危険物乙四

乙4は食いっぱぐれない?消防法で見る「乙4が要る場面」と危険物保安監督者

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

乙4(危険物取扱者 乙種第4類)は食いっぱぐれないのかを、年収や求人の数ではなく消防法の定めと消防庁の統計で検証。立会い・危険物保安監督者が必要な施設・タンクローリーの乗車・保安講習の条文と、全国の危険物施設数の推移、乙4だけでは足りない場面まで整理します。

目次
  1. 乙4が「要る」のは消防法がそう定めているから
  2. 乙4を持つメリットの整理(免状がない人・乙4・甲種の違い)
  3. 乙4などの危険物取扱者が要る施設:製造所等の12区分と全国の施設数
  4. 危険物保安監督者とは(資格・業務・選任の手続き)
  5. 保安講習を受けた危険物取扱者の88%が乙4の免状を持っている(消防庁の統計)
  6. 乙4の需要は?求人数ではなく公的統計で見ると
  7. 乙4だけでは足りない場面
  8. 甲種を取るメリット(乙4との違いと試験)
  9. 乙4は「意味がない」と言われるのはなぜ?(法令と統計で言えること)
  10. 乙4は「すごい」資格?(数字で言えること)
  11. 乙4は受からない人が多い?(合格率と合格基準)
  12. まとめ
結論:乙4(危険物取扱者 乙種第4類)のメリットは、免状がなければできないことを消防法が決めている点にあります。乙4が仕事で求められるのは、そのためです。指定数量以上の危険物を扱う製造所等では、免状のない人は甲種か乙種の危険物取扱者が立ち会わなければ危険物を取り扱えず(第13条第3項)、多くの製造所等は甲種か乙種で6か月以上の実務経験がある人から危険物保安監督者を選ばなければなりません(第13条第1項)。ただし、乙4で扱えるのは第4類(引火性液体)だけで、全国の危険物施設は377,977か所(令和7年3月31日現在)と、平成10年の556,647か所から約3割減っています。「食いっぱぐれない」と言い切れる資格ではなく、この記事では年収や求人の数は扱わず、法令と公的な統計で確かめられることだけを書きます。

この記事の法令は e-Gov 法令検索の現行条文(2026-10-03 時点)、統計は総務省消防庁の消防白書(令和7年版)と一般財団法人 消防試験研究センターの公表だけを使っています。合格ナビの危険物乙4の問題のうち、危険物に関する法令の150問では、問題文か選択肢に(危険物)保安監督者が出てくる問題が21問、立会いが8問、保安講習が5問あります(2026-10-02 集計。いずれも当サイトが出題範囲をもとに作成した論点別問題です)。この記事の論点は、乙4の試験の法令科目でもそのまま問われます。

消防法が危険物取扱者について定める場面定め乙4でできること
製造所等で、免状のない人が危険物を取り扱う消防法第13条第3項(違反は第42条第1項第7号)第4類なら立ち会える(丙種は立ち会えない)
危険物保安監督者を置かなければならない製造所等消防法第13条第1項・危険物の規制に関する政令第31条の26か月以上の実務経験があれば、第4類について選ばれる要件を満たす
タンクローリー(移動タンク貯蔵所)で危険物を運ぶ消防法第16条の2第4類なら乗車できる(免状を携帯)
製造所等で取扱作業に従事する消防法第13条の23(保安講習)講習の受講義務がかかる

出典:消防法、危険物の規制に関する政令(条文は e-Gov 法令検索で確認、2026-10-03 時点の現行条文)

乙4が「要る」のは消防法がそう定めているから

出発点は消防法第10条第1項です。指定数量以上の危険物は、貯蔵所以外の場所で貯蔵したり、製造所・貯蔵所・取扱所(あわせて「製造所等」)以外の場所で取り扱ったりしてはならないとされています(所轄消防長などの承認を受けて10日以内に限って仮に貯蔵・取り扱う場合を除く)。つまり、一定量以上の危険物を使う仕事は製造所等で行われ、その製造所等に次の決まりがかかります。

1つ目は立会いです。第13条第3項は「製造所、貯蔵所及び取扱所においては、危険物取扱者(危険物取扱者免状の交付を受けている者をいう。以下同じ。)以外の者は、甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者が立ち会わなければ、危険物を取り扱つてはならない。」と定めています。立ち会う人は、作業する人が技術上の基準を守るように監督し、必要に応じて指示を与えなければなりません(危険物の規制に関する政令第31条第3項)。乙4が立ち会えるのは、第4類の危険物の取扱いです(危険物の規制に関する規則第49条)。

