危険物乙4の法令の数字を「期限・距離と大きさ・倍数と人・運搬」の4つに分け、消防法・政令・規則の条・項・号つきの一覧表にしました。合格ナビの法令150問のうち、表の数字が出る56問の内訳と、10日前と10日以内など取り違えやすい組の区別も載せています。
目次
結論:危険物乙4の法令の数字は、「期限」「距離と大きさ」「倍数と人」「運搬」の4つに分けて、条文とセットで覚えます。合格ナビの法令150問では、この記事の表の数字が56問に出ており、多いのは期限(22問)と距離と大きさ(18問)です。
語呂で覚えたい数字は語呂合わせ集、指定数量と倍数の計算は指定数量の覚え方にあります。
危険物乙4の法令の数字はどう覚える?4つの箱に分けて条文と結ぶ
法令の数字は、何を決める数字かで4つの箱に分けると、取り違えが減ります。引き出しが4つある机に、数字を仕分けてしまうようなものです。
| 箱 | 何を決める数字か | 例 | 合格ナビの問題 |
|---|---|---|---|
| 期限 | いつまでに届ける・受ける | 10日前・遅滞なく・1年以内・3年 | 22問 |
| 距離と大きさ | 施設の位置・タンクの容量 | 10m・30m・600L・3万L | 18問 |
| 倍数と人 | 何倍から何をするか・誰を置くか | 10倍・3,000倍・6か月 | 12問 |
| 運搬 | 容器と車で運ぶときの決まり | 98%・10分の1・0.3m | 5問 |
出典:合格ナビの問題データ(危険物乙4 法令150問・集計日 2026-10-30)。この記事の表の数字(「遅滞なく」を含む)が、問題文か選択肢に出る問題を数えました。
2つの箱に入る問題が1問あり、重複を除くと56問です。指定数量の倍数の計算そのものは数えていません(指定数量の17問のうち、表の数字が選択肢に出る2問は含めています)。
合格ナビの問題は、過去の出題論点をもとにした問題です。

出典:合格ナビの問題データ(危険物乙4 法令150問・2026-10-30集計)
乙種の法令は15問で、科目ごとに60%以上が合格の基準です。法令では9問以上の正解が要るので、数字の問題を落とさないことが近道になります。
乙種危険物取扱者試験の法令の問題数と合格基準:危険物に関する法令15問。甲種・乙種・丙種とも、試験科目ごとの成績がそれぞれ60%以上で合格。最終確認日:2026-10-30。出典:消防試験研究センター 試験科目及び問題数、試験の方法。
距離と大きさの数字:保安距離・保有空地・タンクの容量
距離の数字は、守る相手が大切なほど長くなります。住居10m、学校・病院30m、重要文化財50mの順です。
| 数字 | 決まり | 出典 |
|---|---|---|
| 10m以上 | 製造所から住居まで(同じ敷地内の住居は除く) | 政令9条1項1号イ |
| 20m以上 | 高圧ガスの施設まで | 規則12条2項(政令9条1項1号ニ) |
| 30m以上 | 学校・病院・劇場など多数の人を収容する施設まで | 政令9条1項1号ロ |
| 50m以上 | 重要文化財・史跡などの建造物まで | 政令9条1項1号ハ |
| 水平3m・5m以上 | 特別高圧架空電線(7,000V超35,000V以下は3m、35,000V超は5m) | 政令9条1項1号ホ・ヘ |
| 3m・5m以上 | 製造所の保有空地(倍数10以下は3m、10を超えると5m) | 政令9条1項2号 |
| 6m未満・1,000㎡以下 | 屋内貯蔵所の軒高(平家建て)と、1つの貯蔵倉庫の床面積(第2類か第4類だけを貯蔵する倉庫で総務省令で定めるものは、軒高20m未満にできる) | 政令10条1項4号・5号 |
| 3m以下 | 屋内貯蔵所で容器を積み重ねる高さ(第三・第四石油類と動植物油類の容器だけなら4m、機械で荷役する容器だけなら6m) | 政令26条1項3号の2、規則40条の2 |
| 110%以上 | 防油堤の容量(タンクが2つ以上なら、いちばん大きいタンクの110%) | 規則22条2項1号 |
