ストレングスモデル(ラップとゴスチャ)の6原則と成り立ち、リカバリー概念(ディーガン、アンソニー、CHIME、SAMHSA の定義)を、原著者の論文・査読論文・SAMHSA の公的文書から整理します。精神保健福祉士試験の出題基準での位置づけ(精神保健福祉の原理・精神障害リハビリテーション論・ソーシャルワークの理論と方法(専門))も、出典つきで解説します。
目次
結論:ストレングスモデルは、1980年代にカンザス大学で、ラップらがケースマネジメントの方法として作ったモデルで、欠陥ではなく個人の強みと地域の資源に焦点を当てます。リカバリーは、症状が消えることではなく、病気による制限があっても、自分の態度や目標、役割を変えていく個人的なプロセスを指す概念で、アンソニー(1993年)の定義が複数の論文に引用されています。試験では、出題基準の精神保健福祉の原理に「ストレングス」「リカバリー」が、精神障害リハビリテーション論に「リカバリー概念」「ストレングスモデル」が、ソーシャルワークの理論と方法(専門)に「ストレングスモデルに基づくケアマネジメント」が載っています。
この記事は、ストレングスモデルの原著者(ラップとサリバン)の論文、査読つきの学術論文、アメリカの政府機関 SAMHSA の公的文書、社会福祉振興・試験センター(以下「センター」)の出題基準だけをもとに整理したものです。民間サイトや市販テキストの解説は使っていません。人名・年・原則の文言は、出典に挙げた文献の記載にもとづいています。原典を直接引いていない部分は、どの文献の記載によるかを本文に書いています。ストレングスモデルの原則や定義は、文献によって表現が異なるため、試験対策では手元のテキストの表記も確認してください。精神保健福祉士の仕事は精神保健福祉士とは、ピアサポートはピアサポートの記事、危機のときの計画はクライシスプランの記事で扱っています。合格ナビはセンターとも厚生労働省とも関係のない民間のサイトです。
ストレングスモデルとは:カンザス大学で生まれたケースマネジメントのモデル
ストレングスモデルの成り立ちは、原著者の一人であるラップ(Charles A. Rapp)とサリバン(W. Patrick Sullivan)が、2014年の論文「ストレングスモデル:誕生から幼児期へ(The Strengths Model: Birth to Toddlerhood)」に書いています(Rapp・Sullivan 2014、Advances in Social Work 15巻1号)。要点は次のとおりです。
- 1982年に、カンザス大学ソーシャルワーク学部が、州の精神保健当局の助成を受け、ケースマネジメントのモデルを開発する取り組みを始めた
- 当時の多くのモデルは、ケースマネジャーを、サービスへの橋渡し役(ブローカー)と位置づけ、本人の成功への期待が低く、維持と保護が中心だった、と論文は説明している
- ラップと、州立精神科病院のソーシャルワーカーとして強みの視点を試みていた Ronna Chamberlain が、利用者が挙げる目標から逆算して、望ましい成果を整理した。目標には、就労などの活動、自立した生活、余暇を含む社会的な支え、といった実生活の領域が含まれた
- 初期は「資源獲得モデル(Resource Acquisition model)」と呼ばれ、原則を書いたプリント、個人と環境の強みを見つける新しい道具、目標を記録する簡単な書式で始まった。初期のプロジェクトでは、先入観を避けるため、ケースマネジャーには利用者の診断名を知らせなかった
- 1980年代なかばには、カンザス州が、すべてのケースマネジャーにこのモデルの研修を受けさせることを求めるようになった
その後の経過も、同じ論文に書かれています。1989年に、Weick、Rapp、Sullivan、Kisthardt が、雑誌 Social Work に論文「ソーシャルワーク実践のためのストレングス視点(A strengths perspective for social work practice)」を発表し、論文はこれを、現在ストレングスモデルとして知られるものの最初の表明としています。1992年には、Dennis Saleebey 編の本が出て、1998年に、ラップの本が、このモデルの最初の実践テキストとして出ました。
ラップとゴスチャ(R. J. Goscha)の本は、別の論文の文献一覧によれば、2006年版と2012年版(オックスフォード大学出版)があります(Tse ら 2021、BMC Psychiatry 21巻)。人名のカタカナ表記は、文献によって異なることがあります。
6原則:文献によって、並びと表現が異なる
ストレングスモデルは、6つの原則を土台にすると説明されます。原著者の2014年の論文の記載と、2012年のラップとゴスチャの本を引用した2022年の論文の記載を、並べてみます。日本語は、この記事の筆者による訳です。右の列は、本そのものではなく、本を引用した論文の書き方です。
