登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問144|カンゾウ・マオウ・ダイオウを含まない処方の識別と含有処方の購入者への説明

問題

登録販売者 | 第3章 主な医薬品とその作用 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

カンゾウ(甘草)・マオウ(麻黄)・ダイオウ(大黄)の含有・非含有と、購入者への説明に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイ(正しいもの)です。

芍薬甘草湯はカンゾウを含む処方です。同じくカンゾウを含む他の漢方薬と併用した場合はグリチルリチン酸が重複摂取となり、偽アルドステロン症(むくみ・血圧上昇・低カリウム血症)のリスクが高まります。複数の漢方薬を使用する購入者への確認は重要な販売時対応です。

各選択肢の正誤:

  • ア(誤): 麦門冬湯はマオウを含まない処方です(主な構成生薬はバクモンドウ・ハンゲ・ニンジン・コウベイ・タイソウ・カンゾウ)。
  • イ(正): 芍薬甘草湯はカンゾウ含有処方であり、重複摂取の確認が必要です。
  • ウ(誤): 五苓散はダイオウを含まない処方です(主な構成生薬はタクシャ・ソウジュツ・チョレイ・ブクリョウ・ケイシ)。
  • エ(誤): 葛根湯はマオウを含む処方です。
  • オ(誤): 麻子仁丸はダイオウを含む処方です。

主要漢方処方のカンゾウ・マオウ・ダイオウ含有一覧(試験頻出):

処方名カンゾウマオウダイオウ代表的な用途
葛根湯ありありなしかぜ初期・肩こり
麻黄湯ありありなしかぜ初期・悪寒が強い
小青竜湯ありありなしアレルギー性鼻炎・気管支喘息
麻杏甘石湯(五虎湯)ありありなし喘鳴・せき
芍薬甘草湯ありなしなしこむらがえり・筋肉痙攣
麦門冬湯ありなしなし咽頭乾燥・しわがれ声・痰の出にくい咳
半夏厚朴湯なしなしなし咽頭の異物感・不安感
五苓散なしなしなしむくみ・口渇・下痢
大黄甘草湯ありなしあり便秘
麻子仁丸なしなしあり体力中程度の便秘
三黄瀉心湯なしなしありのぼせ・高血圧傾向の便秘
大柴胡湯なしなしあり体力充実の便秘・高血圧

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 麦門冬湯はバクモンドウ・ハンゲ・ニンジン・コウベイ(粳米)・タイソウ・カンゾウが主構成です。マオウは含まれません。したがって「マオウを含む処方であるため心臓病・高血圧への相談が必要」という記述は誤りです(カンゾウは含まれるため別の観点の注意はあります)。
  • イ(正): 芍薬甘草湯はシャクヤクとカンゾウの2生薬のみからなる処方です。カンゾウを含むため、他のカンゾウ含有漢方薬と同時に服用した場合、グリチルリチン酸の重複摂取となり偽アルドステロン症のリスクが高まります。複数の漢方薬を購入する者へのカンゾウ重複確認は登録販売者の重要な業務です。
  • ウ(誤): 五苓散はタクシャ・ソウジュツまたはビャクジュツ・チョレイ・ブクリョウ・ケイシの5生薬からなる利水剤です。ダイオウは含まれません。
  • エ(誤): 葛根湯はカッコン・マオウ・タイソウ・カンゾウ・ケイシ・シャクヤク・ショウキョウを含み、マオウが配合されています。心臓病・高血圧・糖尿病・甲状腺機能亢進症の診断を受けた人は使用前に医師等に相談する必要があります。
  • オ(誤): 麻子仁丸はマシニン(麻子仁)・キョウニン(杏仁)・ダイオウ・キジツ・コウボク・シャクヤクの6生薬からなり、ダイオウが配合されています。妊婦への使用は注意が必要です。

【漢方処方の生薬含有識別と購入者対応・カンゾウ重複確認の実務詳細】

カンゾウ(甘草)含有処方の確認が重要な理由:

カンゾウは日本の一般用漢方処方の中で最も多くの処方に配合されている生薬で、「漢方薬の使い過ぎを防ぐ」という意味でも重複確認が欠かせません。

偽アルドステロン症の発症機序(薬理学的背景。手引きには記載なし):

  • グリチルリチン酸が腸内細菌によりグリチルレチン酸に変換
  • グリチルレチン酸が腎の11β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素(11β-HSD2)を阻害
  • コルチゾールがミネラルコルチコイド受容体に結合→アルドステロン様の作用(Na保持・K排泄)
  • むくみ・血圧上昇・低カリウム血症・筋力低下・倦怠感