| 600L以下・3基以内 | 簡易貯蔵タンクの容量と、1つの簡易タンク貯蔵所に置ける数 | 政令14条5号・2号 |
| 3万L以下・4,000Lごと | 移動貯蔵タンクの容量と、中を仕切る間隔 | 政令15条1項3号 |
保安距離が要るのは、製造所・屋内貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・屋外貯蔵所・一般取扱所の5つです。製造所以外の4つは、政令10条1項1号・11条1項1号・16条1項1号・19条1項が、製造所の決まりによるとしています。給油取扱所や移動タンク貯蔵所には、保安距離の決まりがありません。
保安距離は「よその建物までの距離」、保有空地は「自分のまわりに空ける幅」です。施設ごとの保有空地の表は製造所・貯蔵所・取扱所の区分、タンクローリーの決まりはタンクローリーの記事にあります。
合格ナビの問題では、保安距離が6問、保有空地が4問、簡易タンクが4問、屋内貯蔵所の軒高と床面積が2問です。
- 保安距離の対象と距離の組合せ(問137)
- 特別高圧架空電線と文化財の保安距離(問85)
- 製造所の保有空地の幅(問138)
- 屋内貯蔵所の床面積(問64)
- 屋内貯蔵所で容器を積み重ねる高さ(問126)
- 防油堤の容量(問24)
- 簡易タンク貯蔵所の容量と基数(問27)
- 移動貯蔵タンクの容量と間仕切(問26)
出典:e-Gov 法令検索 危険物の規制に関する政令、危険物の規制に関する規則(2026-10-30 確認)。
期限の数字:10日前・10日以内・遅滞なく・1年以内
期限の数字は、先に届けるのか、あとで届けるのかを決めると迷いません。前もって届けるのは「10日前」の1つだけで、あとから届けるものは「遅滞なく」です。
| 数字 | 決まり | 出典 |
|---|---|---|
| 変更しようとする日の10日前まで | 品名・数量・指定数量の倍数を変える届出(位置・構造・設備は変えない場合) | 消防法11条の4第1項 |
| 10日以内 | 消防長か消防署長の承認を受けて、指定数量以上を仮に貯蔵・取り扱う期間 | 消防法10条1項ただし書 |
| 遅滞なく | 譲渡・引渡しの届出、用途を廃止した届出 | 消防法11条6項・12条の6 |
| 遅滞なく | 保安監督者・保安統括管理者を選んだとき、やめさせたときの届出 | 消防法13条2項・12条の7第2項 |
| 遅滞なく | 免状の記載事項が変わったときの書換えの申請 | 政令34条 |
| 10日以内 | なくした免状を再交付のあとで見つけたら、再交付を受けた知事へ出す | 政令35条3項 |
| 1年以内、以後3年以内 | 保安講習(取扱作業に従事することになった日から1年以内。ただし、その日の前2年以内に免状の交付か講習を受けていれば、交付か講習を受けた日以後の最初の4月1日から3年以内。受講した日以後の最初の4月1日から3年以内ごと) | 規則58条の14第1項・2項 |
| 1年に1回以上・記録は3年 | 定期点検の回数(告示で定める構造・設備は告示の期間)と、点検記録を保存する期間(移動貯蔵タンクの漏れの点検の記録は10年など、例外あり) | 規則62条の4第1項、62条の8 |
| 1年・2年 | 免状を交付しないことがある期間(返納を命じられてから1年、消防法令に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終えるなどしてから2年) | 消防法13条の2第4項1号・2号 |
| 10年 | 免状の写真は、過去10年以内に撮影したもの | 規則51条2項 |
保安講習のくわしい数え方は保安講習の記事、免状の手続きの流れは合格後の手続きにあります。
合格ナビの問題では、遅滞なくが8問、10日前が6問、定期点検の回数と保存期間が5問です。10日前の6問のうち3問は、「変更した日から10日以内」などの言い換えを誤りの選択肢にしています。