2つ目は危険物保安監督者で、次の章で詳しく扱います。3つ目は移送で、第16条の2第1項は「移動タンク貯蔵所による危険物の移送は、当該危険物を取り扱うことができる危険物取扱者を乗車させてこれをしなければならない。」とし、乗車中は免状の携帯も求めています(同条第3項)。

タンクローリーに必要な資格・乗車義務・運転免許との違いは、タンクローリーに必要な資格は?|危険物乙4で乗れる範囲・乗車義務・運転免許との違いで整理しています。

立会いと危険物保安監督者の定めには罰則があります。消防法第42条第1項は「六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」の対象として、第6号で「第十三条第一項の規定に違反して危険物保安監督者を定めないで事業を行つた者」、第7号で「第十三条第三項の規定に違反した者」を挙げています。また、保安監督者を置くべき施設で置かない場合、市町村長等は期間を定めて施設の使用停止を命ずることができます(消防法第12条の2第2項第3号)。消防白書(令和7年版)も「危険物施設での危険物の取扱いは、危険物取扱者が自ら行うか、その他の者が取り扱う場合には、甲種又は乙種危険物取扱者の立ち会いの下行わなければならないとされている。」と説明しています。

乙4を持つメリットの整理(免状がない人・乙4・甲種の違い)

乙4のメリットは、年収や求人の数ではなく、消防法が免状の有無でできることを分けている点です。製造所等で次の4つの場面に関わるとき、免状がない人と乙4・甲種の違いは次のとおりです。

できること免状がない人乙4(乙種第4類)甲種根拠
製造所等で危険物を取り扱う甲種か乙種が立ち会わなければ取り扱えない第4類を自分で取り扱えるすべての種類を自分で取り扱える消防法第13条第3項・第13条の2第2項・規則第49条
免状のない人の取扱いに立ち会うできない第4類の取扱作業に立ち会えるすべての種類の取扱作業に立ち会える消防法第13条第3項・規則第49条
危険物保安監督者に選ばれる要件(甲種か乙種)を満たさない6か月以上の実務経験があれば、第4類の取扱作業について選ばれる6か月以上の実務経験があれば、取り扱えるすべての危険物の取扱作業について選ばれる消防法第13条第1項
タンクローリーで危険物を移送する乗車する危険物取扱者になれない第4類の移送に乗車できるすべての種類の移送に乗車できる消防法第16条の2

乙4で扱えるのは第4類(引火性液体)に限られ、これが乙4の範囲の線引きです。この表のように条文で確かめられるのは「免状がなければできないことがある」という点までで、資格手当の有無や就職・転職での有利さは、公的な資料で確認できないためこの記事では扱いません。丙種まで含めた「できること・できないこと」の一覧は危険物取扱者で何ができる?にまとめています。

乙4などの危険物取扱者が要る施設:製造所等の12区分と全国の施設数

製造所等は、製造所・貯蔵所7区分・取扱所4区分に分かれます(危険物の規制に関する政令第2条・第3条)。全国の施設数は、総務省消防庁の消防白書(令和7年版)資料1-2-10 危険物施設数の推移に載っています。

区分施設令和7年3月31日現在
製造所製造所5,010か所
貯蔵所屋内貯蔵所49,444か所
貯蔵所屋外タンク貯蔵所55,606か所
貯蔵所屋内タンク貯蔵所9,224か所
貯蔵所地下タンク貯蔵所70,109か所
貯蔵所簡易タンク貯蔵所878か所
貯蔵所移動タンク貯蔵所(車両に固定されたタンク)63,471か所
貯蔵所屋外貯蔵所9,212か所
取扱所給油取扱所(自動車等の燃料タンクに直接給油する施設)54,843か所
取扱所第一種販売取扱所(指定数量の倍数15以下)910か所
取扱所第二種販売取扱所(倍数15を超え40以下)447か所
取扱所移送取扱所(配管とポンプで移送する施設)1,006か所
取扱所一般取扱所57,817か所
合計377,977か所
全国の危険物施設数:377,977か所(令和7年3月31日現在。平成10年は556,647か所)。最終確認日:2026-10-03。出典:総務省消防庁 消防白書(令和7年版)資料1-2-10 危険物施設数の推移。