| 順 | ラップとサリバン(2014年)が挙げる、モデルの出発点となった6原則 | Roebuck ら(2022年)が、ラップとゴスチャ(2012年)を引用して挙げる6原則 |
|---|---|---|
| 1 | 精神障害のある人は、学び、成長し、変化することができる | 病理や欠陥ではなく、個人の強みに焦点を当てる |
| 2 | 焦点は、欠陥ではなく個人の強みにある | 地域は、資源のオアシスとみなされる |
| 3 | 地域は、資源のオアシスとみなされる | 介入は、クライエントの自己決定に基づく |
| 4 | クライエントが、援助過程の指揮者である | ケースマネジャーとクライエントの関係が、第一で本質的である |
| 5 | ワーカーとクライエントの関係が、第一で本質的である | 仕事の主な場は、事務所ではなく地域である |
| 6 | 仕事の主な場は、地域である | 人は、回復し、自分の生活を取り戻し、変えていくことができる |
(Rapp・Sullivan 2014、Roebuck ら 2022、Community Mental Health Journal 58巻)
Tse ら(2021年)の論文は、6原則を、「欠陥ではなく強みに焦点」「学び、成長し、変化できる」「地域は資源のオアシス」「利用者が援助過程を指揮する」「ワーカーと利用者の関係が不可欠」「介入の主な場は地域」と書いており、1番目と2番目の順番が入れ替わっているほかは、ラップとサリバンの2014年の記載と同じ内容です。
どの並びでも共通しているのは、次の5点です。
- 欠陥・病理ではなく、強みに焦点を当てる
- 地域を、資源のオアシスとみなす
- 援助の方向は、本人が決める(本人が指揮する、自己決定)
- 援助者と本人の関係が、第一で本質的である
- 仕事の主な場は、事務所ではなく地域である
違うのは、本人の可能性についての原則の書き方と位置です。ラップとサリバン(2014年)と Tse ら(2021年)は「学び、成長し、変化することができる」、Roebuck ら(2022年)は「回復し、自分の生活を取り戻し、変えていくことができる」と書いています。
出題基準は、精神障害リハビリテーション論などに「ストレングスモデル」を小項目の例示として挙げていますが、6原則の文言や並びの記載はありません(2026-10-11 時点)。6つの考え方の中身を押さえておけば、文言が文献ごとに違っていても、どの原則のことかを見分けやすくなります。
実践の道具と、ほかのモデルとの違い
Roebuck らの論文は、ストレングスモデルの原則を実践に移す道具として、「ストレングス・アセスメント」「個人のリカバリー計画(目標のワークシート)」「構造化されたグループ・スーパービジョン」「個別のスーパービジョン」を挙げています。ストレングス・アセスメントは、本人の個人的な特性、目標、具体的な技能や才能、環境の資源を見つけるために使われ、個人のリカバリー計画では、本人とケースマネジャーが、目標を小さく具体的な段階に分けます。
ラップとサリバンは、ストレングス・アセスメントで見つけた内容と、実際の個人の計画(ケースプランなど)のつながりを明確にすることが、このモデルの難しい技能の一つだと述べています。
Tse らの論文は、先行研究(Vanderplasschen ら)の比較として、ストレングスモデルの特徴を、強みとエンパワメントのアプローチにあり、包括型地域生活支援(ACT)や集中型ケースマネジメントの「包括的アプローチ」とは異なる、と紹介しています。出題基準でも、ソーシャルワークの理論と方法(専門)の「ケアマネジメントの実際」の小項目(例示)に、包括型地域生活支援(ACT)、ストレングスモデルに基づくケアマネジメント、障害者総合支援法におけるケアマネジメント等が並んでいます。相談支援の実際は相談支援専門員の記事で扱っています。
リカバリー概念:臨床的な回復と、個人的なプロセス
リカバリーは、症状が減ることを指す臨床的リカバリーと区別して、「パーソナルリカバリー(個人的なリカバリー)」として説明されることがあります。2026年の研究論文(Schizophrenia Research: Cognition 誌)は、パーソナルリカバリーを、臨床的リカバリー(症状の軽減)と対比して、本人中心の見方だと述べています。
ディーガンとアンソニー
2025年のFrontiers in Psychiatry 誌の論説は、リカバリーの理解が、過去40年ほどで、臨床中心のモデルから人中心のアプローチへ大きく変わったと述べ、その例として、統合失調症の経験をもつ研究者・心理学者のパトリシア・ディーガン(Patricia Deegan)を挙げています。論説によれば、ディーガンは、リカバリーとは、自分がなるべき固有でかけがえのない人間になっていくことであり、そのうえで、地域のなかで暮らし、働き、愛し、重要な貢献をすることだと述べました。論説が文献一覧に挙げているディーガンの論文は、「Recovery: The lived experience of rehabilitation」(1988年、Psychosocial Rehabilitation Journal 11巻4号11-19頁)です。同じ論説は、ウィリアム・アンソニー(William Anthony)が1993年にパーソナルリカバリーの概念を提示した、と述べています(論説 2025)。
