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精神障害者保健福祉手帳とは?法第45条・等級1〜3級・有効期間2年・申請先・受けられる支援を整理精神保健福祉士の専門科目

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

精神障害者保健福祉手帳の根拠(精神保健福祉法 第45条)、障害等級1級・2級・3級の定め(施行令 第6条)、有効期間2年と更新、申請先と書類、手帳で受けられる支援(国の制度と自治体・事業者ごとの違い)、自立支援医療との違いを、e-Gov 法令検索の条文と厚生労働省の公式ページで整理します。精神保健福祉制度論との関係も扱います。

目次
  1. 精神障害者保健福祉手帳とは:法第45条の定めと目的
  2. 障害等級1級・2級・3級:施行令 第6条と判定の考え方
  3. 申請の流れと書類:申請先は市町村の窓口を経由して都道府県知事へ
  4. 有効期間2年・更新・等級の変更・返還
  5. 手帳で受けられる支援:国の制度と、自治体・事業者ごとの違い
  6. 自立支援医療(精神通院医療)との違い
  7. 精神保健福祉制度論の学習での位置づけ
  8. 専門科目の問題を解くときに確認すること
  9. まとめ
結論:精神障害者保健福祉手帳は、精神保健福祉法 第45条が定める手帳で、一定の精神障害の状態にあることを都道府県知事が認定して交付します。障害等級は重度のものから1級・2級・3級の3つ(施行令 第6条第3項)。有効期間は2年で、2年ごとに認定を受け直します(法第45条第4項)。申請は居住地の市町村の窓口を経由して、都道府県知事(指定都市は指定都市の長)に対して行い、診断書は初診から6か月を経過した日以後のものに限られます。手帳で受けられる支援には、税の障害者控除や障害者雇用の対象になることなど国の制度によるものと、自治体・事業者が独自に定めるものがあります。自立支援医療は別の制度です。

条文は e-Gov 法令検索で確認(2026年10月11日時点の現行条文)しています。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(e-Gov法令検索)、同法施行令、同法施行規則

現行の版:e-Gov 法令検索の現行版は、精神保健福祉法が2026年10月1日施行の版(令和7年法律第87号による改正)、施行令が2026年3月1日施行の版、施行規則が2026年3月31日施行の版です。この記事で扱う手帳の条文(法第45条・第45条の2、施行令第5条〜第10条の2、施行規則第23条・第25条・第28条)は、これらの版の文言にもとづきます。自立支援医療の条文(障害者総合支援法 第5条第25項、同法施行令 第1条の2第3号、同法施行規則 第6条の19・第35条・第43条)は、法と施行令が2026年10月1日施行の版、施行規則が2026年5月20日施行の版によります。最終確認日:2026-10-11。出典:e-Gov法令検索 精神保健福祉法、同施行令、同施行規則、障害者総合支援法施行令、同法施行規則。

精神障害者保健福祉手帳とは:法第45条の定めと目的

法第45条第1項は、精神障害者(知的障害者を除く)が、厚生労働省令で定める書類を添えて、居住地(居住地を有しないときは現在地)の都道府県知事に手帳の交付を申請できると定めています。第2項は、知事が申請に基づいて審査し、申請者が政令で定める精神障害の状態にあると認めたときは、手帳を交付しなければならないと定めています。第3項は、その状態にないと認めたときは、理由を付して通知しなければならないとしています。

厚生労働省の「障害者手帳について」のページは、精神障害者保健福祉手帳を「一定程度の精神障害の状態にあることを認定するもの」と説明しています。手帳を持っている人には様々な支援策が講じられ、その目的は精神障害者の自立と社会参加の促進を図ることだ、とされています。同省の実施要領(平成7年9月12日健医発第1132号、令和7年10月29日の一部改正まで反映)の第1も、手帳を、一定の精神障害の状態にあることを認定して交付することにより、各方面の協力で各種の支援策が講じられることを促進し、精神障害者の社会復帰の促進と自立と社会参加の促進を図ることを目的とする、と書いています。