同じ資料で平成10年と比べると、施設の合計は556,647か所から377,977か所へ178,670か所(約32%)減り、給油取扱所は90,226か所から54,843か所へ約39%減っています。危険物取扱者の取扱いや立会いが必要になる製造所等は全国に37万か所以上ありますが、この数には第4類以外の危険物だけを扱う施設も含まれ、乙4の人が関われる施設の数そのものではありません。また、合計は平成10年以降、毎年減っています。「乙4の人はこの先もどこでも足りない」といった将来の予想は、この統計からは言えません。

危険物保安監督者とは(資格・業務・選任の手続き)

危険物保安監督者は、製造所等で危険物の取扱作業の保安を監督する人です。消防法第13条第1項は、政令で定める製造所等の所有者・管理者・占有者に対し、「甲種危険物取扱者…又は乙種危険物取扱者…で、六月以上危険物取扱いの実務経験を有するもののうちから危険物保安監督者を定め、…その者が取り扱うことができる危険物の取扱作業に関して保安の監督をさせなければならない。」と定めています。

項目内容根拠
なれる人甲種か乙種の危険物取扱者で、6か月以上の実務経験がある人(丙種はなれない)消防法第13条第1項
実務経験の範囲製造所等での実務経験に限る規則第48条の2
乙4の人が監督できる範囲第4類の危険物の取扱作業消防法第13条第1項・規則第49条
選任・解任の手続き遅滞なく市町村長等に届け出る消防法第13条第2項
主な業務作業が技術上の基準や予防規程に合うよう作業者に指示する、火災などのときに応急の措置を指揮し消防機関などに連絡する、隣接する施設の関係者と連絡を保つ など規則第48条

業務は危険物の規制に関する規則第48条に列挙されています。たとえば第2号は「火災等の災害が発生した場合は、作業者を指揮して応急の措置を講ずるとともに、直ちに消防機関その他関係のある者に連絡すること。」です。保安監督者が法令に違反したときなどは、市町村長等が解任を命ずることができます(消防法第13条の24第1項)。

危険物保安統括管理者・危険物施設保安員との違いや、「危険物取扱者の主任」という呼び方が法令にあるかどうかは危険物取扱者に「主任」はある?で整理しています。

危険物保安監督者が必要な施設(政令第31条の2)

危険物の規制に関する政令第31条の2は、「製造所等のうち次に掲げるもの以外のもの」に保安監督者が必要だと定めています。つまり、除外の列挙に当たらない製造所等はすべて選任が必要です。

施設危険物保安監督者
製造所・屋外タンク貯蔵所・給油取扱所・移送取扱所除外の列挙に無いので、常に必要
屋内貯蔵所・地下タンク貯蔵所必要。ただし指定数量の倍数が30以下で、引火点40度以上の第4類だけを貯蔵・取り扱うものは不要
屋内タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所必要。ただし引火点40度以上の第4類だけを貯蔵・取り扱うものは不要
移動タンク貯蔵所不要(移送には危険物取扱者の乗車が必要。消防法第16条の2)
屋外貯蔵所必要。ただし指定数量の倍数が30以下のものは不要
第一種・第二種販売取扱所必要。ただし引火点40度以上の第4類だけを取り扱うものは不要
一般取扱所必要。ただし指定数量の倍数が30以下で、引火点40度以上の第4類だけを取り扱い、ボイラー・バーナーなどで危険物を消費するもの、または危険物を容器に詰め替えるものは不要

移動タンク貯蔵所と、倍数30以下の屋外貯蔵所を除くと、除外の条件はどれも「引火点40度以上の第4類だけ」を扱う場合に限られています。そのため、この2つ以外の施設で、ガソリンのように引火点が40度未満の危険物や第4類以外の危険物を扱うものは、規模が小さくても除外に当たらず、選任が必要です。

保安講習を受けた危険物取扱者の88%が乙4の免状を持っている(消防庁の統計)

製造所等で危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者は、保安講習を受けなければなりません(消防法第13条の23)。受講者の統計は、実際に製造所等で働いている危険物取扱者がどの免状を持っているかを見る手がかりになります。

免状の種類(令和6年度の保安講習受講者)人数
受講者数184,998人
うち甲種16,182人
うち乙種第1類12,003人
うち乙種第2類13,328人
うち乙種第3類11,650人
うち乙種第4類162,796人
うち乙種第5類13,981人
うち乙種第6類13,319人
うち丙種23,972人

