、政令は令和8年4月4日施行、規則は令和8年6月30日施行)で確かめてから使う
- センターは乙種第4類の問題PDF(35問・解答付き・解説なし)を無料で公開している。形式をつかむには足りるが、解説は別に必要
- 当サイトにPDFの配布はなく、自作のまとめ記事と論点別問題(乙4は350問)を、登録不要で使える
よくある質問
Q危険物乙4のテキストはいらない?
消防試験研究センターが無料公開している乙種第4類の問題PDF(35問と解答)で出題の形式はつかめますが、解説は付いていないため、なぜその答えになるのかはこのPDFだけでは分かりません。法令・物理化学・性質の3科目の知識を整理した本か、解説付きの問題演習を併用するのが現実的です。必要な冊数の考え方は、この記事の「何冊必要か」の章にまとめています。
Q乙4の赤本とは何ですか?どれを買えばいいですか?
「赤本」は、過去の試験問題を集めた問題集を指す通称で、公式の名称ではありません。消防試験研究センターのよくある質問(Q27)は、センターが学習方法や参考図書の案内、参考書・問題集の出版や販売を行っていないと答えていて、公式に推奨される1冊はありません。当サイトも特定の本を順位づけしません。選ぶ基準(発行年・3科目の網羅・解説の有無)を、この記事の表とチェックリストで示しています。
Q危険物乙4の古い本や中古でも使えますか?
使えるかどうかは、法令の改正と本の発行年で決まります。センターのよくある質問(Q29)は、法令が改正された場合、施行日以降に実施される試験は原則として改正後の内容で出題されると答えています。法令の数字や手続を扱う部分は、現行の条文と照らして確認してください。
Q危険物乙4のテキストやまとめをPDFで無料で読めますか?
消防試験研究センターの公式サイトで、乙種第4類の問題PDF(35問、最終ページに解答、解説なし)が無料で公開されています。この記事で案内できる公式の無料PDFは、この問題PDFです。当サイトにPDFの配布はなく、まとめ記事(指定数量・第4類の性質一覧・法令の数値など)をそのままページで読めます。
Q乙4以外(乙1・2・3・5・6)の問題も公式に公開されていますか?
消防試験研究センターの「過去に出題された問題」のページに、乙種第1類・第2類・第3類・第5類・第6類の問題PDFも掲載されています(46ページ)。当サイトの問題は乙4だけです。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。