厚生労働省のページは、障害者手帳を、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種の手帳の総称としています。制度の根拠は手帳ごとに違います。

手帳根拠・認定の仕組み(厚生労働省のページの説明)更新
身体障害者手帳身体障害者福祉法にもとづき、都道府県・指定都市・中核市が認定・交付する原則、更新はない(変化が予想される場合は再認定のことがある)
療育手帳児童相談所または知的障害者更生相談所で知的障害と判定された人に交付。判定基準などの運用は自治体ごとに定める厚生労働省の「障害者手帳について」のページには更新の記載がありません(2026-10-11 時点)
精神障害者保健福祉手帳精神保健福祉法 第45条にもとづき、都道府県知事(指定都市は指定都市の長)が認定・交付する2年ごとに認定を受ける(法第45条第4項)

同じページは、いずれの手帳をお持ちの場合でも障害者総合支援法の対象となる、とも書いています。なお、障害者総合支援法の「障害者」の定義(第4条第1項)は、精神障害者を精神保健福祉法 第5条第1項に規定する精神障害者としており、手帳の所持を条件にしていません。精神保健福祉法そのものの全体像は、精神保健福祉法の記事で整理しています。

障害等級1級・2級・3級:施行令 第6条と判定の考え方

法第45条第2項の「政令で定める精神障害の状態」は、施行令第6条が定めています。手帳には障害等級を記載し、障害等級は障害の程度に応じて重度のものから一級・二級・三級です(第6条第2項・第3項)。各級の状態は、次のとおりです。

障害等級精神障害の状態(施行令 第6条第3項の表)
1級日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

等級の決め方について、厚生労働省の実施要領は、精神疾患(機能障害)の状態と、それに伴う生活能力障害の状態の両面から総合的に判定するとし、基準は別に通知するとしています。その通知(精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について、平成7年9月12日健医発第1133号)は、判定が、(1)精神疾患の存在の確認、(2)精神疾患(機能障害)の状態の確認、(3)能力障害(活動制限)の状態の確認、(4)精神障害の程度の総合判定、という順で行われると書いています。厚生労働省のページも、等級は精神疾患の状態と能力障害の状態の両面から総合的に判断されると説明しています。

つまり、診断名だけで等級が決まる仕組みではありません。診断書に書かれた精神疾患(機能障害)の状態と、能力障害(活動制限)の状態の2つを見て、等級が判定されます。

申請の流れと書類:申請先は市町村の窓口を経由して都道府県知事へ

手帳の申請から交付までは、次の段階をたどります。

段階根拠内容
申請法第45条第1項、施行令第5条、施行規則第23条申請書を、居住地を管轄する市町村長を経由して都道府県知事(指定都市は指定都市の長)に提出する
判定実施要領 第2の3医師の診断書による申請は、精神保健福祉センターが交付の可否と等級を判定する
審査・決定法第45条第2項・第3項政令で定める状態にあれば交付する。ないときは理由を付して通知する
交付施行令第6条の2申請を受理した市町村長を経由して交付する

申請書に添える書類(施行規則 第23条第2項)は、次の2つの組み合わせです。

  • 次のどちらか一方

1. 指定医その他精神障害の診断又は治療に従事する医師の診断書(初めて医師の診療を受けた日から起算して六月を経過した日以後における診断書に限る)

2. 精神障害を支給事由とする給付(障害基礎年金、障害厚生年金、特別障害給付金など)を現に受けていることを証する書類の写し

  • 精神障害者の写真

ただし書として、知事は、書類により証明すべき事実を公簿等によって確認できるときは、書類を省略させることができます。申請書には、氏名・住所・生年月日・個人番号・連絡先を記載します(同条第1項)。

実施要領は、診断書を書く医師は原則として精神保健指定医または精神科医だが、てんかんの患者の主治医が内科医である場合のように、精神障害の診断または治療に従事している医師であれば精神科以外の医師も含まれるとしています。申請は本人が行うものとされていますが、家族や医療機関の職員が手続を代行することは差し支えない、と書かれています。年金の給付を受けていることを証する書類の写しで申請した場合は、精神保健福祉センターでの判定を要せず、年金の障害等級が1級なら手帳も1級、2級なら2級、3級なら3級として判定する、と実施要領は書いています。