出典:総務省消防庁 消防白書(令和7年版)資料1-2-13 危険物取扱者保安講習受講者数及びその危険物取扱者免状の種類別内訳。同じ資料の種類別の合計(267,231)は受講者数より多く、複数の免状を持つ人はそれぞれの欄に数えられていると読めます。

令和6年度の受講者184,998人のうち、乙4の免状を持つ人は162,796人で、受講者の88.0%でした。製造所等で取扱作業に従事して講習を受けた危険物取扱者の大半が、乙4の免状を持っていたことになります。ただし、これは講習を受けた人の数で、免状を持つ人全体や働いている人全体の数ではありません。消防白書は講習を「原則として3年に1度」受けるものと説明しており、1年度の受講者は現場で働く人の一部です。

受講の時期は危険物の規制に関する規則第58条の14が定めています。

状況受講期限
製造所等で取扱作業に新しく従事する従事することになった日から1年以内
従事する日の前2年以内に免状の交付か講習を受けているその日以後の最初の4月1日から3年以内
講習を受けた後も従事している受講日以後の最初の4月1日から3年以内(以後も同じ)

乙4の需要は?求人数ではなく公的統計で見ると

この記事では求人の数や賃金は扱わず、消防庁とセンターが公表している数字から読み取れる次の3つだけを挙げます。

指標数字時点読み方出典
全国の危険物施設数377,977か所令和7年3月31日現在平成10年の556,647か所から減り続けている。第4類以外だけを扱う施設も含む消防白書 資料1-2-10
保安講習を受けた乙4の免状を持つ人162,796人(受講者の88.0%)令和6年度中製造所等で取扱作業に従事して講習を受けた人の数。免状を持つ人全体ではない消防白書 資料1-2-13
乙4の試験の受験者222,545人令和7年度受験した人の数で、仕事に就いた人の数ではない消防試験研究センター

施設が減っていても、免状の有無で取扱いや立会いを分ける消防法の定め(第13条)は、2026-10-03 時点の現行条文でも変わっていません。この先の需要が増えるか減るかは、これらの数字からは言えません。

乙4だけでは足りない場面

法令で見ると、乙4には次の限界があります。

限界内容根拠
扱えるのは第4類だけ第1・2・3・5・6類の危険物は取り扱えず、立ち会えない規則第49条
保安監督者には実務経験が要る製造所等での6か月以上の実務経験が必要消防法第13条第1項・規則第48条の2
講習を受け続ける義務製造所等で取扱作業に従事している間は、定期的に保安講習を受ける消防法第13条の23・規則第58条の14
違反すると免状を失うことがある法令に違反したとき、都道府県知事は免状の返納を命ずることができる消防法第13条の2第5項
施設の数は減っている全国の危険物施設は平成10年から約32%減少消防白書(令和7年版)資料1-2-10

第4類以外の危険物も扱う職場や、全類の保安監督を担う立場を目指すなら、他の類の乙種や甲種が必要です。乙4を持っている人は、他の類の乙種を性質消火の10問・35分で受けられます(センター試験科目及び問題数)。また、乙種の免状を「第1類又は第6類」「第2類又は第4類」「第3類」「第5類」の4種類以上そろえると、甲種の受験資格になります(センター受験資格)。どの4種類でもよいわけではなく、乙4を持つ人は第1類か第6類・第3類・第5類を足す必要があります。詳しくは甲種危険物取扱者の受験資格と乙1〜乙6の違いで整理しています。

甲種を取るメリット(乙4との違いと試験)

甲種と乙4の違いは、取り扱える危険物の範囲と、試験の入り口にあります。

項目乙4(乙種第4類)甲種根拠
取り扱える・立ち会える危険物第4類すべての種類規則第49条
受験資格なし(誰でも受験できる)一定の資格が必要センター 受験資格
試験科目の免除他の類を受けるとき、乙種免状があれば一部免除なしセンター よくある質問 Q16
令和7年度の合格率31.9%34.0%センター 試験実施状況
甲種危険物取扱者試験 令和7年度の全国合格率:34.0%(受験者20,296人・合格者6,900人)。最終確認日:2026-10-03。出典:消防試験研究センター 試験実施状況(令和7年度)。