アンソニーの論文は、「Recovery from mental illness: The guiding vision of the mental health service system in the 1990s」(Psychosocial Rehabilitation Journal 16巻4号11-23頁、1993年)です。以下の定義は、原論文ではなく、それを引用している論文の記載によります。リカバリーは、態度・価値観・感情・目標・技能・役割を変えていく、深く個人的で固有のプロセスであり、病気による制限があっても、満足でき、希望があり、貢献できる生き方をすることだ、という内容です(引用している論文の例:日本とイングランドのリカバリーカレッジの比較研究 2025、BJPsych Bulletin 2026)。BJPsych Bulletin の論文は、アンソニーの定義の続きとして、リカバリーは、精神疾患の破局的な影響を乗り越えて成長するなかで、人生の新しい意味と目的を見いだしていくことを含む、という文も引用しています。
試験の勉強では、ディーガンは「当事者として、地域で暮らし・働き・愛し・貢献することとしてリカバリーを語った人」、アンソニーは「パーソナルリカバリーの定義(態度や役割を変えていく個人的なプロセス、病気の制限があっても満足でき希望のある生き方)を示した人」と、人名と中身を結びつけて整理しておくと、選択肢を見分けやすくなります。
CHIME:リカバリーの5つのプロセス
Leamy ら(2011年)は、個人的なリカバリーについて書かれた97本の論文を系統的に整理し、リカバリーの旅の13の特徴と、5つのリカバリー・プロセスを示しました。5つのプロセスの頭文字をとって、CHIME と呼ばれています(Leamy ら 2011、British Journal of Psychiatry 199巻6号445-452頁)。
- Connectedness(つながり)
- Hope and optimism about the future(将来への希望と楽観)
- Identity(アイデンティティ)
- Meaning in life(人生の意味)
- Empowerment(エンパワメント)
SAMHSA の定義と10の指針
アメリカの政府機関 SAMHSA の文書「SAMHSA's Working Definition of Recovery」(2012年初版)は、回復(リカバリー)を、「個人が自分の健康とウェルネスを高め、自ら方向づけた生活を送り、持てる力を最大限に伸ばそうと努める、変化の過程」と定義しています(日本語は筆者の訳)。そして、回復を支える4つの領域として、健康(Health)、住まい(Home)、目的(Purpose)、地域(Community)を挙げています。
10の指針の名称は、希望(Hope)、本人主導(Person-Driven)、多様な道筋(Many Pathways)、全人的(Holistic)、ピアによる支え(Peer Support)、関係性(Relational)、文化(Culture)、トラウマへの対応(Addresses Trauma)、強み・責任(Strengths/Responsibility)、尊重(Respect)です。このうち「多様な道筋」の説明は、回復は直線的ではなく、後戻りが起こりうる、と書いています(SAMHSA 2012)。
ラップとサリバンの2014年の論文は、リカバリーの動きが、ストレングスモデルを、少数派の考えから主流の考えへと動かした、と述べ、SAMHSA の2006年のリカバリーに関する合意声明が、10の本質的な構成要素の一つに「ストレングスに基づく(strengths-based)」を含めていたことを紹介しています。
試験の専門科目との関係(出題基準)
ストレングスやリカバリーに関係する項目は、センターの科目別出題基準では、複数の科目に分かれて載っています。
出題基準でのストレングス・リカバリーの位置:精神保健福祉の原理の大項目5「「精神保健福祉士」の資格化の経緯と精神保健福祉の原理と理念」、中項目3)「観点・視点」の小項目(例示)に、「人と環境の相互作用」「生活者」「エンパワメント」「ストレングス」「リカバリー」「レジリエンス」「アンチスティグマ」。精神障害リハビリテーション論の大項目1「精神障害リハビリテーションの理念、定義、基本原則」、中項目5)「地域及びリカバリー概念を基盤としたリハビリテーションの意義」の小項目(例示)に、「リカバリー概念」「ストレングスモデル」「地域を基盤とした精神障害リハビリテーションの意義」。ソーシャルワークの理論と方法(専門)の大項目2、中項目7)「支援の展開(ケアマネジメント)」の小項目(例示)に、「ストレングスモデルに基づくケアマネジメント」を含む「ケアマネジメントの実際」。最終確認日:2026-10-11。出典:試験センター 精神保健福祉士国家試験 出題基準(科目別出題基準、印刷ページ92・94・98)。