交付の可否の決定は、申請書を受理した日からおおむね1か月以内に行うことが望ましい、とされています(実施要領)。これは望ましい目安であり、条文上の期限ではありません。マイナンバーの情報連携で年金関係の情報を把握できる場合は、診断書や年金証書の写しの添付を要しないという取扱いも、実施要領に書かれています。窓口の案内や書類の細部は自治体ごとに異なる場合があるため、実際の手続は市町村の担当窓口に確認してください。この記事は制度の仕組みの紹介であり、個別の申請の可否の相談には対応できません。

申請書類の期間要件:診断書は、初めて医師の診療を受けた日から起算して6か月を経過した日以後のものに限る(施行規則第23条第2項第1号)。交付の可否の決定は申請書の受理から概ね1か月以内が望ましい(実施要領)。最終確認日:2026-10-11。出典:e-Gov法令検索 精神保健福祉法施行規則、厚生労働省 精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について(健医発第1132号)。

有効期間2年・更新・等級の変更・返還

有効期間と更新:法第45条第4項は、手帳の交付を受けた者は、厚生労働省令で定めるところにより、二年ごとに、政令で定める精神障害の状態にあることについて都道府県知事の認定を受けなければならないと定めています。実施要領は、手帳に記載する有効期限を、交付日から2年が経過する日の属する月の末日とし(交付日は市町村長が申請書を受理した日)、有効期間の延長を希望する場合は更新の手続が必要だと書いています。更新後の有効期限は、更新前の有効期限の2年後の日です。

更新の申請は、手帳に記載された有効期限の到来する日の3か月前から行うことができます(施行規則 第28条第2項)。実施要領は、有効期限を超過している場合も更新の申請はできるとしています。更新の申請にも、新規と同様に診断書または年金証書の写しなどを添えます(施行規則 第28条第1項は第23条を準用)。

そのほかの手続(施行令 第7条〜第10条の2)は、次のとおりです。

手続内容条文
氏名変更・同一都道府県内の転居30日以内に、手帳を添えて、居住地を管轄する市町村長を経由して知事に届け出る第7条第2項
他の都道府県への転居30日以内に、新居住地を管轄する市町村長を経由して新居住地の知事に届け出る。新居住地の知事が、旧居住地の手帳と引換えに新しい手帳を交付する第7条第4項・第5項
障害等級の変更申請精神障害の状態が記載された等級以外の等級に該当するに至ったときに行える第9条第1項
再交付手帳を破り、汚し、又は失った者の申請により交付する第10条第1項
死亡時の返還戸籍法の届出義務者が、速やかに知事へ返還する第10条の2第1項

返還と譲渡の禁止(法第45条の2):手帳の交付を受けた者は、政令で定める精神障害の状態がなくなったときは、速やかに手帳を都道府県に返還しなければなりません(第1項)。譲渡や貸与は禁止されています(第2項)。知事は、状態がなくなったと認めるときは返還を命ずることができ(第3項)、命じようとするときは、あらかじめ指定する指定医に診察させなければなりません(第4項)。

手帳の期間と手続の期限:有効期間は2年ごとの認定(法第45条第4項)。有効期限は交付日から2年が経過する日の属する月の末日(実施要領)。更新の申請は有効期限の3か月前から(施行規則第28条第2項)。氏名変更・転居の届出は30日以内(施行令第7条)。最終確認日:2026-10-11。出典:e-Gov法令検索 精神保健福祉法、同施行令、同施行規則、厚生労働省 精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について。

手帳で受けられる支援:国の制度と、自治体・事業者ごとの違い

手帳で受けられる支援は、全国共通の国の制度によるものと、自治体や事業者が独自に定めるものに分かれます。厚生労働省の「障害者手帳について」のページは、自治体や事業者が独自に提供するサービスを受けられることもある、と書いています。