消防試験研究センターは、甲種と乙種全類の違いを次のように説明しています(よくある質問 Q2)。「乙種全類の免状取得者は、甲種免状取得者と同様に、すべての危険物を取り扱うことができますが、危険物保安監督者の資格要件に違いがあります。したがって、乙種の全類を取得しても甲種に切り替わることはなく、甲種は別に受験しないと免状取得できません。」資格要件の違いの中身は、この記事では書きません。

甲種の受験資格は、大学等で化学に関する学科を卒業した人、化学の授業科目を15単位以上修得した人、乙種免状を持ち実務経験が2年以上ある人、乙種免状を4種類以上持つ人などです。乙4の人がどこから進むかは、前の章の最後と甲種危険物取扱者の受験資格と乙1〜乙6の違い、他の類の試験の免除は乙4と他の乙種の併願・免除の整理で整理しています。「甲種を取ると収入が上がる」といった話は、公的な資料で確かめられないため扱いません。

乙4は「意味がない」と言われるのはなぜ?(法令と統計で言えること)

乙4が「意味がない」と言われる理由を、公式の資料で確かめられる範囲に絞って整理します。

よく言われる理由公式の資料で確認できること
免状がなくても働ける仕事があるセンターは、免状が必要なのは「指定数量以上を貯蔵し又は取扱う施設(製造所等)において使用する場合」と説明している(よくある質問 Q1)。免状が要る場面は消防法第13条が決めている
持っている人が多く珍しくない制度発足以来の危険物取扱者試験の合格者総数は、令和7年3月31日現在1,040万6,300人(消防白書)。この数が実人数かのべ人数かは書かれておらず、免状を持つ人の数としては読めない
乙4だけでは第4類しか扱えない規則第49条のとおり(前の章の表)
取っただけでは保安監督者になれない製造所等での6か月以上の実務経験が要る(消防法第13条第1項・規則第48条の2)
施設が減っている平成10年から約32%減(消防白書 資料1-2-10)
危険物取扱者試験の合格者総数・累計:1,040万6,300人(令和7年3月31日現在)。最終確認日:2026-10-03。出典:総務省消防庁 消防白書(令和7年版)。

どの理由も、消防法の定めがなくなったという話ではありません。「意味があるかどうか」は、働く場所で免状が求められているか(立会い・保安監督者・移送に関わるか)と、扱う危険物が第4類かで決まります。志望する職場が第4類を扱うのか、保安監督者の選任を前提にしているのかは、求人票や職場に確かめるのが確実です。

乙4は「すごい」資格?(数字で言えること)

「すごい」かどうかは評価の問題で、公式の資料に答えはありません。数字で言えるのは次の2点です。

令和7年度の試験(全国)受験者合格率
乙4222,545人31.9%
乙種の他の類(乙1・乙2・乙3・乙5・乙6)7,931人〜10,972人62.1%〜67.6%
甲種20,296人34.0%
丙種19,969人48.0%

出典:消防試験研究センター 試験実施状況(令和7年度)

  • 乙4は乙種の受験者270,965人の82.1%を占め、受験者が最も多い類です
  • 乙4の合格率31.9%は、甲種・乙種・丙種の中で最も低い値です(令和7年度)

受験者が多く合格率が低いことは、難しさを示すかもしれませんが、確認できたセンターの公表資料に、その理由は書かれていません。合格率の10年の推移と、難しくなったのかという疑問は危険物の難易度・合格率で扱っています。

乙4は受からない人が多い?(合格率と合格基準)

危険物乙4 令和7年度の全国合格率:31.9%(受験者222,545人・合格者71,059人、令和7年4月〜令和8年3月の合計)。最終確認日:2026-10-03。出典:消防試験研究センター 試験実施状況(令和7年度)。

令和7年度の乙4の合格率は31.9%で、受験した人のおよそ3人に2人が不合格でした。合格には、法令15問中9問・物理化学10問中6問・性質消火10問中6問と、3科目それぞれで60%以上が必要です(危険物の規制に関する規則第55条の2、センター試験科目及び問題数・試験の方法)。合格率の推移と難しさの理由は危険物の難易度・合格率、科目ごとの対策は危険物乙4で覚えること(足切りと優先順位)で扱っています。