科目ごとの位置づけを整理します。
- 精神保健福祉の原理:ストレングスやリカバリーを、「観点・視点」、つまり援助の見方として学ぶ位置です。同じ大項目の「原理・価値」には、「自己決定」「当事者主体」も載っています。倫理は倫理綱領の記事で扱っています
- 精神障害リハビリテーション論:リハビリテーションの意義として、リカバリー概念とストレングスモデルが載っています。同じ科目の社会リハビリテーションプログラムの小項目には、「WRAP」もあります(クライシスプランの記事)
- ソーシャルワークの理論と方法(専門):ケアマネジメントの方法として、ストレングスモデルに基づくケアマネジメントが載っています。同じ科目の「支援の展開」には、「エンパワメントアプローチの展開」「ナラティブアプローチの展開」もあります。家族支援の方法には、「家族のリカバリー」があります
センターは、出題基準について、「出題基準は、あくまでも標準的な出題範囲の例示であって、出題範囲を厳密に限定するものではなく、また、作問方法や表現等を拘束するものではない。」と説明しています。
当サイトに載せている第26〜28回の専門科目176問のうち、問題文(事例文を含む)・選択肢に「リカバリー」を含む問は7問です(第26回4問、第27回1問、第28回2問。2026-10-11 時点)。内訳は、第26回が旧カリキュラムの科目名で「精神保健福祉相談援助の基盤」3問(問30〜32は同じ事例文を共有)と「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」1問、第27回が精神障害リハビリテーション論1問、第28回が精神保健福祉の原理1問と精神障害リハビリテーション論1問です。「ストレングス」を含む問はありません。人名では、「アンソニー」を含む問が第27回の精神障害リハビリテーション論に1問、「ディーガン」を含む問が第28回の精神保健福祉の原理に1問、「ラップ」を含む問が第26回の「精神保健福祉相談援助の基盤」に1問あります。この数字は、当サイトに載せた176問の範囲のもので、試験全体の傾向を示すものではなく、今後の出題を予想するものでもありません。
学習するときの整理の仕方
- ストレングスモデルは、「視点」(精神保健福祉の原理)と、「方法」(ケアマネジメント)の両方に出てくる言葉です。どの科目の話かを意識して読むと、整理しやすくなります
- 人名・年・文言を学ぶときは、手元のテキストの表記を基準にします。この記事の6原則の表のとおり、文献によって並びや表現が異なります
- リカバリーは、症状の消失を指す言葉ではなく、個人的なプロセスを指す概念として、定義の文を読んでおきます
まとめ・次にやること
- ストレングスモデルは、1982年にカンザス大学のソーシャルワーク学部で始まったケースマネジメントのモデルで、欠陥ではなく強みと地域の資源に焦点を当てる。6原則の中身(強み・地域の資源・本人の決定・援助関係・地域での実践・本人の成長や回復の可能性)は共通し、並びと表現は文献によって異なる
- リカバリーは、症状の軽減(臨床的リカバリー)と区別して、態度・価値観・目標・役割を変えていく個人的なプロセス(パーソナルリカバリー)として説明される。アンソニー(1993年)、CHIME(Leamy ら、2011年)、SAMHSA の定義(2012年)が、この記事の出典
- ディーガンは、統合失調症の経験をもつ心理学者として、地域のなかで暮らし、働き、愛し、重要な貢献をすることとしてリカバリーを語った(2025年の論説による)
- 出題基準では、精神保健福祉の原理、精神障害リハビリテーション論、ソーシャルワークの理論と方法(専門)に、ストレングスやリカバリーが載っている
- 回復は直線的ではなく、後戻りが起こりうる、と SAMHSA の文書は書いている
次にやることは、①専門科目の出題範囲で、精神保健福祉の原理・精神障害リハビリテーション論の項目を確認する、②当事者による支えをピアサポートの記事で整理する、③ケアマネジメントの実際を相談支援専門員の記事と障害者総合支援法の記事で押さえる、の3つです。
本サイトは社会福祉振興・試験センター・厚生労働省・SAMHSAとは関係ありません。学説や定義は、文献や版によって表現が異なることがあるため、手元のテキストと原典もあわせて確認してください。出題基準の記載は、センターの科目別出題基準(2026年10月11日に確認した版)にもとづきます。
よくある質問
Qストレングスモデルの6原則は、どの文献でも同じ文言ですか?