- 品名・数量・倍数を変える届出の期限(問117)
- 仮貯蔵・仮取扱いの承認(問82)
- 保安監督者の選任・解任の届出(問119)
- 譲渡・引渡しと廃止の届出(問118)
- 保安講習を受ける時期(問84)
- 定期点検の周期と記録の保存期間(問148)
- 免状の書換えと再交付(問73)
- 免状を交付しないことがある場合(問55)
出典:e-Gov 法令検索 消防法、危険物の規制に関する政令、危険物の規制に関する規則(2026-10-30 確認)。
倍数と人の数字:予防規程・定期点検・保安監督者
倍数の数字は、量が多いほど決まりと人が増えると覚えます。10倍で予防規程と定期点検、100倍で施設保安員、3,000倍で統括管理者と自衛消防組織です。
| 数字 | 決まり | 出典 |
|---|---|---|
| 10倍以上 | 製造所・一般取扱所は、予防規程と定期点検の対象。製造所には避雷設備も要る | 政令7条の3第1号・6号、37条、8条の5、9条1項19号 |
| 150倍・200倍・100倍以上 | 屋内貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・屋外貯蔵所は、予防規程と定期点検の対象 | 政令7条の3第2号〜4号 |
| 倍数を問わない | 予防規程:給油取扱所・移送取扱所。定期点検:地下タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所・移送取扱所(一部を除く)と、地下タンクのある製造所・給油取扱所・一般取扱所 | 政令37条・8条の5 |
| 100倍以上 | 製造所・一般取扱所に危険物施設保安員を置く(移送取扱所も) | 政令36条 |
| 3,000倍以上 | 第4類を扱う製造所・一般取扱所の事業所に、危険物保安統括管理者と自衛消防組織を置く | 政令30条の3第2項・38条 |
| 6か月以上 | 保安監督者になるための実務経験(甲種か乙種の免状が要る) | 消防法13条1項 |
| 15倍以下・40倍以下 | 第一種販売取扱所は15倍以下、第二種は15倍を超え40倍以下 | 政令3条2号 |
| 10倍で1所要単位 | 消火設備の量を決めるときの、危険物の所要単位 | 規則30条4号 |
予防規程・施設保安員などは、総務省令で除かれる施設があります。たとえば自家用の給油取扱所(屋内給油取扱所を除く)は予防規程が要らず、ボイラーで危険物を消費する一般取扱所は施設保安員が要りません(規則60条・61条)。
保安監督者・統括管理者・施設保安員の役割の違いは、保安監督者と統括管理者の記事にまとめています。
合格ナビの問題では、予防規程と定期点検の対象の倍数が4問、販売取扱所が3問、保安監督者の実務経験が3問です。
- 予防規程を定める製造所等の組合せ(問105)
- 定期点検が義務の製造所等(問147)
- 自衛消防組織を置く事業所(問70)
- 保安監督者の選任の条件(問83)
- 第一種・第二種販売取扱所の倍数(問28)
- 所要単位と能力単位(問33)
出典:e-Gov 法令検索 消防法、危険物の規制に関する政令、危険物の規制に関する規則(2026-10-30 確認)。
運搬と移送の数字:収納率・混載・「危」の標識
運搬の数字は、容器(98%)、積み方(10分の1)、車(0.3m)の順に覚えます。容器に入れてトラックで運ぶのが運搬、タンクローリーで運ぶのが移送です。
| 数字 | 決まり | 出典 |
|---|---|---|
| 液体98%以下・固体95%以下 | 運搬容器に入れる量。液体は55度で漏れない空間も残す | 規則43条の3第1項4号・3号 |
| 10分の1以下は対象外 | 類の違う危険物を一緒に積むこと(混載)を禁じる表。第4類と混載できるのは第2類・第3類・第5類 | 規則46条1項1号・別表第4 |
| 0.3m四方 | 指定数量以上を車で運ぶときの、黒地に黄色の「危」の標識(車の前と後ろ) | 政令30条1項2号、規則47条 |