手引きの用量基準:

  • 1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上の製品は、むくみ・心臓病・腎臓病・高血圧のある人・高齢者では偽アルドステロン症リスクが高いため、使用前に医師等に相談が必要
  • 医薬品としてはグリチルリチン酸として1日摂取量200mgを超えないよう用量が定められている

麻子仁丸のダイオウ含有と妊婦への対応:

麻子仁丸の構成生薬:マシニン(麻子仁=麻の成熟種子)・キョウニン(杏仁)・ダイオウ(大黄)・キジツ(枳実)・コウボク(厚朴)・シャクヤク(芍薬)の6生薬

ダイオウを含む処方が妊婦に注意される理由(手引き):

  • 刺激性瀉下成分が配合された瀉下薬は一般に、腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれがある
  • ダイオウを含有する医薬品は、妊婦又は妊娠していると思われる女性、授乳婦における使用に関して留意される必要がある(使用上の注意では、瀉下薬は妊婦又は妊娠していると思われる人の「相談すること」の対象。授乳中は使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける)

選択肢オの記述「ダイオウを含まないため妊婦に安心」は二重の誤り:

1. 麻子仁丸はダイオウを含む(事実の誤り)

2. もしダイオウを含まない処方であっても「安心して販売できる」とは言い切れない(他の生薬の注意も必要)

処方名から含有生薬を識別するための記憶法(登録販売者向け):

マオウを含む処方は「麻」が処方名に含まれることが多い:

  • 麻黄湯(まおうとう):マオウの名前そのまま
  • 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう):麻→マオウ
  • 葛根湯・小青竜湯:処方名に「麻」は付かないがマオウを含む(名前に頼れない例外として個別に暗記する。かぜ初期・鼻炎・喘鳴に使う処方はマオウ配合が多い)

ダイオウを含む処方は「大」「通」「承」「三黄」系:

  • 大黄甘草湯:大黄の名前そのまま
  • 大柴胡湯:大→ダイオウ含有(柴胡+大黄の処方)
  • 三黄瀉心湯:オウゴン・オウレン・ダイオウの「3つの黄色成分」
  • 通導散:通(疏通)→ダイオウで腸管を通す
  • 麻子仁丸:丸(がん)形の処方・便秘用→ダイオウ含有

芍薬甘草湯の販売時の確認例(実務フロー):

購入者が「こむらがえりに芍薬甘草湯を使いたい」と来た場合:

1. 「他に漢方薬や医薬品を使用していますか?」と確認

2. 他にカンゾウを含む漢方薬(葛根湯・小青竜湯等)を使用している場合→「グリチルリチン酸の重複になる可能性があります。医師・薬剤師に相談することを勧めます」

3. 芍薬甘草湯の頓服用法(こむらがえりが起きたときだけ飲む)を説明し、「連日使用は避けてください」と伝える(芍薬甘草湯はカンゾウ量が多く偽アルドステロン症リスクあり)

4. 高血圧・心臓病・腎臓病・高齢者→偽アルドステロン症リスク高→医師等への相談を強く勧める

「マオウを含まない」処方を問われる場合のポイント:

以下は頻出でマオウを含まない処方:

  • 麦門冬湯(ばくもんどうとう):バクモンドウ・ハンゲ・コウベイ・ニンジン・タイソウ・カンゾウ
  • 柴胡桂枝湯:サイコ・ケイシ・シャクヤク・ハンゲ・カンゾウ・ニンジン・タイソウ・ショウキョウ・オウゴン
  • 防風通聖散:マオウを含む(注意)
  • 小柴胡湯:マオウ含まない

登録販売者が「マオウを含む→心臓病・高血圧に要相談」という判断を迅速にできるよう、代表処方の含有成分の把握は試験対策と実務の両面で重要です。

【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章ⅩⅣ-1「漢方処方製剤」(各処方の構成・注意事項)

この問題の根拠根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章ⅩⅣ-1「漢方処方製剤」、Ⅱ-1-2)(カンゾウ)、Ⅲ-2-2)(ダイオウ)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章ⅩⅣ-1「漢方処方製剤」、Ⅱ-1-2)(カンゾウ)、Ⅲ-2-2)(ダイオウ) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • カンゾウ・マオウ・ダイオウを含まない処方の識別と含有処方の購入者への説明
  • 頻出度A

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