並びと表現は、文献によって違います。原著者のラップとサリバンの2014年の論文は、モデルの出発点となった6原則として、「精神障害のある人は学び、成長し、変化することができる」「焦点は欠陥ではなく個人の強み」「地域は資源のオアシス」「クライエントが援助過程の指揮者」「ワーカーとクライエントの関係が第一で本質的」「仕事の主な場は地域」を挙げています。ラップとゴスチャの2012年の本を引用した2022年の論文(Roebuck ら)は、「人は回復し、自分の生活を取り戻し、変えていくことができる」を6つ目に置き、「援助過程の指揮者」にあたる原則を「介入はクライエントの自己決定に基づく」と書いています。この違いが本の改訂によるものか、引用した論文の言い換えによるものかは、この記事の出典からは分かりません。中身はどちらも、強み・地域の資源・本人の決定・援助関係・地域での実践・本人の成長や回復の可能性の6つです。出題基準は「ストレングスモデル」を小項目の例示に挙げているだけで、6原則の文言の記載はありません(2026-10-11 時点)。
Qリカバリーとは、病気が治ることですか?
この記事が出典に挙げた論文では、症状が減ることを指す臨床的リカバリーと区別して、個人的なプロセスを指すパーソナルリカバリーが説明されています。アンソニー(1993年)の定義として論文に引用されているのは、態度・価値観・感情・目標・技能・役割を変えていく、深く個人的で固有のプロセスで、病気による制限があっても、満足でき、希望があり、貢献できる生き方をすることだ、という内容です。SAMHSA(アメリカの政府機関)の定義も、健康とウェルネスを高め、自ら方向づけた生活を送り、持てる力を伸ばそうとする変化の過程としており、病気が治ることとは書いていません。
Q精神保健福祉士の出題基準では、ストレングスとリカバリーはどの科目に載っていますか?
試験センターの科目別出題基準では、精神保健福祉の原理の「観点・視点」の小項目(例示)に、「エンパワメント」「ストレングス」「リカバリー」「レジリエンス」「アンチスティグマ」が載っています。精神障害リハビリテーション論には、「地域及びリカバリー概念を基盤としたリハビリテーションの意義」の小項目(例示)として、「リカバリー概念」「ストレングスモデル」があります。ソーシャルワークの理論と方法(専門)には、「ストレングスモデルに基づくケアマネジメント」があります。出題基準は標準的な出題範囲の例示とされており、範囲を厳密に限定するものではありません。
Qストレングスモデルは、誰が、いつ作ったのですか?
原著者のラップらの2014年の論文によれば、1982年に、カンザス大学ソーシャルワーク学部(School of Social Welfare)が、州の精神保健当局の助成を受けてケースマネジメントのモデルを開発する取り組みを始め、ラップと Ronna Chamberlain が、利用者が挙げる目標から逆算して、初期のモデルづくりを進めました。この論文は、1989年の論文「ソーシャルワーク実践のためのストレングス視点」(Weick ら)を、後にストレングスモデルと呼ばれるようになったものの最初の表明としています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月11日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