| 0.3〜0.4m四方 | 移動タンク貯蔵所の「危」の標識 | 規則17条2項 |
| 倍数の和が1以上 | 2種類以上を運ぶときも、指定数量以上を運んでいるとみなす | 政令30条2項 |
| 4時間・9時間 | 1人の連続運転が4時間を超える、または1日9時間を超える移送は、運転する人を2人以上にする(第4類の一部などは除く) | 政令30条の2第2号、規則47条の2 |
合格ナビの問題では、混載が3問、運搬容器の収納率と「危」の標識が1問ずつです。
出典:e-Gov 法令検索 危険物の規制に関する政令、危険物の規制に関する規則(2026-10-30 確認)。
この記事で確かめた法令の版:消防法は2025-06-01施行、危険物の規制に関する政令は2026-04-04施行(令和8年政令第115号による改正)、危険物の規制に関する規則は2026-06-30施行の改正のあとの版です。最終確認日:2026-10-30。出典:e-Gov 法令検索 消防法、同 政令、同 規則。
取り違えやすい数字の組:10日前と10日以内など
迷いやすい組は5つで、どれも「何の数字か」を言えれば区別できます。引っ越しの連絡にたとえると、10日前は「引っ越す前に知らせる」、遅滞なくは「終わったらすぐ知らせる」です。
| 似ている組 | 区別のしかた |
|---|---|
| 10日前 と 10日以内 | 10日前は品名・数量・倍数の変更の届出。10日以内は仮貯蔵の期間と、見つけた免状を出す期限 |
| 1年以内・3年以内・1年に1回 | 1年以内は保安講習の1回目(原則)、3年以内は2回目から、1年に1回は定期点検 |
| 3年 と 10年 | 3年は定期点検の記録(原則)。10年は免状の写真と、移動貯蔵タンクの漏れの点検の記録 |
| 10倍・100倍・3,000倍 | 10倍は製造所の予防規程と定期点検、100倍は施設保安員、3,000倍は統括管理者と自衛消防組織 |
| 許可・承認・届出・認可 | 設置と変更は許可、仮使用と仮貯蔵は承認、品名の変更や選任は届出、予防規程は認可 |
許可は消防法11条1項、仮使用の承認は同条5項ただし書、仮貯蔵の承認は10条1項ただし書、予防規程の認可は14条の2第1項です。数字を語呂で覚えたいときは、語呂合わせ集の法令の数字ゴロを使ってください。
数字は「何の数字か」と条文をセットにして、問題で確かめよう
法令の数字は、期限・距離と大きさ・倍数と人・運搬の4つの箱に分けて、条文とセットで覚えましょう。合格ナビの法令150問のうち56問に表の数字が出るので、まず表を白紙に書けるようにしてから問題を解きます。
間違えた数字は、取り違えやすい5つの組の表に戻って、何を決める数字かを自分の言葉で言えるまで確かめましょう。
よくある質問
Q保安距離はどこから測りますか?短くできることはありますか?
政令第9条第1項第1号は、住居などの建築物等から、製造所の外壁又はこれに相当する工作物の外側までの間に距離を保つと定めています。住居・学校など・重要文化財など(同号イ〜ハ)は、不燃材料で造った防火上有効な塀を設けるなどして市町村長等が安全と認めた場合、市町村長等が定めた距離にできます(同号ただし書)。高圧ガスの施設の20mも、耐火構造の塀などの措置を講じた場合は、告示の要件を満たす距離にできます(規則第12条第2項ただし書)。
Q指定数量未満の危険物には、法令の数字は関係ありませんか?
指定数量未満の貯蔵・取扱いの基準は、市町村条例で定めます(消防法第9条の4)。一方、運搬の基準(消防法第16条)は数量で区切られていないので、容器への収納や積み方の決まりは指定数量未満でもかかります。標識と消火設備は、指定数量以上を車で運ぶときの決まりです(政令第30条第1項第2号・第4号)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月30日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。
