登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問142|カルシウム・アミノ酸・生薬の滋養強壮配合目的の横断整理

問題

登録販売者 | 第3章 主な医薬品とその作用 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

滋養強壮保健薬に配合されるカルシウム・アミノ酸・生薬成分の配合目的に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答(誤っているもの)はエです。

カルシウムの腸管吸収を助けるのはビタミンDです。ナトリウムではありません(エが誤り)。

滋養強壮薬のよく出る配合目的をまとめます。

成分主な配合目的
グルクロノラクトン肝臓の働きを助け、肝血流を促進
システインメラニン生成抑制・メラニン排出促進・アセトアルデヒドの代謝促進
ヘスペリジンビタミンCの吸収を助ける
アスパラギン酸ナトリウムエネルギー産生効率を高める・乳酸の分解を促す
カルシウム骨・歯の形成、筋肉の収縮・血液凝固・神経機能(腸管吸収を促すのはビタミンD)
ニンジン(人参)ストレス刺激に対する抵抗力や新陳代謝を高める

滋養強壮保健薬の主要配合成分と目的の整理:

成分カテゴリ代表成分配合目的
アミノ酸成分等システインメラニンの生成を抑える・新陳代謝を活発にしてメラニンの排出を促す・アセトアルデヒドの代謝を促す
アミノ酸成分等アミノエチルスルホン酸(タウリン)肝臓機能を改善する働きがあるとされる
アミノ酸成分等アスパラギン酸ナトリウムエネルギーの産生効率を高める・骨格筋に溜まった乳酸の分解を促す
その他の成分グルクロノラクトン肝臓の働きを助け、肝血流を促進する。全身倦怠感や疲労時の栄養補給
その他の成分ヘスペリジンビタミン様物質。ビタミンCの吸収を助ける等
カルシウム成分カルシウム(乳酸カルシウム等)骨や歯の形成。筋肉の収縮・血液凝固・神経機能にも関与
生薬成分ニンジンストレス刺激に対する抵抗力や新陳代謝を高めるとされる
生薬成分ゴオウ(牛黄)強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等

各選択肢の解説:

  • ア(正しい): 手引きは、グルクロノラクトンについて「肝臓の働きを助け、肝血流を促進する働きがあり、全身倦怠感や疲労時の栄養補給を目的として配合されている場合がある」としています。
  • イ(正しい): 手引きは、システインについて「皮膚におけるメラニンの生成を抑えるとともに、皮膚の新陳代謝を活発にしてメラニンの排出を促す働き、また、肝臓においてアルコールを分解する酵素の働きを助け、アセトアルデヒドの代謝を促す働きがあるとされる」としています。システイン主薬製剤は、しみ・そばかす・日焼けなどの色素沈着症、全身倦怠、二日酔い、にきび等の症状の緩和に用いられます。
  • ウ(正しい): 手引きは、ヘスペリジンを「ビタミン様物質のひとつで、ビタミンCの吸収を助ける等の作用があるとされ、滋養強壮保健薬のほか、かぜ薬等にも配合されている場合がある」としています。
  • エ(誤り): カルシウムの腸管吸収を促すのはビタミンDです。手引きは、ビタミンDを「腸管でのカルシウム吸収及び尿細管でのカルシウム再吸収を促して、骨の形成を助ける栄養素」としています。ナトリウムの補給が必須という記述は手引きになく、誤りです。前半の「骨や歯の形成」「筋肉・神経の機能」は手引きの記載どおりです。
  • オ(正しい): 手引きは、アスパラギン酸ナトリウムについて「アスパラギン酸が生体におけるエネルギーの産生効率を高めるとされ、骨格筋に溜まった乳酸の分解を促す等の働きを期待して用いられる」としています。

【滋養強壮保健薬配合成分の薬理機序詳細と実務応用】

グルクロノラクトン:

手引きでは「その他の成分」として、「肝臓の働きを助け、肝血流を促進する働きがあり、全身倦怠感や疲労時の栄養補給を目的として配合されている場合がある」と記載されています。肝臓の働きに関わる成分としては、ほかにアミノエチルスルホン酸(タウリン、肝臓機能を改善する働きがあるとされる)があり、セットで問われやすい組合せです。

システイン(L-システイン)の役割:

システインは髪や爪、肌などに存在する含硫アミノ酸(-SH基を持つ)で、手引きには次の働きが挙げられています。

1. メラニン対策: 皮膚におけるメラニンの生成を抑えるとともに、皮膚の新陳代謝を活発にしてメラニンの排出を促す

2. アセトアルデヒドの代謝促進: 肝臓においてアルコールを分解する酵素の働きを助け、アセトアルデヒドの代謝を促す

3. 用途: システイン又はシステイン塩酸塩が主薬の製剤は、しみ・そばかす・日焼けなどの色素沈着症、全身倦怠、二日酔い、にきび、湿疹、蕁麻疹、かぶれ等の症状の緩和に用いられる

「二日酔い」が用途に入るのは、2のアセトアルデヒドの代謝を促す働きによるものです。「美白」だけで覚えていると、ここで失点します。

ヘスペリジン:

手引きでは「ビタミン様物質のひとつで、ビタミンCの吸収を助ける等の作用があるとされ、滋養強壮保健薬のほか、かぜ薬等にも配合されている場合がある」と記載されています。滋養強壮保健薬だけでなく、かぜ薬にも配合されうる点が出題ポイントです。

カルシウム吸収の調節機構(エの正誤の根拠):

カルシウムの腸管吸収には2つの経路があります:

1. 能動輸送(ビタミンD依存性): 小腸上部(十二指腸・空腸上部)での能動的Ca²⁺輸送。ビタミンD活性型(1,25-ジヒドロキシビタミンD₃=カルシトリオール)が核内受容体(VDR)に結合し、カルシウム結合タンパク(カルビンジン-D9k)の遺伝子発現を誘導。低カルシウム食の際はこの経路が主体になる。

2. 受動輸送(ビタミンD非依存性): 小腸全体にわたる濃度勾配による単純拡散。高カルシウム摂取時は相対的に重要になる。

ナトリウムはNa⁺-Ca²⁺交換輸送体(NCX)を介して細胞内カルシウムを排出する際に関与しますが、腸管からのカルシウム吸収を直接促進するのはビタミンDです。エの記述「ナトリウムの補給が必須」は誤りです。

アスパラギン酸ナトリウム:

手引きでは「アスパラギン酸が生体におけるエネルギーの産生効率を高めるとされ、骨格筋に溜まった乳酸の分解を促す等の働きを期待して用いられる」と記載されています。「エネルギー産生効率」と「乳酸の分解」の2語がキーワードです。

登録販売者として覚えるべき実務ポイント(手引きの記載から):

確認場面確認事項対応
カルシウム含有製品胃腸薬等、カルシウムの補給を目的としない医薬品にもカルシウムを含む成分が配合されている併用によりカルシウムの過剰摂取(過剰症は高カルシウム血症)を生じないよう留意する
ビタミンD含有製品ビタミンDの過剰症高カルシウム血症、異常石灰化が知られている。カルシウム製品との重複に注意
ビタミンA含有製品妊娠3ヶ月以内の妊婦、妊娠していると思われる女性及び妊娠を希望する女性医薬品以外からのビタミンAの摂取を含め、過剰摂取に留意する
この問題の根拠根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章ⅩⅢ-2)「ビタミン、カルシウム、アミノ酸等の働き、主な副作用」
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章ⅩⅢ-2)「ビタミン、カルシウム、アミノ酸等の働き、主な副作用」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。