まとめ

  • 乙4が仕事で求められるのは、製造所等での立会い(消防法第13条第3項)・危険物保安監督者(第13条第1項)・タンクローリーの乗車(第16条の2)を消防法が定めているから。立会いと保安監督者の定めには罰則(第42条第1項第6号・第7号)があり、保安監督者を置かないと使用停止命令の対象にもなる
  • 危険物保安監督者は、甲種か乙種で製造所等の実務経験6か月以上の人から選ぶ。製造所・屋外タンク貯蔵所・給油取扱所・移送取扱所は常に必要(政令第31条の2)
  • 全国の危険物施設は377,977か所(令和7年3月31日現在)。平成10年から約32%減っている
  • 令和6年度の保安講習の受講者184,998人のうち88.0%が乙4の免状を持っていた
  • 乙4のメリットは、免状がなければできないこと(立会い・保安監督者・移送の乗車)を消防法が決めている点。取扱いの範囲は第4類まで
  • 甲種は全類を扱え、受験資格が必要で試験科目の免除はない。令和7年度の合格率は乙4が31.9%、甲種が34.0%
  • 「意味がない」「すごい」「需要」は、法令と公式の統計で言える範囲だけを書いた。年収・時給・求人数は一次資料で確かめられないため、この記事では扱っていない

関連記事:危険物乙4とは/甲種危険物取扱者の受験資格と乙1〜乙6の違い/危険物の難易度・合格率

本サイトは総務省消防庁・一般財団法人 消防試験研究センターとは関係ありません。掲載している問題は、合格ナビが出題範囲をもとに作成した論点別問題です。個別の施設で保安監督者や立会いが必要かどうかは、施設の保安担当者や所轄の消防機関に確認してください。

よくある質問

Q乙4に合格すれば、すぐに危険物保安監督者になれますか?

すぐにはなれません。消防法第13条第1項は、甲種か乙種の危険物取扱者で、6か月以上危険物取扱いの実務経験を有する人から危険物保安監督者を選ぶと定めています。実務経験は製造所等での経験に限られます(危険物の規制に関する規則第48条の2)。乙4の人が監督できるのは、第4類の危険物の取扱作業です。

Q丙種と乙4では、ガソリンスタンドなどの製造所等でできることはどう違いますか?

丙種はガソリン・灯油・軽油・第三石油類(重油・潤滑油・引火点130度以上のもの)・第四石油類・動植物油類を自分で取り扱えますが、免状のない人の取扱いに立ち会うことと、危険物保安監督者になることはできません。立会いは甲種か乙種(消防法第13条第3項)、保安監督者は甲種か乙種で6か月以上の実務経験がある人(同条第1項)に限られます。

Q危険物の保安講習は、いつ受ければよいですか?

製造所等で危険物の取扱作業に従事することになった日から1年以内に受け、その後は講習を受けた日以後の最初の4月1日から3年以内ごとに受けます。従事する日の前2年以内に免状の交付か講習を受けている場合は、その日以後の最初の4月1日から3年以内でよいとされています(危険物の規制に関する規則第58条の14)。製造所等で取扱作業に従事していない人には、この受講義務はかかりません。

Qタンクローリーで危険物を運ぶには、乙4が必要ですか?

運ぶ危険物を取り扱える免状を持つ人の乗車が必要です。消防法第16条の2は、移動タンク貯蔵所による移送は、その危険物を取り扱うことができる危険物取扱者を乗車させて行うこと、乗車中は免状を携帯することを定めています。第4類なら甲種か乙4の免状で足ります。丙種は、規則第49条に挙げられた品目(ガソリン・灯油・軽油など)に限られます。

Q乙4を持つメリットは何ですか?

消防法が、免状の有無でできることを分けている点です。製造所等で免状のない人が危険物を取り扱うには甲種か乙種の立会いが要り(第13条第3項)、保安監督者は甲種か乙種で6か月以上の実務経験がある人から選ばれ(同条第1項)、タンクローリーには取り扱える危険物取扱者の乗車が要ります(第16条の2)。乙4で扱えるのは第4類だけです。年収や時給への影響は、公的な資料では確認できないため扱っていません。

Q甲種を取ると、乙4と何が変わりますか?

取り扱える危険物が、第4類から全類に広がります(危険物の規制に関する規則第49条)。消防試験研究センターは、乙種全類の免状を持つ人も甲種と同じようにすべての危険物を取り扱えるが、危険物保安監督者の資格要件に違いがあり、乙種全類を取っても甲種に切り替わらないと説明しています。甲種の試験には受験資格が必要で、試験科目の免除はありません。

この資格の問題を解く危険物乙四 科目別問題集
解いてみる

法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

合格ナビ 編集長・運営者

危険物乙四の出題範囲・法令・公式の統計を参照して書いています。プロフィール・編集方針