国の制度にもとづくものとして、次の2つを条文・公的資料で確認できます。

  • 税の障害者控除:国税庁のタックスアンサー(No.1160)は、精神保健福祉法の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人を、障害者控除の対象となる人の範囲に挙げ、そのうち障害等級が1級と記載されている人は特別障害者になる、と説明しています。
  • 障害者雇用の対象:障害者雇用促進法の「対象障害者」のうち精神障害者は、精神保健福祉法 第45条第2項の規定により手帳の交付を受けているものに限られます(障害者雇用促進法 第37条第2項)。雇用率の制度は、障害者雇用促進法の記事で整理しています。
障害者控除の額:所得税の障害者控除は、障害者が27万円、特別障害者が40万円、同居特別障害者が75万円(令和8年4月1日現在の法令等)。精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人は障害者控除の対象で、障害等級が1級と記載されている人は特別障害者になる。最終確認日:2026-10-11。出典:国税庁 No.1160 障害者控除。

実施要領は、生活保護法の障害者加算の認定について、障害の程度の判定に、従来の障害年金証書の写しや医師の診断書に加えて、一定の条件を満たす場合は手帳も使えると書いています(手帳の障害等級が1級または2級である者に限る)。具体的な認定は生活保護の実施機関が行います。

自治体・事業者ごとに違うもの:実施要領は、身体障害者手帳や療育手帳については公共交通機関の運賃割引、公共施設の利用料割引、公営住宅に係る優遇などの支援策が行われているとして、各地方自治体においても、手帳に基づく各種の援助施策の拡充に努めるよう求めています。厚生労働省は、都道府県・指定都市が把握した「地方公共団体における精神障害者保健福祉手帳等に基づく主なサービス一覧」(令和6年12月末現在)を公表しており、サービスの種類として、公共施設の利用料減免、医療費助成、公営住宅の優先入居、公共交通機関の運賃割引や利用料金に対する助成、駐車料金の減額・パーキングパーミットなどが並んでいます。内容は自治体ごとに違います。

手帳の色・形状・レイアウトなどの仕様も、各自治体が定めており、自治体ごとに様式が異なる、と厚生労働省のページは書いています。割引やサービスの有無・条件は、お住まいの自治体や、利用する事業者の案内で確認してください。この記事では、特定の自治体・事業者の割引の内容は扱いません。

自立支援医療(精神通院医療)との違い

手帳と自立支援医療は、名前が似ていますが、別の制度です。

項目精神障害者保健福祉手帳自立支援医療(精神通院医療)
根拠精神保健福祉法 第45条障害者総合支援法 第5条第25項・第52条〜
何をするか一定の精神障害の状態にあることを認定して手帳を交付する通院による精神医療の自己負担を軽減する(医療費の支給)
有効期間2年(法第45条第4項)1年以内(施行規則 第43条)
申請市町村の窓口を経由して都道府県知事(指定都市は指定都市の長)へ居住地の市町村を経由して行う(施行規則 第35条第3項)。精神通院医療の支給認定は都道府県が行う
診断書初診から6か月を経過した日以後のもの、または年金証書の写し医師の診断書(省略できる場合がある)

自立支援医療の定義、支給認定、有効期間、自己負担の上限の条文は、自立支援医療(精神通院医療)の記事にまとめています。この記事で足りない点は、そちらを参照してください。

手帳と自立支援医療は、それぞれ別の申請です。精神通院医療の対象は、障害者総合支援法施行令 第1条の2第3号と同法施行規則 第6条の19が、通院による治療を継続的に必要とする程度の状態の精神障害(てんかんを含む)のある者と定めており、手帳の所持は要件に入っていません。支給認定の申請書の記載事項(同施行規則 第35条第1項第6号)も、手帳を所持している場合にその番号を書く、という定め方です。厚生労働省の精神通院医療のページにも、手帳の所持を条件とする記載はありません(2026-10-11 時点)。厚生労働省のリーフレット(自立支援医療(精神通院医療)について)は、診断書の欄に、精神障害者保健福祉手帳と同時に申請する場合は診断書が省略できる場合がある、と書いています。診断書を省略できるかどうかは、市町村・精神保健福祉センター等に確認するよう案内されています。

