精神保健福祉士

精神保健福祉士 第27回 問題47|精神保健福祉制度論

問題

精神保健福祉士 | 第27回(令和6年度) | 令和7年2月1日(土)・2日(日)実施・精神保健福祉制度論

次の事例を読んで,問題46 から問題48 までについて答えなさい。

〔事 例〕

Aさん(40 歳,男性)はB県C市に在住し,5 年前に父親の会社を継ぎ,Aさんを含む社員5 名で製造業を営んでいた。Aさんは独身できょうだいはおらず,両親は既に亡くなっていて交流のある親戚もいない。 Aさんは真面目な性格で朝から晩まで仕事をするも,不況のあおりを受けて近年は赤字続きで,自分のせいで会社が潰れてしまうと悩んでいた。最近では食事量が減って,見るからにやつれたAさんの状況を見て社員はとても心配していた。さらに「死んでしまいたい」という発言も多くみられるようになり,社員は精神科受診を勧めた。 Aさんは当初受診を拒否していたが,社員らに連れられて渋々D精神科病院を受診した。精神保健指定医である医師は入院治療の必要性を認めたが,Aさんは頑なに入院を拒否した。身寄りもないことからC市長同意による入院の手続が行われた。(問題46)「精神保健福祉法」に基づきD精神科病院の管理者から選任されたE精神保健福祉士はAさんに自己紹介をして,今後のことなどについて丁寧な説明を行った。(問題47)その後もE精神保健福祉士はAさんとの面談を定期的に行うなど支援を継続した。 Aさんの経過は良好で3 か月後には症状は安定していた。主治医からも退院可能であると判断がなされたため,E精神保健福祉士はAさんの退院支援委員会開催の準備を行った。落ち着いてきたAさんは「会社の経営が厳しいので,医療費の負担を少しでも軽くしたい」と面談の中で話した。そこでE精神保健福祉士は,Aさんの退院後の精神科の通院医療費の負担軽減のために,「障害者総合支援法」に規定されているサービス利用を提案したところ,Aさんも是非利用したいと述べた。(問題48)(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

次のうち,E精神保健福祉士が担っている役割として,正しいものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題47(精神保健福祉制度論)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 4
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  • 4
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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 4

E精神保健福祉士は、「精神保健福祉法」に基づいてD精神科病院の管理者から選ばれ、医療保護入院となったAさんの支援を担っています。これは「退院後生活環境相談員」です。

精神保健福祉法では、医療保護入院者や措置入院者を入院させている病院の管理者は、精神保健福祉士などの中から退院後生活環境相談員を選び、本人や家族等の相談に応じ、退院後の生活環境について援助を行わせなければならないとされています。退院支援委員会の準備も、この相談員の大切な役割です。

ほかの選択肢は、精神保健福祉センターや保健所などに置かれる職員、別の制度の相談員、障害福祉サービス事業所などの職員を指し、病院の管理者が精神保健福祉法に基づいて選任するものではありません。

なぜ正解か

正解は 4。精神保健福祉法第29条の6は、措置入院者を入院させている病院の管理者に、精神保健福祉士その他省令で定める資格を有する者のうちから退院後生活環境相談員を選任し、措置入院者の退院後の生活環境に関し、本人及びその家族等からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行わせることを義務づけている。第33条の4がこれを医療保護入院者について準用している。Aさんは医療保護入院であり、E精神保健福祉士は病院管理者から選任されて定期面談や退院支援委員会の準備を担っているので、退院後生活環境相談員である。

ほかの選択肢

  • 1:精神保健福祉相談員は、都道府県及び市町村が精神保健福祉センターや保健所などに置くことができる職員で、知事又は市町村長が任命する(第48条)。病院の管理者が選任するものではない。
  • 2:退院支援相談員は、精神保健福祉法に定められた職ではない。
  • 3:相談支援員は、生活困窮者自立支援制度の自立相談支援事業などで使われる職名で、精神保健福祉法の選任によるものではない。
  • 5:生活支援員は、障害福祉サービス事業所などに置かれる職員の名称である。

正解の根拠

正解は 4。退院後生活環境相談員は、非自発的入院の長期化を防ぎ、地域生活への移行を進めるために精神保健福祉法に置かれた職である。

  • 第29条の6:措置入院者を入院させている精神科病院又は指定病院の管理者は、精神保健福祉士その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、退院後生活環境相談員を選任し、措置入院者の退院後の生活環境に関し、措置入院者及びその家族等からの相談に応じさせ、これらの者に対する必要な情報の提供、助言その他の援助を行わせなければならない。
  • 第33条の4:第29条の6(及び地域援助事業者の紹介を定める第29条の7)を、医療保護入院者を入院させている病院の管理者に準用する。

かつては医療保護入院者についてのみ定められていたが、2024年4月施行の改正で措置入院者にも選任が義務づけられ、第29条の6に置かれて医療保護入院者に準用する形になった。

事例のE精神保健福祉士の動き(入院直後の自己紹介と今後の説明、定期的な面談、主治医の退院可能の判断を受けた退院支援委員会の準備、退院後の通院医療費の相談への対応)は、いずれも退院後生活環境相談員の典型的な業務である。退院支援委員会(医療保護入院者退院支援委員会)は、第33条第6項第2号に規定され、施行規則第15条の11により、入院期間が経過する前に入院継続の必要性を審議し、継続が必要な場合は更新後の入院期間と退院に向けた取組の方針を定める会議である。

誤りの肢の掘り下げ

  • 1 精神保健福祉相談員:第48条に基づき、都道府県及び市町村が精神保健福祉センター・保健所等に置くことができる職員で、精神保健福祉士その他政令で定める資格を有する者から知事又は市町村長が任命する。地域での相談・訪問を担う行政の職員であり、病院内の選任職ではない。
  • 2 退院支援相談員:名称が似ているため最も紛らわしい。精神保健福祉法に定める職ではなく、法律上の名称は「退院後生活環境相談員」である。
  • 3 相談支援員:生活困窮者自立支援制度などで使われる職名。障害者総合支援法の相談支援専門員とも別のものである。
  • 5 生活支援員:障害福祉サービス事業所や障害者支援施設などで日常生活上の支援を行う職員の名称。

関連論点

  • 第29条の7(第33条の4で準用)は、病院の管理者が、本人や家族等から求めがあった場合などに、地域援助事業者(一般相談支援事業者・特定相談支援事業者・居宅介護支援事業者など)を「紹介しなければならない」と定める義務規定である。2024年3月までは、医療保護入院者について旧第33条の5が「紹介するよう努めなければならない」という努力義務として定めていた。退院後生活環境相談員はこの連携の窓口にもなる。
  • 精神保健福祉士法第41条第1項の連携義務とも結び付けて押さえておきたい。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題47(精神保健福祉制度論)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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