障害者総合支援法の全体像は、障害者総合支援法の記事(介護福祉士)で説明されています。地域で暮らすための地域相談支援は、地域移行支援・地域定着支援の記事にあります。

精神保健福祉制度論の学習での位置づけ

試験センターが公表している科目別出題基準(第28回版)では、精神保健福祉制度論の「精神障害者に関する制度・施策の理解」に、「精神障害者に関する法律の体系」として、障害者基本法、障害者総合支援法、精神保健福祉法が挙がっています。同じ科目の「精神障害者の生活支援に関する制度」には、相談支援制度、居住支援制度、就労支援制度が、精神保健福祉士の役割とともに載っています。

精神保健福祉制度論の項目(同出題基準の p.100・p.101)に「手帳」の語は載っていません(2026-10-11 時点)。一方で、出題基準は、「出題基準は、あくまでも標準的な出題範囲の例示であって、出題範囲を厳密に限定するものではなく、また、作問方法や表現等を拘束するものではない。」と書いています。

当サイトに載せている第26〜28回の専門科目176問のうち、問題文・事例文・選択肢に「精神障害者保健福祉手帳」を含む問は10問です(第26回6問・第27回2問・第28回2問、2026-10-11 時点)。第26回の3問は同じ事例文を共有しています。該当する問の科目は、精神保健福祉制度論(旧カリキュラムでは精神保健福祉に関する制度とサービス)のほか、精神保健福祉の理論と相談援助の展開、ソーシャルワークの理論と方法(専門)、精神保健の課題と支援(新カリキュラムでは現代の精神保健の課題と支援)にわたります。

条文から確認できる制度の骨格は、次の5点です。

1. 根拠と交付者:法第45条。申請は居住地の都道府県知事へ。窓口は市町村(施行令第5条)

2. 等級:1級・2級・3級(施行令第6条第3項)。精神疾患の状態と能力障害の状態の両面から判定

3. 有効期間:2年ごとの認定(法第45条第4項)。更新申請は有効期限の3か月前から(施行規則第28条第2項)

4. 申請書類:診断書(初診から6か月を経過した日以後)か年金証書の写しの、どちらか一方と写真(施行規則第23条第2項)

5. 返還:状態がなくなったときは速やかに返還(法第45条の2第1項)。譲渡・貸与は禁止(同条第2項)

専門科目の問題を解くときに確認すること

1. 根拠法は何か:手帳は精神保健福祉法 第45条です。自立支援医療は障害者総合支援法です。

2. 認定する人は誰か:手帳の交付は都道府県知事(指定都市は指定都市の長)です。窓口は市町村で、申請書は市町村長を経由します。

3. 数字:等級は1〜3級。有効期間は2年。更新申請は期限の3か月前から。診断書は初診から6か月を経過した日以後です。

4. 等級の決め方:精神疾患の状態と能力障害の状態の両面から判定します。年金証書の写しで申請した場合は、年金の等級に合わせて判定されます。

5. 国と自治体の区別:税の障害者控除や障害者雇用の対象は国の制度です。割引や助成は自治体・事業者ごとに違います。

回別の問題一覧は、第26回、第27回、第28回からたどれます。出題範囲は出題範囲の一覧で確認できます。

まとめ

  • 精神障害者保健福祉手帳は、精神保健福祉法 第45条にもとづき、一定の精神障害の状態にあることを都道府県知事が認定して交付する手帳。障害等級は1級・2級・3級(施行令 第6条第3項)
  • 申請は居住地の市町村の窓口を経由して都道府県知事(指定都市は指定都市の長)へ。診断書は初診から6か月を経過した日以後のもの、または年金証書の写しの、どちらか一方と写真を添える(施行規則 第23条第2項)
  • 有効期間は2年。2年ごとに認定を受け、更新の申請は有効期限の3か月前から行える(法第45条第4項、施行規則 第28条第2項)
  • 手帳の支援は、税の障害者控除や障害者雇用の対象など国の制度によるものと、自治体・事業者ごとのものに分かれる。後者は内容が自治体ごとに違う
  • 自立支援医療(精神通院医療)は別の制度で、有効期間は1年以内。手帳との同時申請で診断書を省略できる場合がある(厚生労働省リーフレット)
  • 次の一歩は、障害者雇用促進法の記事で手帳と雇用の関係を整理することと、専門科目の問題を解いてみることです
本サイトは社会福祉振興・試験センター・厚生労働省・国税庁とは関係のない民間のサイトです。条文の引用・要約は e-Gov 法令検索の現行条文(2026年10月11日確認)と、厚生労働省・国税庁・試験センターの公表資料にもとづきます。制度の説明であり、個別の申請や手続についての相談には対応できません。お住まいの市町村の担当窓口にご確認ください。

よくある質問

Q精神障害者保健福祉手帳の有効期間は何年ですか。

2年です。法第45条第4項が、手帳の交付を受けた者は2年ごとに、政令で定める精神障害の状態にあることについて都道府県知事の認定を受けなければならないと定めています。厚生労働省の実施要領は、手帳に記載する有効期限を「交付日から2年が経過する日の属する月の末日」としています。有効期間の後も続けて持つ場合は、更新の手続をします。

Q精神障害者保健福祉手帳の申請には、どんな書類が必要ですか。

申請書に、医師の診断書か、精神障害を支給事由とする年金の給付を現に受けていることを証する書類の写しの、どちらか一方と、本人の写真を添えます(施行規則 第23条第2項)。診断書は、初めて医師の診療を受けた日から起算して6か月を経過した日以後のものに限られます。申請は居住地の市町村の窓口を経由して、都道府県知事(指定都市は指定都市の長)に対して行います。窓口や提出書類の細部は自治体ごとに案内があるため、実際の手続は市町村の担当窓口で確認します。

Q障害年金を受けていなくても、精神障害者保健福祉手帳は取れますか。

取れます。申請に添える書類は、医師の診断書か、精神障害を支給事由とする年金給付を受けていることを証する書類の写しの、どちらか一方で足ります(施行規則 第23条第2項)。厚生労働省の実施要領も、年金給付を受けている者であっても、医師の診断書による申請によって手帳の交付を受けることができるとしています。年金の障害等級と手帳の障害等級は別の制度で決まりますが、年金証書の写しで申請した場合は、年金の等級がそのまま手帳の等級として判定されると実施要領に書かれています。

Q精神障害者保健福祉手帳の等級は、だれがどう決めるのですか。

交付の可否と等級は、申請に基づいて都道府県知事(指定都市は指定都市の長)が決めます(法第45条第2項、施行令第6条)。厚生労働省の実施要領は、医師の診断書による申請については、都道府県などに置かれた精神保健福祉センターに判定を行わせるとしています。厚生労働省の判定基準の通知は、精神疾患(機能障害)の状態と能力障害(活動制限)の状態を確認したうえで、総合判定により等級を判定するとしています。

Q精神障害者保健福祉手帳は、自立支援医療(精神通院医療)を使うために必要ですか。

手帳は条件になっていません。精神通院医療の対象は、障害者総合支援法施行令 第1条の2第3号と同法施行規則 第6条の19が、精神保健福祉法 第5条第1項の精神障害者のうち「通院による治療を継続的に必要とする程度の状態の精神障害(てんかんを含む。)」のある者と定めており、手帳の所持は要件に入っていません。申請書の記載事項(同施行規則 第35条第1項第6号)も、手帳を所持している場合にその番号を書くという定め方です。2つは別の制度で、根拠法も申請の窓口も違います。ただし、厚生労働省のリーフレットには、手帳と同時に申請する場合は自立支援医療の診断書を省略できることがある、と書かれています。

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